2025年12月13日 作成 / 執筆:アニ-講師

「感動の自分ドキュメンタリ-を残そう!」
受験者の方々においては、いよいよ口頭試験が始まり、緊張が高ぶる状況と推察いたします。一方、すでに終了された方々は、極端な言い方ではありますが脱力感か放心状態ではと推察します。今回は、口頭試験の「再現記録」を残すことの有用性について以下にご紹介したいと思います。
1.再現の有用性
口頭試験の「再現」は、試験終了後に質問内容、自分の回答、試験官の反応などを思い出して記録することであり、その目的は次のとおりと考えます。
1) 自己分析:弱点、改善点の明確化
・うまく、答えられた質問は何か。
・どの質問にうまく答えられなかったか、どう回答すればよかったのか。
・どの部分で面接官が、深掘りしてきたか。
・試験官の反応、表情はどうだったか。
2) 次回の受験の準備
・万が一、不合格となった場合でも、再現記録があれば次回の準備に対し、有効な資料となる。
・「どのような切り口で質問されたか」「面接官の関心はどこにあったか」を認識することで、再現性の高い準備対策準備となる。
3) 情報共有
・再現記録は他の受験者との情報共有や技術士会、社内講習会での指導に役立つ。
・後進受験者へ有益な資料となる。
2.再現のタイミング
再現は記憶が鮮明な試験当日から翌日頃まで、できるだけ早期に実施下さい。時間が経過するほど記憶は薄れ、質問に対する回答や、やり取りのニュアンスを忘れてしまいますので、タイミングを逸しないことが大切です。
3.再現の作成ポイント
再現は、以下のポイントを整理すると良いと思います。
・日時・試験会場:
・専門分野、選択科目:
・面接官人数:雰囲気、職業(大学関係?行政?民間?)
・主な質問内容:業務経歴、願書に記載した詳細業務、コンピテンシ-、倫理等
・自身の回答:要点ベースで簡潔に記録
・試験官の反応:うなずき、掘り下げ質問、反対意見の提示、無反応
・感想、反省点:長すぎた回答、的外れの回答、具体例の提示不足、準備不足箇所 、万一、次回に備えるとした場合の補強点
4.情報共有上の留意点
再現記録を情報共有する場合は以下の点に配慮、留意下さい。
・再現記録はあくまで個人的な記録として残し、公表する場合は守秘義務や個人情報に十分注意して下さい。
・特に「具体的な質問文の公開」は、技術士制度の公平性の観点から慎重な取り扱いに留意下さい。
・受験者の心理状況が、回答に現れやすいです。これを文字で表現・記録することは実に難しいです。従って、「口頭試験の場の雰囲気」「ニュアンス」「試験官とのコミュニケ-ション、やり取りのテンポ」など、自分の心情も踏まえると自己採点の重要な要素となります。
5.自分史ドキュメンタリ-
私もこれまで口頭の結果は全て、記録を再現しました。今でも記録は残してあります。時々見返した時、その時のことが鮮明に思い出されます。試験会場、下見、控室、試験官のスーツの色、表情等、記憶は、その緊張や受けた衝撃の強さの表れとも言われ、長期記憶として脳に刻まれ、忘れることはないかもしれません。
これは余談ですが、自分の行動履歴として、自宅から試験会場、控室の様子、ドアノック、面接スタ-ト、試験官のまなざし、終了、帰路の街の風景等、受験者諸氏の高ぶる感情と併せて回想・記録すると「自分史ドキュメンタリ-」となります。合格後、懐かしく回想することができます。感動の口頭試験を思い起こして下さい。
まもなく新年を迎えます。次回は令和8年受験に向けた目標スケジュ-ルの設定と受験に対する新たな決意について、ご紹介したいと思います。(以上)