「令和8年度 建設部門 必須科目Ⅰ」

2026年07月11日 作成 / 執筆:アニ-講師 / 閲覧数: 11

「令和8年度 建設部門 必須科目Ⅰ」

 今回は、私なりに過去問題を分析、整理した結果により、令和8年度の技術士第二次試験・建設部門「必須科目Ⅰ」について、考えたものを一例として、ご紹介します。 但し、無責任ですが、あくまで私的なものです。何の裏付け、根拠に基づいてはいませんので、責任を負いかねますことをご容赦の上、単なる参考としてご覧下さい。 私は、「複数課題を統合的に解決する論文」になるのではないかと考えています。単独テーマではなく、DX、防災、担い手不足、脱炭素などを「組み合わせて論述する力」を評価、総合的に訴追する設問に注視する必要があると考えます。 それに対し記述で留意すべき事項を、以下に示します。

1.留意事項

(1)コンピテンシー改訂初年度

  令和8年度試験から令和5年1年に改定された「改定版コンピテンシ-」が適用されることが示されています。既にご承知と思いますが、改めて以下の項目に対する言及が記述内容評価となります。

・数値データ活用

・最新情報技術の活用

・多様な関係者との合意形成 (ステ-クホルダ-の意見収集)

・包摂的コミュニケーション ・社会持続性 ・倫理・説明責任

(2)第6次社会資本整備重点計画

 令和8年1月16日に第6次社会資本整備重点計画が閣議決定されました。これはかなりの確率で出題される可能性があると想定されます。ポイントは以下のとおりです。  

1)期間:令和7年度から令和12年度まで  

2)見直しのポイント:社会資本整備重点計画と交通政策基本計画一体的な策定と推進  

3)共通ゴール:「人口減少という危機を好機に変え、一人ひとりが豊かさと安心を実  感できる持続可能な活力ある経済・社会を実現」  

4)主要ポイント :出題の背景や社会情勢の記述では、以下のポイントを示すことを考慮下さい。  

➀ 持続的な地域社会の形成(生活サービスの維持)

➁ インフラ老朽化対策(まちづくりとの連携、取り組み状況の見える化)  

➂ 社会資本整備を支える基盤の強化(地方自治体、地域建設業の健全化と人材育成) 

(3)最近改定された法令等   

 次に、建設部門では最近、以下の法令等が改定されています。その内容も必ず、チェックしておいて下さい。

① 都市再生特別措置法(改正):災害対応、用地規制緩和

② 河川法・土砂災害防止法(改正):ハザ-ドマップ活用義務 ③ 国土交通省インフラ老朽化対策:橋梁、道路の重点改修と計画

 ④ 道路交通法(自動運転関連):レベル4自動運転実証

 ⑤製造業DX・スマート工場推進施策:中小企業向け補助制度

 2.想定設問

 私が個人的に思う想定設問を以下に列挙します。あえて、「複数課題を統合的に解決させる設題」を想定しました。但し、特に目新しい訳ではありません。ここ数年出題されている傾向であり、これの統合版と考えていただき有力予想というより、予め準備すべきテーマであると考えて下さい。

 1)防災×減災×DX

「気候変動下における災害激甚化への対応として、DX技術を活用したインフラ整備と維持管理の課題とその解決策について」

 2)担い手不足×生産性向上×品質確保

 「最近の担い手不足の課題と生産性の向上と品質確保の両立する解決策について」

 3)カーボンニュートラル×インフラ整備  

「防災、地域経済の活性化、脱炭素社会の両立するための課題と解決について、トレードオフの観点も含め論ぜよ」

 4)インフラ老朽化×予防保全  

「限定予算や人材資源制約条件下、上記を推進に対する課題と実現する解決策について」

 5)地方創生×コンパクトシティ×インフラ再編  

「地方活性化に向けたコンパクトシティ構築やインフラの維持管理と再編に対する解決策について」

 これは「社会的受容」「住民合意形成」と複合課題としての相性が良く、求められる新コンピテンシー(必須科目Ⅰ評価項目:専門知識、問題解決、評価、技術者倫理、コミュニケ-ション)とも合致すると考えます。

 3.万能ストックカード

「テーマ暗記」だけでは危険です。どんな設問でも対応できるよう以下の「万能ストックカード」が重宝します。これを準備下さい。これがあれば、記述対応に安心感がプラスされます。各テーマに対し相互に接続できるように、各対策が接続できそうな「ストックカード文例」を以下に整理します。  

1)気候変動対策

 気候変動に伴う災害の激甚化・頻発化に対応するため、流域全体で治水対策を行う「流域治水」の考え方に基づき、河川整備だけでなく土地利用規制や避難体制強化を含めた総合的な対策を推進する必要がある。  

2)防災DX

 インフラレジリエンス向上のためには、IoTセンサーやAI解析を活用したリアルタイム監視を導入し、異常兆候を早期把握することで、事後対応型から事前防災型への転換を図ることが重要である。

 3)BIM/CIM・i-Construction

 BIM/CIMにより設計・施工・維持管理段階の3次元データを一元管理することで、施工効率化だけでなく視覚化による情報共有、維持管理の高度化や技術継承に繋げる。

 4)インフラ老朽化対策

 高度経済成長期に整備されたインフラの老朽化が進行しているため、限られた予算・人材の中で効率的な維持管理を行う必要がある。そのため、予防保全型メンテナンスへ転換し、ライフサイクルコスト縮減を図ることが重要である。

 5)カーボンニュートラル

 2050年カーボンニュートラル実現に向け、建設副産物の有効利用や低炭素型材料の採用を推進し、ライフサイクル全体でのCO₂排出量削減を図る必要がある。グリーンインフラ等の機能活用により、防災・環境保全・景観形成など多面的効果を発揮する。

 6)地方創生・人口減少

 人口減少が進行する地域では、「コンパクト+ネットワーク」の考え方に基づき、都市機能を集約しつつ、公共交通との連携を図ることで、持続可能な地域社会を形成する。 

7)地域住民との合意形成

インフラ整備を推進する際には、多様なステークホルダーとの合意形成を図り、地域特性を踏まえた丁寧な説明を行うことが重要である。

 8)技術者倫理

 技術者として、安全性・経済性・環境性を総合的に勘案し、社会的影響を十分考慮した上で、説明責任を果たす技術者としての倫理観が必要である。

 9)論述締めのセンテンス

 DX技術を活用しつつ、防災・環境・地域活性化を総合的に推進することが重要である。持続可能な社会資本整備を実現するためには、多面的視点から施策を積極推進することが肝要と考える。 私的なもので何の根拠はありませんが、参考になれば幸いです。次回は本番に備え、「合格するための心の準備!」についてご紹介します。

(以上)

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