2017年04月28日 作成 / 執筆:技術屋NR講師
技術士第二次試験の受験申込も終わり、ほっとしているところでしょうか。
でも、筆記試験まであと3ヶ月もありません。ほっとしている時間はありません。
受験申込の「業務内容の詳細」を書いているときには、「技術士試験に合格するぞ!」というモチベーションがすごく高かったと思いますが、なかなかそのモチベーションを維持するのは大変だと思います。
私は、どのようにモチベーションを保ったか紹介させて頂きたいと思います。
①有言実行
「有言実行」と言えば恰好いいですが、私の場合は、「技術士試験を受験する」ことを明言して、自分の逃げ場をなくしました。
もともと私は、すごく精神的に弱いので、一人で勉強していると、「まぁ、いいか」とか「何とかなるか」って思ってしまうことがよくあります。
ですから、まずは、ブログやFacebookで、「受験します!」宣言をしました。
それから、友人に、「今から喫茶店で勉強します」みたいな内容をLINEで送ったりもしました。
「勉強する」と言ってしまえば、案外できるものです。
②学習結果の可視化
「これだけ勉強した」というのが見えると、充実感もあり、自信もつきます。ですから、私は、ノートを惜しげもなく使いました。
「択一対策の用語のまとめ用ノート」、「択一対策の過去の計算問題の解答用ノート」、「記述式の論文記述ノート」...
それぞれ、大きめの字を書き、1行空けて書き、区切りのよいところでページを改め、次の項目は見開きの左側のページから始める。
大きく空いたスペースがあったり、白紙のページができたりしますが、結果的に後から見やすいものになりましたし、私にとってはそれ以上に、「多くのページを使って勉強した」と実感できることが良かったと思います。
私はこの方法でモチベーションを保ち、幸運にも、機械部門も電気電子部門も1回で合格することができました。
どなたにでも当てはまるかどうかは分かりませんが、ご参考になれば幸いです。
2017年05月09日 作成 / 執筆:【ニュース担当】eastwest665講師
記述式筆記試験や口頭試験、業務経歴など「相手に説明する」試験が多い技術士二次試験ですが、説明の仕方がわかりづらくなっていないでしょうか?
ただ事柄の特徴を説明する場合と、自分の考えを説明する場合とでは少し要望が異なります。
「一般的に言われていること」=「自分の考え」と考えている人が意外と多い
まず、大学などの講義を聞いて、試験問題を解くテストが多い日本では、講義内容=自分の考えと思っている人が意外と多いということを認識しましょう。
例:少子化対策についてあなたの提案する自治体での取り組める内容について述べよ
この場合、既に行っていることや聞いたことのあることはこの例題の回答にはなりません。
幼児医療費の自治体負担や、幼稚園などの保育料補助などを提案しても「あなたの提案する」というものにはなりません。
この場合、行政分野の例ですので、すぐに思いつかない方もいらっしゃると思いますが、自分の専門分野に置き換えて考えて見てください。
専門書などに記載されている項目をそのまま書いても、自分の提案するものにはならないということに気が付くはずです。
課題への対策を考える
技術士は新たな課題を自分の専門技術で解決することを生業とするものです。
試験時にも、自分の経験や今まで学習した内容などから、課題に対する対策を考えることができるはずです。
試験内容も過去問題などから「地球温暖化」や「高齢化社会」、「災害発生時の対策」など絶対的な正解がないような部分からの出題が多くあります。
試験では、「課題解決能力」を見ているものと考えられます。
普段から考えるくせをつける
こうした出題に対する対策として、普段から何気ないニュースなどを自分で考えるような訓練が必要です。
例えば、「株価が下がった」というニュースを見て、原因は何なのか?ニュースで解説している内容が本当に正しいのかと言ったように自分で考えるようにしてみましょう。
