2017年02月24日 作成 / 執筆:タートル講師
受験申込書の「業務内容の詳細」について、今回は『部門や科目のミスマッチ』をテーマに述べたいと思います。
業務内容の詳細では、立場・役割・成果に加え、その業務の課題や問題点・解決策等を記述する方が多いと思います。
このうち課題や問題点・解決策の内容が、自分の受験する部門や科目に合致していることが大切です。添削をしていると
時々、この部分が『この部門(科目)の視点になっていない』と感じる場合があります。具体的に例を挙げてみます。
建設部門の建設環境科目の受験生が、貴重種の保全の話に終始していて、建設事業のことにほとんど触れていない。
これでは口頭試験で試験官に環境部門と判断される可能性大です。
建設部門の鋼構造及びコンクリート科目の受験生が、課題や問題点・解決策の内容として施工計画や施工設備に関する内容
を記述している。たとえ鋼構造物やコンクリート構造物を扱っていても、課題や問題点・解決策(つまり技術士としてふさ
わしいポイントになるところ)が施工関連の内容だと、口頭試験で『それは施工計画ではないでしょうか』と問われる可能性
大です。
もし、これらの例のように『部門(科目)違い』と思われてしまうような文章を書いて提出しても、これが原因で受験申込みが
不受理になることはありません。
しかし、無事に筆記試験を合格しても、口頭試験の時に厳しい質問を受ける可能性は非常に高まります。
受験申込書を提出してしまったら、文章を訂正することはできませんから、提出前に十分なチェックを受けることが大切です。
*業務内容の詳細に関して、別の視点からも投稿があります。併せて御覧ください。
*出願対策講座を行っています。講師ページからお気軽にお問い合わせください。
2017年03月07日 作成 / 執筆:タートル講師
受験申込の書類は大きく2つの内容に分かれています。
1つ目は、1枚目の「技術士第二次試験受験申込書」です。これは氏名、住所、受験部門・科目、勤務先、
技術士補となる資格を有していることの証明等を記入します。
2つ目は、2枚目の「業務経歴票[証明書]」です。これは大学院における研究経歴、勤務先における業務
経歴、業務内容の詳細等を記入します。
1枚目については、全く事務的な内容なので、受験申込み案内に従って記入すれば問題ありません。
重要なのは2枚目の内容です。勤務先における業務経歴や業務内容の詳細の出来が、口頭試験に大きな影響
を与えるので、事務的に間違いがないことは当然として、「技術士にふさわしい」内容になっていることが
大切です。
今回は勤務先における業務経歴のうち、「業務内容」の部分にテーマを絞って、注意点を2つアドバイスしたい
と思います。なお、ここでは「技術士補としての経験」以外の受験資格で受験される方を対象としています。
まず1つ目は、割と事務的なことです。業務内容として書くべき仕事は、どのようなものが適切でしょうか?
受験申込み案内には、「科学技術に関する業務」が業務の経歴になると書かれていて、かつ注釈として以下の文章
があります。
『科学技術(人文科学のみに係るものを除く。)に関する専門的応用能力を必要とする事項についての計画、研究、
設計、分析、試験、評価(補助的業務を除く。)又はこれらに関する指導の業務』
嚙み砕いて言えば、技術系の仕事で、計画、研究、設計、分析、試験、評価(又はこれらの指導)どれかに当てはま
っていることが大切です。
例えば、
○○○の計画
○○○の設計及び指導
のように、文末が「計画、研究、設計、分析、試験、評価(又はこれらの指導)」で終わっていれば、少なくとも事務的
には経歴としてカウントされると考えて間違いありません。ここまでは、最低限クリアすべきレベルだと考えてください。
2つ目の注意点は、口頭試験対策として大変重要なことです。これに関しては稿を改めて書かせていただきます。
*受験申込に関して、別の視点からも投稿があります。併せて御覧ください。
*出願対策講座を行っています。講師ページからお気軽にお問い合わせください。
2017年03月13日 作成 / 執筆:タートル講師
前回に引き続き、勤務先における業務経歴のうち、「業務内容」の部分にテーマを絞って、注意点をアドバイスしたいと思います。
1つ目の注意点として、「計画、研究、設計、分析、試験、評価(又はこれらの指導)」という表現を入れ込みましょう、ということを書きました。
2つ目の注意点は、「仕事の特徴がわかるような記述」を心掛けましょう、ということです。
業務経歴は、受験要件を満たしているかを確認する事務的な資料でもありますが、大切なのは口頭試験の参考資料となるという点です。
筆記試験に合格したら口頭試験を受けるわけですが、試験官は業務経歴の業務内容の記載事項を見て、「この受験生はこういうキャリアを積んできたんだな」と情報を得たいはずです。
その時に、例えば
道路構造物の設計
コンクリート構造物の強度分析
という感じで、具体的な仕事の中身がわからない記述があったら、試験官はどのように思うでしょうか。
1つ目の注意点で書いた点はクリアしていますから、事務的には経歴としてカウントされるのは間違いありません。
しかし「技術士にふさわしい」業務なのかどうか、皆目見当がつきませんから、おそらく試験官は口頭試験で仕事の内容を逐一質問するのではないでしょうか。
口頭試験は原則20分間です。しっかりと受験申込段階で書いておけば受ける必要がない質問で時間を使うのは、大変に不利なことです。
例えば道路構造物の設計をしたのであれば、どのような構造物なのか、どのような道路種類だったのか、周辺状況はどのような所だったのか、技術的に課題となったことはどのようなことだったのか、等がイメージできるような記述をすることが大切です。
以上、2回に渡って「業務内容」をテーマに注意点を述べました。
事務的に問題ないのは当然として、口頭試験を意識して「技術士らしさ」が伝わるような書き方を心掛けましょう。
*受験申込に関して、別の視点からも投稿があります。併せて御覧ください。
*出願対策講座を行っています。講師ページからお気軽にお問い合わせください。
2017年05月24日 作成 / 執筆:【ニュース担当】関口雄太講師
「技術士二次試験、がんばりたいけど三日坊主で勉強がつづかない……」と困っていませんか?実は三日坊主を克服するにはマンネリ化がカギを握っています。
マンネリ化と聞くと、なんとなくネガティブなイメージがありませんか?惰性とか、怠惰な印象をもつはずです。ですが、脳科学の研究者池谷裕二博士は著書『のうだま』のなかで、「三日坊主は脳がそうさせている」と述べています。
マンネリ化は馴化と表現されます。広辞苑で馴化の意味を調べてみると「異なる環境に移された生物が、次第になれて、その環境に順応した性質をもつようになること」と説明されています。異なる環境に移動することはストレスがかかることです。そのため、異なる環境に入ると、元の環境に戻ろうとしてしまいます。元の状態に戻ろうとする作用のことを恒常性といいます。
最初に環境を変える段階では苦労を感じるでしょう。ですが、次第になれてマンネリ化(馴化)した状態になってしまえば、勉強することが日常となります。歯を磨いたり、顔を洗ったりすることと同じように勉強ができるようになります。
そのためには作業興奮を活用しましょう。勉強をしようとやる気がでないときでも、教科書をひらいたり、ノートとペンをもってみたりしてみます。どんなに小さなことでもかまいません。少しでも行動をはじめると、脳は自然とやる気をだしてくれます。それだけ、脳は環境に左右されやすく、だまされやすい特徴があります。やる気がでないと思って休んでいると、やる気は出てくるでしょうか?答えはNoです。いつまでもやる気はでてきません。やる気をだすコツは環境を変えてみることです。
技術士二次試験の勉強にうまく取りかかれないとき、小さなことからでも手をつけてみましょう。脳の作業興奮が働いて、自然とやる気がでてきます。そして、毎日勉強する習慣がついてしまえば、勉強すること自体が苦痛ではなくなります。脳の仕組みを利用して、効果的に勉強を進めていきましょう。
2017年09月03日 作成 / 執筆:技術サムライ講師
技術士に求められる倫理には「3つの義務」と「2つの責務」があります。
3義務とは、「信用失墜行為の禁止」「守秘義務」「名称表示」の義務です。
2責務とは、「公益確保」と「資質向上」の責務である。
これは、よどみなく言える必要があります。
ですから、覚えることになります。
問題となるのは、変化球の質問がきたときに、しっかりと反応できるかです。
例えば、3義務2責務の話をしているときに、つぎのような抽象的な問いが来たときにです。
試験官「それじゃ、××海岸の防波堤工事を行うときに、技術士として重要に思うことは?」
このとき、
① まず、法律の大前提をいう。
② つぎに、今回のケースについて、述べる。
③ ①と②から、自分の考えを述べる。
といった三段論法をとってみればどうでしょうか。
これであれば、①で、3義務2責務のうち、どれか1つを論点にしたテーマに変換できるからです。
具体的には、つぎのような回答ができます。
受験生「はい。
① 技術士の責務として、『公益確保の責務』があります。
② ××海岸の防波堤工事は、住民の生命を守ることを目的としています。一方で、工事により野生動植物の生息地が損なわれる可能性もあります。
③ したがって、公益性がもっとも高まるのはどれかを意識して、複数の工法を検討することが重要と思います。」
さて、「公益」とはどういうことでしょうか。「生命の安全」と「環境の保全」と捉えておけば良いでしょう。この2つはトレードオフになることもあるでしょうし、両立し得るときもあります。時代によっても、変わります。
2017年12月03日 作成 / 執筆:Lucky Ocean講師
二次試験を受験して合格した人へ
すでに口頭試験を受験した人もいるでしょうし、これから受験という人もいるでしょう。3義務2責務がなんたるかはきっと勉強されたことでしょう。そして、CPDを登録できるのは、口頭試験に合格して、技術士として登録した後です。
しかし、遡って登録することを知っている人は少ないでしょう。しかも、技術士に合格したのもCPDの登録の対象となります。また、日本技術士会には修習技術者であっても登録できますので、日本技術士会が開催する各種セミナーに参加できます。しかも、一般の技術士よりも安い料金だったります。もしかしたら、日本技術士会の行事に参加して知り合った人が口頭試験の面接官だったなんてこともあるかもしれません。
聖書に描かれている「求めよ、さらば与えられん」の解釈はいろいろとあるようです。しかし、技術士に関しては、これに真剣にトライする人、合格に向けて頑張る人には、きっと合格!というご褒美が待っていることでしょう。技術士に合格したら、ぜひCPD(継続研鑽)を進めて、APECにもチャレンジしてほしいと思います。
ちなみに、APECに登録するための条件は次のように定められています。
APECエンジニアになるための7つの要件
1) 定められた学歴要件を満たすこと
2) IEAが標準として示す「エンジニアとしての知識・能力(International Engineering Alliance competency profile for engineers)」に照らし、自己の判断で業務を遂行する能力があると認められること
3) エンジニアリング課程修了後7年間以上の実務経験を有していること
4) 少なくとも2年間の重要なエンジニアリング業務の責任ある立場での経験を有していること
5) 継続的な専門能力開発を満足できるレベルで実施していること
6) 業務の履行に当り倫理的に行動すること
7) プロフェッショナル・エンジニアとして行った活動及び決定に対し責任をもつこと
この5)の項目はCPDの登録内容で確認されることになります。つまり、年間50時間以上のCPDを少なくとも数年継続している必要があるのです。今からCPD登録できるように、いろいろな研修を受講したらその資料をファイリングしておきましょう。特に、受講日、開始時間と終了時間、主催者、テーマ、開催場所、実施内容、所感などを確認できるようにしておきましょう。
以上
2017年12月16日 作成 / 執筆:Lucky Ocean講師
12月14日に日本技術士会のホームページで一次試験の合格者が発表されました。
合格された方!
