2026年05月16日 作成 / 執筆:アニ-講師

「技術士合格の近道は、添削」
技術士試験の合格は、「添削を受けること」につきると、私は考えています。そして最も合格への近道であると考えます。何故なら、自分の書いた解答文は第三者である試験官が採点するものであり、合否のジャッジは自分ではなく、試験官が握っているからです。 自分が書く文章は、つい独りよがりになりがちです。第三者から評価されなければ何の意味もありません。今回は解答文の添削により、合格に繋げる効果と方法についてご紹介したいと思います。
1.添削の必要性
論述型試験では、「記述→添削→改善」のサイクルで、どれだけ数多くも添削を行ったかが、合否を分けると思います。単に添削を受けるだけではなく、自身の弱点を把握し、自分の癖や思考パタ-ンを認識し、ブラッシュアップへとつなげることが重要です。 私はこれまで自分の部下や同僚、他社の知人への添削指導を相当数、行ってきました。結果として、ほとんどの人の合格を支援してきました。 最初は読むに耐えない解答文が添削の都度、どんどん改善され、読みやすいシンプルな文になります。最終的には1文字も訂正箇所がなくなります。この状態になれば、ほぼ合格できる状態であると考えます。添削は、文字を削ることであり、言い換えれば自己を見つめ直し、鍛錬する絶好の機会なのです。
2.添削の効果
では添削の効果はどんなことがあるか、以下に整理してみましょう。
① 客観視:自分では気付かない論理の飛躍や、表現の不足・過剰箇所が明確になる。
② 採点基準とのズレ:評価される「観点」により、ズレを解消し採点基準に近付く。
③ 再現性:良い解答文のスタイルを学び、記述能力を向上できる。
3.自分の弱点把握
自分の弱点を正しく把握することは重要です。添削結果はそのまま受け取るのではなく、自己分析が大切であり、添削により以下の弱点を把握、確認下さい。
・論理構成(:結論が示されていない、因果関係が分かりにくい。)
・専門技術(:専門的な具体例がなく、技術的裏付けが不足している。)
・読みやすさ(:冗長、主語が不明、抽象的である。)
・設問に対し解答が不一致(:解答文が設問に対し、論点が一致していない。)
・一般論(:解答が一般的で、経験に基づく説明が不足、現実性に乏しい。)
4.ブラッシュアップ
添削は、結果をいかにブラッシュアップにつなげ、改善することが最も重要です。添削結果を効果へと繋げている人は、必ず以下を実践しています。
① 客観視:自分の解答文を、冷静に客観的評価を受け止める。
② 展開:添削後に必ず、書き直す。添削を読んで終わりではなく次へ展開する。
③ 再構成:時間を置いて再構成し、改めてフィ-ドバックする。
④ 良い記述例を参照:良い事例答案を参照、ステップアップへ繋げる。
5.自分の弱点把握とチェック
誰しも文章の書き方や論述方法については、好みや癖があります。一方でこれは潜在的なミスを誘発する可能性があり、答案の記述後は、必ず以下をチェックして下さい。チェックすることで記述内容の不足や漏れを防ぎ、解答文の質を安定させることができます。
【チェックポイント例】
・結論は最初に書いたか?
・課題は広い視野で論述されているか?
・技術的裏付けや根拠を示しているか?
・自分の経験に基づき現実性が表現されているか?
6.差別化戦略
合格答案や他の受験者の答案を比較・参照し、自分の解答文へ応用して取り入れ、戦略的に差別化を図りましょう。自分と参考文例の差を補填・埋めることで、より見識の高い論述となりよう以下を考慮下さい。
・情報量ではなく論述構造と、質を重視する。
・専門技術の表現に工夫し実用の可能性を示す。
・題意にマッチする技術キーワ-ドを選択する。
7.添削指導と意義
効果がある添削とは、「正解を教える」ものではなく、「再現できる考え方を導く」ことが重要です。技術士試験の添削で個々の能力が伸びるかどうかは、「どこが悪いか」よりも弱点の切り出し方の精度と改善の具体性と考えます。ここを曖昧にするといくら書き直しても、改善につながりません。 但し、ここに至るには、一定レベルで文章を一般的に表現・記述できることが基本であり、その上でどうすれば洗練された記述能力を身に付けることができるか大切なのです。 このため、自身に対する謙虚かつ前向きな姿勢により、客観的指摘を受け入れ、今日より明日の成果向上(:「1+α」)を指導することが、添削指導の意義であると思います。
8.添削後の変化
添削を重ねることで、間違いなく誰にでもスラスラ読める文章に変化します。また、無駄な修飾語や接続詞がなくなり、シンプルで速く、読み手に伝わる文章となります。この1文字をなくすと、文章として成立しないレベルとなれば、文の完成度は高いでしょう。 添削を繰り返すと、最初に書いた文章と添削後の文章では、各段のレベル差が明確になります。添削の重要性や指導による効果をより実感できるようになります。 どうぞ皆さん、積極的に添削を受け、指摘を得て下さい。添削は必ず、技術士試験の処方箋であり、合格への近道であると私は確信しています。
9.記述のプロになるには鍛錬
新聞のコラムや社説欄はプロの記者や論説委員によって書かれています。上記で示した視線で是非、皆さん改めて新聞を読んでみて下さい。起承転結による構成、リズム感があり読みやすく、1文字も削るところがない文章を実感できることでしょう。それはプロとして活躍するための記述の鍛錬により成し得たものであり、洗練された文章力に対する追求の結果であると考えます。技術士試験も同様に、合格を成し得るためには添削による記述力(:技)の追求が必要と考えます。 次回は、洗練された文章の記述方法についてご紹介したいと思います。(以上)