あるニュースで、円高が原因で輸出関連企業の業績悪化による株価下落などという解説を聞いた場合、鵜呑みにするようなことは厳禁です。
輸入に関連する企業は業績がよくなるのでは?など自分なりの仮設を立てて、実際に起こっていることの「本当の原因」を考えるようにしましょう。
考えを追求し行くと、オリジナルな結論に到達する可能性は高いです。
普段からあまり考えることが少ない人は、これが本当に正しいのかと不安になると思います。しかし、大切なのは「相手に説明して理解してもらえる」ことです。
考えた結果によっては「なるほど」「それは斬新だ」となる場合もあります。
現在ある知識と経験から、自分だけの考えが回答できるようになりましょう。
2017年05月26日 作成 / 執筆:【ニュース担当】eastwest665講師
技術士二次試験では、多くの文章を書く必要があります。
その中で重要なのは「簡潔に分かりやすく書く技術」です。
普段から技術文書や論文などを書いている方は、そういった技術は日常的に鍛えられていますが、あまり文章を書かないという人にとっては、二次試験の説明問題は難関となります。
そんな方に向けて、文章の基本「句読点」について解説します。
文学を読むための国語の授業でやった作文とは少し異なりますので、根っからの理系という人も安心して下さい。
・一文一意(One sentence One mean)を心掛ける
一文が長い文章は、読んでいてもどれが重要なのかが分かりにくく、誤解を生みやすくなります。
一番簡単な文章は「○○は○○だ。」の構成となります。これを連続していけば、最も簡単な構成の説明文章が出来上がります。
例:今日は晴れだ。今日は遠足日和だ。
あまりにも単純すぎて、言葉を覚えたての子供が話すような内容ですが、きちんと説明になっています。
一文に詰め込む情報は極力一つとすることで、単純明快になります。
・説明を補足する内容を句点(、)で区切る
句点(、)の使い方はその人の個性が出ることが多く、非常に使い方は難しいです。
多くの文を句点で区切ると、ぶつ切りのような文章となってしまいます。
例1:今日は、天気が、よいので、遠足に、行くのに、適した、遠足日和だ。
これは極端ですが、句点を入れることができる箇所すべてに入れた文章です。
これでは読みづらいというのは一目瞭然です。
例2:今日は天気が良いので遠足に行くのに適した遠足日和だ。
句点がないパターンです。これもとても読みづらいです。
例3:今日は天気が良いので、遠足に行くのに適した遠足日和だ。
真ん中で区切った文章です。いくらか読みやすくなりました。しかし、遠足日和を説明するのに何となく無理やりこじつけたような説明となっています。
例4:今日は天気が良いので、遠足に行くのに適している。そのような天気のことを遠足日和と呼ぶ。
天気がよいことを説明するのに大げさな気がしますが、これを自分の専門分野の内容を素人にも分かりやすく説明することに置き換えてみましょう。
言葉が足りない、句読点の場所が悪いというだけで極端に分かりづらい文章になることがお分かりいただけたかと思います。
2017年06月04日 作成 / 執筆:技術サムライ講師
総監の試験は、総監以外の20部門と問われる内容が大きくことなります。
科学技術と直接的には関係のない設問が多くなります。
総監試験は、経営の試験であり、リスクマネジメントの試験でもあります。
それと同時に、法律の試験でもあります。
例えば、平成28年度の択一試験の問11では、つぎのような問題が出ました。
「 」内の知識を問う設問です。
『使用者は、原則として、労働者に、休憩時間を除き、1日に「8」時間、1週間に「40」時間を超えて労働させてはならない。
使用者は、労働者に対して、毎週少なくとも「1」回の休日か、4週間を通じ「4」日以上の休日を与えなければならない。
使用者は、原則として、労働者が6ヵ月以上継続勤務し、その6ヵ月間の全労働日の8割以上を出勤した場合は、「10」日(継続又は分割)の有給休暇を与えなければならない。』
