2018年07月01日 作成 / 執筆:技術サムライ講師 / 閲覧数(月間): 134


試験直前期に、問題と問題点の違いがわかっている人は合格の可能性がぐっと高まっています。
問題と問題点は違います。
問題とは、「現状」と「あるべき姿」のギャップです。
問題とは、困っている現時点と、目標値との差です。
模擬試験で55点しか取れなかったけども、合格には60点が必要なので、5点足りないことが問題なのです。
一方、問題点とは、問題を引き起こしている「点」です。
小さなポイントです。
問題点とは、「原因」であり、「技術的障壁」であり、乗り越えるべき「壁」であり、「真因」であり、「本質的問題」であり、そこさえクリアしたら万事がうまくいく「ボトルネック」です。
「5点足りない問題」では、5点を上げることが課題になります。
そして、5点足りない問題の原因は、分野Aが準備不足であるとか、知っておくべき公式Bが覚えられていないとか、そのような小さな小さなポイントとなります。
そのポイントが、「問題点」(とそれに準じる用語)といえます。
技術士試験のⅢでは、課題解決能力が問われています。
課題解決をするには、課題を適切に設定し、「問題点」をしっかり絞り込み、そして、その問題点をクリアするために、効果的かつ効率的な対策をうちます。
技術士試験のⅢでは、このストーリーを示せているかが確かめられています。
「問題」と「問題点」の区別ができているか、いま一度、チェックしてみてください。
2026年09月05日 作成 / 執筆:アニ-講師 / 閲覧数(月間): 66


私的解説:「新技術・DXの活用によるインフラの価値向上」
今回は、令和8年度技術士試験建設部門必須Ⅰ-1問題を例として、どのように記述すれば、一定の評価がもらえたのか?あくまで私見ですが解説してみたいと思います。 問題文は以下に要約して記載します。
問題:「新技術・DXの活用によるインフラの価値向上を進めるに当たり,多面的な観点から3つの技術課題を抽出,それぞれの観点を明記,その技術課題の内容を示せ。」
1. 題意の理解
この設問は、「新技術・DXを使って、老朽化、担い手不足、災害激甚化などのインフラ課題を解決し、インフラの価値をどう高めるか」を題意としています。
2. 我が国の施策
我が国はICT技術の社会実装が急進しつつあります。インフラは従来の「施設及び設備」から、データ、ネットワーク、AIを含む国民生活サービスへつながることが求められ、以下の展開施策に関する現状認識が必要です。
・令和8年1月策定、「第6次社会資本整備重点計画」の重点目標
・新技術・DXの活用でインフラの価値(意義・役割)向上、インフラサービスを高度化
・建設分野のDX:i-Construction 2.0、BIM/CIMの原則適用、点検の予防保全へ転換
・担い手不足、老朽化、災害の激甚化に対応、生産性、安全性、持続性を確保
3. インフラ価値向上の技術課題
インフラの価値を向上させる技術課題は多様な側面、切り口が想定されますが、私は以下の3点を技術課題の例として抽出したいと思います。
1)データ連携と標準化(データ管理、活用の観点)
従来からインフラごとの関連データは長年に渡り、膨大量が蓄積されています。しかしながら、データ形式や管理方法がそれぞれ専門施設分野ごとに独立しています。このため相互データのやり取り、横断的連携による共有・活用が容易ではありません。 既存及び収集データの共通データベースの構築等による一元管理、互換性の確保、相互活用の観点から、オープンデータ活用に向けた情報管理の向上が技術課題です。
2)人材・運用体制(人材確保と育成の観点)
技術革新が急進するデジタル技術と、我が国がこれまで重点的に整備してきた既存インフラ関連技術の双方を理解し、自在に活用できる人材が不足しています。特に就労者として以下のデータをその背景事情として示すのは有効と考えます。
・建設業就業者は1997年の685万人から2023年には483万人まで減少
・2024年には55歳以上が36.7%を占めるのに対し、29歳以下は11.7% 特に施工や維持管理では、担い手不足が深刻化、マンパワ-の絶対量不足への対応としてAI・ロボット等による省人化、デジタル人材の育成・確保の観点から、異分野人材との連携、強化による人材・運用、確保が技術課題です。
3)安全性、レジリエンス(多層的安全確保の観点)
ICT技術への依存度が高まる一方で、これに対するサイバー攻撃やシステム障害によるインシデント、近年の自然災害等の多発傾向は、インフラ停止に直結するリスクが高まることが懸念されています。このため「万一、事故が発生した場合でも、機能停止を回避する。」に加え、「障害を受けても迅速に早期復旧を可能とする。」安全な社会システム構築が緊喫な技術課題です。
4. 最も重要な課題と対応策
(1)最も重要な課題と解決視点
上記に対し私は、「デジタル化定着による業務効率化」とそれを実現する「安全・安心社会の両立」を最重要課題として取り挙げ、以下の視点による解決策が重要と考えます。
・生産性と安全性の向上、インフラ機能
・役割(インフラの価値)の最大化
・蓄積デ-タとデジタル技術の活用による質の高いインフラサービスの社会提供
・ICT技術インフラ監視・制御による維持管理コスト低減、事故抑止、サービス向上
・システム依存によるサイバー攻撃、通信障害等、社会影響に対するリスク対策
(2)対応策(案)
1) 維持管理技術の高度化
業務の効率化を推進するためAI、ドローン、ロボット、センシング等を活用したインフラの点検・診断・維持管理データ取得・解析技術の高度化と、AIによる点検・診断の信頼性向上を対策として挙げます。これらは、業務効率化、省人化、安全作業、苦渋作業の解消等の効果を期待できます。
2)防災・減災力の強化
デジタルデータ等を活用した災害予測、監視、早期対応には、多種多様なリアルタイムデータを統合、解析、迅速な意思決定につなげる技術を確立し、防災・減災力を強化することを挙げます。データ-解析の精度向上を図り、判断の迅速化、災害情報の共有化をその効果として示します。
3) 社会・国民サービスの向上
デジタル技術の活用推進はインフラ利用者(国民)へのサービスの高度化、多機能化を推進に繋がります。インフラデータの連携、標準化、利活用促進に向け積極的な財源及び人材投資、セキュリティ強化、個人情報等の保護を前提とした情報管理整備を対応策として提案したいです。
5. 新たに生じるリスクと対応策
リスク対応としてはICTを単に「効率化のツール」とするのではなく、サイバー攻撃や障害が発生しても、柔軟に対応力機能を維持できる従来の安全性に加え、レジリエント性が高いインフラへ転換することが重要です。ここでは、リスクと対応策をあえて箇条書きで整理し、以下のような多面的論述への応答を簡潔にわかり易く表現、それぞれにリンクした記述手法をお勧めします。
1)新たなリスク
①大規模災害やサイバー攻撃によるライフラインインフラ停止等社会影響リスク
②AI、自動化機器の誤作動、過度なデジタル依存による誤判断による事故リスク
③システム障害、通信障害による社会的麻痺に対するセキュリティリスク
2)対策
①監視、予測、判断、伝達技術精度向上、バックアップ体制確立とインシデント訓練の継続
②人間による最終判断と確認、他AIによるダブル検証、フェ-ルセーフ機能装備
③非常用通信、電源等代替設備の確保やオフライン運用への自動切替
5.技術士倫理と社会の持続性の観点からの必要要件・留意点
1)技術士倫理の観点
新技術・DXの導入に当たっては、公衆の安全・利益を最優先とした技術者倫理観が重要です。透明性、信頼性を確保、サイバーセキュリティ等リスクに十分留意し、社会へ貢献する技術者を目指すことを示して下さい。
2)社会の持続性の観点
インフラの価値は安全、安心社会を持続することにあります。環境負荷、地域間格差、ライフサイクルコスト、人材育成・技術継承等を考慮し、将来世代を含めて持続可能な社会に資するため、その質的サービス機能の継続が肝要である思考を示して下さい。
次回は必須Ⅰ-2問題:「グリ-ンインフラの活用社会」について私的解説してみたいと思います。(以上)
2026年10月03日 作成 / 執筆:アニ-講師 / 閲覧数(月間): 57


技術士への近道 合格者が実践する「マイノート」作成術!
今回は技術士試験の準備に欠くことができない、トピックスやキーワ-ド等を整理する「技術士マイノート」の作成術について、ご紹介したいと思います。記述試験はもちろんのこと、今後予定される口頭試験においてもこの「技術士マイノ-ト」は、「アナログ式データベース端末」でもあり、合格者が実践するその作成術は、合格への近道と考えます。
1.いつもきれいなノートを作る友人
昔の話です。私が小学生の頃、仲の良い友達がいました。とても頭の良い彼でした。今思うと彼のノートは、いつもどの教科のノートを見てもとても見やすく、きれいに整理されていました。予習⇒授業⇒復習の項が見開きノートできちんと整理され、色えんぴつ等の色彩を上手に使い、文字も見やすく、友達でありながらも、そのようなノ-トを作るようになることは、当時、私の願望でもありました。 彼は成人後、小学校の教員を生業とすることになりました。時々彼のことを思い出しては、彼のようなノ-ト作成を目指してみたものの、あれから半世紀以上の年月を経た現在でも、彼のような整理されたきれいなノートには、私自身、残念ながら未だに近づくことはできていません。
2.視覚的に見やすいノート
ノ-トは書くものであります。また、時々見直し、反復確認ためのキーカードやメモの役割を果たします。ノートは、何より見やすくなければなりません。その作成では、以下に工夫することが必要です。
1)「余白」を作る
予めノートの上下左右及び行間は広めに確保、余白を残し、ぎっしりと書かないようにします。余白があることは「重要ポイント」を目立たせることができ、新たな情報等を適宜、追加させることができます。
2)タイトル・見出しで強調
多色のカラ-ペンは避け、基本は1色だけ使い、できるだけ文字の大小や、タイトル等により、メリハリをつけ明瞭にします。必要な箇所は【現状と課題】のように【カッコ】で見出し等を囲み、番号の付与や少し大きめで濃く太い文字で、情報の分野、階層をはっきりと強調させましょう。
3)カラ-は3色まで
色の使いすぎは情報が複雑となり、逆に見にくくなる可能性があるので、以下のように作成段階で自分なりの色使いのルールをつくりましょう。 ① 黒:本文を書く。 ② 青:重要語句に使用する。 ③ 赤:超重要、頻出や必須を強調する。
4)図、矢印、枠を効果的に使う
図や矢印は文字に代わる認知情報です。これをある程度自分なりのルール化により、文章情報に加え、図を挿入することで記憶の想起に役立てます。
①フロ-:矢印で示す、プロセスやイベントを関連付ける。
②比較:表形式で整理、相違点を明確にする。
③四角・長方丸枠:枠で囲み、該当範囲を位置付ける。
5)「1テーマ:1ページ」
例えばキーワ-ドは1テーマ、1ぺ-ジに設定し、これを遵守します。予め意図的に整理しておくことで、どのぺ-ジも同様に整理されており、後の復習、確認が短時間で検索可能となります。
6)フォーマットを固定
各ページは同じフォ-マットにします。キーワ-ドの内容展開から、その記述内容を簡単に思い出すことができます。例えば、以下のような統一は、思考プロセスの整理に役立ちます。
① タイトルは1行で示す。
② 要点は3行程度で、ポイントで示す
③ 詳細内容は箇条書き等で整理する
④図・表はシンプルにわかり易く表示する。
⑤ 自分が気づきやすい方法を見つけ、工夫する。
7)書く前に計画する
記述すべき事項は、以下のように事前に構想、計画することで、マイノートの完成度を高めましょう。
① 1ぺ-ジで該当キーワ-ドテーマを網羅、完結する。
② 重要箇所の強調方法を常に意識、実践する。
③ その後の活用方法に留意、何をどう書くか、どう配置するかを考える。
8)レベルアップを目指す
マイノ-トは常にレベルアップを意識し、以下の活用方法なども取り入れ、工夫を凝らして下さい。
① マインドマップの作成
② デジタルノートとの併用
③ ぺ-ジ末尾は、「まとめ項」を作成
3.技術士試験準備マイノ-トの基本構成
マイノ-ト作成では、「1つのキーワード」を以下の6項目程度にまとめます。常に同じ切り出しで、作成しておくことでプロセスがパタ-ン化され、予期せぬ課題があっても、冷静な対応が可能となります。
・キーワード:重要用語を大きく書く。
・定義・概要:誰かに説明するイメ-ジで1~2行で簡潔に示す。
・背景・現状:なぜ重要なのかその理由や、現状を知識情報として記述する。
・課題:技術士論文で使える課題を3つ程度抽出する。
・対策:課題に対応する多面的な具体策を挙げる。
・効果・留意点:メリット、リスク、今後の展望を示す。
4.「横展開」構造
記載したキーワードは、単独で暗記しないで、それを基に横方向に思考を展開できることが重要です。例えば、「AI活用」と言うキーワ-ドに対しては、
先端技術→生産性向上→人手不足対策→データ品質確保→サイバーセキュリティリスク→技術者倫理、説明責任というように、複数の論点が「横展開で連結された構造」を意識、整理しておくことが肝要です。
5.モチベ-ションへ繋げる
何かを継続することは相応のモチベ-ション維持が必要です。これは短期間で達成できるものではありません。不断の努力の賜物こそがそれを現実化するものと考えます。作成したマイノ-トは、絶えず振り返ってみましょう。わかり易くを追求、さらなるブラッシュアップを繰り返すことが、モチベ-ションの糧とになります。
6.作る、増やす楽しさ へ
マイノートを日々継続して作成、増やすことで、キーワ-ドがどんどん整理されて行きます。それらは自分の知識データベース成果として、結果として楽しさへと変化します。 技術士マイノ-トは、整理した内容を技術士第二次試験の場で、短時間で構想、構成し、解答文を記述し続ける「ネタ帳」となるのです。自分で整理した、活用しやすい「技術士マイノ-ト」の作成に取り組んでみましょう。
次回は、口頭試験も照準し、日々変化する社会情勢等をどう見て、どう判断するか?身近なニュ-スを技術士としての「どのように読んでおくべきか」について、ご紹介したいと思います。(以上)
2026年09月12日 作成 / 執筆:アニ-講師 / 閲覧数(月間): 55


私的解説:「グリーンインフラ推進戦略2030」を踏まえた課題と対応策」
今回は前回に引き続き、令和8年度技術士試験建設部門必須Ⅰ-Ⅱ問題を例として、あくまで私的ではありますが解説してみたいと思います。問題文は、以下です。(抜粋、重点課題と解決策等設題は省略して記載。)
設問:「グリーンインフラ推進戦略2030」を踏まえ,グリーンインフラを活かした具体の取組を進めるに当たり,多面的な観点から3つの技術課題を抽出し,それぞれの観点を明記、その技術課題の内容を示せ。
1.題意の把握
国土交通省の「グリーンインフラ推進戦略2030」では、グリーンインフラを「自然の多様な機能を活用した社会資本」と位置付けています。2030年度までに戦略的計画、持続的な維持管理、多様なステークホルダーの参画、財源的確保、新技術・DXなどグリ-ンインフラの活用方策の論述を題意としています。
2.技術課題の抽出
上記の計画では、持続可能で魅力ある国土・都市・地域づくり及びウェルビーイング(:社会及び国民生活の快適性向上)を目指しています。 防災・減災、生物多様性、酷暑対策、地域活性化等の複数の社会課題の同時解決に向け、人と自然が共生する社会づくりの観点から、私は以下の3つの技術課題を取り挙げたいと思います。
(1)生態系に配慮したグリーンインフラ(防災・減災と自然環境の保全・再生の観点)
気候変動に伴い、集中豪雨や洪水、土砂災害等の激甚化が懸念される一方、従来型のコンクリ-トを主体とするインフラでは、環境負荷や維持管理費等の課題となっています。このため、既存の雨水貯留池、緑地、湿地、遊水地、河川等は、自然再生等の観点から、雨水貯留・浸透、流出抑制、土砂流出防止等の自然機能を、防災・減災へと活用が必要とされています。 これに対しては地域の特性、地形・地質、河川流域、生態系等を把握し、ハード及びソフト対策の役割分担を明確にし、広域かつ流域全体でのインフラ整備が技術課題です。
(2)生物生息・移動空間の連続的確保(生物多様性・生態系ネットワークの観点)
都市化や土地利用の変化により、現状として生物の生息・生育空間の分断が指摘されています。公園、河川、農地、森林、街路樹、緑道等は、生態系ネットワークとしての連続性の観点が不可欠であり、生物の生息移動を可能とする空間を確保が技術課題です。 特に、地域固有種を優先した植栽、在来種の活用、外来種の侵入防止、水辺環境の再生等と組合せ、地域の自然条件に適合したグリーンインフラ形成が重要です。
(3)自然と共生するグリーンインフラ(地域住民のコミュニティ形成の観点)
グリーンインフラは、防災や環境保全だけでなく、景観形成、健康増進、交流機会の創出、地域活性化等への寄与が求められます。このため、地域住民のウェルビーイングとコミュニティ形成の観点から、自然と共生する機能創出が技術課題です。 これの実現に際しては、行政、地域住民、民間事業者、NPO等が継続的に参加できる仕組みの構築が必要です。また、計画段階から多様な主体が参加した合意に基づき、維持管理の役割分担、活動の財源確保等の一体となった取り組みが肝要です。
3.最も重要と考える技術課題と複数の解決策
最も重要技術課題として、「自然が有する防災・減災機能を活用し、生態系に配慮したグリーンインフラの計画・設計技術の確立」を挙げます。その理由は、近年の気候変動による災害リスクの増大への対応、生物多様性の保全や良好な生活環境の形成を、同時に達成することが最も重要であり、グリーンインフラの多面的機能を発揮させるため以下の解決策を提案します。
1)流域全体を対象としたグリーンインフラの配置計画
流域の降雨、地形、土地利用、浸水リスク等をGIS等デジタル技術により分析、その対応として調整池、湿地、公園、農地、森林等の貯留・浸透機能を有するインフラをの戦略的な配置を計画します。 河川等はグリーンインフラの組合せを考慮、平常時には生態系保全や景観形成、一方、豪雨時には雨水流出抑制という多面的、多層的効果を発揮する整備を推進します。
2)地域の自然条件に適合した設計・施工・維持管理
地域の自然条件、気候、土壌、水文条件、生態系等を詳しく調査します。その上で例えば、植生帯では透水性、保水性、植生の耐乾性・耐湿性、地域固有の在来の植物種、生物、土壌を考慮した設計、施工、維持管理を行います。特に河川や水辺では可能な範囲で、自然及び生物の生息・生育環境に配慮した設計を行います。
3)DXを活用した順応的管理
グリ-ンインフラ整備後は、整備目的に対する効果、利用状況等を、定期的モニタリングを継続、IoTセンサー、GIS、ドローン、衛星等DX技術活用によりデータを蓄積し、定量的に評価する管理手法を導入します。期待効果が不足する場合には、植栽変更、土壌改良、排水機能の改善等の順応的管理を予め計画し、PDCAサイクル管理を継続します。
4.将来的な懸念事項と対策
上記の解決策の遂行では、将来的に以下の懸念事項とそれへの対応策を考慮しておくことが重要です。
1) 将来的懸念事項
① 気候変動による自然条件の変化(想定外豪雨の頻発、自然変化による機能低下等)
② 外来種の侵入や病害虫の発生等による生態系への悪影響
③ 維持管理費の増大に対する持続の実現
2) 対応策
① 将来の気候予測の精度向上とリスク評価、施設機能の冗長性と多機能性確保
② 在来種を基本とした植栽計画、定期的な生物モニタリングの継続
③利用可能な公共空間として整備と地域全体の便益享受の仕組み構築
5.技術者倫理及び社会の持続性の観点からの要件・留意点
1)技術者倫理
グリーンインフラは、自然の変化を踏まえて継続的に評価・改善する「適応型の社会資本」と捉えることが重要です。このため技術者として、科学的根拠に基づく説明責任と透明性を常に意識した倫理行動が求められ、積極的な情報公開により、国民からのコンセンサス獲得に努めることが肝要です。
2)社会の持続性
技術者に与えられた使命として自然環境影響を最小化し、将来世代への豊かな自然を引き継ぐことがその重要な役割です。多様な主体との協働によって、人と自然が共生する持続可能な社会の実現に向けた貢献活動の継続が重要であると考えます。 次回は、技術士試験に出題されるようになった「外国人労働者」に関し、私的に解説してみたいと思います。(以上)
2026年09月26日 作成 / 執筆:アニ-講師 / 閲覧数(月間): 45


