2026年04月18日 作成 / 執筆:アニ-講師 / 閲覧数: 21

「技術士試験はロジカルライティングが重要」
技術士二次試験は論理的な記述、すなわち「ロジカルライティング」能力が必要とされる試験です。その内容は「知識量」よりも構造化された思考を、いかに短時間に整理し解答文へ落とし込むかがポイントです。今回はその試験対策として具体的実践方法をご紹介したいと思います。
1. 基本原則
技術士試験で求められるロジカルライティングは、論理構成、説得力、再現性の3項目です。「筋道立てて課題を解決する思考」を文章で示す必要があり、基本原則は以下の例のように、わかり易く主張、説明することが重要です。
・結論を先に述べる。(結論):課題の解決には、○○の導入が最も有効である。
・何故を示す。(理由):何故なら、以下がその理由である。
・具体的である。(具体例):例えば、~の事例によると
・取り纏める。(再結論):従って、○○が必要となる。
2. 論点整理
技術士試験は、多様な視点に基づく、多面的な論述が評価ポイントとなります。これをシンプルにわかり易く整理し示すことが重要です。このため、観点を重複させないことや抜けや漏れがなく、例えば技術面、経済面、環境面、社会面、安全面等の観点ごとに区分し論点整理すると、わかり易く整理できます。
3. 論拠構造
ロジカルライティングでは、「なぜそう言うことができるか」を明示することが必要です。これには、主張→理由→根拠の階層構造→結論と言った論拠構造で示されていることがわかり易いです。例えば、
【主張】:以下の理由により、○○〇を採用した。
理由①:対策工効果が最も有利と判断されたこと。根拠(何故なら)⇒具体例(○○)
理由②:経済的かつ、工期短縮が可能であること。根拠(何故なら)⇒具体例(○○)
理由③:維持管理が容易、LCCを低減できること。根拠(何故なら)⇒具体例(○○)
【結論】:総合的に課題を解決、目標を達成できると判断、これを採用した。
4.解答文の構成テンプレ
1)課題の明確化(背景 、問題点、本質的課題)
何が課題であるかを、抽象的でなく、具体的な数値で示し明確に示す。
2)課題の分析(多面的視点)
分析する側面に、漏れや重複がないことに留意し、以下の観点で整理を行う。 ・技術的課題 ・社会的課題 ・経済的課題 ・安全性課題 ・環境面課題
3)解決策の提示
解決策は課題とに対し、一対となっている関係が重要です。
・課題①コスト ⇒ 解決策①(コスト)
・課題②品質管理⇒ 解決策②(品質管理)
・課題③環境保全⇒ 解決策③(環境保全)
4)リスクと対策
リスクはどんな状況やプロセスでも、必ず存在する「現実的思考」の視点が重要です。また、それにどう対処するか、その対策を確実に示す必要があります。例えば以下のようにリスクに応える解決策が肝要です。 ・コスト増リスク⇒財源の段階的投資計画により、集中を分散、コスト負担を軽減 ・技術評価リスク⇒試行・実証試験に基づく、PDCAによる改善スパイラルアップ ・品質低下リスク⇒AIと人間によるダブルチェックにより所要品質の確保と向上
5)倫理・持続可能性
問題Ⅱ、Ⅲではこの設問が想定され、「コンピテンシ-」の観点から、極めて重要なポイントです。技術士としての資質、能力及び技術者の倫理観を示して下さい。
・公益安全、国民の健康及び福利を最優先
・地球環境保全と次世代に渡る社会の持続性の実現
・法令遵守と高い技術者倫理感
5.高得点獲得のための戦略
1)最初に課題を明確化
本文では最初に「何を記述するか」を導入部で示し、解答文の概要を試験官に一瞬で理解させる戦略的なテクニックを使いましょう。
2) 漏れなく多面性を示唆
特に課題の解決策では技術、人材 、経済、維持管理、安全性、住民理解、環境保全等漏れがない多面的観点から、具体の解決方法を示唆して下さい。
3)技術士らしいキーワード
技術士試験では「専門性+実務感」が評価されるため、最新の技術情報やキーワ-ドを挿入し、技術見識の高さをアピ-ルすることが評価につながります。
例:ICT 、AI 、LCA 、予防保全、地域防災力、グリ-ンインフラ、イノベ-ション創出、データプラットフォーム、デジタルリテラシ-、ビッグデータ等 ここで重要なポイントは、設問に対しキーワ-ドが合致しているかです。これがぶれると論理性が崩れますので、必ず、確認した上でキーワ-ドを選択記述下さい。
4)トレンド・センテンス
例えば、昨年の「国土交通省白書」や特に本年の「第6次社会資本整備重点計画」等をよく確認し、政府が展開している施策等をチェックしましょう。そのなかで、トレンドであるセンテンスやトピックス・キーワ-ドを拾いあげて下さい。課題解決策等の記載では、これを自身の意見や考え方として主張、織り込むことが、見識の高さや洗練性のアピ-ルにつながります。
5)リスクと対策
リスクとその対策は、予めどんなリスクが想定されるか、その対応をどうするかを準備しておくことが重要です。これを確実に記述できることが高い評価につながります。日頃からのイメ-ジ・トレ-ニングすることが、これへの準備となります。
6)万能フレーズ
論述に対しては、例えば以下のような定型文(万能フレ-ズ)を覚えておくと、骨子作成段階や実際の記述をより迅速に行うことができます。
・「~の観点から、以下の課題が存在している。」
・「その理由は以下のとおりである。」
・「具体的には~が実例として挙げられる。」」
・「したがって~この点を踏まえた対応が重要である。」
受験者のみなさん、この点を十分認識し、ロジカルライティングにより解答文作成の準備に取り組んで下さい。
次回は説得力ある技術士解答文について、ご紹介したいと思います。(以上)