「業務経歴はコンピテンシ-を示す」

2026年02月14日 作成 / 執筆:アニ-講師 / 閲覧数: 35

「業務経歴はコンピテンシ-を示す」  

実務経験証明書には各自の業務経歴と経験業務の内容について詳述する必要があります。

今回は受験申込書作成にあたり、どのように構想してコンピテンシ-を戦略的に示すか、

その記述はどのようにするかについて、ご紹介したいと思います。

 1. コンピテンシ-の記述は必須

 業務の何が「技術士としてふさわしいか」をどう掘り下げるかは、技術士試験において

 最も重要なポイントであることは前回、ご紹介しました。 業務経歴と体験記述詳細は、

「技術士の資質・能力(コンピテンシー)」を意識し、戦略的に結びつけることが重要です。

 2.技術士としての能力を示す経歴  

 技術士は、ご承知のとおり以下のコンピテンシ-に対する資質と、これらを総合する力

 を必要とされています。業務経歴には業務毎にどんな能力を発揮できたかを時系列整理

 した上で、以下を確実に言及して下さい。 

・課題形成能力(何が、本質的問題かを抽出できていたか。)

 ・専門技術力(専門技術や知識をどのように活用したか。)

・マネジメント力(工程・品質・コスト・安全・調整を発揮できたか。)

・リスク対応力(不確実性へどのように配慮したか。) ・倫理・社会的責任(安全・環境・

説明責任を果たしたか。) 

・コミュニケーション力(関係者と調整し、合意形成を図ったか。)

3.自らの判断した証拠

  体験記述詳述では、「技術士として求められる判断・行動をした証拠」を記述することが

重要です。試験官は記述内容から、この人は「技術士として登録してよい人物か?」という

視点で採点しています。受験者自らが判断し、行動した証拠を示す必要があります。 

4.業務の選択の戦略化

「技術士としてふさわしい業務」を選択する場合、詳述するメイン業務は、何が最も良いか

を熟考下さい。第三者から見てその評価に値するか、総合的に判断、決定して下さい。  

具体的には高度な技術内容やレベルの業務に限った訳ではありません。課題解決に向け、独自

アイディアや新たな思考により、解決方策を見つけ出したことを表現して下さい。 この場合、

技術的に解決は容易ではなく、苦労が伺える業務の方が、試験官は読んでみたいと思う興味が

湧きます。これを意識し記述下さい。  

また、「技術士にふさわしい業務」は、2番手、3番手業務は予め用意、これを織り込んでおい

て下さい。この点は口頭試験で試問される可能性が高いので、確実に準備しましょう。

 5.「技術士にふさわしい理由を示す」

「技術士にふさわしい理由」を示す方法例として、以下を参考にして下さい。

 ① 行動を書くだけでは、説得力が弱い。:× 例):○○の設計を担当した。

 ② 自身の判断を記述するだけでは、不十分。:△ 例)制約条件等が厳しいため、○○方式を採用した。

 ③ 技術士的視点を明確に、表現する。:◯ 例)複数想定案をコスト、施工性、安全性を総合

 的に評価し、ライフサイクルコスト低減を重視、○○方式が最も有利と判断、これを採用した。

 ④ 社会性や責任まで展開する。:◎ 例)利用者の安全確保と将来的な維持管理負担を考慮し、

 技術者倫理の観点からその妥当性を評価・判断し、これを発注者へ提案、採用された。 

 ③、④までを記述することができれば、「技術士らしさ」を強調することができます。

 是非、参考にして下さい。 (凡例:不適⇒×、不十分⇒△、良好 ⇒◎)

 6.苦心を伝える

 私の添削指導の経験から、「掘り下げ不足」と思うことが多くありました。例文として「関係者

と調整し、問題を解決した。」のような記述だけ不十分と思います。何故なら、判断や行動に対し、

その苦心の様子が伝わらないからです。 顕在課題をクロ-ズアップ、その解決に苦心したことを言

及するには、試行錯誤した状況を示すことが重要です。例えば以下のような記述はいかがでしょうか。

 例文)関係者及び発注者、施工者との利害が対立していた。その解決策を見出すため技術的根拠や

情報(○○基準、過去事例)を整理、根拠付け、想定される解決方策案を提示した。これにより対応

方針の合意形成を図り、要求性能品質の確保、工期制約を遵守、両立できた。

 7「技術士としてふさわしい業務」を一文タイトル化

「技術士としてふさわしい理由」は「技術士でなければできない判断・行動」を示すことが肝要です。

例えば以下のように「一文タイトル化」、試験官への関心度を刺激下さい  

 ・「厳寒期における寒中コンクリ-ト打設養生に対する施工計画」  

 ・「軟弱泥炭地盤下における廃材利用によるコスト低減を実現した圧密沈下対策」  

 ・「放流先がない箇所における汚水処理水対策の検討と実現」

 ・「厳寒気象を利用した土砂凍結掘削方法による河川濁水抑止対策の提案」  

 ・「ゴムチップ舗装による凍結路面スリップ事故安全対策」

 8.最終チェックリスト  

 願書は記述後、必ず自身で以下をチェックして下さい ・技術的判断の「理由」が、確実に記載されているか。

 ・自分の立場・役割、責任が明確か。

 ・マネジメントと倫理の視点があるか。

 ・業務成果が公益性や社会貢献に寄与しているか。  

 提出前に先輩技術士や身近な人に添削を受けて下さい。必ずや良いアドバイスがいただけるはずです。

 十分、時間をかけて準備して下さい。

 次回は、業務プロセスで示す課題解決の記述方法についてご紹介したいと思います。(以上)

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