R8年度 技術士試験「建設部門猛暑対策」私的解説
我が国は近年、気温が35℃を超える猛暑日が増加しています。日常生活ばかりでなく屋外作業を余儀なくされることが多い建設業界は、過酷で苦渋な作業環境を現実問題として強いられています。 今回は令和8年度、建設部門-施工計画分野で出題された課題Ⅲ-2の「建設部門猛暑対策」の解答について、私的解説してみたいと思います。 問題文は、以下の通りです。(抜粋要約して記載) 「建設工事における猛暑対策を実施するに当たり,多面的な観点から技術課題を3つ抽 出し,観点を明記したうえで,それぞれの技術課題の内容を示せ。」
1. 技術課題
近年、地球温暖化等の影響により猛暑日の発生頻度が増加しています。気象庁「日本の気候変動2025」によると、日本国内の13観測地点では、1910年以降、日最高気温35℃以上の「猛暑日」の年間日数が増加しています。(この部分は実際の数値データを示し、この問題の認識の高さを示すと良いでしょう。) 特に、1990年代半ばを境に猛暑日が大きく増加が顕著となっており、以下の問題発生の増大が危惧されています。
・気温・WBGT(暑さ指数)の上昇による作業者の体調悪化
・熱中症による労働災害リスク増大
・作業員の集中力低下や体調不良による作業効率の低下
・構築する工事目的物への品質低下影響等
建設現場においては、この現状を踏まえ熱中症リスクの増大に対する施工計画、安全管理が求められており、建設部門として次の3点が技術課題として挙げられます。
1)作業員の熱中症リスクの把握、予測
作業員の熱中症は外気温だけでなく、湿度、輻射熱、作業強度、作業時間によってそのリスクが変化します。WBGT(熱さ指数)測定、ウェアラブルセンサー、気象データを活用したリスク把握と確実予測が技術課題です。
2)作業箇所、環境による高温化
建設作業では炎天下の躯体、屋上、舗装面など、作業環境そのものが高温化しやすい作業環境であり、休憩所を設けるだけでは十分な温度低下が難しい作業環境にあります。遮熱、散水、ミスト、送風、仮設冷房、日射遮蔽など複数の組み合せによる対策の計画と予防対策の実施が技術課題です。
3)生産性と安全確保の両立
熱中症を防止するため、十分に休憩時間を増やすと工程遅延に影響する可能性が想定されます。一方で苦渋で無理な作業継続は事故・熱中症につながる可能性が高く、作業時間のシフト変更、工程の前倒し、早朝作業、機械化及び省人化の導入等、生産性と安全性確保の両立が技術課題です。
2. 最重要課題と解決策
(1)最重要課題
私は最重要課題として、「熱中症リスクをリアルタイムで把握し、危険状態に至る前に作業を中断、作業工程を柔軟に変更できる仕組み構築」が重要であると考えます。 また、単に「気温が高いから休憩する」という管理手法から、個人差や作業内容に応じてリスクを十分に考慮し、「作業者個々へのきめ細かな管理と柔軟対応」のため、以下の対策推進が重要と考えます。
(2) 解決策
1)定期的計測と検知
・現場各所にWBGT計を配備、計測と検知を継続する。
・IoTセンサーにより作業場所の暑熱環境をリアルタイムに監視する。
・作業者個々にウェアラブル端末等を装備、心拍数・体温等を把握、管理する。
2) 気象に基づく危険予測
・気象予測と作業内容による危険時間帯を事前予測、作業前に周知、情報共有する。
・一定の基準を超えた場合の休憩、給水、作業変更をシステムとしてルール化する。
3) 工程消化の工夫
・状況に応じ、「クリティカルパス」を見直し、工程の最適化計画として修正する。
・「早朝、夕方施工」「並行施工」「施工班増強」等作業工程を工夫する。
・朝礼時に当日の「危険時間帯」と「重点対策」に対し、情報共有を図る。
・屋外作業時間帯は早朝等へ移行など、工程計画を臨機、柔軟に変更する。
3新たな懸念事項と対応策
上記対策を実施、展開が進展したとしても、以下の新たな懸念事項が予測されと考えます。
(1)懸念事項
・センサー・ICTの過信による体調悪化判断
・空調、ミスト等による電力・水使用量の増加等環境負荷の増加
・作業員の個人差、高齢化・外国人材などリスク管理の複雑化
(2)対応策
予測される懸念事項については以下の対応策を予め考慮、これに備えた準備が肝要です。
・ICTは補助と位置付け、本人の申告、管理者の巡回、WBGT測定の併用を強化
・必要箇所への重点配置、省エネ型機器、再利用可能な散水方法などによる環境負荷の低減
・多言語表示、ピクトグラムを活用した危険周知、個人差を考慮した休憩設備計画 「熱中症問題」は一過性のものではなく、今後ともに我が国が直面する重大かつ深刻な継続課題であり、様々な観点からの工夫、対応が迫られているものと考えます。 様々な試行と工夫により、建設部門のみならず、我が国全体として克服すべき課題であると考えます。
次回は技術士試験の準備の必須アイテムである「技術士準備マイ・ノート」について、私の子供の頃の思い出も回想しながら、ご紹介したいと思います。(以上)
2017年02月24日 作成 / 執筆:【ニュース担当】eastwest665講師 / 閲覧数(月間): 38

技術士2次試験を受験するには、所定の期間の実務経験が必要になります。
実務経験は、「科学技術に関する実務経験」としか記載がなく、どういったものが実務経験にあたるのかがとても曖昧です。
今回は、技術士受験資格の実務経験に関する例について解説します。
そもそも実務経験って?
技術士の実務経験ってどのようなものなのでしょうか?
技術士法の中では「科学技術に関する専門的応用能力を必要とする事項についての計画、研究、設計、分析、試験、評価又はこれらに関する指導の業務」とあります。
漠然としすぎていてどのようなものかが思い浮かばないかと思いますが、例としては以下のようなものが挙げられます。
・新製品の開発、設計、検査
・道路建設の計画、検討、設計
・建物を建設する際の受変電設備建設の計画、設計、運用後の評価
科学技術に関する新たな挑戦を行った時に技術士の実務経験になるのではないでしょうか?
通常であれば、困難で導入不能となるような事案でも、工夫を重ねてうまく製品化や工事であれば竣工したというような事例を実務経験の中で入れなければなりません。
設計や計画といっても、誰でもできるようなルーチンで流せる業務(決まりきった設計業務など)は、実務経験としては不適当であると思われます。
日々の業務の細かい点に注目
技術士を目指す方の中には、こんなことは、自分の業界にいる人であれば誰でも気が付くと思っていて、小さな工夫を見逃している可能性もあります。
技術に関する創意工夫はとても小さなことが大きな効果を発揮したりすることがあります。
そうしたものを見逃さず、実務経験としてうまくプレゼンができれば、十分実務経験になると言えます。
技術士二次試験の最初の難関でもある実務経験は、日ごろの業務をよく観察することで乗り切ることができます。
2026年09月19日 作成 / 執筆:アニ-講師 / 閲覧数(月間): 36


R8年度 技術士試験:「建設業における外国人労働者活用課題」私的解説
私は個人的に、外国人の方に日本語を教える日本語教師の仕事に従事しております。私は長年、建設業に身を置く経験から、我が国の少子高齢化、担い手不足の深刻さは、国力自体の衰退に繋がることに対する懸念を強く抱いております。
令和8年度技術士試験(建設部門-施工計画-選択科目Ⅲ-1)では外国人労働者問題が出題されました。この出題は一部の業界や企業、地域の問題にとどまらず、我が国としての担い手確保の緊喫な対応が迫られていることを改めて実感しました。今回は、この問題について私的解説してみたいと思います。(以下、設問を抜粋して記載。)
設問:建設業において外国人労働者を活用するに当たり,多面的な観点から,外国人労働者 特有の技術課題を3つ抽出し,観点を明記したうえで,それぞれの技術課題を示せ。
1.外国人労働者技術課題
我が国の建設業は、以下のように就業者数の減少と高齢化が同時進行しています。 (細部までは不要ですが、現状の具体的数値データを示すと課題認識として効果的です。)
・建設業就業者は1997年の685万人から2023年には483万人まで減少
・2024年には55歳以上が36.7%を占めるのに対し、29歳以下は11.7%
・2026年7月の建設技能労働者は全国8職種平均で1.2%不足
建設業における外国人労働者の活用は、単なる「人手不足対策」ではなく、安全・技能継承・定着・生産性を同時に実現する人材戦略として考える必要があります。来年2027年4月から施行される外国人「育成就労制度」の施行も見据え、以下が今後の課題と考えます。
1) 言語、安全、技術、品質管理教育
外国人労働者に対しては日本語能力や建設現場特有の難解な専門用語により、指示誤認・事故・施工品質低下のリスクが想定されています。このため「やさしい日本語」+「多言語教材」+「写真・動画・ピクトグラムによる安全教育」、「技能別OJT等」、「現場の技術及び品質管理教育」が必要であることの認識が重要です。
2) 定着、キャリア形成
これまでの外国人労働者制度改定に見られるように、外国人労働者に対しては「単純労働力」としての位置付けでは技能向上や将来像が明確になりません。離職・転職につながる可能性があり、我が国が必要とする労働力の定着にはつながりません。 このため個々の技能レベルを向上、日本の建設業界と同様に資格取得を奨励、施工管理などのキャリアマップを提示、昇給基準を明確化、評価制度等を日本人と共通化、就業定着とキャリア形成を図ることが求められています。
3) 受け入れと共生のための社会管理システム構築
中小企業では労務管理、生活支援、相談対応を自社だけで行うことは経営的にも難しい状況です。このため登録支援機関・業界団体等との連携、相談窓口の一本化、定期面談、労働条件の多言語説明、現場管理者への異文化研修等、外国人労働者の受け入れと、共生のための社会管理システムの構築が課題です。
2.重要課題と解決策
(1)最も重要な課題
最も重要な課題として、私は「日本語&安全&現場技術教育」の両立を抽出します。その理由は、円滑なコミュニケ-ションがなければ、建設部門の使命である工事の目的物を安全に、所定品質を満足し、国民や発注者へ提供することが困難であるからです。その解決策として以下の推進が重要と考えます。
(2)解決策
1)現場の日本語教育
建設現場では、一的な日本語が話せても、「墨出し」「段取り」「養生」「足場」「立入禁止」など、建設分野特有の専門用語や、危険注意や警告指示を正確に理解することが重要です。実は外国人の方々にとって、これは極めてハードルが高いです。私の日本語指導の経験からも、強く実感しています。 テキスト等のみではなく、現場状況を正確に把握、理解し、それを次の行動に移すためには、相応の場面経験と蓄積が必要だからなのです。 外国人労働者への安全衛生教育は「内容を理解できる方法」が必要です。外国語教材や視覚的な危険表示の活用、日本語教育だけに頼らない視覚(写真、動画、イラスト等)教材を活用します。また、やさしい日本語による「多重伝達」の教育システムの構築と、これの定着のための実践教育継続が重要なのです。
2)技術者育成
私は今後、建設技能、日本語能力、就労環境の向上を継続的に行う企業に対する適正評価が重要であると考えます。これの社会システムとして定着するため以下の施策展開が不可欠です。 ・基本技能を習得、経験を踏また必要資格の取得 ・技能研鑽による熟練技能者としての経験の蓄積 ・資格や経験への相応対価(賃金、手当、福祉支援等)制度の定着 ・職長等リ-ダ-として現場管理人材としてのキャリアアッププランの策定
3)定着の仕組み構築
外国人労働者の定着については「受入れ管理」に対する社会的な仕組みの強化と、これを実現するための以下の環境整備の充実が求められます。
・在留資格、制度への対応
・労働時間、賃金管理、生活相談
・日本語+安全+現場技術+マネジメント等の指導
3.新たに想定すべきリスクと解決策
1)新たなリスク
外国人材の受入れにより、従来とは違う以下の新たなリスク発生が想定されます。
① 一方的教育による不理解が起因する安全教育を実施したつもりによるリスク
② 外国人労働者の別扱いによる個々の不満、日本人との分断
③ 離職、転職等人材流出のリスク
2)解決策
これらリスクに対し、予めこれを考慮した以下の解決が肝要です。
① 多言語動画教材や定期的な再教育による「理解、行動率」の管理
② 日本人・外国人共通のキャリアプロセスや技能評価制度の導入
③ 公正評価、資格取得や生活支援等総合的な職場環境整備
国土交通省が進める建設キャリアアップシステム(CCUS)と連動させ、個々の技能の見える化とキャリア形成を結びつけた社会全体としての展開が切望されています。我が国は、外国人労働者に対する新たな局面を迎えており、人材定着のためには「日本で是非、働きたい。」「日本でスキルアップしたい。」とする海外の人材の願望を叶え、他国と競争できる対応が求められています。 次回は令和8年度技術士試験(建設部門-施工計画-選択科目Ⅲ-2)に出題された「猛暑対策」について私的解説をしてみたいと思います。(以上)
2019年01月01日 作成 / 執筆:技術サムライ講師 / 閲覧数(月間): 33


一次試験は、どの部門で受けてもかまいません。合格した部門と、二次試験の受験科目を一致させる必要はないからです。
たとえば、一次試験を水産部門で受験・合格して、二次試験を環境部門で狙うことができます。
大学で水産学を修めた人が、環境コンサル会社に勤めた場合に、この手段は有効です。
一方、二次試験で、畑違いの部門を選択すると命取りになってしまいます。
なぜなら、口頭試験で、試験官に、「あなたの業務は、この部門ではないですよねぇ」と言われてしまいます。
質疑応答の土俵にも上げてもらえません。
つぎのような話があります。
彼は、生物多様性に配慮した水路を設計・施工しました。
その結果、貴重なカエル類の保全に寄与しました。それを全面にアピールして、ある年に、環境部門の技術士になりました。
口頭試験では、試験官に、その技術力をたいへん評価されました。
彼は、同じ業務を題材に、建設部門を受験しました。
環境に配慮した技術力を、建設環境の領域でも評価してもらえると考えたからです。
口頭試験では、試験官に、「あなたは多くの税金を使ってカエルを助けたのですね」と呆れられて不合格になりました。
このように、同じ業務でも、部門によって評価のされ方が異なることがあります。
初受験の方は、口頭試験で「部門違い」の大ヤケドしないために、十分に検討してください。
できれば、技術士になられている先輩か、受験対策会社でアドバイスを受けるようにするとよいでしょう。
すでに、技術士になっていて、2部門目を狙う場合は、1部門目とは異なる業務で勝負するのが得策です。
同じ業務で受験する場合には、受験する部門に合った業務を、実際にできたかどうかをチェックして、書き方を工夫するとよいでしょう。
2026年04月11日 作成 / 執筆:アニ-講師 / 閲覧数(月間): 32