本当におめでとうございます。でも、これはゴールではなく、スタートです。間髪おかずに二次試験にトライして栄冠を勝ち取りましょう。
全体で8,658名が見事合格され、その合格率は48.8%でした。部門別の特徴を見てみましょう。
1) 受験数の多いトップ5
部門別に見ると、やはり建設部門が圧倒的に多いですね。2番目が電気電子部門、3番目が機械部門です。
電気電子部門が2番目に多いというのは個人的には少し驚きでした。そして、4番目が上下水道部門、そして
5番目が環境部門です。この上位5部門の合格者が6,862人なので、全体の79%を占めています。20部門中
の5部門(25%)の合格者が全体の約8割でした。
技術部門 | 受験申し込み者数(A) | 受験者数(B) | 合格者数© | 合格率(C/A) | 合格率(C/B) |
建設部門 | 10,135 | 7,904 | 3,885 | 38.3% | 49.2% |
電気電子部門 | 2,639 | 2,074 | 940 | 35.6% | 45.3% |
機械部門 | 2,590 | 2,080 | 1,036 | 40.0% | 49.8% |
上下水道部門 | 1,597 | 1,307 | 654 | 41.0% | 50.0% |
環境部門 | 1,226 | 962 | 347 | 28.3% | 36.1% |
2) 男女の合格者
全申込者数22,425のうち男性は約90%、女性は約10%でした。先日の二次試験の口頭試験の控え室でも
男女比はほぼ9:1でした。ちなみに、合格率(C/A)は女性の方が少し高いが、合格率(C/B)は男性の方が
少し高い。まあ、誤差範囲でしょう。
技術部門 | 受験申し込み者数(A) | 受験者数(B) | 合格者数© | 合格率(C/A) | 合格率(C/B) |
全体 | 22,425 | 17,739 | 8,658 | 38.6% | 48.8% |
男性 | 20,079 | 15,813 | 7,732 | 38.5% | 48.9% |
女性 | 2,346 | 1,926 | 926 | 39.5% | 48.1% |
3) 合格率の高い部門
合格率(C/B)が最も高かったのは原子力・放射線部門の71%でした。2番目が経営工学部門、3番目が化学部門、
4番目が金属部門、そして5番目が航空・宇宙部門です。ただし、合格率(C/A)で見ると、どの部門も50%台なの
で、結局受験してもダメだと判断した人は受験を控えたので、結果的に合格率が上がっているとも見える。ちなみに
私は、電気電子部門の技術士ですが、一次試験では電気電子部門の合格率が低い(今回も4番目にむずい)ので、
合格率の高い経営工学部門にトライして見事にパスしました。これは戦術の成功かも。
技術部門 | 受験申し込み者数(A) | 受験者数(B) | 合格者数© | 合格率(C/A) | 合格率(C/B) |
原子力・放射線部門 | 151 | 126 | 90 | 59.6% | 71.4% |
経営工学部門 | 299 | 252 | 174 | 58.2% | 69.0% |
化学部門 | 308 | 245 | 166 | 53.9% | 67.8% |
金属部門 | 173 | 138 | 93 | 53.8% | 67.4% |
航空・宇宙部門 | 69 | 54 | 36 | 52.2% | 66.7% |
地区別や年代別や勤務先別、最終学歴別の受験者数や合格者数は日本技術士会のホームページ(下のURL)に掲載
されているので、ぜひチェックしてみてください。
https://www.engineer.or.jp/c_topics/001/attached/attach_1012_2.pdf
ぜひ周りの人にも技術士の受験を薦めて仲間を広げ、そして自らもチャレンジしてさらにステップアップしましょう。
以上
2017年12月23日 作成 / 執筆:Lucky Ocean講師
人工知能の世界のキーワードに「過学習」という言葉があります。
最近の人口知能のアルゴリズムでは機械学習が注目を集めている。この機械学習は人間の頭脳の仕組みを参考にコンピュータに適用できるように工夫した学習方法だ。最近では、Alpha Goがプロの棋士を負かしたので有名になった。この機械学習で陥りやすいのが過学習だ。これは例えば囲碁の指し方を学習しても、表面的な指し方を学習してしまって、本質的な理解が深まらないという失敗の構図だ。
例えばゴルフでも、練習場では上手に打つのに、実際のゴルフ場では全然ダメなことがある。模擬問題は100点なのに本当の試験では及第点も取れないことがある。一方、練習ではそこそこだけど本番では最高の成果を残す人もいる。本番に強い人と、本番に弱い人の差は何が原因なのか。
それが過学習で説明できる。例えば、技術士試験の選択問題を何度もなんどもやっていると、本質的な理解ではなく、問題の順番で回答の番号を覚えてしまうことがある。この問題の答えは②とか、この答えは①とか。覚えるつもりはなくても、何度もやると覚えてしまうので、正解となる。マスターしたような気持ちになる。この錯覚が過学習という現象だ。本質を理解していないので、設問の構成や回答の選択肢が変更されるとまったく太刀打ちできない。
では、どうするのか。そのためには、学習の間隔をあけて、わざと忘れることだ。回答の番号といった意味のない情報は短期間のメモリー領域には保存されるが、長期間のメモリー領域には保存されない。したがって、一度学習したら、少し時間をあけて、もう一度トライする。その時に正解できたものは実力だ。その時に正解できなかったものは、やはり本質を理解していなかったということだ。なぜ正解できなかったのかを考えて、反省して、知識を補充して、理解を深める。そうすることで脳内の長期間のメモリーに保存できる。しかも、関連情報も増えているので、記憶の再現がしやすくなるという効果もある。そして、また時間を空ける。そして同じことをする。これを三回繰り返すと人間の脳の深いところに必要な情報が刻み込まれる。
そして、技術士試験の本番のタイミングに記憶と理解度のピークを持っていくのです。
私は、技術士の二次試験を三回受けました。その度にこのマジックナンバーの3を使った学習法を活用して、それぞれストレートで合格しました。ただ、面白いのは、例えば口頭試験で、3つの義務と2つ責務を覚えるが、見事に忘れていることだ。でも、一度理解して覚えているので、再度記憶領域に呼び返すのが非常に楽だ。一流の技術士を目指すのであれば、ダブルホルダーではなく、トリプルホルダーを目指すぐらいでちょうど良いのかもしれない。
頑張ってください。栄冠はあなたのものです。
2018年01月29日 作成 / 執筆:【ニュース担当】関口雄太講師
技術士試験の勉強を長期間続けていると、どこかで頭が疲れてしまうタイミングが来ることでしょう。そんなときに活用してほしい脳を活性化する方法です。
「音読が勉強には効果的だ」という話を聞いたことがある人は少なくないでしょう。音読は口を動かし、耳で情報を聞く、脳にとても刺激を与えることができる活動です。「情報をインプットする」ということに限定すると、音読でも黙読でも、あまり違いがないのではないかと考える人もいるでしょう。しかし、実は音読と黙読では、それぞれ情報を認識するプロセスが異なることが脳科学の研究でわかっています。
まず、音読をした場合、脳がどのように情報を理解するのか確認してみましょう。言葉が耳から入ってきます。耳を通った言葉は側頭葉の聴覚野というところに入力されます。そして、その後、ウェルニッケ野で意味を理解します。一方、黙読の場合はどうでしょうか? 黙読の場合、情報は目から入ってきます。目を通過した情報は、後頭葉視覚野を通過。側頭葉下面に送られ、文字の形の情報処理が行われます。それと並行して頭頂葉にある下頭頂葉というところに情報が送られ、意味を理解します。
このように、音読と黙読では、脳が情報を処理するプロセスがまったく異なります。どちらにおいても脳が情報を理解するプロセスは高度な活動であることに変わりはありませんが、より脳を活発に動かすのが音読による情報入力であるとされています。より多くの脳を動かす音読を行うことで、脳は活性化し、いわゆる「頭が冴える」という状態を作ることが可能です。脳科学者によっては、「音読は脳のウォーミングアップに最適な活動だ」という人もいるほど。
音読をときどき取り入れることで、なんとなくぼーっとした頭をスッキリさせてみましょう。脳の活性化には、ちょうどいいトレーニングです。
2018年03月07日 作成 / 執筆:タートル講師
年度末の繁忙期となり、仕事の忙しさもピークを迎えていることと思います。
この忙しさの中でも、業務経歴票や論文の添削を進めている受講生もいらっしゃいます。
仕事が多忙な中でも時間を見つけて技術士受験の準備を進めていきましょう。
今回は『業務内容の詳細を受験科目に応じた切り口で記載する』をテーマに述べたいと思います。
私が実際に関わった業務を例に挙げて説明します。業務の大筋は以下の通りです。
河川護岸の設計業務を実施しました。設計にあたってはボーリング調査も併せて実施したのですが、軟弱地盤でした。そのため仮締切では自立式矢板は採用できず、施工計画上の工夫を要しました。
このように様々な要素がある業務の場合、課題や解決策を受験する科目の切り口で記述することが非常に重要です。
護岸設計そのものを切り口にするのであれば、河川、砂防及び海岸・海洋科目です。
軟弱地盤の問題を切り口にするのであれば、土質及び基礎科目です。
施工時の仮締切を切り口にするのであれば、施工計画・施工設備及び積算科目です。
このように河川事業であっても、多様な見方ができます。
「河川事業に関することだから、河川、砂防及び海岸・海洋科目で受験するのが当然」と考えて科目を決めて、課題や解決策として「仕事全体の中で一番大変だったのは軟弱地盤対応だったから、それをテーマにしよう」と考えて記載すると、口頭試験では河川を専門とする試験官が軟弱地盤対策について質問する、ということになってしまいます。
こうなると試験官と話が噛み合わず、厳しい口頭試験となることが予想されますので、課題や解決策として挙げたことが受験科目の範疇であることを必ず確認してください。
以上、「業務内容の詳細」の課題や解決策の切り口は、受験科目に応じて決めることの重要性について述べました。
*出願対策講座を行っています。講師ページから詳細を記したファイルをダウンロードできますのでご覧ください。
2018年03月13日 作成 / 執筆:【ニュース担当】関口雄太講師
夜はぐっすり眠りたいのに、なぜか就寝中に目が覚める。そして、トイレに行く。翌朝、なんだか寝起きが悪い……。夜中のトイレでよく眠れない経験をしたことはありませんか?
