2018年04月28日 作成 / 執筆:Lucky Ocean講師 / 閲覧数: 796
選択科目II(記述問題)は時間との勝負
技術士試験が難しいと言われるのは、やはり記述式問題のせいだと思います。平成31年度からは択一問題もなくなり、二次試験の筆記試験は全て記述問題となります。その中でも、この選択科目IIは、600字の解答用紙4枚を2時間で書ききる必要があります。つまり、600字の解答用紙1枚を30分で書く必要があります。これって結構大変です。
技術ノートの活用
では、どうすれば30分で600字を書き切ることができるのか。そのためには、まず自分の専門分野で重要なキーワードを100個ほど抽出して、それぞれのキーワードの概要(特徴)と課題とその解決策などを技術ノートとして作成しましょう。自分はA4のパワーポイントに枠組みをつくってそこにネットで調べた内容をどんどん書いて行きました。だいたい、900文字相当の情報量があります。最初はこの技術ノートを見ながら、そのキーワードの概要や課題、解決策を600字の解答用紙に書くのです。最初は30分は目安でいいです。文字として、書いて行こうとすると、書きやすいものと書きにくいものがあります。書きにくいということは整理されていないということなので、どうすれば分かりやすいのか、大切な論点が抜けていないか、課題と解決がバラバラになっていないか。そんなことを気にしながら技術ノートを改定します。そして、その改定版を見ながら、また600字の解答用紙に30分で書くのです。今度は最初の時より数段書きやすくなっているでしょう。そんなことを100個のキーワードに対して繰り返していると、技術ノートのまとめ方のコツや、解答用紙への書き方のコツが見えてくるものです。3回目には、技術ノートを1分ほどよく読んだら、技術ノートは裏返しにして、本番のつもりで600字の解答用紙に手書きで書いて行きます。そして、30分経過したらストップ。そして、技術ノートを表にして、自分で自己採点します。記述のロジックは明確か、キーワードは抜けていないか。そんなことを繰り返していると30分で書ききる能力が身につきます。
2枚ものも1枚もの×2と捉える
選択科目IIでは、通常知識を問う1枚ものが2つと、応用能力を問う2枚ものが1つに解答する必要があります。でも、600字で書くテンポやコツを身につけたあなたにとっては、2枚ものの問題も課題や解決などをブレークダウンすれば良いのです。前半書くべきことと、後半書くべきことをまず整理して、前半書くべきものをさらにブレイクダウンします。設問が求めている内容に基づいて解答すべき内容の構成を考えて、それぞれに欠かせないキーワードを思い出します。そして、解答用紙には、割り当てたスペースに基づきながら、タイトルとサブタイトルを書いて行きます。そして、試験官に理解してもらえるように分かりやすい図表を書きます。
本文を書くのは最後
解答用紙にタイトルとサブタイトルと図表を書いたら、そのスケルトン(骨子)を元に、試験官に対して説明するつもりで、声を出さずに説明するのです。いわば、書く前のシミュレーションです。600字の内容を(無音)で読むのに必要な時間はわずか数分です。そして、一度無音で説明して、違和感を感じた部分があれば、その点を修正します。修正するとと言っても、まだタイトルとサブタイトルしか書いていないので、修正は簡単です。そして、これで大丈夫と思ったら、無音で説明した内容をもう一度文字として書いていくのです。実際に書く時間は、1文字1秒としても、10分ほどです。実際は、すでに、タイトルとサブタイトルと図表が書けているので、7-8分で十分でしょう。
ウォータフォール型からアジャイル型
解答用紙の最初から順番に書いて行くのが、ソフト開発のウォータフォール型だとしたら、私が提案しているのはアジャイル型です。つまり、設問の主旨に基づいて全体の構成を考える。そしてタイトルやサブタイトルとキーワードを考えて、タイトルとサブタイトルを解答用紙に書いていく。そして、理解を助けるための図表を書く。次に、無音で説明してみる。最後に、その内容を文字として書いて終わり。
アジャイル型のメリット
最大のメリットは論理を明確にしやすいこと。骨子を決めて、そこから肉付けするので、試験官も理解しやすい。また、受験者にとっても、大枠を書いて、図表を書いているうちに、忘れていたキーワードなども思い出しやすい。一度無音で説明するので、文字となる内容は他の受験生の解答よりも一段こなれたものになりやすい。つまり、合格しやすいということです。
是非頑張ってください。