「技術士解答文は骨子法で書く」
骨子法(こっしほう)とは、技術士試験の解答文やレポ-ト、ビジネス文書等を論理的記述の1手法です。記述する前に「骨子(アウトライン)」を作り、その骨子に沿って本文を書く方法であり、論述構成に極めて有効です。今回はこの方法をご紹介し、準備解答文の作成の参考にいただければと思います。
1. 骨子法とは
骨子とは、準備する答案の設計図(骨組み)です。いきなり本文を書かず、事前に構想してから書き出す脳内整理カード(メモ)と言っても良いかもしれません。その手順は以下の通りです。
・設問の題意要求項目を確認する。
・何を書く必要があるかについて、論点整理を行う。
・項目毎に「見出し+要点」による骨子を作る。
・骨子に肉付けをしながら、本文を記述する。
2. 設問の基本パターン
技術士試験の課題Ⅱ、Ⅲの設問は以下のとおりです。設問内容は異なりますが、ほぼ、基本パタ-ンは同様です。
①現状・背景
②課題抽出
③課題の解決策
④リスクとその留意点
⑤技術者倫理及び社会の持続性
3.骨子法の作成例
例えば、「今後のインフラメンテナンス対応」を設問想定した場合の、骨子法の作成例を以下に示します。
1) 背景と現状
・我が国の経済、社会情勢
・ストックインフラの増加、老朽化と進展
・頻発する自然災害、巨大地震の切迫
・強靭な国土基盤形成、戦略的メンテナンス切望
2) 課題⇒解決策⇒リスク⇒対応策
骨子は課題⇒解決策⇒リスク⇒対応策が横方向に一列に繋がるよう表により、骨子とその記述すべき事項を順に例えば、以下のようにメモする方法をお勧めします。記述する項目とその内容を整理することができます。
・点検技術者不足⇒ICT技術活用による省力化⇒投資負担増大⇒補助優遇制度導入
・維持管理費用の増大⇒アセットマネジメント⇒予算確保と平準化⇒効果の可視化
・膨大量インフラ情報の管理⇒データベース整備⇒技術者教育不足⇒リテラシ-向上
4. 骨子作成の時間配分
技術士試験では記述に要する時間配分と管理が重要です。書き出す前の構想が合格に至る全てであり、短時間でそれを組み立てることが極めて重要です。骨子の構成の出来は評価点に直結することを意識し、短時間で骨子作成訓練が必要です。
5. 骨子法活用のメリット
骨子法を活用するメリットを以下に整理します。
1) 論理展開の一貫性確保
予め構想した骨子により構成された文章を記述するので、論理展開の一貫性を確保できます。試験官は見やすさと素早く理解するための「論理構成」を重視しており、これに的確に応えることができます。
2) 記述内容決定の頭出し
解答文に何を書くかは、記述内容が全てです。記述内容の選択に迷いや不透明な部分があれば、それは貴重な時間の浪費と記述内容の曖昧さにつながります。骨子を構想、キーワ-ドの頭出しを行うことで、迷うことがない記述作業に専念できます。
3) 記述速度が速くなる
600字の解答用紙を記述するには約1枚、約20分程度の時間が必要です。(皆さん是非、実際に書いてみて、事前に時間的感覚を体得下さい。)このため、考えながら記述していては、制限時間のタイムオーバ-が予想されます。 従って、「迷わず記述するガイド」として骨子メモが必須であり、この存在は書き続けることができる安心感や、本番試験の精神的な支えとなります。
4)書き忘れがない
骨子を準備することで、書くべき事項は決定されており、書き忘れや漏れがありません。特に倫理やリスクなどは、技術的側面を支える考慮すべき重要事項でもあり、これらの記述ミスを防止でき、記述内容の充実と確保に繋がります。
6.キーワ-ドノートによる訓練成果
技術士解答文は「文章力試験ではなく、論理構成の試験」と言っても良いでしょう。骨子法はそのためのテクニックと考えます。以前、ご紹介したキーワ-ドノートを作成することは、言わばこの「骨子」を構想するトレ-ニングなのです。たくさんのキーワ-ドノートを作る訓練により、想定した多数のキーワ-ドを、骨子法により短時間で論理構成することができる成果となるのです。
7.イメ-ジトレ-ニング
骨子を素早く構成するには、日常的にこれに対する思考訓練の継続が肝要です。通勤、散歩、休憩等のすきま時間を活用し、あるキーワ-ドを自ら設定し、「○○現状」⇒「○○課題」⇒「○○対策」⇒「○○リスク」⇒「○○」対策の一連プロセスを常にこれが構想できるようトレ-ニングを積み重ねて下さい。
これの実践は試験本番で必ず、強力な味方になります。記述すべき項目が仮に思い浮かばない場合であっても、数個のキーワ-ドを長期記憶から引き出し、これをつなぎ合わせることで「小見出し+説明内容2~3行の文章」を書き連ねることが可能です。
また、的はずれでなければ、字数が埋まらない場合の回避テクニックとして減点を防ぐことができる有効な手段と考えます。 これらは、準備解答文のアウトプットの量の裏付けであり、記述練習量の多さによるものと考えます。どうか皆さん、骨子作成訓練を積み重ね、論述文章作成を体得下さい。
次回は技術士試験解答文に最も重要な「ロジカルライティング」についてご紹介したいと思います。(以上)
2026年10月10日 作成 / 執筆:アニ-講師 / 閲覧数(月間): 29


「技術士は、社会の変化を技術の目で読み解く」
1.ニュースを読む大切さ
ニュースを読むことは、社会で起きている出来事を知り、しっかりとした自分の考えを持つために大切だと思います。ニュースにより、政治や経済、環境、災害、海外で起きていることなど、日常生活だけでは知ることのできない諸情報を得ることができます。今回は、技術士はニュ-スをどのように読んで、社会変化を技術の目で読み解くべきかについて、ご紹介したいと思います。
2.トレンドニュ-スは、口頭試験で試される
11月発表予定の技術士二次試験(口頭試験)において、「最近の時事問題」「国内外の技術的トピックス」等に関する試問により、技術士として見識を有している技術者かどうかを問われる可能性があります。日頃から、トレンドニュ-ス等は常にチェックし、自分なりの考えを整理しておく必要があります。 ニュースを読む時は、情報をそのまま信じるのではなく、複数の情報間の比較や、事実と意見を区別し、情報に流されず、自分で考える判断力が備わっていなければなりません。
3.社会変化への関心
ニュースを読むことは、単に知識の蓄積ではなく、広い視点で社会や国際情勢について考え、日頃からニュースに触れ、世の中で起きている社会変化へ関心を持つことが肝要です。このため、以下の観点でニュ-スを読むことをお勧めします。
1) 「何が起きた?」
まず、何が起きたか?起きた事象、事実を確認します。インプット情報として、いつ、どこで、誰が、何を、どうしたのか(5W1H)を確認します。
2)「原因を洞察」
次に発生した原因等を把握します。技術、設備、システム、人的要素等、何が原因なのか、それとも計画、施工、維持管理、運用など、どこに問題があったかのかを自分なりにその原因を洞察します。
3) 「社会への影響程度は」
この事象は安全、保健衛生、環境、経済、地域社会への影響の範囲や程度はどれぐらいであったか、関連する利害関係者は誰か、その影響度の大小を把握します。
4)技術者倫理の視点
ここで重要なポイントは対象事象を技術者倫理の観点から、以下について検証してみることです。
・公衆の安全を最優先で、考えられていたか。
・リスクは想定されていたか、その対策は講じられていたか。
・情報公開の方法、時期は、適切だったか。
・事象やその原因について専門的技術として、説明責任が果たされているか。
・これまでの経緯として、中立、公正を遵守できていたか。
5) 自分の専門分野へ繋げる
この事象は今後の「再発防止策」を含め、技術者としてどう対応すべきか考え、技術的対策だけでなく、制度、組織、教育、管理など、「自分の専門分野ならどう考えるべきか」、例えば以下の各専門分野の側面において、考えを整理しておくことが重要です。
・建設部門:「国土保全、インフラ構造、地盤、施工、維持管理、環境保全、地域創成」
・電気電子部門:「設備、制御、信頼性」
・情報部門:「セキュリティ、データ、システム」
・環境部門:「環境影響・規制・持続可能性」
4.技術士第二次試験の視点
ニュースは、以下の問を自分に投げかけ、技術士第二次試験の視点で読みましょう。
①問題は何か → ②原因は何か → ③課題は何か → ④対策は何か → ⑤技術士として何をすべきか?
例えば近年、頻発化傾向にある「大規模水害」のニュースなら、単に「豪雨により大洪水になった。」で終わらせず、気候変動 → 降雨の激甚化 → 河川・排水施設の能力不足 → ハード対策のソフト対策必要性 → 社会システムとしての防災と減災→ 技術者倫理と自分の役割という思考プロセスで掘り下げ、整理しておきましょう。
5.読解のトレーニング
忙しい日常のなかで、短時間でニュ-スを読解するためのトレ-ニング方法を以下に紹介いたします。
1)関心のある分野を選択
対象とするニュ-スや新聞記事は、自分の専門分野だけに限定しないで、自分が関心のある分野に着目し、さっと読み、短時間で選択します。
2)「事実」を3行で整理
ニュースは、まず自分の言葉で簡潔に説明できるように、例えば、建設部門の老朽インフラ問題なら、以下のように、整理しましょう。
・現状:高度成長期に整備された我が国のインフラが膨大量で、老朽化が進んでいる。
・問題:維持管理を担う技術者不足が、深刻化している。
・課題:限定予算、人員で効率的な維持管理が社会的ニーズである。
3)「課題」を3つ抽出
ニュースを見て、何が課題なのか技術士試験の設問をイメ-ジし、以下3項目を抽出します。
・整備ストックされた老朽インフラへの対応
・維持管理技術者の不足に対する経験や技術の継承
・維持管理費負担の増大と必要財源捻出の施策 ここで重要なのは、「問題」と「課題」を明確に区別しておくことです
・問題:あるべき姿と現実とのギャップです。
・課題:それを解決するための方針や方向性です。
4)解決策は「多面的に表現!」
技術士解答文では、1つの視点だけではなく、そのニュースに関し、次の多面的視点から考察してみましょう。
・技術:技術的にどのように解決するか?、新しい施策等はあるか、それを展開できるか?
・組織、制度:制度や仕組みをどのように改善すれば、解決できるか?
・社会:国民生活、地域経済、間連企業への影響は考慮されているか?
5)解答文をイメ-ジ
実際の解答文をイメ-ジし、以下のように自分のノートやキーワ-ド集に以下のように書き留めておきましょう。
「点検・診断データをデジタル化、施設の重要度や劣化状況に応じた予防保全を進める。技術者不足対応として、点検の省力化、自動化を図り、技術継承の仕組みを社会システムとして構築する。」
6)フォーマット作成
情報整理方法としてはスマホのメモ帳などを利用、事前にフォーマットを作っておくと便利です。
【今日のニューステーマ】:「○○○」
①何が起きた? ②原因? ④重要課題は? ⑤多面的解決策は? ⑥技術士としてどう解決する?
7)効果を上げる
平日は毎日1つだけニュースを整理します。さらに週末に1週間分を見直します。それぞれ共通する社会的課題は何かを考えます。
個々のニュースが「社会のつながり」として見えてきます。これは技術士としての資質や見識を高めることに繋がり、極めて有効な学習方法と考えます。
次回は、技術士試験必須の「トレ-ド・オフ」に焦点をあて解説してみたいと思います。(以上)
2017年12月21日 作成 / 執筆:【ニュース担当】eastwest665講師 / 閲覧数(月間): 28
技術士として会社員時代に活躍し、頃合いを見て密かに独立を考えている方も少なからずいらっしゃるのではないでしょうか?
そのために技術士試験に合格しなければ元も子もありません。しかし、過酷な勉強へのモチベーションを高めるためのアンケート結果をご紹介したいと思います。
平成25年の2月に実施された技術士報酬調査の結果よりお伝えします。
https://www.engineer.or.jp/c_cmt/katsuyou/topics/003/attached/attach_3187_1.pdf
アンケートの対象者の98%が個人や独立して事務所を起こしている人に対するものとなります。
独立後の自分を想像することができるでしょう。
主な収入源の項目に注目します。そのうちの72%が、設計を受託する受託収入と年金が収入源となるという結果が出ております。
これは、技術士として独立をされる方のほとんどが60歳以上であるということが言えます。また、年金をもらえる程度に仕事を受けている「仕事をやりすぎない」状態であるということが言えます。
独立をしてしまえば、自分のペースで仕事を受けることができます。会社員時代よりもゆったりとした仕事をすることができるということでしょうか?
技術士としての仕事の依頼元も37%が中小企業からの技術相談という内容となります。
大手企業などからの案件も20%程度あり、大学などからの依頼を受けているという技術士の方もいらっしゃいます。
職務の内容も、技術相談や教育指導といったコンサルや研修のような役割を担うことが多いです。
一人でできる内容とすれば、大規模な設計案件は減ってしまい、過去の職務経験などから導き出される技術を欲している人へ提供することを生業とする技術士の方が多いと言えるでしょう。
まさに、技術を商売にすることができます。
一件の報酬額についても50万円までのものが半数以上となり、一週間当たり50時間の労働が平均となります。フルタイムで働くことで、技術士事務所が経営していけるようになっていると言えるでしょう。
しかし、これはあくまでもアンケートに答えていただいた方のみを対象にしたものです。これ以外にも高額が報酬で仕事をしている技術士の方もいらっしゃいます。
2019年01月23日 作成 / 執筆:スチールマニア講師 / 閲覧数(月間): 28

さて、2018年度の口頭試験もそろそろ終了します。2019年度以降の技術士試験の概要・変更点も公開され、次回受験予定の方々も準備をし始めるころだと思います。
口頭試験において、必ず聞かれる質問があります。
「3義務2責務とは何ですか?」
この質問には、臆することなく以下の5つを答えてください。
・信用失墜行為の禁止義務(44条)
・秘密保持の義務(45条)
・名称表示の場合の義務(46条)、
・公益確保の責務(45条の二)
・資質向上の責務(47条の二)
さらに深く突っ込んだ質問をされることがあります。
「その5つの中で最も優先するものは何ですか?」
この質問で、グッと黙って考え込んでしまう受験生が少なからず居ます。
回答は、「公益確保」です。
その理由としては、技術士倫理綱領に公衆の安全、健康、福利を最優先とすると明記されているからです。公益とは、公共の安全、環境の保全、その他の公益などを指します。
また、「あなたの職務上、公益確保に反することはどのようなことがありますか?」という質問もされることがあります。自分の仕事の中で公益(公共の安全、環境の保全、その他の公益)に該当するものは何なのか?そしてそれらを確保できない状況とは何があり、確保できない状況をどのように打破していくのか?ここまでを一連として考え、まとめてみて下さい。
2019年度以降も、技術士法、技術者倫理については、必ず質問されます。暗記するぐらいに何度も暗唱しておきましょう。
以下、参考です。
技術士倫理綱領
【基本綱領】
(公衆の利益の優先)
1.技術士は、公衆の安全、健康及び福利を最優先に考慮する。
2018年03月25日 作成 / 執筆:【ニュース担当】eastwest665講師 / 閲覧数(月間): 27
施設の設計には、様々な危険性を検討してその対策を行わなければなりません。
特に爆発性のガスが噴出と同時に発生する温泉施設では、対策を怠るととんでもない事故につながってしまうという事例を紹介いたします。
2007年に開業した渋谷区の温泉施設において、温泉が湧き出ると同時に出てしまうメタンガスが施設内に溜まってしまい、あるタイミングで引火し爆発し死傷者が出てしまったという事故がありました。
爆発の規模はすさまじく、建物の壁が全て吹き飛ばされ、骨組みだけになってしまうというほどの威力でした。
この爆発事故の原因が、メタンガス除去装置が結露によりガスが抜けなくなってしまったというものでした。そのためガスが施設内に溜まってしまい爆発を引き起こしたというものでした。
問題は、その可能性を施設設計時に知っていながら、保守の必要性を伝えなかった施設設計者に最高裁で有罪判決が出たという事です。
技術士を目指す方々の中にも、設計業務を行っている人が多いと思いますが、自分の業務が原因で死亡事故が起きてしまうと逮捕される可能性があるということを十分に認識した方がよいということです。
設計業務は常にコストを抑え、利益を出さなければならないという経営側の要求と、安全安心高品質のものを作らなければならないという、相反する要求に対してどちらにもよく映るような答えを出さなければならないという状況がよく出てきます。
つい、利益を出す経営側の顔色をうかがって、安全を度外視してしまうことがありますが、これが大問題になってしまうということが、約10年前という最近でも起こってしまっていると言えます。
いくら技術が進んでも、安全と利益を比較すれば安全を取らなければならないという当たり前のことがなかなかできないと言えます。
この事故が発生した後も、ガス除去装置の運用をめぐって、施設設計、施工を行った会社と施設管理会社と施設のオーナー会社との間で責任のなすりつけ合いがあったということもあり、事故の心象を悪くしています。
結局この事故が原因で、施設のオーナー企業は温泉施設運営事業から撤退しています。
2018年11月22日 作成 / 執筆:【ニュース担当】eastwest665講師 / 閲覧数(月間): 27
技術士 衛生工学部門の概要
空調機の設置や台数などの検討する建築設備の設計分野では、快適なビル環境の構築や産業廃棄物の処理に関する分野での専門家となっています。
ビルの空調も適当に置かれているわけでなく、熱源などを考慮し、適正な台数が設置されています。
また、河川や大気にビルなどからの有害物質が放出されないよう考慮し環境を考えた設計としなければなりません。
技術士衛生工学部門ではそんな建築設計における設備構築にかんする専門分野があります。
大気汚染を防止する大気管理、水環境を守る水質管理、産業廃棄物を管理する廃棄物管理、建築設備設計として活躍できる空気調和、建築環境などの分野があります。
技術士 衛生工学部門取得後の活躍
ビル建設を行う建築事務所や、大気汚染や水質汚染の状態を管理する環境コンサル会社などが主な活躍できるフィールドとなります。
また、空調メーカーや産業廃棄物処理業者などでも技術士の専門分野としての資格を活かすことが可能と言えるでしょう。
技術士 衛生工学部門の問題点
専門分野としての比率が廃棄物管理と空気調和、建築環境に偏っており、水質管理と大気管理については、受験者数が少ない傾向にあります。
また、ビルの建設やメンテナンスでも、建築士の知名度や権限も強く、空気調和の分野で行う空調設計なども建築設備士などの別資格の存在が大きく受験動機をそぐことになっております。
技術士がその道の専門家ということは疑いのないものではありますが、建築業界では他の資格の法的な立場や権限、知名度も上位となっているのが現状です。
廃棄物の最終処分場も多くは地方自治体などで運営されており、廃棄物の管理に技術士資格が必ず必要というわけではないということが受験者数の伸びない根本的な原因となっています。
しかし、技術士を受けることで建築分野やリサイクル分野の専門知識が身に着きますので是非とも受験しましょう。
2019年01月03日 作成 / 執筆:技術サムライ講師 / 閲覧数(月間): 25