これは、労働基準法の「労働時間」に関する第32条第1項、「休日」に関する第35条第1項と第2項、「年次有給休暇」に関する第39条第1項、の知識を問うています。
そして、これは5つの管理技術(経済性管理、人的資源管理、情報管理、安全管理、社会環境管理)のなかの、人的資源管理に必要な知識です。
労働基準法に違反があった場合には、労働基準監督署による是正勧告がなされる場合があり、さらに悪質な場合には、法人や事業主が書類送検されます。
人的資源管理のまずさが、組織の評判を落とし、収益を下げて、経済性管理に悪影響を及ぼします。
そのほかにも、平成28年度の択一試験では、問13が「男女雇用機会均等法」でした。
問17が「サイバーセキュリティ基本法」、
問19が「知的財産権・著作権」、
問21が「マイナンバー制度」、
問26が「製造物責任法」、
問27が「安全衛生法」、
問31が「公益通報者保護制度」、
問32が「労働契約法」(パワーハラスメント)、
問35が「放射性物質汚染対処特措法」、
問37が「環境影響評価法」についての設問です。
40問中10問と、まさに25%が直接的に、法律知識を問うています。
総監は、法律の試験でもあると、割り切って、直前期のいまは、知識を詰め込むことがよいでしょう。
2017年05月31日 作成 / 執筆:タートル講師
「未来投資戦略2017」の素案が公表されました。
未来投資会議は内閣総理大臣が議長となり、『日本経済再生本部の下、第4次産業革命をはじめとする将来の成長に資する分野における大胆な投資を官民連携して進め、「未来への投資」の拡大に向けた成長戦略と構造改革の加速化を図るため、産業競争力会議及び未来投資に向けた官民対話を発展的に統合した成長戦略の司令塔』と位置付けられています。
つまり、今後の産業の方向性を国として示したものですから、技術士試験の課題解決論文における解決策を書くためのヒントが満載です。
以下、公表された素案の中から、技術士試験に密接に関係しそうな項目をピックアップしてみます。
・トラックの隊列⾛⾏の実現(【2020年に⾼速道路(新東名)で後続無⼈での 隊列⾛⾏を実現、2022年に商業化を⽬指す。】)
・⼩型無⼈機(ドローン)による荷物配送の実現(【2020年代に都市部での本格化に向け、 補助者を配置しない⽬視外⾶⾏に係る機体や操縦者等の要件の明確化】)
・⾼精度三次元地図作成(25cm単位)に向けた仕様・仕組の策定 【来年度中】
・⾼度な⾃動⾛⾏(レベル3以上)に向けた、政府全体の制度整備の⽅針策定(「システムによる運転」に係る安全基準、道路交通法等ルール、責任関係等)
・「i-Construction」の対象拡⼤(橋梁・トンネル等へ、中⼩事業者・⾃治体へ)、公共⼯事の3次元データのオープン化(利活⽤ルール策定)
【2025年度までに建設現場の⽣産性 2割向上】
・インフラ点検・災害対応ロボットの開発促進(ロボットの利⽤場⾯に応じた要求性能の設定等)
例えば「公共⼯事の3次元データのオープン化」であれば、担い手不足の中で建設分野の生産性向上のための解決策になり得ます。また実行するための課題として「利活用ルールを定めること」がありますので、『技術的提案を示し、それらを実行する際のリスクや課題を論述』というパターンの設問の答えを考えるのに有用です。
個別の具体策については部門・科目によって様々だと思いますが、課題を解決するための方策の大きな方向性としては役立つのではないでしょうか。
*筆記試験対策講座を行っています。講師ページからお気軽にお問い合わせください。
2017年06月08日 作成 / 執筆:技術サムライ講師
実務で、国が示す指針やガイドラインなどに違和感を覚えることがるでしょう。
「白書に書かれていることなんてキレイごと」とか、
「そんな手順を守っていたら、時間がかかってしょうがない」とか、