夜中のトイレは人によっては慢性的なものになっているかもしれません。就寝中にトイレへ行きたくなるのは、きちんとした理由があります。簡単に予防できる場合もあれば、専門医に検査してもらうことが必要な場合もあります。ここでは、夜中トイレに起きてしまう原因と、予防策を紹介します。
医学博士のダニエル・ショスクス氏によると、夜中にトイレへ行きたくなり目覚める原因は、主に2つです。1つは水分の取り過ぎ、もう1つは薬の副作用です。1つ目の水分の過剰摂取は、就寝前の対策で比較的容易に防ぐことができます。2つ目の、薬の副作用の場合でも、医師と相談しながら薬を調整するとことで、予防できることもあります。
上記の2つ以外の原因としては、心臓や肝臓の不調があります。内臓の調子が優れないことで、尿が過剰に作られてしまう場合があると、ショスクス博士は言います。また、ショスクス博士によると、炎症により膀胱にストレスがかかっている場合も、就寝中の目覚めにつながるそうです。
それでは、具体的にどのような対策をとればよいでしょうか?
こちらの6つが、簡単に実践できる予防策です。
就寝前の準備、もしくは生活習慣の確認をすれば、夜中にトイレに行きたくなることを予防しやすくなります。夜中に目が覚めると、睡眠の質は低くなります。技術士試験に向けて、勉強に集中するためにも、できるだけ夜中にトイレへ行くのは避けたいところ。ここで紹介した方法を参考にして、睡眠の質を高めてみましょう。
2018年07月23日 作成 / 執筆:タートル講師
平成30年度技術士第二次試験の試験問題が公表されました。
建設部門の河川、砂防及び海岸・海洋科目の試験問題について、出題の解説や記述すべき方向性を述べます。
以下はⅡ-1-2に関する記述です。
Ⅱ-1-2はダムに関する問題で、既設ダムの洪水調節機能を増強させる方法を問う内容です。
「既設ダム」の「洪水調節機能」を「増強」させるという問いですから、単なる洪水調節の方法論ではなく、
「ダム再生」の考え方を踏まえた既存ストックの有効活用という切り口で答えることが必要です。
問われているのは以下の2点です。
①既設ダムの洪水調節機能を増強させる具体的な方策を2つ
②2つの方策実施時の留意点
まず①についてです。
具体的な方策については、「ダム再生ビジョン」等に事例が示されているので、その中から2つを選定します。
例えば
1)洪水発生前に、利水容量の一部を事前に放流し、洪水調節に活用する
2)堤体を嵩上げして、ダムの貯水容量を増大させる
3)放流管を増設することで死水容量を減らし、洪水調節容量を増大させる
4)堆砂対策や排砂バイパスを整備する
等の中から2つを選定して、概要(その方法で、どのように洪水調節機能を増強できるのか)を説明すれば題意
に沿った内容となります。
次に②についてです。
「留意点」ですから、そのことに留意して実施しなければ、何らかのマイナスが生じるというようなことを記述
する必要があります。
例えば1)の事前放流であれば、予想される降雨量を的確に把握したうえで利水に影響を及ぼさない範囲で放流
する等です。4)の排砂バイパスであれば、排砂による下流域への環境面での悪影響を十分に考慮する必要が
あります。
*各種対策講座を行っています。講師ページから詳細を記したファイルをダウンロードできますのでご覧ください。
2019年03月21日 作成 / 執筆:【ニュース担当】eastwest665講師
技術士 生物工学部門の概要
日本酒や焼酎や漬物など、微生物による発酵を利用した食品は多く生産されています。
酒類や漬物などは和食として海外でも高品質な食材として輸出されるケースも増えています。
また、下水処理などでも浄化槽に微生物を投入して汚れを分解させるような技術も確立しており、実際に多くの下水処理場で微生物による浄化槽が導入されています。
食品の発酵を分析し、食品生産の効率化を行ったり、長持ちさせるための措置を講じたりする食品生産の技術者や微生物を用いた環境浄化を行う技術者のための部門が技術士環境部門です。
専門分野は遺伝子に関する内容を問う細胞遺伝子工学、生物を使った応用分野を問う生物化学工学、生物を使った環境関連の内容を問う生物環境工学の三分野です。
技術士 生物工学部門取得後の活躍
発酵を利用した食品メーカなどの生物関連のスペシャリストとして働くことができます。
生物を利用した環境浄化に関する企業などにも需要があります。
また、求人数は少ないですが、生物関連の研究所などでも技術者として働くこともできる道があります。
技術士 生物工学部門の問題点
技術士生物工学部門の問題点は、受験者数の少なさにあります。
受験者数は50人以下の年もあり、技術士の専門分野の中でも少ない部類に入ります。
また、生物関連の資格を取得するというよりは、博士号を取得する人の割合が多く、研究分野としてまだまだ未知の部分が多いものとなります。
試験の内容も医師や看護師などの分野とも重複するような部分もあり、医療系の資格として取得するにはその先の働き口がないという非常に中途半端な印象を受けます。
食品メーカなどでも、特に技術士がなければ仕事に従事できないということではないということも、受験者数が増えない要因となっています。
技術部門の受験者数は、今後の統廃合の動きにも大きく関わってきますので、注意してみておく必要があります。受けたい技術部門がなくなるということもあるかもしれません。
2019年03月30日 作成 / 執筆:【ニュース担当】eastwest665講師
技術士 原子力・放射線部門の概要
20世紀に技術が確立した原子力の技術は、それまでの火力や水力などと比べると少ない質量で大きなエネルギーを取り出すことができる夢のエネルギーでした。
しかしその副産物として、放射線を発生させる放射能を生み出してしまい、原子力発電に使用した核燃料は核爆発の危険のある扱いづらいものとなってしまいました。
電気のある便利な生活を支え、核燃料の安全な取り扱いを目的とした技術部門が技術士原子力・放射線部門です。
専門分野は安全な原子炉を設計・建設に関する知識を問う原子炉システムの設計及び建設、原子力発電所の運営や保守に関する知識を問う原子炉システムの運転及び保守、プルサーマル計画などの核燃料サイクルについての知識を問う核燃料サイクルの技術、レントゲン検査などの知識を問う放射線利用、放射線の防護技術を問う放射線防護があります。
技術士 原子力・放射線部門取得後の活躍
原子力・放射線部門の技術士ですが、主に原子力発電所の建設や運転保守に関する部署で働くことができます。
電力会社の原子力部門や電機メーカの発電所設計、建設に関する部署が考えられます。
また、製品メーカのレントゲン検査など、原子力発電以外の放射線利用や、被曝を防ぐための措置や除染技術などの原発事故の処理などでも活躍ができると考えられます。
海外の原子力発電所の建設などを政府が推進していることもあり、そうした関係では国際資格にも通じる技術士を取得することもプラスとなります。
技術士 原子力・放射線部門の問題点
最も影響の大きい原子力発電ですが、東日本大震災での原発事故が発生して以降、原子力発電に対してあまりいいイメージを持たれないという部分が大きな問題です。
核燃料サイクルの技術を問う分野もありますが、現在、高速増殖炉などの核燃料サイクルを利用した原子力発電所の運営が暗礁に乗り上げていることもあり、先が読めない状況が続いています。
また、原子力発電に関係する部門以外の放射線利用などの部門も、放射線技師は医療分野での専門資格もあり、技術士を受験する人が少ない傾向にあります。
しかし、目に見えない放射性物質を扱う専門技術者は今後も需要があると思われますので、どのような形で活躍できるかがまだまだ未知数の部分が大きいです。
2019年05月21日 作成 / 執筆:【ニュース担当】eastwest665講師
技術士試験とは少し異なる内容のニュースですが、AI関連のベンチャー企業が司法試験の問題を予測し6割の的中をしたということで話題になっています。
ニュース「司法予備試験の問題、AIが“6割”的中 「合格ラインと同水準」」
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/1905/20/news122.html
論述式の試験である司法試験と、技術士二次試験は共通する部分も多く、合格ラインとしての6割が的中できれば、AIでも合格することが可能ということになります。
AIは学習をしなければ何の判断をすることもできません。注目すべきはその学習方法にあります。
基礎情報として、過去に出題された問題を記憶し、一般的な問題集の問題と解答、Wikipediaなどのから引用した法律用語などをAIに学習させました。
これは過去に出題された問題と一般的な問題、またWikipediaなどによる最新の法律用語などを記憶することで、古い情報から新しい情報、一般的な法律問題などを広く網羅させることが目的です。
その基礎情報をもとに、過去数年分の出題傾向を検討し、今年度はこの分野の問題が出題されるということを予測しました。
その結果、実際の問題と6割が的中したというものです。
技術士試験などの他の資格試験においてもこれと同様の学習を行えば、試験に合格できるのではないかと考えられます。
基本的なことと最新技術に関する内容などを基礎情報として勉強し、過去数年分の問題から傾向を読み取るということを作業として行えば、技術士試験の筆記試験はAIでも合格することができるということがわかります。
最もAIは試験中に焦って忘れるというようなことがないので、その点は人間と大きく違いますが、AI技術はここまで進化を遂げているということに注目できます。
このAIを開発した会社の社長は、試験を否定するのではなく、試験は通過点であり、本当に大切なのはその資格を使った実務経験であると指摘しています。
これは技術士に関しても同じことが言えるのではと感じます。やはり資格は取って満足してしまうものではなく、その資格を使って何ができるのかということを考えなければならないということです。
そうでなければ、資格を持ったAIに仕事をとられてしまうなんて言う日が現実に来てしまうかもしれません。
2019年07月07日 作成 / 執筆:技術サムライ講師
試験が終わったら、必ず選択科目Ⅲの復元解答を作成します。なぜなら、選択科目Ⅲの答案は口頭試験のときに、試験官の手元にあるからです。
自分が書いた内容が不確かな状態では、それについて問われても、正しい応答ができないはずです。
ここで問題になるのは、試験終了直後に、復元解答を作る気力が残っていないことです。
そこで、多くの受験生は、次の日、そしてその次の日と、やるべき日を後に回していくのです。
当然に、記憶が曖昧になり、精度の低い復元答案ができてしまいます。
また、筆記試験の出来が悪く、自分では不合格と思っていても、合格している人がかなりいます。
合格発表があった後に、あわてて復元解答を作る人がいます。
もちろん、口頭試験で苦戦します。その復元解答は、まったくもって、不正確な文字情報だからです。
