ビジュアル重視型で答案を採点者に読ませない!

2025年05月17日 作成 / 執筆:アニ-講師 / 閲覧数: 175

「ビジュアル重視型で答案を採点者に読ませない!」

私は技術士を取得できるまでに10年の歳月を費やしました。言わば劣等生です。不合格だった試験の設問はすべて記述、解答したつもり。白紙答案などはありません。当時、試験結果は、「不合格」のはがきが届くのみで、自分の解答文のどこが悪くて、どのレベルで不合格であったのかが、全くわかりませんでした。

今回は、「目からうろこ」「ある記述方法」との出会い、これを体得できたお陰で私は合格できたと思っており、それを是非、受験者諸氏にお伝えしたいと思います。

1.  採点者は心理的に読みたくない

採点者は限られた日数で、膨大量の解答文を採点すると言われています。従って、極端な言い方をすれば1字1句、くまなく読んでもらうことは時間的にも不可能ではないかと私は思います。また、長文は心理的にも読みたくないのが本音と思います。

私は採点方法として1次選考と2次選考があり、1次選考を通過しない解答は、そもそも読んでもらっていないのではないかと推測します。

私が想定する1次選考の採点区分は以下ではないかと考えます。

・紙面が白紙であり、解答されていない。⇒ C:不合格

・設問に対して、パッと見て題意に沿って的確に解答されていない。⇒C:不合格

・文字が乱雑すぎて、読むことができない⇒C:不合格

・文章記述内容が理解できない、意味不明、支離滅裂⇒C:不合格

  上記だとすれば多くの受験者の解答文は採点に至っていないのではないかと考えます。では、どのような解答文なら2次選考に残り、採点してもらえるかについて考えてみましょう。

2.  ビジュアル第一主義

この件に関しては極端に表現しますので異論があると思いますが、ご容赦願います。解答文は設問題意に確実に答えていることを視覚的にパット見て、その構成が分かる記述が必要です。例えば、必須課題では次のような設問が多いと思います。

1)○○を解決する上での多面的視点による課題

2)最も重要な課題とその複数の解決策

3)新たなリスクとその対応

4)技術者倫理と社会の持続性の観点から必要な要件

  ここで重要なことは1)~4)の設問を見出しとして利用する。設問に確実に解答していることをあえて視覚的に示す。採点者が読まなくても良い状況をビジュアル的につくる。また、見出し文は太く濃く書く(ゴシック体のように)か、アンダ-ラインにより、採点者が斜め読みで、目にとまるような記述が重要です。

3.  解答内容は二の次

本文記述でも重要なポイントは小見出しを活用することです解答内容を採点者へ速く伝える記述方法、解答内容は二の次、ここでもビジュアル重視を志向した記述方法が有効です。設問例に対する小見出し活用例を以下に示します。

(例)担い手確保を解決する上での多面的視点による課題

課題事項として取りあげた社会的現実や背景、今後予測される事態やその理由となる論拠について、課題の内容を小見出し化する。その後に23行の文章でそれを補完する説明文を挿入する。ここで初めて解答内容となります。あらかじめ23行文を長さ条件としておけば、例え想定外の問題であっても、本番である程度対応可能であり、行を埋めることができます。

1少子高齢化による生産人口減少、国力の衰退

(改行して、以降に小見出しタイトルの内容を23行で説明文を挿入する。)

2) 人材確保のための環境整備 (上記同様)

3) ICT等先端技術の積極導入(上記同様)

 4)経験、技術伝承(上記同様)

4.   見せる箇条書き

例えば、課題抽出や解決策は複眼的(多面的な視点)が必要です。但し、複数の項目についての詳しい論述は紙面的にも制限があり、採点者に読ませる負担となります。ここでも重要なのは、箇条書きを利用して視覚的見せるテクニックです。例えば設問を我が国の防災強化対策案を例とした場合、その記述例として以下が挙げられます。

(例)防災対策強化案

○○を解決するためには、○○による〇〇が肝要であり、以下に対する施策を積極的に推進する。(23行で内容説明文を挿入後、箇条書きに落とし込む。)

  AI・デジタル技術を活用した災害予測精度の向上(余白)

  流域治水等防災への加速化・進化(余白)

  グリ-ンインフラによる潜在的防災力の発揮(余白)

  防災機能の多重性、代替性機能の確保(余白)

  ICT技術活用による監視、予測、判断等の防災体制強化(余白)

   長い文章での説明ではなく、箇条書きですっきりと、示すことでより洗練された印象付けが重要です。またこの際、白書や最近の技術トレンドキーワ-ドを挿入することを考慮下さい。採点者へ独自の見識の高さをアピ-ルして下さい。

5.  箇条書きのメリット

採点者(読み手側)から見た、箇条書き活用によるメリットは、以下と考えます。

  眼に止まり易く、伝達内容をわかり易く、分けることができる。

  複数な内容を詳しく説明することなく、読み手の理解が速い。

  多面的表現で記述項目の整理、表現できる。(人、物、金、技術、方法等)

  表現がシンプルなので、幅広い観点や意味を印象付けできる。

  紙面に空白部分がありすっきりと整理され、読み手に息苦し印象を与えない。

  記述項目を忘れても試験本番記述時での追加、修正、削除が容易である。

  異なる表現や語彙表現を活用するで、一行を埋めることができる。

是非、準備解答文作成段階で試してみることを一考下さい。  (以上)

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