「そんな検査までやっていたら、カネがかかってしょうがない」とか。
総監でも、総監部門以外でも、そのような「自分の」常識や正論と、「国」の考え方のギャップに着目するのも一手です。
技術士試験は、国家資格です。
そして、実施するのは文部科学省です。
作問・採点は、建設部門ならば国土交通省に、農業部門ならば農林水産省に、環境部門ならば環境省の関係者や、それらに近い有識者のはずです。
つまり、国の考えに沿わない答案を、あなたが書いたならば、採点官は辛口の評価をつけてしまいます。
逆に国等の悩み事を理解している答案に、採点官は共感します。
そして、数ある取り組むべき課題から、最重要テーマを、あなたが選んだならば、「よくわかってますね」と加点してくれます。
そのうえ、具体的な解決策・対応策を提案した答案に、採点官は感心するのです。
さいごに、採点官は、答案から次のことを読み取ろうとします。
この受験生は、「アタマでっかちの学者、研究者の類ではなく、しっかりと実務もできる人物なのか」と。
その時、あなたの答案に、解決策等を実施したときに生じうるリスクが示され、それに対する考え方が書かれていれば、採点官はあなたを「技術士としてふさわしい」として、A評価をつけることでしょう。
ご準備されている1800字論文を、いま一度、平日は霞が関に勤める採点官になったつもりで、添削してみてはいかがでしょうか。きっと、より良い論文になると思います。
2017年06月03日 作成 / 執筆:タートル講師
合格に繋がる論文とそうでない論文はどこが違うのでしょうか?
これまで多くの方の論文添削をしてきた中で、「ここが重要」と感じている点を述べたいと思います。
■問われていることに対して全て答える
問われていること全てに答えるなど当たり前すぎると思われるかもしれませんが、意外と出来ていない方が多いです。
例えば次のような問題が出たとします。
土砂災害対策を検討する上で考慮すべき災害の特徴を、近年の土砂災害の実態を踏まえて
2つ述べるとともに、それぞれの特徴に対応するためのハード・ソフト両面の対策につい
て留意点を述べよ。(平成25年度 建設部門 河川、砂防及び海岸・海洋科目)
ここでは、
・土砂災害対策を検討する上で考慮すべき災害の特徴その1(特徴1とします)
・土砂災害対策を検討する上で考慮すべき災害の特徴その2(特徴2とします)
・特徴1に対応するためのハード・ソフト両面の対策についての留意点(留意点1とします)
・特徴2に対応するためのハード・ソフト両面の対策についての留意点(留意点2とします)
を答えることが求められています。
こういう場合にありがちなのが、
・特徴1や特徴2を述べる際に、近年の土砂災害の実態を踏まえていない(ミス1とします)
・留意点1や留意点2が、ハード・ソフト両面についての記述になっていない(ミス2とします)
というようなミスです。
ミス1は、特徴1、2ともに「近年の土砂災害の実態を踏まえて」という前提条件をすっかり忘れているパターン、あるいは特徴1では近年の土砂災害の実態を踏まえているのに特徴2では出来ていない等のパターンがあります。
ミス2は、留意点1、2ともに「ハード・ソフト両面」という前提条件を忘れてハードかソフト一方しか書かれていないパターン、あるいは留意点1ではハード・ソフト両面の記述ができているのに留意点2では一方しか書かれていない等のパターンがあります。
こういうミスは、問題文を見て「これなら書ける!」とばかりに、いきなり論文を書き始めた場合に犯しやすいものです。
ごく簡単なキーワードだけでも良いので、何について記述するのか骨子を書いて、問われていることに全て答えているかどうかをチェックしたうえで論文を書けば、この手の失敗は激減するはずです。
*筆記試験対策講座を行っています。講師ページからお気軽にお問い合わせください。
2017年06月25日 作成 / 執筆:技術屋NR講師
筆記試験まで、あとひと月を切りました。
皆さん、勉強は順調に進んでいますか?