そこで、試験終了後、完全な復元解答を作る必要はない、と心理的ハードルを下げるのがおすすめです。
つまり、後日、復元解答を作るため、どんなことを書いたかを箇条書きで書くらいで良いとするのです。
そうすれば、後日、まったくのゼロから復元解答をつくるよりも、うんと効率がよくなります。
試験終了直後には、箇条書きで、キーワードだけでもよいでしょう。
帰りの電車の中でも良いですし、アルコールを飲みながらでもよいでしょう。
そのかわりに、毎日毎日、少しずつでも、そのキーワードに情報を補足していきます。
そのうち、こう書けばよかった、ああ書くべきだったということがでてきます。
それを、赤字でコメントを書いていくのです。
この赤ペンでの振り返りが、口頭試験での質疑応答に役立つのです。
2017年11月19日 作成 / 執筆:Lucky Ocean講師
最後の頑張り
技術士の筆記試験(二次試験)で合格した人は、技術士の登録まであと少しです。過去の実績では分野に
よっても異なるが口頭試験に概ね9割程度は合格している。しかし、これは逆に言えば1割は不合格に
なっているということだ。その1割に入らないためにはどうするか!と考えるか、合格の5割に入るには
どうするか!を考えるか、それとも合格の上位に入るか!と考えるかによって、学習の戦略は異なる。
不合格の1割に入らないための戦略
筆記試験の記述問題の評価がA/Aではなく、A/BやB/Aの方は要注意だ。特に、口頭試験では、課題解決
能力を問う問題IIIも口頭試験の試験官の面接材料として配布される。したがって、なぜ評価がBだったのか
をしっかりと反省する必要がある。技術士の資質として、「フォローする」という能力が問われている。
このため、口頭試験でのツッコミは必然的に厳しくなることを覚悟すべきだ。これに対応するには、入念
な準備をするしかない。
合格の5割に入るための戦略
要は合格者の平均像を目指すということだ。技術士のセミナーやこのAXS技術士システムの先生が指摘する
ことを真面目にきちんとマスターすることだ。現在のパターンは25年度から5年目なので、口頭試験の
傾向と対策も多くの先生が指摘する通りだ。オーソドックスな質問を50問程度は用意して、それへの回答を
用意すること。模擬面接を最低でも3回程度は実施して、想定問答の見直しをすること。忙しい日常の中で
も、時間を捻出して、頑張れば、合格の5割には入れるだろう。
合格の上位に入るための戦略
記述問題がA/Aの人は、単に合格するだけではなく、今後の後輩の規範になるような受験姿勢と受験勉強を
しっかりとしてほしい。想定問題も100個程度は用意し、模擬面接も4-5回を目指そう。もしくは、用意した
想定問答をスマホに録音して、隙間時間に何度も何度も繰り返し聴きましょう。何度も自分の問答の様子を
聞いていると、ちょっと流れが悪いなあとか、冗長だなあとか、説明がロジカルではないなあとか気づく
ことがある。ぜひ、自分自身で一人ツッコミをして、問答内容をブラッシュアップしてほしい。また、
次のようなプレゼンスキルを試してほしい。
1) 人の評価は最初の3つの印象でほぼ決まる
技術士にふさわしいと試験官に感じてもらえることが重要。身なりや行動、最初の挨拶。
受験番号や名前を述べるときが最初の勝負。試験官の方を向いて、相手の視線を感じながら
ゆっくりと明瞭に落ち着いて受験番号と名前を伝えましょう。人物評価は、最初の印象と
二回目の印象と、三回目の印象でほぼ決まるという。つまり、口頭試験前の書類による印象と
入室時の見た印象と、次の受験者が話す声の印象であなたの印象=評価はほぼ決まるのです。
2)口頭試験は加点主義
口頭試験の試験官は、筆記試験であなたの答案を見て合格と判断してくれた人です。つまり、あなたを
合格させようとしている。その期待のそう努力をすることは当然の責務です。しかし、本番の口頭試験
では、回答に困るような質問や、回答しにくい質問、質問の意味がよくわからない質問がある。
そのような時にはどうすべきでしょうか?適当に答えるのはダメです。時間の無駄だけではなく、試験官
の印象まで悪くなる。必ず質問の主旨を再確認して、相手の意図に合うように回答しましょう。
また、本当に知らないことは「すいません。その点は不勉強でよくわかりません。」「うまく説明でき
ません。この後しっかり調べて勉強します。」などと潔く降参して次の質問をお願いしましょう。
3)試験官との論争は禁物
優秀な受験者ほど、自分の知見や意見に自信を持っていることが多い。試験官が理不尽なことを言うこと
もないとは言えない。そのような時に論争するのは厳禁です。これは座談会ではないし、議論の場でも
ない。あなたは評価されている立場です。「へりくだる」必要はないし、自分の意見を曲げる必要もない
が試験官に対する攻撃は最低です。そのような場合にも、「そのような見方があるのですね。勉強になり
ました。」とか、「この件は議論の余地がないと考えていましたが、そのような解決法もあると気づく
ことができました。ご指摘ありがとうございます。」など、要は相手の立場を理解し、試験官の意見を
尊重する姿勢を崩さないことが肝要です。
4)PREP
プレゼンテーションのスキルの一つにPREP法がある。このPREP法とはPoint、Reason、Example、
Pointの4文字のイニシャルだ。つまり、まず結論を述べ、その理由を述べ、その例を示し、最後に
結論をもう一度述べる。これと真逆なのは、背景→条件→考慮事項→理由→(最後に)結論。公務員が
陥りやすいパターンだ。口頭試験では時間の制限がある。PREP法でまず結論を述べたら、試験官の顔を
見て、「理由を詳しく説明した方がいいですか?」「この内容で詳しく説明してよろしいでしょうか?」
とか聞いてから次に進むのがお勧めだ。試験官によっては、PREPの最初のPで「次の質問に移ります」
と言ってくれることがある。その場合にはPREPの最初のPだけで回答になっているので、貴重な時間の
節約以上に加点を繰り返せるという効果がある。
5)イメージとロジックで人は納得する
人は物事をイメージして、ロジックを理解できたときに納得する。これは人間の脳が左脳と右脳に
分かれていることに起因する。これは、口頭試験の特に小論文(詳細業務)の説明のときに意識すべき
だ。つまり、例えば「橋梁」の改善を説明するなら、どんな橋かを試験官にイメージしてもらうことが
先決だ。幅員10mの橋なのか、100mの橋か、それとももっと巨大な橋なのか。どんな橋なのかの
イメージがずれていたらこれは悲劇だ。何を説明しても質疑が食い違ってしまう。手振りをまじえなが
試験官との間で同じイメージを共有できたら、次は冷静に端的にロジックを説明する。課題は3点です。
目的はこれです。解決策は3つありますが、私はA案が最適と判断した。その理由は3つあります。この
ようにマジックナンバー(=3)をうまく活用しながら説明すると、人は納得した気になるものです。
6)沈黙を恐れない
口頭試験で最悪なのは試験官の質問に対して回答できずに無言の時間が続くことだ。これは時間の無駄
だけではなく、印象も悪くなるので最低の対応だ。分からなければ、「すいません。勉強不足です。
また、勉強します。」等でなんとか切り抜けよう。口頭試験は加点主義なので、わからないことを
わからないと回答しても何も減点されません。場合によっては潔ぎ良い態度として好感される可能性
さえある。そのような受動的な沈黙は避ける必要があるが、能動的な沈黙(=間)を使えれば、プレゼンの
上級者だ。つまり、試験官の質問に対して、先のPREPの最初のPを説明する。そのあと、わずか1秒の
沈黙、つまり間をおく。そして、その1秒間の試験官の反応を見極めて、PREPの理由に続くのか、
それとも、先に行ったように「続けてよろしいでしょうか?」と試験官とキャッチボールをするのか、
その後のプレゼンを微妙に起動修正させる。大切なことは話すことではなく、理解してもらうことだ。
そのためには、間をおくことがとても有効だ。
口頭試験の目的は合格することだ。そのためには、不合格の1割に入らないという戦略でも、合格者の5割、
つまり平均的な合格者の戦略でもいいと思う。しかし、本当に合格して、技術士として活躍したいと考えるの
であれば、合格の上位者を目指して欲しいと思う。技術士試験に合格するのはゴールではなく、スタートだ。
技術士として活躍するには、物を書いたり、講演で話をしたり、経営者の相談に乗ったりすることがある。
そのようなことに対応できる能力を有するのかどうかを試されているのが試験だが、同時にそのような能力を
伸ばすチャンスでもある。単に合格するのではなく、上位者での合格を是非目指して欲しい。
サッカーに例えて言えば、1点差で勝利するのではなく、2点差で勝利を確実にするのではなく、3点差を
つけて、圧倒的な勝利を目指して欲しいと思います。そうすることで、相手に1点を取られても、2点を
取られても、勝利=合格できると確信します。
最後の一踏ん張りです。頑張ってください。
以上
2016年11月22日 作成 / 執筆:技術サムライ講師
1.業務経歴票
業務経歴票は口頭試験時に使われます。技術士にふさわしい業務が書けていれば、口頭試験が容易になります。技術士に相応しいか疑われたら、厳しい口頭試験になります。最近の試験制度に熟知した技術士に添削してもらうのが賢明です。
2.業務経歴票の添削
私は環境部門のときは、対策会社に数万円払って、添削してもらいました。 総監部門のときは、総監技術士に7回も添削してもらいました。 おかげで、どちらも口頭試験で苦労しませんでした。添削してもらっていない場合は、とくに要注意です。
3.空白の経歴
口頭試験で、私の場合、「大学院修了から現所属先に就職するまでの5年間は何をしていましたか」と聞かれました。 「NPOでフィールド研究をして、その傍らで大学の非常勤講師などをしていました。」と答えました。 「十分な経歴をお持ちということですね。」と試験官はおっしゃいました。 上手に答えることで、経歴欄の空白期間は、必ずしもマイナス点になるとは限りません。
4.誤字脱字
誤字脱字があると、不注意な人に思われます。当然、誤字等はないほうが良いですが、致命的ではないです。一方、経歴票720字の「型」を守ってないのは致命的です。
5.業務経歴票の写真
駅のスピード写真でなく、写真屋でキレイに仕上げてもらった方が良いです。口頭試験の時に、試験官の手元資料となります。仕上がりが悪い写真を提出した人のほうが、仕上がりが良い写真を提出した人よりも、評価されることは、常識的にありません。あまり、見栄えが良い写真じゃなかった場合は、当日、素敵な表情で、写真と現物のギャップを見せつけましょう。
6.学習高原
勉強をして、頭打ちになることがよくあります。伸び悩みです。気にせず、習慣として、勉強します。そうすれば合格率が上がります。少なくとも下がりません。口頭試験の練習でも、伸び悩みがあるでしょう。気にせず、練習します。
7.いきなり間違えた思い出
(私)受験番号 ×○▲の まさふみです。
(試験官)受験番号×○■の まさふみさんじゃないですか。
(私)はい、間違えました!