総合技術監理部門は、他の技術士部門とはまったく別物です。総合技術監理では、目標を成し遂げる際の「リスク」を抽出し、「5つの管理技術」によって、そのリスクを低減させます。
5つの管理技術とは、経済性管理、人的資源管理、情報管理、安全管理、社会環境管理です。
これらの各管理技術は、その一つを手厚くやれば、他の管理がおろそかになってしまうトレードオフ関係にあります。
ですから、そのバランスをうまく取るのが、総監技術士の腕の見せ所になります。
極端に言えば、総監の試験と相性がよい資格は、その技術部門の技術士試験ではありません。
具体的に言えば、技術士(総合技術監理部門―建設部門)と相性がよい資格は、技術士(建設部門)ではありません。
総監の試験に相性が良い資格は、国家資格では、公認会計士、社会保険労務士、弁理士試験、中小企業診断士といった士業の資格です。
また、情報セキュリティマネジメント試験などです。
なぜなら、経済性管理の領域には、原価管理が含まれます。
このなかには、「原価計算と標準原価」や「財務会計と財務諸表」などがあります。これらは、公認会計士が得意とする内容です。
人的資源管理の領域には、労働関係法が含まれます。労働基準法や労働契約法、労働組合法といった法規は、社会保険労務士の土俵です。
また、安全管理の領域には、安全衛生管理法が含まれます。これも、社労士の守備範囲です。
情報管理の領域には、知的財産権やIT技術の知識が必要です。
これら内容は、弁理士や情報セキュリティマネジメントの試験範囲に含まれます。
とりわけ、中小企業診断士の試験内容と、総合技術監理部門の試験内容では、重複箇所が多いです。
言い換えれば、それだけ、総監と、他の技術部門とは別物だ、ということを強く認識して勉強することが大切です。
2026年08月22日 作成 / 執筆:アニ-講師 / 閲覧数(月間): 24

「技術士の学びとは、楽しむこと」
技術士にとって学びとは、単に知識を増やすことではなく、技術によるサービスをクライアントや社会へ提供し、国民生活へ還元するために必要な備えではないかと、私は考えています。 今回は「技術士にとっての学び」について私の私見を、ご紹介したいと思います。
1.技術士に求められる素養
技術士は技術の進歩や社会変化への柔軟な対応が求められ、そのために旺盛な学びに対する意欲と、以下の素養(日常的に行われていること)が必要とされます。
1)専門性の維持、向上(新技術や改定法令の把握、新分野研究、高い専門能力、デジタル技術対応力)
2) 社会的課題への対応(環境、防災、老朽インフラ、人口減少など複雑な社会課題への対応)
3) 高い倫理観(リスク管理やコンプライアンス、社会から信頼される判断力、高い倫理観と規範)
4) 経験の知識化 (実務経験知のフィ-ドバック 、論文等発表、後進の指導、専門技術の深化)
5) 継続研鑽(CPD)の実践 (継続的専門能力開発を通じた生涯にわたる能力向上)
2.幅広い分野の重要性
学びとは単に「知識を得ること」のみを行うのではなく、「自らの成長を継続する自発行動」と私は位置付けています。専門分野の限らず、社会変化に柔軟に対応するには、むしろそれ以外の広範分野の学びが必要であると思います。
3.学びの機会
技術士の学びは、「知識、情報の蓄積」だけでなく、「得られた経験知を総合力として実務に活かすこと」のための蓄積素材であるとも思います。研修や講習会への参加、学会活動、論文の執筆、資格取得、業務経験の振り返り評価などは、重要な「学びの機会」です。自ら学びの機会を増加することが重要であり、それには「受け身」だけでなく、積極的自主行動による結果のアウトプット発信や人的交流機会の増大が肝要です。
4.人的ネットワークの拡大
人的交流は私の人生経験からも極めて重要な事項であると思います。自分の専門知識や経験知だけでは、おのずと限界があります。特に企業や組織、プロジェクト活動においては、多様な分野の専門家の関与が不可欠です。目的意識を共有する多数の協力者、支援者の存在が鍵となります。このため、自分のまわりに頼りになる人的ネットワ-クの構築との拡大に努めることが肝要です。 お互いの信頼関係の構築し、良好な関係を継続するため異業種交流会等への積極的に参加、社内外の専門分野の方との継続交流を大切にしましょう。
5.実践機会、アウトプットの増大
自主行動により、自らがやってみたいことが出てきます。これに対しては積極的に取り組んでみて下さい。自らが主体的に関与することで周囲へ働きかけ、幅広い分野の関係者との交流機会を増大することになります。自己研鑽の成果は、可能な限りアウトプットを心掛け、周囲の関係者へ情報伝達下さい。
6.専門性の深化
実務能力の向上や技術研鑽のためには専門分野だけでなく、これらを支えるマネジメントやデジタル・AI技術やリスク外の各種マネジメント技術など、周辺及び関連技術分野について自身で新たな目標を設定し、専門性をさらに深化させましょう。
7.モチベーションの維持
学びや自己研鑽にはいろいろな手法があると思います。これらに対するモチベ-ション維持の方法として、以下のような取り組みはいかがでしょうか。
1) 目的の明確化
資格試験や専門分野への取り組み、キャリヤ形成等への準備に対し、「何のために学ぶのか」の目的を、明確にすることが、モチベ-ション継続の後押しになると思います。
2)小さな目標設定
毎日15分、専門書を読む、週1本、技術記事を読む、月1回、技術セミナーに参加する等、達成可能な小さな目標を設定、これを達成することで自信に繋げましょう。
3)仕事と学びを結び付ける
例えば、「なぜこの設計方法なのか?」「この事故を防ぐにはどうすればよいか?」業務上で発生した疑問や問題は、「自己研鑽のテーマ」にします。自分で調べ考えることで、「仕事から離れたもの」ではなく、実務解決能力へと変化します。
4)学んだことはアウトプット
学んだことは記録、都度振り返りを行い、外部へアウトプットを心がけましょう。講習会や研修会等の情報知識は組織内で共有下さい。そのための準備作業は必ず、自分の蓄積技術力となります。
5)継続する仕組み
読んだ本、参加した講習、身についた知識、実務で活用したこと、解決できた問題を記録・保存しましょう。この仕組み循環は、「技術者として成長するための学び」のスパイラルアップ活動に繋がるものと考えます。 特に技術士を目指している方々にとっては「モチベーションを向上する方法」より、「モチベーションが低くても続けられる仕組み」に工夫することが重要です。
8.技術士の学びの姿勢
技術士の学びとは、「学ぶ(Input)、実践する(Practice)、発信する(Output)、振り返る(Reflection)」というサイクルを継続、学びの機会を自ら実践する姿勢こそが、最も重要と考えます。
9.技の研鑽は、楽しむこと
技術とは、別の言い方をすれば「技:わざ」として表現できるものと思います。技は、人それぞれに特有なものであり、知識量の多さやIQの高さだけでは決して解決できません。それを身に付けるには相応の鍛錬の積み重ねによる努力の軌跡がその根源であることも事実だと思います。
但し、技を有する人達の共通点は、それを努力して成し得た結果だけでなくその一方で、これを「楽しむ」ある種の「探求心」であるかもしれません。技を身に付けることは安易で簡単なものではないことは十分承知しています。但し、視点を変えてみると、「自然に楽しんでやっている人」、これが「一流と言われる卓越した技を有する人達」ではないかと、私は勝手に結論付けています。また、自分もそうありたいものと日々願っています。
年齢はいくつからでも「学び」は始められます。できれば年齢が若い年代から始めることが望ましいです。何故なら意識した学びの継続は、その後の人生において、その人の能力や成果に圧倒的な差が生じることになるからです。 次回は若手技術者がこの学びを日常の業務に活かす仕事術についてご紹介したいと思います。(以上)
2026年07月11日 作成 / 執筆:アニ-講師 / 閲覧数(月間): 23

「令和8年度 建設部門 必須科目Ⅰ」
今回は、私なりに過去問題を分析、整理した結果により、令和8年度の技術士第二次試験・建設部門「必須科目Ⅰ」について、考えたものを一例として、ご紹介します。 但し、無責任ですが、あくまで私的なものです。何の裏付け、根拠に基づいてはいませんので、責任を負いかねますことをご容赦の上、単なる参考としてご覧下さい。 私は、「複数課題を統合的に解決する論文」になるのではないかと考えています。単独テーマではなく、DX、防災、担い手不足、脱炭素などを「組み合わせて論述する力」を評価、総合的に訴追する設問に注視する必要があると考えます。 それに対し記述で留意すべき事項を、以下に示します。
1.留意事項
(1)コンピテンシー改訂初年度
令和8年度試験から令和5年1年に改定された「改定版コンピテンシ-」が適用されることが示されています。既にご承知と思いますが、改めて以下の項目に対する言及が記述内容評価となります。
・数値データ活用
・最新情報技術の活用
・多様な関係者との合意形成 (ステ-クホルダ-の意見収集)
・包摂的コミュニケーション ・社会持続性 ・倫理・説明責任
(2)第6次社会資本整備重点計画
令和8年1月16日に第6次社会資本整備重点計画が閣議決定されました。これはかなりの確率で出題される可能性があると想定されます。ポイントは以下のとおりです。
1)期間:令和7年度から令和12年度まで
2)見直しのポイント:社会資本整備重点計画と交通政策基本計画一体的な策定と推進
3)共通ゴール:「人口減少という危機を好機に変え、一人ひとりが豊かさと安心を実 感できる持続可能な活力ある経済・社会を実現」
4)主要ポイント :出題の背景や社会情勢の記述では、以下のポイントを示すことを考慮下さい。
➀ 持続的な地域社会の形成(生活サービスの維持)
➁ インフラ老朽化対策(まちづくりとの連携、取り組み状況の見える化)
➂ 社会資本整備を支える基盤の強化(地方自治体、地域建設業の健全化と人材育成)
(3)最近改定された法令等
次に、建設部門では最近、以下の法令等が改定されています。その内容も必ず、チェックしておいて下さい。
① 都市再生特別措置法(改正):災害対応、用地規制緩和
② 河川法・土砂災害防止法(改正):ハザ-ドマップ活用義務 ③ 国土交通省インフラ老朽化対策:橋梁、道路の重点改修と計画
④ 道路交通法(自動運転関連):レベル4自動運転実証
⑤製造業DX・スマート工場推進施策:中小企業向け補助制度
2.想定設問
私が個人的に思う想定設問を以下に列挙します。あえて、「複数課題を統合的に解決させる設題」を想定しました。但し、特に目新しい訳ではありません。ここ数年出題されている傾向であり、これの統合版と考えていただき有力予想というより、予め準備すべきテーマであると考えて下さい。
1)防災×減災×DX
「気候変動下における災害激甚化への対応として、DX技術を活用したインフラ整備と維持管理の課題とその解決策について」
2)担い手不足×生産性向上×品質確保
「最近の担い手不足の課題と生産性の向上と品質確保の両立する解決策について」
3)カーボンニュートラル×インフラ整備
「防災、地域経済の活性化、脱炭素社会の両立するための課題と解決について、トレードオフの観点も含め論ぜよ」
4)インフラ老朽化×予防保全
「限定予算や人材資源制約条件下、上記を推進に対する課題と実現する解決策について」
5)地方創生×コンパクトシティ×インフラ再編
「地方活性化に向けたコンパクトシティ構築やインフラの維持管理と再編に対する解決策について」
これは「社会的受容」「住民合意形成」と複合課題としての相性が良く、求められる新コンピテンシー(必須科目Ⅰ評価項目:専門知識、問題解決、評価、技術者倫理、コミュニケ-ション)とも合致すると考えます。
3.万能ストックカード
「テーマ暗記」だけでは危険です。どんな設問でも対応できるよう以下の「万能ストックカード」が重宝します。これを準備下さい。これがあれば、記述対応に安心感がプラスされます。各テーマに対し相互に接続できるように、各対策が接続できそうな「ストックカード文例」を以下に整理します。
1)気候変動対策
気候変動に伴う災害の激甚化・頻発化に対応するため、流域全体で治水対策を行う「流域治水」の考え方に基づき、河川整備だけでなく土地利用規制や避難体制強化を含めた総合的な対策を推進する必要がある。
2)防災DX
インフラレジリエンス向上のためには、IoTセンサーやAI解析を活用したリアルタイム監視を導入し、異常兆候を早期把握することで、事後対応型から事前防災型への転換を図ることが重要である。
3)BIM/CIM・i-Construction
BIM/CIMにより設計・施工・維持管理段階の3次元データを一元管理することで、施工効率化だけでなく視覚化による情報共有、維持管理の高度化や技術継承に繋げる。
4)インフラ老朽化対策
高度経済成長期に整備されたインフラの老朽化が進行しているため、限られた予算・人材の中で効率的な維持管理を行う必要がある。そのため、予防保全型メンテナンスへ転換し、ライフサイクルコスト縮減を図ることが重要である。
5)カーボンニュートラル
2050年カーボンニュートラル実現に向け、建設副産物の有効利用や低炭素型材料の採用を推進し、ライフサイクル全体でのCO₂排出量削減を図る必要がある。グリーンインフラ等の機能活用により、防災・環境保全・景観形成など多面的効果を発揮する。
6)地方創生・人口減少
人口減少が進行する地域では、「コンパクト+ネットワーク」の考え方に基づき、都市機能を集約しつつ、公共交通との連携を図ることで、持続可能な地域社会を形成する。
7)地域住民との合意形成
インフラ整備を推進する際には、多様なステークホルダーとの合意形成を図り、地域特性を踏まえた丁寧な説明を行うことが重要である。
8)技術者倫理
技術者として、安全性・経済性・環境性を総合的に勘案し、社会的影響を十分考慮した上で、説明責任を果たす技術者としての倫理観が必要である。
9)論述締めのセンテンス
DX技術を活用しつつ、防災・環境・地域活性化を総合的に推進することが重要である。持続可能な社会資本整備を実現するためには、多面的視点から施策を積極推進することが肝要と考える。 私的なもので何の根拠はありませんが、参考になれば幸いです。次回は本番に備え、「合格するための心の準備!」についてご紹介します。
(以上)
2026年07月18日 作成 / 執筆:アニ-講師 / 閲覧数(月間): 23

