「技術士合格は、キャリアビジョンが後押し」

2026年08月29日 作成 / 執筆:アニ-講師

「技術士合格は、キャリアビジョンが後押し」

  技術士を目指す若手技術者方々へ申し上げたい。是非、合格を達成してほしいです。では、普段からどのような仕事をしていれば、技術士への道を切り開くことできるのでしょうか?そんな疑問がわいてきますね。 今回は私がこれまで指導してきた部下や知人等への指導経験を踏まえ、技術士になるための仕事術、キャリアビジョンについて、ご紹介したいと思います。

 1. 資格試験受験のきっかけ

 大学卒業後、5年目だったでしょうか。一学年上の建築学科の先輩と会話の中で、資格試験の話題となりました。その時、先輩からこう言われました。「日常を漫然と過ごしていてはだめ。勉強しないと!」その先輩は当時、1級建築士を目指しており、言葉に強い力を感じました。 「せっかく会社で仕事として、自分にとって必要な勉強をさせてもらう環境にあるのだからこれに感謝、努力しなければいけない!」みたいなことを言われたような記憶があります。仕事のジャンルは違いましたが、「きらりと輝かく眼差し」を感じ、これまでにない刺激を受けた瞬間であったと思います。 その先輩は現在、多くの社員を雇用する建築設計事務所の経営者として、ご活躍されています。今思うと、私にとって技術士への入り口を切り開いてくれた方、かもしれません。

 2.仕事で基本を身につける

 言うまでも在りませんが、どんな分野の仕事でも、日常業務の行動が基本です。皆さんの仕事のプロセスで、以下が実施されているかセルフチェックをして見て下さい。

 ・報告、連絡、相談(報連相)

・PDCAサイクルの実践とスパイラルアップ

・タイムマネジメントと柔軟な対応と是正

・社内外の文書の作成、記録、管理

3.技術力を向上する

 仕事の進め方 基本行動のほか、技術力の向上には新しい技術を習得、研鑽、その能力を高める継続を常に意識し、以下のプロセスにより、仕事を進めて下さい。

 ・問題発見、課題設定 (:問題意識を抱く)

・原因分析と改善 (:改善活動を継続)

・リスクマネジメント(:リスク対策と最善化対策の決定と管理)

・品質及びコスト管理と期限厳守(:組織能力の最適化コントロ-ル)

4.コミュニケーション力を磨く  

 業務上では様々な分野の人々との接触、説明、交渉、調整等を余儀なくされます。この場面こそが、コミュニケ-ション力の訓練の場です。絶好の実践機会として、以下のスキルアップを心かけて下さい。

 ・上司・先輩への日常報告

 ・顧客との信頼関係の構築

 ・会議や研修会等でのプレゼンテーション能力研鑽

 ・チームワークの構築と組織風土の醸造、リーダーシップの発揮

 5.技術士にふさわしい実務経歴

 技術士にふさわしい実務経験は、以下により計画的に積み上げていきましょう。

 ・日常業務での「1+α」、常に現状よりプラスα志向を目指す。

 ・業務の特徴を認識し、業務記録として残す。

 ・コンピテンシーを意識、業務を遂行する。

 ・論文作成等に役立つ素材を探し、情報収集、関心事は探求、メモする。

  6.技術者倫理と社会的責任  

 一人の技術者として、社会にどう貢献できるかを意識、自分は何を果たせるかを考える。日常業務のなかで、個人や自組織視点ではなく、「我が国視点」をイメ-ジ、広い技術視点を抱くよう意識して下さい。

  7.キャリアビジョンを描く

  1)継続的な専門能力の向上

 現在の技術革新のスピードは速く、一度身につけた知識でも、あっと言い間に陳腐化してしまう恐れがあります。専門分野の最新技術を継続的に学ぶ一方で、関連分野の知識を広げ、複雑かつ新しい課題にも対応できる技術者意識を持って下さい。 このためCPDを計画的に、専門技術分野の学会や講習会への参加、資格取得や交流機会などを通じて、さらなる自己研鑽と人的ネットワ-クを拡大しましょう。

  2)課題解決力の向上

 技術士には、社会課題や経営課題を踏まえた最適な解決策を提案する能力が求められます。日常業務において「なぜ」という視点を持ち、原因分析や改善活動を積み重ね、自分や組織の力を借りて、課題を解決する能力を養いましょう。

 3)コミュニケーション能力とマネジメント能力の強化

 皆さんは将来必ず、組織のプロジェクトリーダーや管理職として、多様な関係者をまとめる立場となります。そのため、説明力、調整力、交渉力に加え、プロジェクトやリスクに関するマネジメントの能力を意識的に強化する必要があります。ここで重要なことは、そのために実践能力を鍛え、備えておくことが重要です。

 4)技術者倫理と規範行動

 技術者の判断は、安全、環境、地域社会などに大きな影響を及ぼします。法令遵守だけでなく倫理観に基づき、SDGsやカーボンニュートラルなどに対する率先した社会的規範行動が求められます。

  5)変化に対する適応力を身に付ける

  AI、DXなどの急進する技術革新に対応するためには、新しい技術を積極的に学び、自らの専門分野と融合させる姿勢が重要です。変化を脅威ではなく成長の機会として捉え、自身を変化させ柔軟に対応するよう行動しましょう。

 8.自己評価を継続する

 5年後、10年後の目標を明確に設定し、その達成に必要な知識、経験、資格を計画的に積み重ねることが重要です。また、定期的に自己評価を行い、目標とのギャップを把握、改善を繰り返すことで、着実な成長へとつなげましょう。

9.まとめ  

 私が指導・協力した若手技術者の人々は皆、技術士受験前と合格後ではその人自身の変化は明確です。合格後の姿は頼もしくもあり、私として誇らしくもあり、正に日常の仕事を通じ研鑽することで、自身で見出した変革の姿であると思います。 将来、社会から信頼される技術者となるためには、「専門性」「課題解決力」「マネジメント力」「倫理観」「変化への適応力」をバランス化が重要と考えます。技術士資格の取得はゴールではなく、技術者として成長するための通過点です。継続的な学習と実務経験を積み重ね、技術と社会をつなぐリーダーとしての資質を磨き続ける姿勢が重要と思います。日頃の意識と、行動がこれを達成可能にすると考えます。 次回は、令和8年度実施された技術士試験問題(建設部門必須課題)を取りあげ、再現論文も意識しながら、どのように記述すれば良かったかのかについて、考えてみたいと思います。(以上)

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