2018年01月03日 作成 / 執筆:技術サムライ講師 / 閲覧数: 2,828
3月に技術士試験に合格したとき、あるいは口頭試験が終わり、合格発表を待つ悶々とした期間に、2部門目、3部門目へのチャレンジを検討している方は、その部門に求めれらていることを十分に理解することが必要です。
なぜなら、各部門の試験にかかわる主体が異なるためです。
主体が違うと、自ずと考え方が違って、その部門の技術士に要求するスキルも変わってきます。
たとえば、農村部の水路を改修する際の工法をテーマに詳細論文を書いたとしましょう。
国土交通省の影響を強く受ける建設部門では、大雨のときに、水を速やかに下流に流し、浸水被害が出ないことを重視します。
農林水産省の影響を強く受ける農業部門では、水路の泥上げなどで農業従事者の負担が少なくなるようにして、かつ農作物の収量が増える工法が評価されます。
環境省の影響を強く受ける環境部門では、在来種の生息・繁殖の場として、生物多様性が維持される改修である必要があります。
同じ「ネタ」で2部門目、3部門目を狙うときに、もともと、異なる部門の視点も持って、業務にあたっていた場合には、難なく「2匹目のドジョウ」を得ることができます。
そうではないときには、とくに口頭試験の際に、試験官に厳しい質問をされて困りますので、2部門目、3部門目の考え方の違いを、よく研究しておくことが重要になってきます。
なお、2部門目に、総合技術監理部門を選ばれた場合には、よりいっそう要求されていることが異なっていますので、頭をガラリと変えることが大切です。