「技術士試験に合格する心の準備」
受験者の皆様、いよいよ試験本番直前となりました。あせりや不安があるのは当然、項目整理や暗記の状態も気になっていることと推察します。本番記述で最も重要なことは、気持ちの余裕であり、セルフコントロ-ルが全てと思います。今回は、本番に備え、余裕ある心境を維持する「合格する心の準備」についてご紹介したいと思います。
1.「完璧」は敵
技術士試験は、満点を取る試験ではありません。概ね70点の点数を獲得できれば合格ラインです。限られた時間で、論理的に解答文をまとめる力が評価されます。このため、「知っていることを確実に、わかり易く記述する。」という基本的意識が重要なのです。完璧を目指す故の過度な緊張や不安は、逆に敵となります。ある種の自己暗示や精神統一により、気持ちに余裕を持って下さい。
2.睡眠が最優先
試験直前に夜更かしをして詰め込むよりも、頭がよく働く状態で本番を迎えるほうが良い結果につながります。試験前日はゆったりと休息をとり、準備学習は以下の軽めのストレッチに心がけて下さい。
・骨子作成を1~2問だけ確認する。
・キーワード集を軽く再チェックする。
・受験票、筆記用具、時計などを準備、再確認する。
・とにかく、早めに就寝する。
3.本番までのスケジュ-ル確認
試験当日の行動を、事前に頭の中で一度シミュレーションしてみましょう。これをしておくとことで、いざ本番では、慌てなくてすみます。以下を実践下さい。
・できるだけ楽な服装で身支度をする。
・時間的余裕を持って、自宅又はホテルを出発する。
・会場までの利用交通機関は、経路、所要時間は事前に入念に調べておく。
・会場には交通機関の遅延等を考慮、1時間前ぐらい前到着を予定する。
・会場のトイレ等は、一度利用し予め場所を確認する。
・受験番号を確認、自席に着席、会場の雰囲気を確認、落ち着く時間を確保する。
・準備したメモ等を肩の力を抜き、読み返す。
4.全て想定内
予め、「知らない設問が出るのは当たり前」と想定して下さい。技術士試験では、予想外のテーマが出題されることは想定内と考えましょう。他の受験者も同じ条件なので、「自分だけが知らない」と考える必要は全くありません。 特に必須問題Ⅰ&専門Ⅲは、このパタ-ンが想定され、どんな設問でも思考プロセスはほぼ同様であり、慌てる必要はありません。この余裕、安心感が重要です。知らないテーマでも、これまで蓄積したキーワ-ド等により、論理的に整理、記述することを念頭としましょう。論述展開はいつもの現状⇒課題⇒解決策⇒波及効果⇒リスクと対応策です。
5.自分を信頼する。
これまで、皆さんは十分な努力を積み重ねてきました。継続した実力は、短期間で実力は大きく変わることはありません。とにかく自分を信頼し、「能力を上げる」より「自己能力を最大限発揮する。」ことに集中しましょう。
6.自己暗示
試験本番は自己暗示が重要です。試験が始まったら、是非、自分にこう言い聞かせてみましょう。
・全問完璧でなくていい、70点で良い。
・一問一問、自分が今書ける最高の答案を書こう。
・焦らなくて良い。自分は必ずできることを信じる。
・自分は既に技術士のスタ-トラインに立っている。
技術士試験は、冷静さを維持することが答案の質につながる試験です。落ち着いて自分の思考力を最大限発揮できる状態を整えましょう。 ここまでの学習の積み重ねは、必ず合格答案を再現できます。焦りは誰にでもありますが、冷静な心境維持こそが、最も重要と考えます。
7.余裕をつくる
私の受験体験から受験者の皆さんへ、試験当日の余裕をつくる対策について、以下にアドバイスさせて頂きます。
・何でも、プラス思考で考える。(今日は最高、全てが私の見方、必ずうまく行く!)
・筆記用具(えんぴつ、メカニカルペンシル、消しゴム)は予備を含め複数用意する。
・室内空調の寒暖状況も予想外の場合を想定、ハンカチ、タオルは必ず用意する。
・受験会場室内の時計の位置は、必ず確認しておく。
・机の隣人の癖(咳払い、貧乏ゆすり、固有のしぐさ等)は想定内と許容、余裕感を出す。
・骨子をメモする余白箇所、表形式等は、試験本番前に予め決めておく。
・予定した記述時間配分に従い、タイムマネジメントにより計画的に行う。
・必ず、解答文の誤字やミスの箇所があることを想定、チェック、修正時間を確保する。
8.受験者各位へのエール
皆さんが挑む、難易度高い技術士第2次試験に対し、私から以下のエールお送りしたいと思います。
・難しい問題に出会っても慌てる必要はありません。あなたは必ずできます。
・設問を確実に読み解き、問われていることに的確に応えることを意識して下さい。
・冷静さを維持できた人が、合格を手中にします。
・冷静維持が、必ず自分の最大限の実力を発揮します。
・最後まで諦めず、自分を信じてください。
・「やるべきことは、すべてやってきた。」その自信を力に変えてください。 試験会場では、周りの受験者が優秀に見えるかもしれません。しかし、本当に比べるべき相手は、昨日まで、そして今の自分です。多くを学び、多くを考え、多くを積み重ねてきた自分の努力を信じ、誇りに変えましょう。
9.必ず夢は叶う
努力する人は、どんな形であれ必ず、その成果を上げられると、私は信じています。私がこれまで支援してきた受験者各位も、個々の力で夢を叶えてきました。そしてそこから更に、新しい自分の世界を切り開き続けています。それを実現できるのが技術士なのです。 皆さんの健闘と、努力が最高の形で実を結ぶことを心から祈っています。 さあ、技術士への扉を、自らの力で開いてください。「健闘あれ!」 次回は、試験後のクールダウンの観点から「幅広い能力人材である技術士雑学」についてご紹介します。(以上)
2018年03月27日 作成 / 執筆:【ニュース担当】eastwest665講師 / 閲覧数(月間): 23
建物の設計となりますので、技術士というよりは建築士のほうで取り上げた方がよいと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、設計変更に至る経緯が非常に参考となったため取り上げさせていただきました。
50階建ての高層ビルの建設が決定されていたニューヨークのシティコープビルですが、用地に当たる教会が立ち退きに応じなかったため、低層階に教会の建物を残した特殊な形の高層ビルとなりました。
そのため、建物の耐震強度を検討する構造計算がとても複雑となりましたが、当時の最先端の建築として、世界から注目されることになります。
そんなシティコープビルですが、ある学生が建築上の設計ミスを発見し、設計者に直談判をします。その内容はとても大きなハリケーンによる強風にあおられた場合に、建物が倒壊する恐れがあるというものでした。
シティコープビルの設計を担当した建築士は、再計算を行ったところ、倒壊の恐れがあるということが分かりました。
通常であれば、地震や強風などの天災であり、できてしまっている建物の設計ミスを認め、補強工事を行うということは、建築士としてのプライドや費用などから見送られてしまうことも多く、実際に災害が起きて倒壊するというシナリオが多いでしょう。
しかし、シティコープビルの設計者は、関係者に設計ミスがあったことを説明し、費用負担を求め、補強工事を行ったところに違いがあります。
このおかげで、シティコープビルは数年ごとにニューヨークに来る嵐にも耐えうる建造物となったのです。
通常と形状が異なり、困難な設計となる建築物を設計できるというだけでも一流の設計者ですが、さらに自分の設計ミスを認めて関係者に説明を行い、補強工事を行うという行為は技術者倫理の理想を行くものです。
これを実現するためには、まずは学生の直談判による再検討を行う謙虚さが重要です。完璧な設計など存在しないからです。
さらに、設計ミスを専門家以外の人にもわかりやすく説明できる能力なども挙げられます。ミスがあったのだから費用は出せないと言われてしまうことがほとんどではないかと思います。補強工事を行わなかった場合のリスクなども説明しなければ費用を捻出されることはないでしょう。
この事例はよく技術者倫理で取り上げられています。
2019年03月20日 作成 / 執筆:【ニュース担当】eastwest665講師 / 閲覧数(月間): 23
技術士 応用理学部門の概要
近年、地震による甚大な被害が起こっていることは言うまでもなく、その被害を最小限に抑えるためにはどのような地盤改良を行ったらいいか、また地震の発生するメカニズムを理解し、免震構造の建物を建設するのも重要ですが、建物が建っている地面がどのような状態かを解析し、必要な策を講じることができるような技術士が技術士応用理学部門です。
専門分野は応用理学部門という名称からイメージしにくいですが、主に地質系の分野となります。
専門分野は物理及び化学、地球物理及び地球化学、地質の3分野になります。
技術士 応用理学部門取得後の活躍
地質調査に関する専門知識があると見なされますので、建設コンサルタント会社の地質調査を行う部署などで活躍することができます。
求人の多くは地質調査に関するものです。
地質系ですので、各地方自治体や国交省の土木工事専門職としての活躍もできるでしょう。
また、近年の地球規模での災害の防止のために、地質や物理、化学といった専門知識を活かす場も増えていくものと考えらえます。
技術士 応用理学部門の問題点
技術士の応用理学部門は技術士部門の中では比較的受験者数が安定している部門です。そのため、今後統廃合という動きは見られません。
現在、専門分野は3分野ありますが、受験者は地質の選択者に偏っています。
これは、技術士建設部門と同様で、地質調査を行うための必要資格と見られているためと考えらえます。
そのため、技術士応用理学部門の求人も地質調査に関するものが大半を占めています。
地質調査に関する資格の役割を技術士が代わっているような状況であると言えます。
こうした状況にある技術士の技術部門が安定した受験者数があると、他の部門もこうした流れにすると受験者数が増えるのかどうかという議論もありますが、現状の大きな流れにはなっていません。
2026年08月01日 作成 / 執筆:アニ-講師 / 閲覧数(月間): 22

「技術士試験に役立つ、読むべき本」
これまで毎日受験学習に明け暮れた皆さんは、ひょっとしたら試験完了後、時間を持て余している状況かもしれませんね。まずは、試験で記述した答案再現に取り組んで下さい。記憶が新しいうちに再現、口頭試問への重要な準備作業です。とにかく早く完了させておいて下さい。
今回は、口頭試問のスタ-トのきっかけとなるよう頭を休ませながらも、徐々に始動させるためのウオームアップとして、本を読むことをきっかけとして始めてみませんか。 技術士合格に向け、読むべき本について私見を織り込みながら、いくつかご紹介しますので、この夏休み、是非、手に取ってみて下さい。
1. 日本の国土と暮らし(教材:出版 岩崎書店)
これは、日本の国土が時代とともにどのように変化し、人々の生活や産業にどのような影響を与えてきたかを紹介しています。主に中学生や高校生向けの社会科、地理の学習の教材として利用されています。 この本では、建設部門の必須課題を解説するような「国土が変わることで、人々の仕事や生活がどう変わったのか?」という視点が特徴的です。まさに、建設部門必須問題Ⅰのような、以下のテーマが取り扱われています。
・都市化や人口集中による国土の変化
・道路・鉄道・ダムなどの開発と暮らしの変化
・農村や山村、漁村の変化
・自然災害と防災への取り組み
・環境問題や持続可能な国土づくり
2.歴史を紀行する(著:司馬遼太郎氏 出版 文藝春秋)
この本の著者は司馬遼太郎氏であり、歴史紀行・エッセイです。私が学生の頃、当時、地質学教授の授業で、是非、読むべき本の一つとして紹介されました。紹介理由は、以下であったと回想します。
・諸君は将来、全国各地の色々な人々と出会い、仲間として仕事を共にすることになる。
・全国各地の人々には、その地域や風土に培われた気質が生きづいている。
・これを理解しておくことは仕事や私生活の対人関係において、必ず諸君の役にたつことであろう。
著者が日本各地を訪ね歩き、その土地の風土・歴史・人物・文化を結びつけながら、日本という国を考察した作品です。この本では、高知、会津若松、佐賀、金沢、京都、鹿児島、岡山、盛岡、三河など12の地域を取り上げています。
例えば、以下の地域の歴史・風土とそこで培われた人々の気質が描かれています。
・高知:坂本龍馬と黒潮、自由な気風
・会津:戊辰戦争と会津の人々が受けた影響
・鹿児島:薩摩藩の独立心や外交感覚
・京都:長く都であり続けた歴史と政治との関わり
この本の大きな特徴は、「歴史は人物だけでなく、その土地の風土によっても形づくられる」という視点です。著者は、山や川、海、気候といった自然環境が、その地域の人々の性格や文化、さらには歴史にも影響を与えていると指摘、その関係性を解説しています。
私もこれまで仕事上で九州、四国、大阪、盛岡の方と仕事をご一緒させていただきましたが、地域固有の気質の面では、納得したことが多かったと思います。
3.高熱隧道(著:吉村昭氏 出版 新潮社)
この本も前述した教授の紹介の小説です。著者、吉村昭氏による記録文学(実話)です。昭和初期、黒部第三発電所建設のためのトンネル工事が題材です。綿密な取材をもとに、極限状態で危難に立ち向かう人々の姿を描いた代表作です。
舞台は、富山県の険しい黒部峡谷、発電所を造るためのトンネル(隧道)工事が始まりますが、以下のような想像を絶する過酷な環境であった事実が描かれています。
・岩盤の温度は最高約165℃にも達する。
・ダイナマイト自体が、高熱により自然発火する危険がある。
・工事中に斜面崩落や雪崩、洪水などの自然災害が相次いで発生した。
想像を絶する現場でありながらも、それでも工事を完成させようとする技術者や作業員の方々の葛藤や使命感、そして人間の力では克服することができない自然の圧倒的な力が克明に描かれています。実際の工事では300人を超える犠牲者が出たとされています。
この本の魅力は単なる建設工事の物語ではなく、事実に基づいた冷静で迫力ある描写にあると思います。「夢やロマン」だけでは、語ることができない自然に立ち向かう偉大な勇気を痛感する一冊であり、現在も高く評価されている理由は以下と考えます。
・人間の技術と自然の力との対決
・極限状態における人間の責任感と勇気
・大規模開発の裏側にあった多大なる犠牲
4.失敗百選(著:中尾政之氏 出版 森北出版)
著者は東京大学教授(当時)の中尾政之氏であり、「失敗学」の考え方をわかりやすくまとめた本です。工学書でありながら、技術者だけでなく、企業の管理者や学生、一般の読者にも広く読まれています。 この本の中心となる考え方は、「失敗には共通するパターンがあり、その原因を知れば未来の失敗を防げる。」というものです。
著者は、さまざまな事故やトラブルを分析し、失敗の原因を41種類に分類しました。 それぞれの原因がどのように重大事故につながるのかを詳しく解説しています。本書では世界的にも有名なタイタニック号の沈没 、コンコルド墜落事故、スペースシャトル・チャレンジャー号爆破事故等、178件もの実例が取り上げられ、失敗の要因について以下に言及しています。
・「誰が悪かったか」ではなく、なぜ失敗が起きたのかの考察
・技術に限らず、思い込みやコミュニケーション不足、組織文化などが原因
・過去の失敗から共通点を学び、将来の事故やミスを防ぐ方法
事例が豊富であり、仕事や組織運営、日常業務にも応用できる内容です。特に総合技術監理部門、リスクマネジメント、技術者倫理の観点では絶好の参考図書と思います。 今回紹介した著書は、技術士二次試験の論述に必要な防災、地域活性化、持続可能性、合意形成などに対し、こうした幅広い知識・教養・歴史観が、記述文の説得力へつながると考えます。 さらには技術士試験で評価される「技術者の人格・使命感」を養う読書という観点で倫理性と人間性の両面を磨く参考書として役立つと思います。技術者視点を広げる意味でも、是非、読んでいただければと思います。
次回はこれらの著書や資料を読む解く力(:読解力)について、ご紹介したいと思います。(以上)
2019年05月28日 作成 / 執筆:スチールマニア講師 / 閲覧数(月間): 22

採点官も人間ですから、読みやすい文章と読みにくい文章では、どちらに加点しやすいかは明白です。
論文を書く際の決まりについて今一度確認してください。
(1)句読点
句読点については、以下の決まりを守ってください。
① 句読点は、(、)(。)もしくは(,)(.)の組み合わせで使う。
② 句点(。)またはピリオド(.)、読点(、)またはコンマ(,)、カギ「」、カッコ( )は1字として1マスを使う。
③ 読点(、)は列挙する際の区切り、中点(・)は一つのグループに属する意味で用いる。
例:「本文、図・表および写真」
④ 句読点は40 字(約1.7 行程度)程度以内にして読みやすくする。
⑤ 句読点は行頭に置かない。
行の頭に句読点がくる場合には、前行の最後のマスの外に付けるか、
最後のマスの文字とともに書き入れる。
(2)英数字
英数字についても以下の決まりがあります。
① 英数字については、半角扱いが可能です。
② ICTといった略語については、それぞれ1マスを使う。
③ 桁数の多い数字はマス目にとらわれず書いてよい。
④ 1個の数字は分断しないようにしてください。行末で分断される場合は、行の末尾が1~2 コマ空欄でもよい。
⑤ 単位はSI 単位を使う。
(3)カタカナ
カタカナは半角で書かれている人をよく見かけますが、1マス1文字が原則です。
外国語はカタカナで表記してください。
英語の単語を日本語の文章の一部としては使用しません。
また、技術用語は学術用語を使うこと。
機械や材料等の名称は正しい名称(一般名)を使用し、メーカ名や商品名は使わないこと。
例(商品名) (一般名)
(例)ユンボ ➔ 油圧バックホウ
(例)P&H ➔ トラッククレーン
(4)箇条書き
箇条書きする場合は、いきなり箇条書きにするのではなくて、
必ず何の箇条書きなのかがわかるように記述してください(わかりやすいタイトルを付ける)。
(例)
1.財源不足に伴う問題点
財源不足に伴う問題点として、以下の3点が挙げられる。
① 高度経済成長期に大量に整備された社会資本が一斉に更新期を迎える。
② 財源不足により、災害対策や渋滞対策などの真に必要な社会資本整備に遅れが出る。
③ 公共工事の単価が下がることにより、品質低下の危険性が考えられる。
2017年03月07日 作成 / 執筆:スマート技術員講師 / 閲覧数(月間): 21

試験当日、午後最初の試験として「選択科目Ⅱ」があります。
選択科目Ⅱは「Ⅱ-1」と「Ⅱ-2」の2つに分かれていて、試験時間は2時間です。
Ⅱ-1は答案用紙「1枚」で2設問を選択し解答します(「1枚論文」)。
Ⅱ-2は答案用紙「2枚」で1設問を選択し解答します(「2枚論文」)。
答案用紙はA4サイズで1枚あたり600文字(24×25の文字枠)の記述になっています。
Ⅱ-1は「専門的知識」を問う問題であり、一般的な記述方法としては「論文形式」です。
論文形式だと・・・
1つ目は○○○です。
○○○は・・・・です。
2つ目は△△△です。
△△△は・・・です。
のような記述方法になるかと思います。
それ以外として「箇条書き」もあるかと思います。
箇条書きだと・・・
①○○○
・●●●
・●●●●
②△△△
・▲▲▲
・▲▲▲▲
のような記述方法になると思います。
でも実はこの1枚論文は「600文字以内」ではなく「1枚以内」に収めればよく、文字枠を無視して記述することができるって知っていますか。
例えば、「一覧表」で表すこともできます。
設問が「2つの工法の違いを記述せよ」という場合には特に効果的です。
一覧表だと・・・
| 特徴 | A工法 | B工法 |
| ○○○ | ●●● | ●●●● |
| △△△ | ▲▲▲ | ▲▲▲▲ |
のような記述方法になります。
この場合、文字枠は無視できますので、文字の大きさも自由です。
解答内容が的確なら文字数が足りない時、わざと文字を大きく記述して行数(記述範囲)を稼ぐこともできます。
文字枠に合わせて罫線を引く必要もありません。
選択科目Ⅱは時間との勝負になることが多い部分です。
見た目のインパクトで高得点をねらうため、臨機応変に対応するテクニックも必要です。
その他として「グラフ」や「図表」、「フローチャ-ト」などで記述することもできます。
ですが、訓練していないと逆に時間が掛かり過ぎる欠点もありますのでご注意を。
2026年07月25日 作成 / 執筆:アニ-講師 / 閲覧数(月間): 21