受験生の皆さん、長い受験生活も、もう少し。がんばってください。
2017年02月11日 作成 / 執筆:【ニュース担当】eastwest665講師
技術士の受験を考えている方に基本的な情報を伝えていきます。
技術士の受験資格はどのようなものがあるのでしょうか?
技術士になるためには科学技術に関する実務経験期間が必要です。
しかし、実務経験を積むためには、以下の条件を満たす必要があります。
1.技術士 一次試験に合格する
技術士になるためには、技術士の受験資格である技術士一次試験を受験し、合格する必要があります。
希望する部門の技術士一次試験を受験し、合格することがまず第一の条件です。
2.指定された教育課程を修了
文部科学省の認定をうけた教育課程を修了することで、該当部門の技術士1次試験合格と同等の資格を受けることができます。
ただし、指定を受けている教育課程は該当部門が一部門に決まっているため、自分の希望する部門に該当していない可能性があります。一覧を確認しましょう。
参考:https://www.engineer.or.jp/c_topics/000/attached/attach_356_3.pdf
技術士1次試験合格者は、技術士補として、日本技術士会に登録することができます。
技術士補にならなくても、技術士習得技術者として業務経験を積むことができます。
習得技術者は、技術士になるための本試験である技術士2次試験を受けるために実務経験を積むこととなります。
指導技術士のもとで実務経験を積む場合は4年、そのほかの場合は7年の期間、実務経験を積み、二次試験の受験資格を得ることができます。
実務経験は設計や計画といった科学技術の応用に関するものです。
技術士になるまでの道のりは非常に長く険しいものになると思いますが、それを乗り越えて初めて、技術系の最高峰でもある技術士と名乗ることができるのです。
2017年03月02日 作成 / 執筆:タートル講師
3月1日に、技術士二次試験の合格発表がありました。
合格された方、本当におめでとうございます。
残念ながら口頭試験で不合格となった方もいらっしゃいます。
部門や科目により差はあるかと思いますが、建設部門のように受験者が多いところでは、
口頭試験の合格率は毎年90%前後だと思います。
つまり10名に1人くらいの割合で、口頭試験で不合格になる方がいるということです。
残念ながら口頭試験で不合格となった方から連絡をいただきました。
差支えのない範囲で、不合格となった主な原因について記します。
一言でいうと、『受験申込書の失敗』です。
受験申込書には、部門、科目、専門とする事項、業務経歴、業務内容の詳細等を記載します。
この方は,科目と専門とする事項にミスマッチはありませんでした。しかし、業務内容の詳細
で取り上げた業務は、専門とする事項とマッチしていませんでした。
つまり、こういうことです。
例えば○○部門A科目の内容が、a、b、cに分類できると考えてください。この方は専門とする事項
としてaに関することを書いているのに、業務内容の詳細ではcに関する業務を取り上げていました。
ちなみに業務経歴は、4つはaに関する業務を挙げているのに、1つだけcに関する業務を挙げていて、
その業務を業務内容の詳細に取り上げていました。
私自身の受験経験、また他の受験生の話から考えると、口頭試験の試験官は専門とする事項によって
決まるようです。
例えば建設部門の河川、砂防及び海岸・海洋科目であれば、受験時に河川に関連する内容を専門とする
事項にしていれば、口頭試験の試験官は河川分野が専門の方になるという具合です。
ですから、専門とする事項を河川に関連する内容にしているのに、業務内容の詳細で海岸に関する業務を
取り上げていたら、河川分野が専門の試験官が海岸のことについて口頭試験で聞く、という事態が生じます。
先に挙げた不合格となった方は、このパターンになってしまい、最初から最後まで口頭試験で話が嚙み合
わなかったということでした。
受験申し込み時点からアドバイスできていれば、と思いましたが、後の祭りです。
もし、専門とする事項と業務内容の詳細が一致していない受験申込書を提出しても、これが原因で受験申込み
が不受理になることはありません。
しかし、無事に筆記試験を合格しても、口頭試験が残念な結果になる可能性は非常に高まります。
受験申込書を提出してしまったら、文章を訂正することはできませんから、提出前に十分なチェックを受ける
ことが大切です。
*受験申込書に関して、別の視点からも投稿があります。併せて御覧ください。
*出願対策講座を行っています。講師ページからお気軽にお問い合わせください。
2017年03月03日 作成 / 執筆:【ニュース担当】関口雄太講師
技術士の二次試験対策は順序に進んでいますか?やる気がでない日でも簡単にモチベーションがグングンとあがる方法があるんです。
技術士試験に挑戦しているほとんどの人は会社員と並行して受験勉強を行っているでしょう。技術士試験を受けるキッカケは会社から資格を取るように促されていたり、自主的に資格を取ろうと努力していたりすると思います。学習をはじめた理由は様々あったとしても「何としてでも技術士二次試験に合格しよう!」とやる気に満ちてスタートを切ったことには変わりないはずです。そんなやる気に満ちたスタートをしていたとしても、疲れがたまって学習が順調に進まない日もあるでしょう。
やる気がでない日は誰にでもあることです。大切なことはやる気がでないときにどのように勉強を進めるかという視点です。
そこで、試してみて欲しいのが、簡単にできるやる気アップの方法です。よく「やる気スイッチ」という表現がありますね。「勉強頑張りたいけどやる気スイッチが入らないんだよなぁ」と落ち込んでいる人もいると思います。ですが、意外な方法でモチベーションをアップすることができるんです。
クレペリンという心理学者がいます。彼は人間の脳に「作業興奮」という現象があることを発見しました。作業興奮の仕組みについて知っておくと、やる気があがらない日でも勉強を着実に進めることができます。作業興奮とはモチベーションが維持できていない状態であっても、作業に着手してしまえば後からやる気がでてくるという現象のことをいいます。
たとえば、仕事終わりに勉強をなかなかはじめられなかったとしても、暗記など軽めの作業をつづけているとモチベーションがあがってくるということです。技術士試験の対策は長期間に及ぶものですから、気分が乗らない日も当然あります。そんなときはちょっとした暗記など軽めの勉強からはじめてみてください。
じわじわとやる気がでてきますから、作業興奮を上手に活用しましょう。
2017年05月30日 作成 / 執筆:技術屋NR講師
技術士第二次試験筆記試験まであと2ヶ月弱となりましたが、
勉強は順調に進んでいますか?
技術士試験を受験される方のほとんどが、普段の仕事では
パソコンで文章を作成されていることと思いますが、
ご存じの通り、筆記試験は全て手書きです。
以下の3つの目的で、手書きの練習をされることをお勧めいたします。
その1.漢字が出て来ない
パソコンでは、仮名で入力すれば漢字の候補が出てきて、その中から
選択するだけですが、手書きでは自分の手を動かして書く必要があります。
いざ、手書きで文章を書いてみると、簡単な漢字でも書けないことが
よくあります。
私もそうでした。
でも、手書きの練習をしていくうちに、だんだん書けるようになって
きます。
その2.考えてから書く必要がある
パソコンで文章を作成する場合、一旦、ざっと書いてから、前後を
入れ替えたりすることもできますが、手書きではそれができません。
筆記試験対策で、文章の構成を考えてから文章を作成する練習を
きっちりされている方は問題ないと思いますが、そのような練習を
されていない方は、ぜひ一度手書きで文章を書いてみて下さい。
「論文を書くのはお手のもの」と思っておられる方もご注意を。
その3.手書きの速度を把握する
600文字の論文を書くのに何分くらいかかるか把握できていますか?
文章の構成を考えるのにじっくり時間をかけたために、時間内に
最後まで書けなかったということが無いように、原稿用紙1枚を
手書きで書くのに必要な時間を把握しておくべきだと思います。
筆記試験まで、知識を蓄積することも重要ですが、ぜひ
手書きの練習もして、筆記試験合格を掴んで下さい。
2017年07月18日 作成 / 執筆:Lucky Ocean講師
二次試験(筆記試験)を昨日受験された方へ
お疲れ様でした!7月の暑い中、午前中の必須科目I(選択問題)への対応、午後の選択科目II
(1枚もの×2と2枚もの×1)、さらに選択科目III(3枚もの×1)大変だったですね。
必須科目I(選択問題)については、来週の月曜日(7月24日の早朝)に日本技術士会のホーム
ページに掲載されますので、ぜひ確認しましょう。20問から選択した15問だけではなく、
選択しなかった5問についても、自分の理解が正しいのかどうかをチェックするのは技術士
としての最低限のマナーとも言えます。
時間的には、午後の選択科目IIが一番厳しかったのではないでしょうか。600字詰めの原稿
用紙1枚に回答を記載するのにほぼ30分かかるので、4枚で2時間は時間的にギリギリだった
人も多かったのではないでしょうか? まだ再現論文を書いていない人は覚えているうちに
再現論文を仕上げましょう。
最後の課題IIIは、口頭試験に向けて再現論文を作成することが必須です。なぜなら口頭試験の
の時に、試験官からこの論文について聞かれる可能性があるのです。例えば、何か補足する
ことはありますか?とか、今ならこのように書いたとかありますか?とかです。つまり、
この課題IIIについての補足説明や修正をさせてもらえる可能性があるのですが、その時に
何も回答できないとそのチャンスを無駄にしないためにも論文の再現を頑張ってください。
通常は、これで終わりですが、二次試験の準備から受験までは濃密な期間だったのではない
でしょうか? これから受験する後輩のためにも、受験体験記をまとめておくのはいかがで
しょうか? 同時に、自分の勉強法は正しかったのか?改善の余地がないか?自信を持った
ところはどこか?このような自分の行動を振り返って、PDCAを回すことも技術士として
心がけるべきことではないでしょうか?