計画通りに進んでいない方で、「今年度は、もう無理だから、受験やめようかな」と思っている方はいませんか。
でも、諦めないで下さい。
受験を止めたら、絶対「技術士」になれませんよ。
計画通りに進んでいなくても、諦めずに頑張って下さい。
以下、私からの「諦めないで」メッセージを記します。
・完璧に理解、記憶できなくても気にする必要はありません。択一式で、5つの選択肢のうち、「明らかに間違い」を見つけられるだけで、正解する確率は間違いなく上がります。この確率の上昇の積み重ねが択一式60点獲得の秘訣だと思います。
・完璧に理解、記憶できなくても気にする必要はありません。少しでも情報を頭に入れればよいというつもりでいいと思います。試験の直前に見たノートに書いていたことが試験に出たので合格できたということをよく聞きます。それは、最後の最後まで、諦めずにノートを見ていた人が言えるセリフです。
・完璧に理解、記憶できなくても気にする必要はありません。まとまった勉強時間を作る必要もありません。10分の時間があれば勉強できます。過去問1問解くには、10分あれば大丈夫でしょう。ノートの1項目見直すにも、10分あれば大丈夫でしょう。「まとまった時間を作らなきゃ」って構えるとしんどいです。10分の勉強を積み重ねていって下さい。無理せず、できることをやっていきましょう。
2017年06月09日 作成 / 執筆:タートル講師
前回、合格に繋がる論文には「問われていることに対して全て答える」ことが重要だと述べました。
もう1点、合格に繋がる論文に仕上げるコツを紹介したいと思います。
■課題と解決策を対応させる
これも当たり前と思われるかもしれませんが、やはり意外と出来ていない方が多いです。
例えば次のような問題が出たとします。
(問題文の前書き部分は省略します)
(1) コンクリート構造物において、維持管理の業務サイクルを実施するために検討すべき項目を、建設分野に携わる技術者として多様な観点から記述せよ。
(2) 上述した項目のうち、あなたが重要であると考える技術的課題を1つ挙げ、実現可能な解決策を2つ提示せよ。
(3) あなたが提示した解決策がもたらす効果を具体的に示すとともに、想定されるリスクやデメリットについて記述せよ。
(平成27年度 建設部門 鋼構造及びコンクリート科目)
このような問題の解答では、次の2つのミスが良くあります。
・指定された個数を満たさない解答を書いてしまう(ミス1とします)
・解決策の内容が課題の解決に繋がっていない(ミス2とします)
まずミス1についてです。この問題文では「技術的課題を1つ」、「解決策を2つ」と個数の指定がされています。それなのに「課題を1つ、解決策も1つ」で論文を書いてしまったり、「課題を1つ、解決策を3つ」書いてしまうようなミスがあります。
解決策が指定数より少ないのは論外ですが、「よく知っているから」とばかりに指定数を超えた解答をすることも出題の要求に反することですので、厳禁です。
次にミス2についてです。例えば課題として「担い手が不足する状況下で、どうやって維持管理の業務サイクルを保持するか」というようなことを書いているのに、解決策がそれに直結しないことを述べているようなケースです。
こういう場合には、「ICTの活用で業務の効率化を図る」というように担い手不足を解消する方法を述べる必要があります。それなのに「維持管理にかかるコストを縮減する」というような解決策を挙げているケースがあります。確かに維持管理をしっかり行うためには無駄なコストを縮減して本質的な部分に予算を集中することは大切ですが、「担い手不足の解消」という話には直結しません。
こういうような、「大掴みの話や一般論としては間違いとは言えないが、設定した課題に対する解決策にはなっていない」というミスはよくあります。
まずは指定された個数を守ること、そして解決策として述べることが「あなたが挙げた課題」を解決することに直結するのかをしっかり確認しましょう。
*論文の書き方に関して、別の視点からも投稿があります。併せて御覧ください。
