2017年03月22日 作成 / 執筆:【ニュース担当】eastwest665講師 / 閲覧数: 3,393
技術士の倫理網領について前回からの続きです。
技術士は、将来にわたる環境負担を極力少なくした開発を行う努力をするよう心掛ける必要があります。
条文:技術士は、地球環境の保全等、将来世代にわたる社会の持続可能性の確保に努める。
工業的な開発を行う場合、様々な資源を必要とします。
例として、プラスチックを使用する場合は石油系資源を必要とします。技術士の開発した製品が広く普及すれば、それだけ製品を生産するための資源を必要とします。
しかし、石油などの自然資源は限りある資源です。
それらの開発に関して、使い捨てなど資源を枯渇させるような生産サイクルでは将来にわたる社会の発展は難しくなります。
技術士は、技術開発によってこうした資源の有効利用などを通して、持続可能な社会を目指すよう心掛けることが義務付けられています。
しかし、これはどうすれば環境負荷がかかるのかなど検証に長い年月がかかる場合があります。
二酸化炭素排出量などは目に見えるものではなく、指標も気候変動などの世界規模での検証が必要なものが多く、非常にわかりづらい場合が多いというのが現状です。
こうしたことから、条文も「社会の持続可能性の確保に努める」という表現にとどめております。
現時点で最も環境負荷の少ない生産方法やリサイクルシステムの確立を行い、将来的な負担を減らすよう努力する必要があります。
将来を予想するということは現時点で考えうる可能なものを積極的に取り入れるということになります。
技術士として将来を考え抜いた仕事が、将来の人たちから感謝されることになるかもしれません。