まあ、いずれにせよ。お疲れ様でした。これらに区切りをつけて、夏をエンジョイしましょう!
2017年10月27日 作成 / 執筆:【ニュース担当】関口雄太講師
前回は、先延ばしグセが引き起こす危険について紹介しました。今回からは、先延ばしする習慣を防ぐための、具体的な方法について紹介していきます。
今回、覚えておいてほしいことは、「小さな成功体験を積むことが大切だ」という考え方です。すぐに取りかかれる小さな課題、もしくは、興味が持てる課題から取り組みます。これは、脳科学の池谷裕二教授も、著書のなかで、サルが複雑な行動を身につけるプロセスを例に、小さな課題から取り組むことの大切さを述べています。例として紹介されている実験では、「遠い場所にあるエサを、長い枝を使って取る」という課題を覚えさせます。まず、サルには、適切な枝の選び方を教えます。「枝の選び方」といっても、短い枝よりも、長い枝の方が、遠くにあるエサをとれるという程度のことです。
小さなステップから初めて、成功体験を積むことで、自信がついてきます。「成功体験を積む」ということに関しては、ネガティブな側面もあり、たとえば、将棋棋士の羽生善治さんは、「過去の成功体験や失敗体験が足かせとなり、あたらしいことにチャレンジできなくなる」という趣旨の内容を著書のなかで語っています。ですので、成功体験に依存過ぎることは危険ですが、先延ばしの習慣がある場合は、まず課題に取り組み、課題をこなし、自信をつけることが大切です。自信をつけるために、取りかかりやすいことから、一つずつ終わらせていきましょう。
「成功体験を積む」と聞くと、ポジティブ自己啓発のような「自分にはできるんだ」と無理に言い聞かせる印象を持つ人もいるでしょう。ですが、現実に目を背けて、「自分にはできる」と思い込むと、プレッシャーになり、良い結果を招かない場合もあります。小さなステップからでかまわないので、課題を少しずつ終わらせる習慣をつけていきましょう。
2017年10月28日 作成 / 執筆:【ニュース担当】関口雄太講師
「技術士試験の勉強に取り組まなくてはいけない。だけど、どうしても先延ばしにしてしまう」と苦しんでいませんか?
先延ばしの習慣がひとりで改善できない場合は、技術士試験の勉強の仲間を作ってみましょう。先延ばしがいかに困ったものであるかは、前回も紹介したとおりです。「成功体験を積むことが大切!!技術士試験合格へ向けて先延ばしを防ぐ」で紹介したとおり、取り組むべき仕事を徳利組まないで置くと、勉強の質は下がり、技術士試験当日に向けて精神的な負担も大きくなります。そこで、先延ばしを克服することが大切になってくるわけですが、今回は「仲間を作ることで先延ばしを防ぐ」という方法を紹介します。「仲間作り」には、2種類の方法がありますから、1つずつ確認していきましょう。
1つ目の方法は、言葉通り、技術士試験合格に向けて、一緒に勉強するチームを作ることです。ただし、ネガティブな気持ちを共有するグループでは、ストレスのはけ口にはなるかもしれませんが、先延ばしグセの改善にはつながりません。「勉強がつらい」などのマイナスな感情を共有するのではなく、「合格を目指してがんばろう」「あの人が順調に勉強できてるなら、自分にもできるはずだ」と感化されるようなグループが理想的です。
もう1つの方法は、目標となる映画や書籍から刺激を受けることです。仲間から良い刺激を受けることと同様に、創作の物語に出てくる人物や歴史上の人物からも影響を受けることができます。なぜかというと、気持ちはとても伝染しやすく、自分と重ね合わせやすい対象ほど、気持ちは伝染しやすいです。たとえば、仕事の環境が似ている技術士試験合格者の体験談を参考にすると、試験勉強に向けてモチベーションがアップしやすく、オススメです。
2017年10月29日 作成 / 執筆:技術屋NR講師
第1回、第2回に引き続き、口答試験の準備として最優先にすべき「自分しかできないこと」についてお話したいと思います。
第3回・最終回は、「説明した業務の振り返り」についてです。
★説明した業務の振り返り
第2回で、「業務内容の詳細」について説明させられることについて紹介しましたが、その次にあるのが、説明した業務に関する質問です。
これには、大きく分けて、「その業務が技術士としてふさわしいかどうかの確認」と「あなたがどのようにその業務に関与したかの確認」になります。
前者は、第2回で説明した「技術士としてふさわしい業務」であることをきっちり理解しておけば回答は難しくないと思います。
後者については、説明した業務の細かい内容を思い出しておかなければ回答できないものがあると思います。
説明した業務が1年くらい前のものでしたら、細かいことも覚えているでしょうが、3年も4年も前の業務でしたら、きっと細かいことは忘れていると思います。
ですから、図面、計算書、報告書など、その時の業務に関する資料をチェックして、当時の記憶を鮮明に取り戻しておく必要があります。
ど忘れして、「えーっと...」と言っていると、「この人は、実際には深く業務に関わっていなかったのではないか」などと勘繰られる恐れがあります。
どんな質問がきても、ぱっぱと答えられるようにしておきましょう。
具体的には、以下のような質問が考えられます。
・このプロジェクトには、何名くらいいましたか?
・このプロジェクトの中で、あなたの役割は?
・このプロジェクトのどこが技術士としてふさわしいと思いますか?
・どんなところに苦労しましたか?
・失敗事例があれば紹介して下さい。
・このプロジェクトに関して、学会発表はしましたか?
・このプロジェクトに関して、特許は出願しましたか?
その他、業務の細かいところまで聞かれることもあります。私の場合、部品の形状の標準化について説明しましたが、「その部品の材質は何ですか?」という本論とは違うところで質問されたことがあります。
可能な限り、業務の細かいところまで思い出せるように資料のチェックをして下さい。
「備えあれば憂いなし」です。
皆さん、頑張って下さい。応援しています。
10月31日に、筆記試験が合格していたら、この3回分の内容をすぐに実施して下さい。
「口頭試験の準備、まずは...(第1回) 筆記試験の再現」、「口頭試験の準備、まずは...(第2回) 業務内容の詳細の見直し」もご参照下さい。
2018年04月01日 作成 / 執筆:Lucky Ocean講師
日本技術士会のホームページにて、平成31年度より技術士試験の実施内容が変更されることが正式に展開されています。
技術士を目指す人は、新しい制度になる前の最後のチャンスである今年度に是非技術士の資格取得を目指して欲しい。
新制度への変革時期は、意外と合格率が高かったりする面もあるが、一般には問題の予想が難しいです。
大切なことは、自らの専門分野を磨くことと、なぜ技術士の試験内容が変更したかをよく理解することではないでしょうか。
日本技術士会のホームページに掲載されている内容を見ると、その目的を整理すると次の4つです。
1) 時代の変化への対応
2) 高い専門性と倫理観を有する技術者の育成・確保
3) 技術士の資質向上と技術士制度の活用
4) 技術士資格の国際通用性の確保
そして、技術士試験の変更の大きな特徴は次の点です。
1) 必須科目を択一式問題から記述式問題への変更
2) 採点配分の変更(同時に回答枚数や時間配分も変更)
平成30年度まで 平成31年度以降
必須科目(技術部門全体にわたる専門知識) 30点 40点
選択科目(専門知識及び応用能力) 40点 30点
選択科目(課題解決能力) 40点 30点
3) 専門部門とその科目の再編成
詳しくは日本技術士会のホームページ参照願います。
つまり、専門部門については、選択科目だけではなく、同じ部門の他の選択科目に
ついての専門知識もより重視するということになります。科目数の多い部門と少ない
部門があります。皆さんがチャレンジする部門がもし、科目数の多い部門であれば、
より広範囲の専門知識を厳しく問われると理解すべきでしょう。
まずは、今年度の技術士試験に全力を尽くしましょう。
以上
2018年07月12日 作成 / 執筆:Lucky Ocean講師
三幕構成とは、ストーリーを3つのパートに分けて考える方法だ。
つまり、最初の幕では、主張したいことを明確に宣言し、読者(試験官)にもそうそうと共感できるようにする。第二幕は、その主張に対する各種課題を示す。メリットもあるけど、こんなデメリットもある。こんな注意点もあることを説明し、読者(試験官)がこれに感情移入できるようにする。なんとか解決する方法はないものかとやきもきさせる。そして、第三幕で、これらの課題に対する解決策を鮮やかに提案する。
日本では、論文の構成といえば起承転結が有名だ。特にこれを否定はしない。これはこれで使える。しかし、技術士の問題では、あるキーワードの特徴を説明し、その課題を説明し、その解決策を示せというパターンが多い。まさに三幕構成だ。
来週16日は、技術士二次試験の筆記試験だ。読者(試験官)の興味を引きつけて、ワクワクさせながら、最後はクライマックスでハッピーエンド。そんな風に展開する技を活用することができれば、読者(試験官)も満足(=合格!)するのではないでしょうか?
見事に栄冠を勝ち取るまで最後まで頑張りましょう。粘りましょう。あがきましょう。
2018年07月28日 作成 / 執筆:技術屋NR講師
筆記試験が終わって約2週間ですね。
日本技術士会から択一式の正答が公表されていますが、自己採点はされましたか?
