2026年04月11日 作成 / 執筆:アニ-講師 / 閲覧数: 25

「技術士解答文は骨子法で書く」
骨子法(こっしほう)とは、技術士試験の解答文やレポ-ト、ビジネス文書等を論理的記述の1手法です。記述する前に「骨子(アウトライン)」を作り、その骨子に沿って本文を書く方法であり、論述構成に極めて有効です。今回はこの方法をご紹介し、準備解答文の作成の参考にいただければと思います。
1. 骨子法とは
骨子とは、準備する答案の設計図(骨組み)です。いきなり本文を書かず、事前に構想してから書き出す脳内整理カード(メモ)と言っても良いかもしれません。その手順は以下の通りです。
・設問の題意要求項目を確認する。
・何を書く必要があるかについて、論点整理を行う。
・項目毎に「見出し+要点」による骨子を作る。
・骨子に肉付けをしながら、本文を記述する。
2. 設問の基本パターン
技術士試験の課題Ⅱ、Ⅲの設問は以下のとおりです。設問内容は異なりますが、ほぼ、基本パタ-ンは同様です。
①現状・背景
②課題抽出
③課題の解決策
④リスクとその留意点
⑤技術者倫理及び社会の持続性
3.骨子法の作成例
例えば、「今後のインフラメンテナンス対応」を設問想定した場合の、骨子法の作成例を以下に示します。
1) 背景と現状
・我が国の経済、社会情勢
・ストックインフラの増加、老朽化と進展
・頻発する自然災害、巨大地震の切迫
・強靭な国土基盤形成、戦略的メンテナンス切望
2) 課題⇒解決策⇒リスク⇒対応策
骨子は課題⇒解決策⇒リスク⇒対応策が横方向に一列に繋がるよう表により、骨子とその記述すべき事項を順に例えば、以下のようにメモする方法をお勧めします。記述する項目とその内容を整理することができます。
・点検技術者不足⇒ICT技術活用による省力化⇒投資負担増大⇒補助優遇制度導入
・維持管理費用の増大⇒アセットマネジメント⇒予算確保と平準化⇒効果の可視化
・膨大量インフラ情報の管理⇒データベース整備⇒技術者教育不足⇒リテラシ-向上
4. 骨子作成の時間配分
技術士試験では記述に要する時間配分と管理が重要です。書き出す前の構想が合格に至る全てであり、短時間でそれを組み立てることが極めて重要です。骨子の構成の出来は評価点に直結することを意識し、短時間で骨子作成訓練が必要です。
5. 骨子法活用のメリット
骨子法を活用するメリットを以下に整理します。
1) 論理展開の一貫性確保
予め構想した骨子により構成された文章を記述するので、論理展開の一貫性を確保できます。試験官は見やすさと素早く理解するための「論理構成」を重視しており、これに的確に応えることができます。
2) 記述内容決定の頭出し
解答文に何を書くかは、記述内容が全てです。記述内容の選択に迷いや不透明な部分があれば、それは貴重な時間の浪費と記述内容の曖昧さにつながります。骨子を構想、キーワ-ドの頭出しを行うことで、迷うことがない記述作業に専念できます。
3) 記述速度が速くなる
600字の解答用紙を記述するには約1枚、約20分程度の時間が必要です。(皆さん是非、実際に書いてみて、事前に時間的感覚を体得下さい。)このため、考えながら記述していては、制限時間のタイムオーバ-が予想されます。 従って、「迷わず記述するガイド」として骨子メモが必須であり、この存在は書き続けることができる安心感や、本番試験の精神的な支えとなります。
4)書き忘れがない
骨子を準備することで、書くべき事項は決定されており、書き忘れや漏れがありません。特に倫理やリスクなどは、技術的側面を支える考慮すべき重要事項でもあり、これらの記述ミスを防止でき、記述内容の充実と確保に繋がります。
6.キーワ-ドノートによる訓練成果
技術士解答文は「文章力試験ではなく、論理構成の試験」と言っても良いでしょう。骨子法はそのためのテクニックと考えます。以前、ご紹介したキーワ-ドノートを作成することは、言わばこの「骨子」を構想するトレ-ニングなのです。たくさんのキーワ-ドノートを作る訓練により、想定した多数のキーワ-ドを、骨子法により短時間で論理構成することができる成果となるのです。
7.イメ-ジトレ-ニング
骨子を素早く構成するには、日常的にこれに対する思考訓練の継続が肝要です。通勤、散歩、休憩等のすきま時間を活用し、あるキーワ-ドを自ら設定し、「○○現状」⇒「○○課題」⇒「○○対策」⇒「○○リスク」⇒「○○」対策の一連プロセスを常にこれが構想できるようトレ-ニングを積み重ねて下さい。
これの実践は試験本番で必ず、強力な味方になります。記述すべき項目が仮に思い浮かばない場合であっても、数個のキーワ-ドを長期記憶から引き出し、これをつなぎ合わせることで「小見出し+説明内容2~3行の文章」を書き連ねることが可能です。
また、的はずれでなければ、字数が埋まらない場合の回避テクニックとして減点を防ぐことができる有効な手段と考えます。 これらは、準備解答文のアウトプットの量の裏付けであり、記述練習量の多さによるものと考えます。どうか皆さん、骨子作成訓練を積み重ね、論述文章作成を体得下さい。
次回は技術士試験解答文に最も重要な「ロジカルライティング」についてご紹介したいと思います。(以上)