*筆記試験対策講座を行っています。講師ページからお気軽にお問い合わせください。
2017年06月28日 作成 / 執筆:スマート技術員講師
日本技術士会より技術士制度改革について提言がありました。
1.更新制度の導入
技術士には自己研鑽、資質向上の責務を果たすためCPDの努力義務がありますが、更新制度はありませんでした。
5年に1回程度、更新講習の受講義務化の予定です。
2.技術士補の廃止
技術士補登録の意義がほとんど無いのが現状です。
第二次試験の受験資格として技術士補を利用している人もほとんどいない状況です。
利用価値が無いものは廃止されるのも仕方ないかもしれません。
3.国際的通用性
国際エンジニア連合(IEA)の考えでは、今の日本の技術士制度ではそのまま国際資格認定されず、追加審査が必要なようです。
今後、第二次試験を見直し、対応できるようになりそうです。
4.他の国家資格との相互活用
技術士資格は「業務独占」ではなく、いわゆる「名称独占」資格なため、メリットが少ないと思われています。
他の資格受験時に一部試験免除などのメリットが少しありますが、今後対象を拡大していきたいようです。
上記は筆記試験受験時には特に関係ありませんが、口頭試験時は多少関係してくるでしょう。
また技術士を目指している以上、日本技術士会の動向はしっかり把握しておくことは大事です。
合格してからではなく常に情報にはアンテナを張ることが技術士には求められると思います。
2017年07月03日 作成 / 執筆:技術サムライ講師
総監の択一は、足切りのために行うわけではありません。
択一の点数と筆記の点数を合わせて、合格か否かを評価します。
ですから、択一では、最後の最後まで、手を抜かずに加点を狙います。
総監の択一試験では、法律に関する設問が25%近くになります。
まさに4問に1問が法律問題です。
例えば、平成28年度には、人的資源管理のからみで、『雇用機会均等法』に関する設問がされています。
ひとつひとつの条文を覚えることは、費用対効果が悪いため、目的条文に絞り、読み込みます。
つまり、第1条の趣旨を理解して、あとは、本番で応用力で対応するのが得策です。
均等法の第1条には、次のことが書かれています。
(1)法の平等のを保証する日本国憲法の理念にのっとって「雇用分野」における
(2)男女の均等な「機会」及び「待遇」の確保を図ること
(3)女性労働者の就業に関して「妊娠中」及び「出産後」の「健康の確保」を図ること等
(4)(2)と(3)の措置の推進を目的とする。
(2)に着目してみましょう。
「機会」や「待遇」とわざわざ書いているのは、どういうことでしょうか。
これは、労働基準法では、「機会」や「待遇」について定めがなかったためです。
労働基準法では、第4条で、「男女同一賃金の原則」として、「使用者は、労働者が女性であること理由として、賃金について、男性と差別的な取り扱いをしてはならない」とだけ、定めています。
雇用機会均等法は、労働基準法の弱点を補うために作られたことが理解できるでしょう。
プロジェクトに女性スタッフがいる場合に、「雇用機会均等法」の知識が必要であるのと同様に、
(A)派遣さんがいる場合には、『労働者派遣法』の
(B)パートさんがいる場合には、『パート労働法』の
(C)ベテランさんがいる場合には、『高年齢者雇用安定法』の
(D)ハンディキャップをもった人がいる場合には、『障害者雇用促進法』の
(E)若い人がいる場合には、『若者雇用促進法』の
(F)お子さんや介護が必要な親族がいる人を雇っている場合には、『育児介護休業法』の
知識が必要です。
その証拠に、平成27年度の設問13や平成22年度の設問11では「育児・介護休業法」が出題されています。
平成21年度の設問15では「派遣労働者法」が出題されています。
平成28年度で言えば、4問に1問が法律問題ですから、目的条文だけでも押さえておくのと、目的条文さえも押さえられていないのでは、点数の上積みで差がつくはずです。
2017年07月12日 作成 / 執筆:【ニュース担当】eastwest665講師