さて、前にも書きましたが、筆記試験合格者に行われる口答試験で、筆記試験の論文について
聞かれることがあります。
ですから、まだ論文の再現をされていない方は、論文の再現をしておくことを強くお勧めします。
試験から日が経つにつれて何を書いたかどんどん忘れてしまうので、もしまだでしたら、すぐにして下さい。
まずは、論文を再現することが必要ですが、そのあとは急ぎませんが、次のことを実施しておきましょう。
・間違いがないか、不足がないか確かめて下さい
参考書などを調べながらでよいので、ご自身が書かれた論文に間違いがないか、わかりにくいところはないか、
不足していることはないかチェックして下さい。
本当なら、こういう風に書いたらよかったという「模範解答」を作成するのがよいと思います。
・口頭試験での回答案を作成して下さい。
口頭試験で、「訂正や追加することはありませんか」という問いに対して訂正や追加したいことがある時には、
「筆記試験のときには、○○がよいと思いましたが、試験後、落ち着いて考えると、△△の方がよいことに
気付きました」みたいな、説明をできるようにしておくことが必要です。
口頭試験で試験官が質問してくるということは、論文に疑問があるか間違いがあると考えているということです。
試験官は論文を持たれていますので、何を書いたか聞きたいのではないので、再現だけで終わってしまったら
意味がありません。
せっかく筆記試験に通っても、口頭試験に落ちたら、また筆記試験からです。
手を抜かず、すべきことをして、万全の状態で口頭試験を受けられるように、準備をして下さい。
皆さんの、筆記試験合格をお祈り致します。
2018年10月31日 作成 / 執筆:タートル講師
10月30日に技術士第二次試験の筆記試験合格発表がありました。
来年度から試験制度が変更されます。筆記試験に合格された方は、今年度の試験で確実に技術士資格を取得できるよう、
口頭試験対策を怠りなく進めてください。
さて、今回は総合技術監理部門の口頭試験に関して、留意すべき事項を述べたいと思います。
総合技術監理部門の試験内容は、必須科目と選択科目に大別されます。ここでは既に建設部門や機械部門等の技術士資格を
有している方が総合技術監理部門を受験されたと想定して、必須科目のみについて記します。
総合技術監理部門(必須科目)の口頭試験試問事項は、文部科学省の「平成30年度技術士試験合否決定基準」に明示されています。
以下の通りです。
『総合技術監理部門の必須科目に関する技術士として必要な専門知識及び応用能力』
つまり「総合技術監理部門(建設-○○科目)」の口頭試験で問われるのは、総合技術監理部門に関する専門知識や応用能力です。
建設部門の○○科目の専門知識や応用能力は問われません。
この点を失念して、○○科目の視点で質問に答えてしまってはダメです。
特に受験申込時に提出した「業務内容の詳細」を、○○科目の視点で記述してしまった方は要注意です。試験官は「総合技術監理を
理解していない」と判断して、厳しい質問となる可能性があります。「業務内容の詳細」に記述したことは「なかったこと」にして、
口頭で改めて5つの管理の視点で業務の内容を説明する、というくらいの気持ちで挑みましょう。
総合技術監理部門(必須科目)の口頭試験は、あくまでも総合技術監理部門に関する専門知識や応用能力が試問されるということを
強く意識して、口頭試験対策を進めてください。
*口頭試験対策講座を行っています。講師ページから詳細を記したファイルをダウンロードできますのでご覧ください。
2019年02月07日 作成 / 執筆:スチールマニア講師
受講生の皆様、こんにちは。
技術士の資格を取るように勧めると、大半の人は、
「いやー、無理ですよ。」と言って受験しようとも思いません。
総じて、「技術士=合格は難しい」
という概念があるからです。
では、その難しいという概念はどこから来るのでしょうか?
受講生にヒアリングをすると、
「合格率が10%程度だからです。」
と答えます。
確かに技術士資格の合格率は約10%という数値は事実です。
しかし、細かく見るとそうでもないのです。
2018年度までの試験で解説します。
これまでは、必須科目(択一試験)と専門科目(論文)がありました。
それぞれ6割が取れていれば合格です。逆に択一試験で6割取れていないと、
せっかく書いた論文は試験官に読まれることなく不合格が決定します。
では、どの程度の方の論文が読まれているのか?
それは、受験者の約50%です。
半分の人は択一試験で落ちるのです。
択一問題って難しいですか?いいえ、難しくありません。
なぜなら、半分以上が過去問から出題されているからです。
本屋に行けば、過去問題集が売っています。
どれでもいいので、1冊買ってしっかりと暗記すれば解けない問題ではありません。
受験生の半分が択一で落ちるということは、
択一で6割取れていれば、2次試験の合格率は2倍の20%になります。
さらに、論文までせっかく進んだ方でも、一発不合格の方が約1割います(事実)。
例えば、
です。
複数の回答書に回答を書くのですが、一番上の用紙にだけ名前や受験番号を書き
2枚目以降の答案用紙に書き忘れる方が多いのです。
10%も一発不合格者がいるのです。驚きですよね。
受験生の方々は、試験開始の合図とともに、全ての解答用紙に最初に記入してください。
ここまで読めば合格率が10%ではないことがわかるかと思います。
択一はしっかりと暗記し、全ての解答用紙に名前などを記入した段階で、合格率は30%となります。
3人に1人が合格できると考えると、難しい試験ではないと思えませんか?
論文対策とともに自分のモチベーションを上げる工夫をしてみてください。
2019年03月06日 作成 / 執筆:スチールマニア講師
技術士試験の勉強は膨大な知識を取り入れ、且つ問題点や課題を理解し、
更に解決方法まで提案する必要があります。
そして、解決方法によるメリットとデメリットまで理解して初めて高得点が得られます。
受験する部門の1つの専門の知識だけでも非常に多く、
試験日までに十分な知識を持つことができない受験生は、残念ながら不合格となってしまいます。
そのため、私は受験生皆さんに「隙間時間の勉強」を強く勧めています。
5分でも10分でも良いのです。
いつも技術士試験が頭にある、という状態を作り上げてください。
その1つの助けとなるアイテムをご紹介いたします。
水の中でもスラスラかけるノート:タグドメモパッド です。
驚異的な耐水性を持っており、完全に濡れても破れずに書くことができます。
この紙は、クリーニングのタグに使用されている紙を使用しています。
クリーニングのタグは、洗う前に付けているにも拘らず、全く破れていませんからね。
この紙を使用することによって、風呂でもキーワードの暗記や論文のネタを考えることができます。
入浴は1日の疲れを取る貴重な時間です。
最近はスマホを持って入浴するなんて方もいるぐらいです。
風呂にゆっくり浸かりながら、頭は5分だけフル回転させるなんて使い方ができるでしょう。
また、濡れた紙にも書くことができるボールペン:
パイロットからでている「ダウンフォース」もおすすめです。
これらを合わせることで入浴中でも普通に勉強ができてしまいます。
必ずしも全員に有意義な勉強方法というものは存在しません。
自分のライフスタイルから、この時間を勉強に当てたら大きいぞ!という時間を
見つけてみて下さい。そして、使用できるアイテムを検索し、有効に使ってみて下さい。
勉強は机に向かうだけではありませんよ。
それでは、頑張ってください。
2019年05月08日 作成 / 執筆:技術サムライ講師
技術士試験はインプット3割、アウトプット7割くらいで対策するのがよいでしょう。インプットとは、専門知識を覚えたり、模範解答を分析したりすることです。一方、アウトプットは、実際に、原稿用紙に答案を書いてみることです。
答案は添削指導を受けると効果が倍増します。
なぜなら、自分で書いた答案で、自分自身が弱点を見つけ出すのは難しいからです。
例えば、主語と述部のねじれや、誤字脱字はなかなか見つけられないものです。
また、論理の飛躍も見つけにくいものです。
というのは、自分自身のアタマの中では、論理的につながっているけども、文章として飛ばしてしまっているということが、よくあるからです。
他人に読んでもらうことで、それを指摘してもらうことができます。
そして、添削指導を受けるコツがあります。
まず、良い指導者を見つけるということ。
もちろん、技術士がよいでしょう。そのなかでも、試験制度に詳しい人が良いでしょう。
とくに、平成31年度は試験制度が大きく変わりました。ですから、採点基準となっている「コンピテンシー」について、熟知している人を見つけてください。
つぎに、指摘された事項だけでなく、文章全般の改訂を繰り返すこと。
原稿によっては、コレもダメ、アレもダメ、コレは修正した方が良い・・・などと、場合によっては数十か所も、要修正箇所があります。
しかし、指導者は、その中からせいぜい十数箇所を指摘できるにすぎません。
ですから、指摘されなかった箇所であっても、カイゼンの余地がないか、よく検討することです。
そして、一番大事なことは、淡々と改訂すること。
一生懸命に書いた文章に、赤ペンを入れられると、なんだか自分が否定されたような気持ちになります。
ときに、指導者に対して、敵意が生まれたりします。しかし、指摘に、真摯に向き合い、改訂を続けることで、より良い原稿に生まれ変わります。
試験2か月前になり、いまから、実力が伸びます。頑張ってください。
2016年11月13日 作成 / 執筆:タートル講師
今月から口頭試験が始まります。
口頭試験が不合格になった方のパターンを分類すると、次の5つくらいに分けられると思います。
(1)コミュニケーションの失敗
極度の緊張等で、試験官と会話が成立しなかった。準備不足で、質問に対して答えることができなかった。
(2)科目違いと見なされる(経験不足と判断される)
例えば建設部門の土質及び基礎で受験しているのに、受験願書の経歴のほとんどが道路の内容になっている等、選択科目の経験が十分でないと判断された。
(3)技術士にふさわしい仕事をしていないと見なされる(応用能力不足と判断される)
受験願書の経歴や小論文がアッサリし過ぎていたので色々と質問をされたが、十分に答えることができず応用能力が足りないと判断された。
(4)倫理観に問題があると見なされる
試験官と口論になる、法やモラルを軽んじる回答をする等、倫理的に問題があると判断された。
(5)技術士法を理解していないと見なされる
ほぼ確実に質問される「3義務2責務」を答えることができず、技術士制度を理解していないと判断された。
さて、こういう失敗を避けるためには以下のようなことが大切です。
(1)については、模擬口頭試験を繰り返して、十分に準備したという自信を持つことが大切です。
(2)と(3)については、受験願書の内容が大きく影響します。提出してしまったものは仕方ありませんから、短い試験時間中に納得してもらえるように準備しましょう。
(4)については、常日頃の心掛けでしょうか…。にわか仕込みでは駄目ですね。
(5)については、1日に数十回も暗唱すれば覚えることができるはずです。語呂合わせも有効です。
口頭試験まで、最大限の努力をして挑んでください。
2017年01月14日 作成 / 執筆:技術士試験免許皆伝講師
論文の見出し、文章の量は回答論文として重要です。見出しは1行で、文章の量が項目によって偏らないことが大切です。
そのためには、キーワードを適切に用いて記述することです。そのキーワードは、白書、各省のホームページ、専門分野は基本書、学会等のホームぺージから整理しておきます。なぜなら、技術士は国が認めた資格ですから、国の方針等を理解したうえで、自分の考えを述べる必要があるからです。
どんなキーワードを用いているかで記述者が何をどの程度理解しているかが伺えます。そこを、採点者は見ています。それなので、キーワードの整理は非常に重要です。キーワードを用いてスキの無い文章、突っ込まれない文章を記述する練習が大切です。
キーワードは膨大で何をどのように整理すれば良いのか、雲をつかむようで難しいかもしれません。でも、心配ありません。市販のキーワード本、基本書、白書等を精読することで十分です。7月の試験までには十分できます。キーワードを用いて自分の考えを述べる練習もできます。まだ、1月です。3月末ぐらいまではキーワードの整理に時間をかけても大丈夫です。地味でつまらない作業ですが、これをやるか、やらないかで、記述された論文の出来栄えが大きく異なります。がんばりましょう。
2017年03月15日 作成 / 執筆:技術サムライ講師
技術士試験の指導をしていると、不合格になる人の傾向がわかります。
ほかの指導者も同じようなことを言っています。
不合格になる人は、ズバリ、つぎの3つの特徴があります。
1.試験に合格する理由が明確でない
2.対策の的がはずれている
3.繰り返し学習が足りない
そして、どれか1つでも該当すると合格できません。
3つの特徴を言い換えると、次のようになります。
1'.試験の目的・目標の設定が曖昧である
2'.努力の方向性が間違っている
3'.努力の量が不足している
つまり、
1''.なぜ技術士試験を受けて、技術士になるかが明確でないと、途中でモチベーションが下がってしまいます。
技術士試験の二次試験は、「受験の申し込み」→「択一試験(足切り対策)」→「筆記試験」→「口頭試験」の実質的に4つの関門をクリアしなければいけない、長丁場の試験です。
それぞれの関門で、それぞれの難関にぶつかるため、はっきりと目的・目標を定めることが、とても必要です。
サッカーで狙うべきゴールが定まっているように。
2''.一般に、記憶力を試すスピード重視の試験なのに、じっくりと問題を解く練習に取り組んでも、点数はあがりません。
逆に、二次試験の筆記試験の1800字論文の問題の場合、記憶力や知識量を試すテストではありません。
ですから、講師の意見を参考に、加点につながりやすい方法を取り入れることが重要です。
3''.「択一試験(足切り対策)」のマークシートは、記憶の正確さが必要なタイプです。過去問の繰り返し学習をして、本番に備えます。
受験生「覚えても、すぐ忘れてしまうんです・・・。」
いいじゃないですか、何回でも、繰り返せば(笑)。
わたしは、ひとつの問題について、10回やることにしています。
そして、10回やったのに、万が一不合格になったときは、「採点ミスがあったんだなぁ、そんな不運も、ときにあり」と考えています。
何回も繰り返せば、きっと、覚えられますし、合格しますよ。
2017年06月03日 作成 / 執筆:タートル講師
合格に繋がる論文とそうでない論文はどこが違うのでしょうか?
