2026年06月20日 作成 / 執筆:アニ-講師 / 閲覧数: 30

「技術士記述試験合格!合理的にマス目を埋めるテク」
技術士の記述試験本番では「記述することが思い浮かばない!マス目が埋まらない!」など、多くの受験者が直面する問題です。単純に何かを書いて、単にマス目や行の水増しするだけでは、逆に評価が下がる要因となります。記述原則に従い、自然に字数を増やす技術を理解し、それを身に付けることが、合格の鍵となります。
今回は試験本番に備え、実践的かつ合理的にマス目を埋めるテクニックについて、私の経験から得たテクニックをご紹介いたします。
1. 記述の基本原則を遵守
技術士試験は記述試験であり、技術論文の記述原則に沿っていなければ、ルール違反とみなされ、減点対象となります。以下の記述の基本ルールを遵守して下さい。
① 1行目書き出しは、1マスあけて記述。(2行目以降は先頭のますから記述する。)
② 符号(。 、かっこ、数字、アルファベット)は原則に従う
③ 見出し、小見出しは、それぞれ1行を使用、あえて余白部を作る。
④ 章や節は、統一した表示方法で示す。
⑤ 読みやすさを優先、適度に区切りの良い箇所で改行する。
2. 記述文の工夫
記述文では、以下のように合理的に余白箇所を創ることを工夫下さい。
① 簡潔で文章にリズムが生まれやすいように一文を、短文とする。
② 文章は2~3行であえて区切る。それ以上は逆に読みにくいことを理解する。
③ 複雑な内容はわかり易く、あえて意図的に分解して記述する。
④ 一文一意を徹底する。
⑤ 5W1Hに原則に従う。
⑥ 箇条書きは多面的記述に有効、体言止めによる余韻によりイメ-ジ領域を広げる。
3.「理由+具体例+効果」で説得力を示す
例えば「安全対策が重要である。」などに代表されるような一般的な短い文は「結論文」で止まり、理由やその効果が示さないことが多いです。 以下のような表現や文章の繋げ方により、ある程度の字数を増加することが可能となります。
例:「○○は安全対策が最重要である。その理由は〇〇のリスクが存在するためである。例えば△△の事例では□□が改善されることが立証され、適切な対策を講ずることによりこれを防止できる。結果(効果)として、信頼性向上及びコスト低減につながる。」 結論文の後に、理由、事例、効果を追記することで、同じ内容の言及であるにもかかわらず。自然に字数を増やすことができます。但し、文章が無駄に冗長的にならないことに留意が必要です。
4.切り口を増し、技術士視点を表現
技術士試験では多面的視点表現が評価されますので、これを意図的に応用しマス目の増加の工夫に繋げます。
例えば、1つの設問テーマに対しては以下のような様々な観点(視点)から記述することが必要です。
・技術的観点:○○○(新素材等の技術研究開発)
・経済的観点:△△△(AI等先端技術を活用したコスト縮減、省人化、)
・環境的観点:□□□ (地球環境保全対策の推進と持続可能な社会の実現)
・社会的観点:××× (国民同意と社会受容の拡大)
・安全・リスク観点:◎◎◎ (回避、抑制、代替)
それぞれ要求される観点に対し、対応した内容を短文箇条書きで示します。記述内容に漏れがなく、それを満足する内容とします。結果として、マス目を埋めることができます。 私は、技術士試験合格までに約10年間を要した劣等生でした。この「合理的な記述方法」を先輩技術士から教示して頂き、この手法に出会えたお陰で、今の私があると確信しています。合理的かつ実用的な手法により内容が評価され、字数が増え、紙面が埋まり、しかも読み手が見やすい。まさに「王道テク」とも言えると思います。受験者各位は是非、参考にして下さい。
5.「新たなリスクと対応策」を有効利用
技術士試験はリスク意識とコンピテンシ-能力を示さなければなりません。また、設問の題意に応答する内容でなければ、評価されません。 但し、事前にテンプレ-ト(定型文)にしておけば、異なる設問であっても要求部分のみを入れ替えるだけで、どんな課題へも適用が可能です。テンプレ-トはマス目量も事前に把握でき、都度記述するのではなく、事前に準備できる部分です。 記述しながら「あと何行、どれぐらいの紙面が必要か」を確実に計算、制御でき、準備することで意図的な戦略となります。是非、コンピテンシ-能力表現を意識したテンプレ-トを準備して下さい。
6.技術者倫理は「接続語でつなげる!」
自然に文章を長くするには接続語が有効です。特に技術士倫理は多様な以下の要素を「技術士倫理要綱」では、求めていますので有効に活用しましょう。
・安全・健康・福利の優先
・持続可能な社会の実現
・信用の保持
・有能性の重視
・真実性の確保
・公正かつ誠実な履行
・秘密情報の保護
・法令等の遵守
・相互の尊重
・継続研鑽と人材育成
これら全てを記述する必要はありませんが、上記の倫理項目の2~3要素を次の例のような接続詞を使い、文章をつなぎ合わせて下さい。無理にマス目を増やすのではなく、論理を見せて、アピ-ル、技術者倫理に求められる見識の高さを示して下さい。
・したがって、・一方で、・さらに、・このため、・具体的には、など
例:我々建設部門の技術者は、国民生活の安全・健康・福利を最優先し、安心できる国土基盤の確立と維持を担う必要がある。 このため、法令等の遵守はもとより、公正かつ誠実な履行により、社会への貢献を意識した行動規範に基づき、自然及び地球環境保全施策の積極展開により、持続可能な社会を実現する使命がある。
したがって、業務上で関連するステ-クホルダ-に対する相互の尊重により、合意形成及び円滑調整には、プロジェクトを先導する強いリーダ-シップが重要であると考える。
7.何よりも大切なこと
マス目を埋める本質は情報量を増やすことです。どんな場面に遭遇しても情報量、引き出しの多さ(:準備したキーワ-ドカードの絶対量)が最も大切です。この事前準備こそが合格するテクニックなのです。試験本番まで、時間は残されています。引き出しと、ファイルを準備、増加しましょう。
次回は、「技術士試験は能力を評価する試験ではない」ことについて、ご紹介したいと思います。(以上)