「技術士試験のクールダウン雑学」
受験者の皆様、令和8年度技術士試験お疲れさまでした。技術士試験後は、頭がまだフル回転モードなので、少しク-ルダウンが必要かと思います。それには普段あまり考えない雑学に少し触れてみるのはいかがでしょうか。 今回はクールダウンできる工学系雑学について、私的勝手に、しかもランダムに、いくつかご紹介しますので、気楽に読んでいただければ幸いです。
1)エッフェル塔は身長が伸びる。
エッフェル塔は夏になると約15cmほど、身長が高くなります。これは皆さんよくご存じの金属の熱膨張ですね。鉄は温まるとわずかに伸びるため、高さ約330mの塔全体では人の身長ほどではありませんが、目に見える変化となります。 ⇒東京タワ-もスカイツリ-も同様ですね。そういえばコンクリ-トやPC橋もそうでしたね。暑い夏、いろんなものが伸びています。
2)タコには心臓が3つある。
マダコなどのタコ類には、合計3つの心臓があります。 ・体全体へ血液を送る心臓が1つ ・エラへ血液を送る心臓が2つ それぞれの役割が異なっており、専門分野の方でなければ知ることがない知識だと思います。 ⇒エー、そんなことあるの?人類も2つの心臓が相互補完し、それぞれの異なった役割があるのですね。不思議です。何故を知りたくなります。
3)人間の脳は、約20Wで動いている。
成人の人間の脳は約20W程度の電力で働いているそうです。これは小さなLED電球1個相当の消費電力です。そのエネルギーで記憶、判断、言語、創造性など、膨大な処理を同時に行っています。 ⇒スゲ-、ビックデータ扱うスパコンみたいですね。発電用新エネルギ-として、有効活用する方法があればいいのですが。
4)宇宙は無音である。
宇宙空間では音は伝わりません。音の伝達には空気や水などの媒体が必要です。宇宙空間は、ほぼ真空なので、映画のような大爆発も実際には「無音」なのです。 ⇒へ~、不思議な感じ。SF映画等の宇宙では、隕石、人工衛星や最近問題の宇宙ゴミ等、多くの複雑音が聞こえているイメ-ジがあります。
5)蜂蜜は腐敗しない。
蜂蜜は、以下の条件と理由からほとんど、腐敗しないと言われています。 ・糖度が非常に高い。 ・水分が極めて少ない。 ・酸性である。 適切に保存すれば非常に長期間品質を維持できます。古代遺跡から見つかった蜂蜜が食べることができる状態だったという報告があるそうです。 ⇒高濃度、水分の有無、酸性が、長期保存には不可欠と言うことなのでしょうね。食べ物、飲み物のほか、塩、醤油、砂糖、酢等同様な例がありますね。
6)ペンギンは「空を飛ぶ鳥」より、速く泳ぐ。
ジェンツーペンギンは、水中泳力は時速30km以上に達するそうです。翼は飛行ではなく、水中では非常に高性能な「水中の翼」として機能します。 ⇒けっこうなスピ-ドですね。一方、海面を飛ぶトビウオは、海面に出るときの速さは時速40~60km、マグロは通常15~20kmで、最高速度は70~80kmで泳ぐとのことです。 ⇒はや!現有能力を上手にコントロ-ル、これにより最大能力を発揮するのですね。
7)GPSは相対性理論を毎日使っている。
特殊相対性理論では、速く動く時計は遅れます。一方、一般相対性理論では、重力が弱い場所ほど時計は速く進みます。GPS衛星は高速で飛び、地上より重力も弱い場所にあるため、この2つの効果が同時に起こります。
・特殊相対論:約7マイクロ秒/日、遅れる。
・一般相対論:約45マイクロ秒/日、進む。
差し引き約38マイクロ秒/日進むため、この補正をしないと位置は1日で約10km以上ずれてしまいます。 ⇒位置関係及び時間のスケ-ル感覚が複雑すぎて、かえって頭の中が混乱します。
8)雷は地面から空へ向かう!
雷は「空の雲から落ちる」と思われがちです。実際には地面から上向きに伸びる放電がその要因となっています。 雷が電気へと変換する瞬間、非常に大きな電流が流れる「帰還雷撃」が発生、超高層建築物等では、地上から上向きに始まる雷が観測されることがあるそうです。 ⇒全く、想像していませんでした。気候変動、集中豪雨が多発化、激化しています。耐雷対策も必要になっています。
9)飛行機は「吸い上げられて飛ぶ」訳ではない。
旅客機の翼は、上下面の圧力差、翼が空気を下向きに曲げることによる反作用の両方により揚力が生まれます。これを受けて飛行機は飛ぶことができます。 「ベルヌーイの定理だけで飛ぶ」という説明だけでは不十分であり、圧力差と揚力の両方を流体力学として合わせて理解するのが一般的です。 ⇒「ダニエル・ベルヌ‐イ」は18世紀を代表する世界的科学者であり、流体力学の創始者の一人と言われています。
10)世界一、滑らかな鏡
レーザー干渉計重力波天文台で使われる鏡は、表面の凹凸が原子数個分程度しかないと言われています。すなわち、鏡の表面に「でこぼこ」がほとんどない状態です。 極めて高い平滑性によって、時空のわずかなゆがみである重力波を観測できるのです。 ⇒どのようにして平滑性を作るのかな?これも実際に見てみたい気がしますね。昨今不足が著しい熟練工の技なのでしょうか。
「日常意識しないで当たり前に使っているものほど、実は高度な科学や工学の上に成り立っている。」という事実は私達が知らないだけで、他にももっとたくさんありそうですね。 蜂蜜、GPS、雷、飛行機、鏡など、身近な技術の背景を知ると、普段の景色が少し違って見えてきて、改めて新鮮な気持ちになってきます。
11)再スタ-トの準備
少しは過酷な技術士試験後のクールダウンになったでしょうか?心新たに、試験後を各自、冷静に振り返ってみて下さい。成果があった点、不満足な点。こうすれば良かった点等一度整理して見て下さい。これからやるべき点が見えてきます。徐々に再スタ-トに向け始動して行きましょう。 次回は私が考える技術士として読むべき著書についてお伝えしたいと思います。(以上)
2018年03月24日 作成 / 執筆:技術屋NR講師 / 閲覧数(月間): 20
これまでに第二次試験を受験されたことがある方はご存じだと思いますが、業務経歴票には、
勤務先から公印を捺印してもらう必要があります。
「平成29年度技術士第二次試験受験申込み案内」には、以下のように記されています。
業務経験〔上記の2つ以外〕 の場合(前頁参照)
* 勤務先から、代表者権限を持つ証明権者(代表者)による証明【印鑑;公印】を受ける。
⇒ 所属部課の代表者による印【会社の角印・代表者印(会社実印)《社名と役職者名の
入っているもの》の丸印又はそれに代わる署名】
⇒ 代表者権限を持つ証明権者(代表者)とは、業務経歴を証明できる役職者
(社長、所長、局長、所属部課長、証明権限を委任されている役員、総務・人事部長等)を指す。
* 受験に必要な業務経歴の年数内に勤務先が変わっている場合、現在又は以前の勤務先のうち、
いずれか1つの勤務先(原則、現在の勤務先から)から証明を受ける。
社印(角印)、社長印(丸印)でなくても、例えば事業部印(角印)、事業部長印(丸印)でも大丈夫です。
もし、この部署の印で大丈夫かどうか不安な場合は、早めに日本技術士会にお問い合わせされることを
お勧め致します。
技術士が多く在席している会社・部署なら手続きがすぐ分かると思いますが、技術士が少ない
(もしくはいない)会社にお勤めの方は要注意です。
社印・社長印を貰うために、稟議書に大勢の管理職・役員の捺印が必要であったり、
役員に「技術士とは何ぞや」の説明からしなければならなかったり、予想以上に時間が掛かる
場合があります。
業務経歴票を作成する前に、事前に総務担当などに、「技術士第二次試験受験申込書類に
社員・社長印が必要になるが、どういう手続きが必要か」ということを問い合わせしておいた方が
よいと思います。
「公印が間に合わなかったので受験できない」という最悪の事態とならないよう、ご注意下さい。
2018年07月10日 作成 / 執筆:スマート技術員講師 / 閲覧数(月間): 20

①まずは試験に必要なもの(人によっては必要なものも含む)
○受験票
忘れても当日、試験本部で身分証明書を提示すれば受験が可能だが時間を要する。忘れずに持参することがベスト。
○筆記用具
鉛筆、またはシャープペンシル 2本以上(書きやすく使い慣れたものがベストなのはご存知だと思いますが)
○消しゴム 2個以上
人によっては字消し板を用いてキレイに部分消しにこだわる人もいる。細長い消しゴムを使う人もいる
○定規
必要なら持参、使う人は多いと思うが
○時計
会場によっては時計がない。ごく普通の腕時計がベスト。機能がたくさんあるデジタル時計などは試験官に疑われるかも
○飲み物
水筒などは不可。一般的なペットボトルなら可。緊張で喉が渇くのであったほうがよいかと
○タオル
汗をかくと答案用紙に記入しにくい。首に巻くか膝の上に置く。机上には置けない
○昼食
昼休みに外食したり買いに行く人などそれぞれ。朝のうちにおにぎりやサンドイッチなどを購入し保冷バックで保存しておくと精神的に安心、集中できる
○上着など
会場、座る場所によっては冷房が強すぎて試験に集中できない可能性あり。寒さ対策も必要かも
○不可と思われるもの
電卓、耳栓、色鉛筆は基本的に禁止と聞いています
②試験当日の注意点
○失格だけは絶対に避けよう
回答用紙に「氏名」「受験番号」「選択科目など」の記入を忘れると採点もしてくれません
択一問題は記入ズレ、回答数オーバーしていないか何度も確認しましょう
○択一問題の正答が試験1週間後くらいに発表されます。自分が選択した答えをメモし答え合わせができる状況にしておきましょう
○選択Ⅲは復元できるよう問題用紙にメモを残してしっかり持ち帰りましょう
○最後まであきらめず、ねばってねばってあがきましょう。その最後の努力が実るかもしれません
③試験後
○択一の採点をしましょう。合格点に届いたなら口頭試験の準備を始めましょう
○選択Ⅲ論文の復元をしましょう。時間が経つとどんどん忘れてしまいます。早めに取り掛かりましょう。思うように記述できなかったとしても何が起こるかわかりません。自分勝手な思い込みで復元を怠らないでください
今までの自分のやってきた事を信じ、最後まであきらめない受験生が合格に近づくと私は信じています!
2018年07月30日 作成 / 執筆:【ニュース担当】eastwest665講師 / 閲覧数(月間): 20
技術士 化学部門の概要
化学工場や石油工場、セラミックなど陶器の製造を行うような工場などで、工場の生産や新製品の開発を行うような職種につくような場合に有効な技術士が技術士化学部門となります。
専門科目も、セラミック、無機化学の分野からプラスチック製品の取り扱い有機化学や高分子化学の分野、石油精製の技術を行うような燃料化学、化学製品の生産装置の構造を記した化学装置及び設備と化学全般にわたる内容が網羅されています。
技術士 化学部門取得後の活躍
技術士の化学部門取得後は、化学工場の研究職や製品の開発職などの仕事につくようになります。化学工場や化学メーカでの設計、開発となりますので、大きなプラントを所有している化学メーカなどでの活躍となります。
化学製造の装置設計や、製品の製造に関する分野でのものとなります。
技術士 化学部門の問題点
化学部門の技術士受験者も他の部門と比較して少ない傾向にあると言われています。
その主な理由としては、製品の開発や製造設計を行う場合、化学分野では技術士を目指すというより化学部門の工学博士を目指すことが多い傾向にあるためです。
特に有機化学の分野や触媒化学の分野などでは、化合物の組み合わせが無限に近いほど存在し、それぞれに異なった特徴があることが有名です。
その化学物質の製造方法なども確立されていないものや製造にコストのかかるものなどの製造方法をより簡略化するなどのもので、博士論文を書く材料が他の部門に比べて多いという実情もあります。
化学メーカでは製品の設計というよりは研究開発という位置づけが大きくなりますので、化学装置の製造などの分野での技術士取得を行う人が多いという傾向になります。
いづれにしても、なかなか化学分野での技術士はそれだけでは評価をされる機会がすくなくなるため、技術士取得と合わせて化学の工学博士の取得も目指すという人が多いという現実があります。
しかし、技術士の記述問題や口頭試験などの経験は工学博士取得の際にも大きく役立つものと考えらえます。
2017年06月03日 作成 / 執筆:Lucky Ocean講師 / 閲覧数(月間): 19

技術ノートx100の作成
技術ノートにキーワード(100個目標)を作成するのは大変ですが、まずはこれを頑張りましょう。
5月中に100個作成することが目標でした。これを達成した人は素晴らしい。あと少しという人も
よく頑張りました。
筆記練習の開始
技術ノートの作成は目的ではなく手段です。また、試験には期日があります。すでに6月に入った
ので、技術ノートをベースにした筆記練習を開始しましょう。目標は作成した100個の技術ノート
をベースにして、600字原稿用紙にそのキーワードの特徴、課題、対策をまとめます。A4の技術
ノートには900字相当の情報が通常あるので、ここから600字にまとめます。
図表の活用
600字の原稿に、特徴と課題と対策をまとめるには、端的に効率的にまとめるテクニックが必要
です。ここで最も有効なのが図表を1つ挿入することです。個人的には、原稿用紙の右上の7x7の
升目がターゲットです。ここに600字の原稿で書きたいことのエッセンスを図表として示すことが
できれば、それだけでほぼ合格です!
黄金の3の法則
特徴は3つに拘らなくてもいいですが、課題と対策はそれぞれ特に重要なことを3つ選択して、その
記述に集中しましょう。限られた原稿用紙の中でアピールするには、2つでは不足するし、4つでは
多い。やはり3つが非常に有効です。常に課題を3つ考えて、それぞれの解決策を考える癖をつけましょう。
目標は30分
600字の原稿用紙を一枚書き上げるのにどれぐらいの時間がかかるでしょうか?完成した600字原稿を
朗読すると2分とかからない。でも、悩みながら書いていると時間はどんどん経過する。実際の試験の
時には、キーワードを書き出し、頭の中で整理しながら記載する必要がある。目標はズバリ1枚30分だ。
空き時間が30分あれば、キーワード1つを書き上げよう。また、できれば勉強時間として、朝でも、
夜でも良いけど2時間確保して、キーワード4つを書き上げるようにしよう。
6月中に100個のキーワードを原稿用紙に記述する
毎日4枚のキーワードを書けば、25日で100個のキーワードを原稿用紙に記述することは可能だ。
6月はこれを目標に頑張ってほしい。そして、原稿用紙に記述していると、作成した技術ノートの
過不足を感じることがあると思う。その内容は時間が許す範囲で結構なので改定していこう。
経験則で言えば、技術ノートを2回ぐらい改定するとかなり優れたレベルに昇華する。
7月に入ったら録音
600字の原稿用紙に記載することでかなり記憶に定着していると思うけど、これだけでは十分では
ない。実際の試験の時に適切なキーワードが思い出せるようにするには、この100枚の原稿用紙を
スマホに録音しよう。先ほども書いたように600字の原稿を朗読するのはわずか2分ほどなので、
200分(3時間20分)あれば可能だ。週末等の時間の取れる時に頑張って朗読しよう。条件が許せば
奥様や子供にお小遣いを渡す代わりに吹き込んでもらうのは方法かもしれない。
繰り返してヒアリングすることで記憶に定着
録音した原稿用紙の内容を繰り返しヒアリングすることは、電車の中でも、歩きながらでも、
いつでもできる。そして、何度もなんども繰り返し聞くことで、記述内容の過不足を感じることが
あると思う。ちょっと違うなあと思ったら、技術ノートを改定して、原稿用紙に書き直しして、
改定版として録音しよう。この改定版が多いほど、レベルアップしているということ。
今回は、記述問題に絞って合格の為のノウハウを披露しました。選択問題については別にアップ
します。
7月の試験に向けて、6月は佳境です。ここでしっかりと技術士としての自力を高めて、合格
レベルを一気に突き抜けてしまいましょう。
2018年08月28日 作成 / 執筆:技術サムライ講師 / 閲覧数(月間): 19

口頭試験では、次のような質問がされます。
Q.この業務で、技術士に相応しい点はどこですか。
Q.この業務で、創意工夫した点はどこですか。
これらの質問がきたときは、何に着目して、解決法を見出したかを答えると良いでしょう。
なぜなら、その着眼点こそが、まさに「技術士ならでは」と言えるからです。
凡庸な技術者では、気づかなかったことを、気づけるのが技術士と言えるからです。
採点官は、これらの試問により、技術コンサルタントとして、あなたが独り立ちできるか判断します。
さて、失敗談を聞かれたときはどうしたらよいでしょうか。
ドキッとする必要はありません。
Q.この業務で、うまくいかなかったことは何ですか。
Q.5つの業務経歴に記さなかった業務があると思うのですが、失敗談は何かありますか。
このような質問をされたときは、あくまでも、技術的なことを答えます。
たとえば、
「業務実施当時の自分は、この点のスキル不足・知識不足で、Aの解決法を選んだが、いまの自分であれば、Xの事実に着目し、Bの解決法を採用すると思います。
そうすることで、Aよりも、Bのほうが、工期が10%短縮できることが見込まれるからです。」
また、つぎのように答えます。
「業務実施当時は、Yの技術が普及していなかったために、Aの解決法を選んだが、いまはYの技術が安価で利用できるため、Bの解決法を採用すると思います。
そうすることで、Aよりも、Bのほうが、生産コストが10%削減できるためです。」
失敗談を聞かれても、慌てずに、回答してください。
2019年06月10日 作成 / 執筆:スチールマニア講師 / 閲覧数(月間): 19