これまで多くの方の論文添削をしてきた中で、「ここが重要」と感じている点を述べたいと思います。
■問われていることに対して全て答える
問われていること全てに答えるなど当たり前すぎると思われるかもしれませんが、意外と出来ていない方が多いです。
例えば次のような問題が出たとします。
土砂災害対策を検討する上で考慮すべき災害の特徴を、近年の土砂災害の実態を踏まえて
2つ述べるとともに、それぞれの特徴に対応するためのハード・ソフト両面の対策につい
て留意点を述べよ。(平成25年度 建設部門 河川、砂防及び海岸・海洋科目)
ここでは、
・土砂災害対策を検討する上で考慮すべき災害の特徴その1(特徴1とします)
・土砂災害対策を検討する上で考慮すべき災害の特徴その2(特徴2とします)
・特徴1に対応するためのハード・ソフト両面の対策についての留意点(留意点1とします)
・特徴2に対応するためのハード・ソフト両面の対策についての留意点(留意点2とします)
を答えることが求められています。
こういう場合にありがちなのが、
・特徴1や特徴2を述べる際に、近年の土砂災害の実態を踏まえていない(ミス1とします)
・留意点1や留意点2が、ハード・ソフト両面についての記述になっていない(ミス2とします)
というようなミスです。
ミス1は、特徴1、2ともに「近年の土砂災害の実態を踏まえて」という前提条件をすっかり忘れているパターン、あるいは特徴1では近年の土砂災害の実態を踏まえているのに特徴2では出来ていない等のパターンがあります。
ミス2は、留意点1、2ともに「ハード・ソフト両面」という前提条件を忘れてハードかソフト一方しか書かれていないパターン、あるいは留意点1ではハード・ソフト両面の記述ができているのに留意点2では一方しか書かれていない等のパターンがあります。
こういうミスは、問題文を見て「これなら書ける!」とばかりに、いきなり論文を書き始めた場合に犯しやすいものです。
ごく簡単なキーワードだけでも良いので、何について記述するのか骨子を書いて、問われていることに全て答えているかどうかをチェックしたうえで論文を書けば、この手の失敗は激減するはずです。
*筆記試験対策講座を行っています。講師ページからお気軽にお問い合わせください。
2017年07月03日 作成 / 執筆:技術サムライ講師
総監の択一は、足切りのために行うわけではありません。
択一の点数と筆記の点数を合わせて、合格か否かを評価します。
ですから、択一では、最後の最後まで、手を抜かずに加点を狙います。
総監の択一試験では、法律に関する設問が25%近くになります。
まさに4問に1問が法律問題です。
例えば、平成28年度には、人的資源管理のからみで、『雇用機会均等法』に関する設問がされています。
ひとつひとつの条文を覚えることは、費用対効果が悪いため、目的条文に絞り、読み込みます。
つまり、第1条の趣旨を理解して、あとは、本番で応用力で対応するのが得策です。
均等法の第1条には、次のことが書かれています。
(1)法の平等のを保証する日本国憲法の理念にのっとって「雇用分野」における
(2)男女の均等な「機会」及び「待遇」の確保を図ること
(3)女性労働者の就業に関して「妊娠中」及び「出産後」の「健康の確保」を図ること等
(4)(2)と(3)の措置の推進を目的とする。
(2)に着目してみましょう。
「機会」や「待遇」とわざわざ書いているのは、どういうことでしょうか。
これは、労働基準法では、「機会」や「待遇」について定めがなかったためです。
労働基準法では、第4条で、「男女同一賃金の原則」として、「使用者は、労働者が女性であること理由として、賃金について、男性と差別的な取り扱いをしてはならない」とだけ、定めています。
雇用機会均等法は、労働基準法の弱点を補うために作られたことが理解できるでしょう。
プロジェクトに女性スタッフがいる場合に、「雇用機会均等法」の知識が必要であるのと同様に、
(A)派遣さんがいる場合には、『労働者派遣法』の
(B)パートさんがいる場合には、『パート労働法』の
(C)ベテランさんがいる場合には、『高年齢者雇用安定法』の
(D)ハンディキャップをもった人がいる場合には、『障害者雇用促進法』の
(E)若い人がいる場合には、『若者雇用促進法』の
(F)お子さんや介護が必要な親族がいる人を雇っている場合には、『育児介護休業法』の
知識が必要です。
その証拠に、平成27年度の設問13や平成22年度の設問11では「育児・介護休業法」が出題されています。
平成21年度の設問15では「派遣労働者法」が出題されています。
平成28年度で言えば、4問に1問が法律問題ですから、目的条文だけでも押さえておくのと、目的条文さえも押さえられていないのでは、点数の上積みで差がつくはずです。
2017年08月08日 作成 / 執筆:【ニュース担当】eastwest665講師
直近の技術士二次試験の試験結果より、どのようなことがわかるのでしょうか?
全体合格率
受験者数 31635人 合格者数 3648人 合格率 14.6%
合格率は10%台となっており、難関であることには変わりありません。
分野で言えば、建設部門が受験者数の5割以上を占めており、建設部門での合格率が全体にも反映されてきていると言えるでしょう。
建設部門合格率
受験者数 17535人 合格者数 1786人 合格率 13.1%
建設部門での合格率は全体と比較すると同水準となっております。これは、受験者数が少ない部門では合格する人の割合が多く、合格率が跳ね上がっていますが、難易度が変わっていることではないということを示しております。
建設部門ではそれだけ技術士資格の需要があると言えます。これは建設コンサル会社などの官庁受注の必須条件として、技術士資格者の人数などの規定があるためです。
年代別試験結果
では、技術士二次試験は何歳の人が受験を考えている傾向にあるのでしょうか?
受験者平均年齢 43.5歳 合格者平均年齢 43.1歳
平均年齢として40代前半で受験をしている人が多い傾向にあります。
しかし、合格率で最も高いのは30代の16.4%でした。
ここから言えることは、受験の条件を取得することができた場合、早めに受験した方が合格しやすいということができます。
年齢が上がっていくと、記憶力が落ちてきたり、勉強に対する怠惰な感情などが生まれやすくなってしまいます。それ以外にも、仕事面でも重要なプロジェクトを任されたり、家庭面でもやらなきゃならなければならないことが増えてくるでしょう。
統計では20代での受験者もいますので、技術士二次試験の受験資格を取れたら早めに受験をすることが合格への近道とも言えます。
高齢の方でも諦めてはいけません。
70代での受験者も存在して、合格者も出ているのも特筆すべきでしょう。
世間では引退している年齢でも、努力を続けられていることには頭が下がる思いです。
技術士二次試験は絶対に合格するという気持ちがとても重要な試験であると言えます。
2017年11月01日 作成 / 執筆:タートル講師
10月31日に技術士第二次試験の筆記試験結果発表がありました。
筆記試験に合格された方、おめでとうございます。まずは関門を一つクリアしました。しっかり準備をして口頭試験に臨んでください。
さて、想定質問の作成等に加え、確実に受験できる体制を整えることも口頭試験対策の一つです。
交通機関のトラブル等のリスクを回避するために、試験前日は口頭試験会場へ徒歩で行ける範囲に宿泊されることをお勧めします。
ところで、宿泊施設はどのような方法で確保されますか?
最近はネットの宿泊予約サイトで簡単に宿泊予約を行うことができますので、まずはネットを利用して探すのが良いと思います。私も出張時には宿泊予約サイトを利用して宿泊先を確保することが多いです。
ただ、最近は観光客の増加等の影響もあり、都心部のビジネスホテルは空きが少ない場合が多いです。口頭試験は土日祝日に実施されることが多いので、休みの前日だと尚更予約が取りにくいことが予想されます。
うまくネットの宿泊予約サイトで予約できればよいのですが、満室で適当な宿を確保できない場合はどうしますか?
「蛇の道は蛇」という言葉があります。旅行代理店に相談してみましょう。
旅行代理店であれば、予めホテルの部屋を一定数確保していることがあります。その場合、一般向けには満室になっていても、旅行代理店を経由すれば部屋を確保できる可能性があります。
また新幹線や飛行機のチケット手配と併せて頼めば、割安になる可能性もあります。
口頭試験までの短い期間、やるべきことはたくさんあります。交通・宿泊の手配といったことは他者に依頼してしまうのも時間の有効利用の方法です。
*口頭試験対策講座を行っています。講師ページから詳細を記したファイルをダウンロードできますのでご覧ください。