2017年10月26日 作成 / 執筆:【ニュース担当】関口雄太講師 / 閲覧数: 941
「あとで、やればいいや」と思って、課題を先延ばしにしたことはありませんか?
5分間だけ、スマホのアプリで息抜き。それから勉強を始めても、学習計画通りに進むから問題はない。そう思って、スマホを触り始めると、5分だったはずが、10分、15分となってしまうことは、よくあります。また、せっかく勉強をはじめても、すぐに息抜きが必要になり、勉強に取り組んではスマホをいじるというサイクルを繰り返してしまう人も多いはず。そして、結果的に、計画はギリギリすべりこみで終わらせたり、睡眠時間を削って取り組むことになってしまう。もし、そんな負のサイクルに入ってしまっているのであれば、先送りの習慣を見直すべきです。
取り組むべきことを先送りにすると、弊害があります。これは、調査データでも示されており、ピアーズ・スティールの著書『ヒトはなぜ先延ばしをしてしまうのか』に紹介されています。一つの例として、レポート提出前の学生のケースが紹介されています。レポート課題が出されてから、提出日までの期間に取り組むべきことが、仮に100個あるとしましょう。ここでの100とは、仮のものですから、たとえば「資料を集める」だとか「1章を書く」だとか、そういったことだと考えてください。1日あたり、5ずつ取り組めば、20日後には、無事に100に到達します。しかし、先延ばしをする習慣があると、最後の5日間で、1日あたり20ずつ取り組むような事態になりがちです。本来であれば、4日かけて取り組むことを、1日でやるわけですから、クオリティも下がりますし、大慌てで取り組むので、気持ちは常に焦った状態になっています。もちろん、なかには課題にさく時間が十分ではないため、終わりきらない場合もあります。課題の取り組みを先延ばしにした学生は、最終的な仕上がりも、コツコツ取り組んだ学生と比較して、程度が低いものという調査結果が出ています。
この結果からわかるように、取り組むべきタスクを先延ばしにすることは、精神的な負担が大きいばかりでなく、最終的な成果物のクオリティを下げることになります。試験学習でいえば、クオリティの低下とは、つまり試験に通過できないということです。しかし、先延ばしは甘えではなく、習慣に問題があります。習慣を改善すれば、先延ばしグセをよい状態にすることは可能です。次回からは、先延ばしする習慣を改善するために紹介されている、具体的なアイデアを確認していきます。