私は技術士となったあと技術士会に入会したり、
本業で色々な場において、技術士の方と会う機会があります。
その際に、試験委員をしていた方ともお会いし、
試験の採点に関する話を聞いたことがあります。
試験委員の経験上、一番強く仰っていたことが、
「論文」について、採点官も「人間」ですから、
どうしても「人間らしい採点となってしまう」という事です。
つまり、読みやすいor読みにくい、字がきれいor字が汚い、では評価は異なるし、
消しゴムでの消し跡で読めない、文章が長くて内容が入ってこない、
という印象の悪い論文では、なかなか加点できないというのです。
試験当日、初見の出題文から解答を記述するのですから、
完璧な文章を書くというのは難しいでしょう。
しかしながら、採点官の印象を良くするために、少しでも丁寧に書くことや、
主語述語を明確にして、伝わりやすい文章とするなどの基本は実践すべきです。
もう1つ、非常に多くの「白紙解答がある」ということを仰っていました。
白紙解答の場合は加点することができないため、必然的に不合格となってしまいます。
全体の60%以上で合格となります。
例え1つの論文で100点を取れたとしても、
もう1つの論文で0点の場合、平均は50点となり不合格となってしまいます。
しかし、全く解答が分からない場合でも、
何かしら記述がされている場合は、部分点として加点できる可能性があるのです。
以下に示すのは、解答できない場合、苦しくとも何かを書く!というレベルの例です。
白紙よりは、少しでも合格の可能性があるので書きますが、
当然、望ましいのは聞かれていることに端的に解答することです。
1.問われている事には、全て解答する事(義務)。
2.出題に関する背景や時事ネタを記述する(一般知識)。
3.技術士として今後勉強すべき事項であることを意思表示する(継続研鑚)。
非常に苦しく、問題文で問われている事ではないですが、
もしかしたら加点の可能性がある、という程度で覚えておいてください。
白紙解答よりは良いはずです。
2026年10月17日 作成 / 執筆:アニ-講師 / 閲覧数(月間): 18

「技術士試験で差がつくトレード・オフ解答文」
今回は、総合技術監理部門及び、それ以外の技術部門の技術士第2次試験の必須項目である「トレ-ドオフ設問」に焦点をあて、解説してみたいと思います。
1.「トレード・オフ(trade-off)」とは?
トレ-ドオフとは簡単にいうと、ある性能を改善しようとすると、別の性能が逆に悪化を招くような関係のことを言います。平たく言えば、「こちらを立てれば、あちらが立たず」でしょうか。いわゆる相反関係、両立が難しい問題を呼称しています。 総合技術監理部門が新設された当時、私はこの受験準備のため当時、バイブルテキストであった「総監青本」で、見慣れない用語「トレ-ド・オフ」に向き合った記憶が蘇ります。
2.トレ-ド・オフが問われる理由
技術士試験で「トレードオフの課題」が問われるのは、技術士に求められる本質すなわち、「一つの性能を最大化すること」ではなく、「複数の要求、制約を調整し、最適な解へと導くこと」が必要だからなのです。 例えば、道路整備は安全性、走行快適性を高め、利便性を向上、用地制約や建設費を抑制、工期を短縮、環境負荷を最低限にする要求があります。しかし、これら全てを同時に解決することは、諸般の制約から非常に困難を伴うのが現実なのです。
3.技術士試験の要求事項
技術士試験では専門的な知識・応用能力、問題解決能力、多面的な視点、経済性・安全性・環境などへの配慮、公益を確保する判断力を求めています。トレ-ド・オフに関する設問する理由として、その解答から、その適切性を一度に確認できるからなのです。 つまり、技術士試験では、
・「問題を見つける」→
・「複数の要求が対立する課題を設定する」→
・「トレードオフを整理する」→
・「最適な解決策を選ぶ」 という思考とその能力を有しているかを記述内容から判定しています。言い換えると、技術士は「正解を知っている人」ではなく、「制約条件の中で、公益性を考慮し最適解を選択できる技術者」なのです。
4.トレ-ドオフ関係の典型例
「トレ-ドオフ」の関係として例えば、道路、橋梁等インフラの計画、設計の場合なら、以下のような関係例が挙げられると考えます。
・安全性向上:安全性は高くなるが部材が大きく重層となり、コスト及び重量が増大する。
・工期短縮:工期短縮対策を実施することで、施工コストが増大する。
・環境負荷低減:環境対策を行うための準備及び対策費にコスト負担が増加する。
・品質向上:品質向上施策の展開により、従来以上にコストや所要時間を必要とする。
・維持管理性:効率的な維持管理を目指すことにより初期投資、建設費が高価となる。
5.技術士試験での重要ポイント
1)トレ-ドオフは最適化
トレ-ドオフをよりわかりやすく理解するには、「一方を良くすると、もう一方が悪くなる。その両方をどう最適化するか?」=「トレード・オフ」と自分なりに認識しておけば、試験で記述しやすいです。 特に必須科目Ⅰ:「課題・解決策」や選択科目:Ⅱ、Ⅲでは、この理解が「安全性、品質、コスト、工期、環境、維持管理」などの間にあるトレード・オフ問題の記述に有効と考えます。
2)両立できることの最大値
解答文では単に「AとBが相反する」と問題提起するだけではなく、どうすれば両立させることができるかその対策について言及することが重要です。例として工期と品質に対しての両立を示します。 「工期短縮と品質確保にはトレードオフの関係がある。その理由は工期短縮を目的するあまり、品質低下を招くことを防止する必要がある。施工効率化を図り、重要工程については十分な品質管理を徹底する。」 とした施策の両立を示します。以下に管理項目別に、トレ-ド・オフ課題の解答文例を整理します。
6.管理項目別の解答文例
1) 安全性とコスト(例:橋梁耐震対策)
橋梁の耐震性向上と事業費の抑制は、トレード・オフの関係がある。このため、施設の重要度や被災時の影響度を評価し、優先順位を設定した上で、効果的な耐震補強を実施する。
2) 品質と工期(例:コンクリート構造物)
「工期短縮と品質確保にはトレード・オフがある。このため、プレキャスト化やICT施工により施工時間を短縮するとともに、品質に直結する検査・養生等を確実に実施、技術によってこれらの両立を図る。」
3)コストと維持管理性(例:道路舗装)
「初期建設費の縮減と維持管理費の低減にはトレード・オフが生じる場合がある。このため、ライフサイクルコストを評価し、初期費用だけでなく供用期間全体の経済性を考慮して対策を選定する。」
4)環境とコスト(例:建設工事におけるCO₂削減)
「建設工事において環境影響を最小減とするためには、相応の費用捻出を考慮する必要がある。このため、LCCやCO₂排出量を含めた総合的評価に基づき、経済性と環境性の両面から最適な工法を選定する。」
5)工期と周辺環境(例:都市部の道路工事)
「工事期間を短縮できれば、施工による周辺住民への影響を軽減できる一方、工期短縮のために施工機械や工事車両の集中は、騒音、振動交通規制が増える可能性がある。このため、現地状況に応じて以下の最適化を図る対策を考慮する。 ・夜間工事等の作業時間帯の効果的適用 ・低騒音・低振動型環境配慮型機械の採用 ・施工時間帯の調整、工事区間の分割
6)維持管理性と初期コスト(例:橋梁の点検・補修)
橋梁等大規模構造物を計画時、建設時に、点検しやすい構造、部材交換が容易な構造、耐腐食性材料の採用は、初期費用が高価となる場合がある。整備費を含め構造物の供用期間全体の維持管理費や点検・補修の容易性を考慮し、LCCの最小化を図ることが重要である。
7.差がつく一文
「トレ-ド・オフ」に対し、以下の一文により、解答文の評価に差をつけましょう。 「限定されたリソ-ス、制約条件の下で、解決のための諸検討や工夫に基づき、均衡ある最適化を図り、相反する要求事項を両立させ、解決することが重要である。」 この一文こそが、「技術士試験トレード・オフ」設問の解答文や口頭試問の応答と考えます。 次回は、この「トレ-ド・オフ」と同様に必須課題である「リスクマネジメント」対策について、ご紹介したいと思います。(以上)
2017年03月19日 作成 / 執筆:タートル講師 / 閲覧数(月間): 18
今回は受験申込みにおける「業務内容の詳細」について、総合技術監理部門(以下、総監とします)を受験する時に注意すべき点を述べたいと思います。
総監は、機械・電子電気・建設などの20部門(以下、20部門とします)とは全く異なる視点で業務内容の詳細を作成する必要があります。
「技術士制度における総合技術監理部門の技術体系(第2版)」(以下、青本とします)には以下のような記載があります。
『技術士総合技術監理部門では、企業などの組織における技術業務全般を見渡し、安全性や経済性などに関する総合的な判断に基づいた監理を行うことが可能な技術者を育成、 認定することを目的としている。
総合技術監理の範囲としては、主として経済性管理、 人的資源管理、 情報管理、 安全管理、社会環境管理であり、その他に社会的規範や国際的ルールを包括した倫理観や国際的視点なども範囲として含まれる。』
つまり総監における業務内容の詳細は、青本に書かれているようなことを意識して作成することが重要です。
ここでは特に注意すべき点を2つ述べたいと思います。
まず、20部門の専門技術は忘れましょう。上記の青本引用にも書かれている通り、『組織における技術業務全般を見渡し、安全性や経済性などに関する総合的な判断に基づいた監理』が求められた、という切り口で記述することが大切です。
具体的な例を挙げてみます。
「道路工事をしていた時に、想定していなかった軟弱地盤が出現した」という場合に、軟弱地盤の問題を地盤改良で解決した・施工方法を工夫することで解決した、というような切り口では専門技術(この場合は建設部門)の視点です。
同じ工事であっても、想定していなかった軟弱地盤出現で、工期に間に合わない懸念があった・予定していなかった技術者の投入が必要になったがマネジメント能力を駆使して解決した、というような切り口が総監では求められます。
つまりは「経済性管理、 人的資源管理、 情報管理、 安全管理、社会環境管理(5つの管理)」の視点で課題や問題点、解決策を書くことが大切です。
もう1点の「5つの管理のトレードオフを意識する」については、稿を改めて書かせていただきます。
*受験申込に関して、別の視点からも投稿があります。併せて御覧ください。
*出願対策講座を行っています。講師ページからお気軽にお問い合わせください。
2017年12月03日 作成 / 執筆:Lucky Ocean講師 / 閲覧数(月間): 18

二次試験を受験して合格した人へ
すでに口頭試験を受験した人もいるでしょうし、これから受験という人もいるでしょう。3義務2責務がなんたるかはきっと勉強されたことでしょう。そして、CPDを登録できるのは、口頭試験に合格して、技術士として登録した後です。
しかし、遡って登録することを知っている人は少ないでしょう。しかも、技術士に合格したのもCPDの登録の対象となります。また、日本技術士会には修習技術者であっても登録できますので、日本技術士会が開催する各種セミナーに参加できます。しかも、一般の技術士よりも安い料金だったります。もしかしたら、日本技術士会の行事に参加して知り合った人が口頭試験の面接官だったなんてこともあるかもしれません。
聖書に描かれている「求めよ、さらば与えられん」の解釈はいろいろとあるようです。しかし、技術士に関しては、これに真剣にトライする人、合格に向けて頑張る人には、きっと合格!というご褒美が待っていることでしょう。技術士に合格したら、ぜひCPD(継続研鑽)を進めて、APECにもチャレンジしてほしいと思います。
ちなみに、APECに登録するための条件は次のように定められています。
APECエンジニアになるための7つの要件
1) 定められた学歴要件を満たすこと
2) IEAが標準として示す「エンジニアとしての知識・能力(International Engineering Alliance competency profile for engineers)」に照らし、自己の判断で業務を遂行する能力があると認められること
3) エンジニアリング課程修了後7年間以上の実務経験を有していること
4) 少なくとも2年間の重要なエンジニアリング業務の責任ある立場での経験を有していること
5) 継続的な専門能力開発を満足できるレベルで実施していること
6) 業務の履行に当り倫理的に行動すること
7) プロフェッショナル・エンジニアとして行った活動及び決定に対し責任をもつこと
この5)の項目はCPDの登録内容で確認されることになります。つまり、年間50時間以上のCPDを少なくとも数年継続している必要があるのです。今からCPD登録できるように、いろいろな研修を受講したらその資料をファイリングしておきましょう。特に、受講日、開始時間と終了時間、主催者、テーマ、開催場所、実施内容、所感などを確認できるようにしておきましょう。
以上
2018年03月16日 作成 / 執筆:【ニュース担当】eastwest665講師 / 閲覧数(月間): 18
サンフランシスコの湾岸地域高速鉄道(Bay Area Rapid Transit 通称BART)は、現在でも運用されている利用者の多い鉄道です。
日本でも、東京で言えばゆりかもめやりんかい線、大阪では地下鉄ポートラム線など湾岸埋め立て地域へのアクセスの利便性を高めるための新交通が各地で建設されていますが、アメリカでも同様です。
そんなBART建設当初の1971年、技術士倫理を語る上では見過ごせない事件が発生しておりますので紹介いたします。
BARTの設計は建設コンサル企業に委託され、BARTの設計の意思決定は専門家ではない取締役会で決定するという構成となっておりました。
ある時、BARTで働く技術者が、設計に欠陥があり、修正が必要だということに気づき、取締役会に申し入れます。具体的には、列車の速度制御に関する安全を最重視した場合には修正不可避な部分です。
しかし、建設コンサル企業側は問題がないというスタンスで、BART側に訴えてきます。それでも、技術者は安全性に問題があるということを訴え、両社の意見は真っ向から対立します。
利益を優先させたいBART経営陣は、建設コンサル企業側を支持し、システム不具合を提起した技術者を不当解雇します。
その後、BARTは商用運用に入りますが、速度を下げなければならない場面で、列車が速度を上げ、砂山に突っ込むなどの事故が多発しました。これはBART技術者が訴えた速度制御系統の不具合によるものです。
事故の発生を受け、カリフォルニア州は第三者委員会による調査を行います。その結果、一連の事故はBART技術者が訴えた不具合によるものであることが分かりました。さらに運用において守らなければならない技術レベルも基準以下であったこともわかりました。
こうした状況の中、システムの改善を訴えた技術者を解雇したBARTの対応も問題視されるようになります。利益を優先するがために安全性などの公衆の安全を無視した姿勢は強く非難されました。
技術分野では、コスト、納期を優先すると安全面で問題が出てくるという場面は多く存在します。技術士倫理の条項の一番目に公衆の安全は出てきます。
それだけ、技術面での安全性というものは最重視される項目であると言えます。
このBART事件のように国や県などの自治体やマスコミからのバッシングの対象にもなりますので、大きな事件となる可能性を多く含んでいます。
参考:
http://ds0.cc.yamaguchi-u.ac.jp/~fukuyo/business-ethics/1971-BART-case.pdf
2025年08月02日 作成 / 執筆:アニ-講師 / 閲覧数(月間): 18

「コンピテンシ-」
改訂版「コンピテンシー」という言葉を最近、良く耳にするようになりました。(令和5年1月、「技術士に求められる資質(コンピテンシー)」(以下、「改訂版コンピテンシー」という。)技術士試験では、今後もこれへの対策が必要であると考えます。今回はこの改訂版「コンピテンシ-」について、口頭試問準備の助走期間として、徐々に認識を深めていく必要性から、以下にその改定ポイントを概説したいと思います。
1.コンピテンシ-とは
コンピテンシーとは、組織環境や職務上の要請に対し、備えるべき個々の資質・能力及びそれに対する実践行動のことであると、私は認識しています。 すなわち技術士にとって最低限備えるべき資質・能力のことであり、業務の遂行の上では絶えず必要な知見を深め、技術を修得し、資質向上ができるように十分な継続研鑽(CPD)を行うことを示唆しているものと思います。
2.改訂版コンピテンシ-に対する理解
改訂版コンピテンシ-に基づき技術士として要求される資質・能力について、簡単でわかり易い表現でタイトル化し、R5年度の主な改定点は次の内容であると考えます。 (1)専門知識と技術:「専門技術を有し、それを業務上で応用・展開できる。」
・具体的な専門分野に関する深い知識と技術
・最新技術や研究に対する理解力を有し、それに対する適応力
(2) 問題解決能力:「問題解決プロセス思考に基づき、必要ツールを活用できる。」
・複雑な技術的課題の原因把握、分析、検討、解決策を導く能力
・問題解決に必要な手法やツールを効果的に活用するスキル
【改定点】
・複合的な問題に対して、必要に応じてデータ
・情報技術を活用
・多角的な視点、ステークホルダーの意見を考慮すること
(3)コミュニケーション能力:「関係者にわかり易く、円滑である。」
・技術的な内容をわかりやすい説明能力(文書作成、プレゼン等)
・他の技術者や関係者と連携し、意見交換が円滑にできるスキル 【改定点】
・クライアント等多様な関係者間で、明確、包摂的な意思疎通を図る、協働すること
・ステークホルダー等とのコミュニケーションにより、相互リスク認識を共有すること
(4) 倫理観と社会的責任:「技術者倫理による行動である。」
・技術者としての倫理規定に基づき、社会的責任を果たす姿勢
・環境問題、安全性、法的規制を遵守する姿勢と実践行動の継続
【改定点】
・経済、社会、環境的影響を認識し、持続可能なアウトカムが得られる業務活動
・文化価値を尊重し、SDGsに基づく多様性・包摂性の尊重
(5) プロジェクトマネジメント能力:「PDCAマネジメントによるリーダ-行動」
・プロジェクトの計画、実行、管理、監視など、適切なマネジメントスキル
・チームのリーダーシップを発揮し、目標達成に導く能力
(6)持続的学習:「自己研鑽により、技術を実務へ反映する。」
・技術の進化に対応できるように、継続的に学び、自己改善を行う姿勢 ・最新技術や理論を習得し、実務に反映させる能力
【改定点】
・絶えず変化し続ける仕事の性質に適応する能力を高めること
3.予想される設問内容
主に、技術士第二次試験の口頭試問での確認事項となると思います。技術士としての実務能力の確認では、業務詳細について利害関係調整やリスク評価への質問が必須であり、コンピテンシ-に関し、次のような設問が予想されます。
1) 業務詳細において、関係者とどのような方法で利害調整を行いましたか?(:コミュニケーションとリーダーシップ)
2)業務詳細で検討した複数選択肢に共通するリスクは何ですか?(:リスク評価)
3)業務詳細において、業務遂行上の留意点と資源配分で工夫した点はどこですか?(:マネジメント)
4)トレ-ドオフの関係を解消するために必要なことは?(相互調整による最適化)
5)技術士を取得後は、どのように成長していこうと考えているか?(:自己研鑽)
4.自身を第3者視点で見る。
口頭試問はそれなりに緊張感やプレ-シャ-があります。これが過度になると本来の実力を伝えられないことも想定されます。これに対応するには本番を想定した模擬的な練習を欠かせません。先輩技術士や同僚にお願いし、あえてきつい模擬口頭試問をしてもらうことをおすすめします。
また、自分の話し方の癖や表情については、以外に本人は自覚していないものです。模擬試験の状況を録画して後に再生し、自己評価につなげたり、鏡の前で自問自答する訓練を行い、自分自身を第3者視点で見ることがその気づきにつながると思います。 次回は、コンピテンシ-の認識に基づく口頭試問への準備についてお知らせしたいと思います。(以上)
2026年08月15日 作成 / 執筆:アニ-講師 / 閲覧数(月間): 17

「技術士に求められる表現力、説明力」
お盆休暇中の皆さん、いかがお過ごしでしょうか。家庭サ-ビスや夏期休暇中でおくつろぎの中と推察いたします。 私はこれまで、「表現力、説明力」能力に秀でた方と、出来ればお会いしたいと思ってきました。また、是非ともそのような方から強い刺激やそこに至った情熱を感じ取りたいとも思ってきました。
何故ならそれは、自分にとって憧れる能力であるからです。 今回は「表現力、説明力」について私が考える鍛錬の方法をご紹介したいと思います。気楽に読んでいただければと思います。
1. 説明力の要素
技術士に限らず、業務では専門的な内容を、相手や目的に応じて正確かつ論理的に分かりやすく伝える能力が求められます。単に文章が上手というだけではなく、技術的な判断や、他者が自分の提案を理解、納得、行動へ移行できるための説明力が求められます。具体的には、説明力として以下のような要素が必要であると思います。
1) 論理性 ・結論を明確に示す。
・根拠やデータを示し説明する。
・因果関係を整理して伝える。
2) 簡潔で分かりやすい
・専門用語は、必要により場面や相手に応じ使い分ける。
・一文は短く、完結させる。
・主語、述語を明確にする。
3) 相手に応じた表現力
・専門技術者には、専門的に説明する。
・行政や経営者には社会的、経済的な観点でわかり易く表現する。
・一般の方々には、専門知識がなくても理解できるようわかり易さに配慮する。
4) 課題解決の提案力
・現状課題を分析、整理する。
・複数の解決策を比較、評価、解説を加える。
・理由を示し、説得力をある提案を行う。
5) 倫理性と客観性の維持
・事実と意見を区別する。
・公平であり、偏った表現は避ける。
・技術者倫理や公益を意識し表現する。
技術士に必要な説明力とは何より、相手に応じて分かりやすく伝え、課題解決につなげる能力です。これは技術士試験だけに限らず、社会人の日常の実務においての素養としても欠かせない能力と考えます。
2.合意形成に不可欠
説明力は、関係者との合意形成やプロジェクト推進には欠かせないコミュニュケ-ション能力の一つです。異なる立場や利害関係者間の合意形成を円滑にし、プロジェクトを着実に推進するためには、欠かせない能力です。また、技術的リスクや社会、経済、環境への影響も含めた客観的説明では関係者間の信頼関係の構築や合意に基づく意思決定には不可欠です。
3.説明力を鍛える
説明力は、一朝一夕では身につきません。意識して自分で訓練することが大切です。説明力を鍛える方法としては、以下が効果的と考えます。
① 日頃から結論から話す習慣を付ける。その後には何故(理由)を示す。
② 対象相手(技術者、管理者、一般の方等)の目線に合わせ、説明方法を変化させる。
③ 優れた文章を参考に、音読、口頭説明練習を行い、時々第三者から評価を受ける。
4.技術士試験の準備
技術士試験の準備として、毎日15~30分程度、以下を意識的に練習する。
① 気になる新聞記事や技術ニュースを1つ選択、読解する。
② 「何が課題か」「原因は何か」「解決策は何か」「期待される効果は何か」をそれぞれ1~2文でまとめ、整理してみる。
③ 「もっと短く、もっと分かりやすくを追求する。」
これらの反復により、技術士に求められる論理性、簡潔性、説得力が身につきます。私の経験では新聞の社説や論説記事は、身近な活用ツールと思います。 説明力は、自分の知識示す能力ではなく、相手の理解と納得を得て相手の行動につなげるための能力です。その視点を意識して日々練習することが、日常業務や技術士試験に役立つことになると思います。
5.豊かな表現力
私の経験やこれまで出会った人で、表現力が豊かなだと思う人は以下の特徴があると思います。
1) 語彙量が豊富
同じ意味でも使用する場面に応じて、多くの語彙があり、その中から適切な言葉を選び表現することができる。豊富な語彙や知識量の蓄積があり、それをうまく活用し、豊かな表現力としてアウトプットしています。
2) 背景等の具体的描写
例えば、その場面の状況や背景、現実の姿をある種の感情も含めて、細かく詳細に表現でき、聞き手はそれを容易にイメ-ジすることができます。
3) リズムがある言葉
長い文章と短い文章を使い分け、プロミネンス(強調したい部分は際立て発音)を活用、言葉にリズム感があり、文章全体が躍動しているような感じをさせます。
4) 自分の考えを言語化
自分の意志や意見を根拠と理由により、的確に言語化できる。結果として、相手が理解しやすく状況となり、伝達されている。
6.説明力と表現力がある人の共通点
説明力と表現力の能力が備わった人は、次のような共通点があると思います。
・普段からいろいろな事象を、よく観察している。
・聞き上手である。相手からの情報や意見を引き出すことを自然にできる。
・普段から書籍や新聞記事などから、多くの表現方法や描写手法に触れている。
・自分の考えを、的確に言葉にするための訓練を意識的に行っている。
・常に相手の目線と立場を考慮した、コミュニケ-ションを意識している。
・「話すこと」を目的としておらず、「伝えること」を目的としている。
・相手の発言に的確に反応し、次の質問をどう切り出すかを常に考えている。
7.表現力、説明力の向上方法
表現力、説明力は、直ちにその能力が向上する訳ではありません。普段から以下を意識しその能力を向上することが重要です。
・読書を習慣とし、自分自身における「表現」を意識する。
・ニュースや本の内容を「30秒で要約する。」訓練を行う。
・他者を良く観察し、「なぜ、分かりやすいのか」を分析する。
TV等メディアの司会者やコメンテイ-タ-等、気になる人の表情、声、伝える言葉や会話における間などを、良く観察してみるのも参考になると思います。 日常からこれを意識向上することは、技術士第二次試験に必ず役立ちます。また、前向きな自己研鑽は、業務においても力強い武装能力になると思います。
次回は、自己研鑽すなわち「技術士にとっての学び」についてご紹介したいと思います。(以上)
2026年08月29日 作成 / 執筆:アニ-講師 / 閲覧数(月間): 17

「技術士合格は、キャリアビジョンが後押し」
技術士を目指す若手技術者方々へ申し上げたい。是非、合格を達成してほしいです。では、普段からどのような仕事をしていれば、技術士への道を切り開くことできるのでしょうか?そんな疑問がわいてきますね。 今回は私がこれまで指導してきた部下や知人等への指導経験を踏まえ、技術士になるための仕事術、キャリアビジョンについて、ご紹介したいと思います。
1. 資格試験受験のきっかけ
大学卒業後、5年目だったでしょうか。一学年上の建築学科の先輩と会話の中で、資格試験の話題となりました。その時、先輩からこう言われました。「日常を漫然と過ごしていてはだめ。勉強しないと!」その先輩は当時、1級建築士を目指しており、言葉に強い力を感じました。 「せっかく会社で仕事として、自分にとって必要な勉強をさせてもらう環境にあるのだからこれに感謝、努力しなければいけない!」みたいなことを言われたような記憶があります。仕事のジャンルは違いましたが、「きらりと輝かく眼差し」を感じ、これまでにない刺激を受けた瞬間であったと思います。 その先輩は現在、多くの社員を雇用する建築設計事務所の経営者として、ご活躍されています。今思うと、私にとって技術士への入り口を切り開いてくれた方、かもしれません。
2.仕事で基本を身につける
言うまでも在りませんが、どんな分野の仕事でも、日常業務の行動が基本です。皆さんの仕事のプロセスで、以下が実施されているかセルフチェックをして見て下さい。
・報告、連絡、相談(報連相)
・PDCAサイクルの実践とスパイラルアップ
・タイムマネジメントと柔軟な対応と是正
・社内外の文書の作成、記録、管理
3.技術力を向上する
仕事の進め方 基本行動のほか、技術力の向上には新しい技術を習得、研鑽、その能力を高める継続を常に意識し、以下のプロセスにより、仕事を進めて下さい。
・問題発見、課題設定 (:問題意識を抱く)
・原因分析と改善 (:改善活動を継続)
・リスクマネジメント(:リスク対策と最善化対策の決定と管理)
・品質及びコスト管理と期限厳守(:組織能力の最適化コントロ-ル)
4.コミュニケーション力を磨く
業務上では様々な分野の人々との接触、説明、交渉、調整等を余儀なくされます。この場面こそが、コミュニケ-ション力の訓練の場です。絶好の実践機会として、以下のスキルアップを心かけて下さい。
・上司・先輩への日常報告
・顧客との信頼関係の構築
・会議や研修会等でのプレゼンテーション能力研鑽
・チームワークの構築と組織風土の醸造、リーダーシップの発揮
5.技術士にふさわしい実務経歴
技術士にふさわしい実務経験は、以下により計画的に積み上げていきましょう。
・日常業務での「1+α」、常に現状よりプラスα志向を目指す。
・業務の特徴を認識し、業務記録として残す。
・コンピテンシーを意識、業務を遂行する。
・論文作成等に役立つ素材を探し、情報収集、関心事は探求、メモする。
6.技術者倫理と社会的責任
一人の技術者として、社会にどう貢献できるかを意識、自分は何を果たせるかを考える。日常業務のなかで、個人や自組織視点ではなく、「我が国視点」をイメ-ジ、広い技術視点を抱くよう意識して下さい。
7.キャリアビジョンを描く
1)継続的な専門能力の向上
現在の技術革新のスピードは速く、一度身につけた知識でも、あっと言い間に陳腐化してしまう恐れがあります。専門分野の最新技術を継続的に学ぶ一方で、関連分野の知識を広げ、複雑かつ新しい課題にも対応できる技術者意識を持って下さい。 このためCPDを計画的に、専門技術分野の学会や講習会への参加、資格取得や交流機会などを通じて、さらなる自己研鑽と人的ネットワ-クを拡大しましょう。
2)課題解決力の向上
技術士には、社会課題や経営課題を踏まえた最適な解決策を提案する能力が求められます。日常業務において「なぜ」という視点を持ち、原因分析や改善活動を積み重ね、自分や組織の力を借りて、課題を解決する能力を養いましょう。
3)コミュニケーション能力とマネジメント能力の強化
皆さんは将来必ず、組織のプロジェクトリーダーや管理職として、多様な関係者をまとめる立場となります。そのため、説明力、調整力、交渉力に加え、プロジェクトやリスクに関するマネジメントの能力を意識的に強化する必要があります。ここで重要なことは、そのために実践能力を鍛え、備えておくことが重要です。
4)技術者倫理と規範行動
技術者の判断は、安全、環境、地域社会などに大きな影響を及ぼします。法令遵守だけでなく倫理観に基づき、SDGsやカーボンニュートラルなどに対する率先した社会的規範行動が求められます。
5)変化に対する適応力を身に付ける
AI、DXなどの急進する技術革新に対応するためには、新しい技術を積極的に学び、自らの専門分野と融合させる姿勢が重要です。変化を脅威ではなく成長の機会として捉え、自身を変化させ柔軟に対応するよう行動しましょう。
8.自己評価を継続する
5年後、10年後の目標を明確に設定し、その達成に必要な知識、経験、資格を計画的に積み重ねることが重要です。また、定期的に自己評価を行い、目標とのギャップを把握、改善を繰り返すことで、着実な成長へとつなげましょう。
9.まとめ
私が指導・協力した若手技術者の人々は皆、技術士受験前と合格後ではその人自身の変化は明確です。合格後の姿は頼もしくもあり、私として誇らしくもあり、正に日常の仕事を通じ研鑽することで、自身で見出した変革の姿であると思います。 将来、社会から信頼される技術者となるためには、「専門性」「課題解決力」「マネジメント力」「倫理観」「変化への適応力」をバランス化が重要と考えます。技術士資格の取得はゴールではなく、技術者として成長するための通過点です。継続的な学習と実務経験を積み重ね、技術と社会をつなぐリーダーとしての資質を磨き続ける姿勢が重要と思います。日頃の意識と、行動がこれを達成可能にすると考えます。 次回は、令和8年度実施された技術士試験問題(建設部門必須課題)を取りあげ、再現論文も意識しながら、どのように記述すれば良かったかのかについて、考えてみたいと思います。(以上)
2017年11月30日 作成 / 執筆:技術屋NR講師 / 閲覧数(月間): 17
技術士倫理綱領には、次のように書かれています。
「有能性の重視
3.技術士は、自分の力量が及ぶ範囲の業務を行い、確信のない業務には携わらない。」
自分の技術部門を超えた業務は行ってはならないということです。
例えば、「発電機の発電効率を向上させる」という課題に対して、
機械部門の技術士では、機械的な観点からしか解決案を出せないし、
また、電気電子部門の技術士では、電気的な観点からしか解決案を
出せないということになります。
しかし、機械部門と電気電子部門の両方持った技術士であれば、どちらの観点からでも
アプローチできますし、どちらがより効果的かの評価もできます。
また、機械的な方法と電気的な方法を合わせた提案ができます。
マネジメントの部門である総合技術監理部門を取得することも重要だとは
思いますが、複数の一般部門を持つ技術士の方が顧客からのニーズに応える
ことができるということもあると思います。
再来年度からの第二次試験制度の変更は総合技術監理部門以外の一般部門
だけですので、総合技術監理部門か2部門目、3部門目の一般部門のどちらを
受験しようか迷われている方は、一般部門を受験されることを強くお勧めします。
多くの方が、一般部門を取得し、その一般部門を専門科目とする総合技術監理部門を
取得することがゴールであると思われているようですが、ぜひとも、一般部門の2部門目、
3部門目にチャレンジしてみて下さい。
継続研鑽は技術士の責務です。
私も3部門目に挑戦したいと思います。
一緒に頑張りましょう。
2018年01月03日 作成 / 執筆:技術サムライ講師 / 閲覧数(月間): 17

3月に技術士試験に合格したとき、あるいは口頭試験が終わり、合格発表を待つ悶々とした期間に、2部門目、3部門目へのチャレンジを検討している方は、その部門に求めれらていることを十分に理解することが必要です。
なぜなら、各部門の試験にかかわる主体が異なるためです。
主体が違うと、自ずと考え方が違って、その部門の技術士に要求するスキルも変わってきます。
たとえば、農村部の水路を改修する際の工法をテーマに詳細論文を書いたとしましょう。
国土交通省の影響を強く受ける建設部門では、大雨のときに、水を速やかに下流に流し、浸水被害が出ないことを重視します。
農林水産省の影響を強く受ける農業部門では、水路の泥上げなどで農業従事者の負担が少なくなるようにして、かつ農作物の収量が増える工法が評価されます。
環境省の影響を強く受ける環境部門では、在来種の生息・繁殖の場として、生物多様性が維持される改修である必要があります。
同じ「ネタ」で2部門目、3部門目を狙うときに、もともと、異なる部門の視点も持って、業務にあたっていた場合には、難なく「2匹目のドジョウ」を得ることができます。
そうではないときには、とくに口頭試験の際に、試験官に厳しい質問をされて困りますので、2部門目、3部門目の考え方の違いを、よく研究しておくことが重要になってきます。
なお、2部門目に、総合技術監理部門を選ばれた場合には、よりいっそう要求されていることが異なっていますので、頭をガラリと変えることが大切です。
2018年03月29日 作成 / 執筆:【ニュース担当】eastwest665講師 / 閲覧数(月間): 17
東日本大震災や熊本地震など、事業の継続を脅かす災害が近年多く発生しています。
そうした災害が発生した場合にも、企業が事業を継続できるような非常時の危機管理の計画がBCP(事業継続計画)です。
技術士の専門分野では経営工学部門などでよく出題されます。例えば、生産管理システムでも災害などで生産ラインが破損してしまった場合の対策や流通ルートの変更など、災害が発生した場合にも早期に事業が再開できるような計画のことを言います。
経営工学部門だけではなく、電気設備などの設計分野でも、災害発生時の非常用発電機の設計などやバックアップ系統の構築といった内容もBCPの一部になります。
東日本大震災発生以降、災害発生した場合の社員の安否確認や、建物が破損した場合でもいかに早く事業再開ができるかを検討した計画の策定が一つのトレンドとなりました。
技術士試験でも、設計の立場からこうした災害発生時の対応に関する問題が多く出されました。特に口頭試験などでは、経営工学部門や総合技術監理部門以外の部門でも出題されたと言われています。
東日本大震災以前の日本は、それまでの好景気からリーマンショックなどの恐慌が発生し、経費を削減して生き残るという風潮があふれていました。
そこに東日本大震災が発生し、今までの経費削減の風潮から無駄だとみられていたいつか起こる災害に対しての備えが必要であることを認識させられました。
技術士試験では、絶対的な答えのない口頭試験の質問、論説問題などがよく出題されます。
BCPについても、ある条件下での災害であれば対応できるが、大規模災害になってしまうとなかなかそこまでの対策を取ることは難しくなります。
技術士として設計案件のBCPにどこまで対応するのかという問題に当たります。
あまりに災害時の対策を取りすぎると余剰設備を構築することにもなります。かといって何もしない状態であれば、災害時のBCPを満足できない結果となってしまいます。
技術士試験はこうしたある意味「設計者としてのセンス」を問う問題がよく出題されます。