技術士二次試験の口頭試験は、事前に提出した業務経歴書などから、試験官との質問のやり取りで実施されます。
その中で、最もネックとなるものが、口頭による業務経歴書の説明です。
初めて会った試験官に、自分の経歴を分かりやすく説明し、理解してもらい、質問についてもその場で回答しなければなりません。
初めて会った顧客と打ち合わせの場などもこうした状況に該当しますが、あまり経験がないとつい緊張してしまい、何から説明したらよいかわからなくなってしまいます。
緊張しないように気を付ける
普段は知識も豊富で、専門的な内容については話すことも全く問題がない人でも、試験となると緊張します。
緊張してしまうと、次の言葉がなかなか出てこなかったり、話した内容が何を言っているのかはっきりしなかったりします。
これは、事前の準備で何とか緊張を押さえることができます。
例えば、口頭試験の想定内容をボイスレコーダーなどに録音して、自分の言っていることが後で聞いても問題がないかを確認する、職場の人や試験対策講座などで模擬の口頭試験を行ってもらったりすることでも、本番の雰囲気をある程度シミュレーションできます。
緊張は、自分の得体の知れないものに直面した時に起こるものですので、事前に様々な同様な状況を経験しておけば、自然と緊張は少なくなっていきます。
説明内容に気を付ける
説明内容が専門的すぎると、試験官もその分野に関しては専門家ではありませんので、理解できないこともあります。
大学を卒業して、入社したばかりの新入社員にもわかる程度の専門用語で話す必要があります。
ただし、専門用語が分からないといけないということで、専門用語の解説を続けていくと、論点がどんどんずれていってしまいます。
各業務に「自分が技術的に工夫をしたところ」を一つ押さえておき、そこからぶれないような説明の仕方がよいでしょう。
口頭試験のような面接タイプの試験は、人によっては採用面接以降経験したことがないという人も少なくありません。
どんな人が合格するのかを探るのも重要ですが、採用基準は人が見るものですので、試験官による個人差がどうしても出てきます。
それよりも、今持てる知識を十二分にアピールする方法を探る方が合格への近道と言えます。
2017年07月24日 作成 / 執筆:Lucky Ocean講師
平成29年度技術士試験(二次試験・筆記試験)の択一式問題の正解が今朝ほど日本技術士会の
ホームページに掲載されました。次のURLからもアクセスできます。
https://www.engineer.or.jp/c_topics/003/attached/attach_3935_1.pdf
今年度の技術士試験を受験した人はぜひチェックしてください。
そして、次の対応をお願いします。
1)合否を確認する。
2)間違った問題をチェックする。
3)10月31日の合否発表に備える。
1)合否を確認する。
・自分が選択した問題とその回答を確認しましょう。
・技術士試験(一般部門)では、まずはここで60%以上であることが合格の条件です。
・もし、残念だった人は、自分の勉強方法が適切でなかったのかを振り返って、来年の
受験への戦略を立て直しましょう。応援するので、今回の悔しさを絶対晴らしましょう。
2)間違った問題をチェックする。
・選択した問題だけではなく、すべての問題に対して、正解だったのかどうかをチェックしましょう。
・正解ではなかった問題や分からなかった問題は、自分の知識の不足や理解違いを正す絶好のチャンスです。
・技術士に合格した後も資質を向上する努力は求められるし、必要です。
3)10月31日の合否発表に備える。
・択一式問題が合格レベルに達していた人はおめでとうございます。
・でも、技術士試験のメインは記述式です。こちらの合否発表は10月末だし、口頭試験も
通常12月ですのでまだ少し時間があります。
・記述問題の再現論文を完了した人は、技術士試験を忘れてみてはいかがでしょうか?
・夏を楽しむとか、溜まっていた仕事をこなすとか、家族サービスに努めるとか、海外旅行に
行くとか、今までとちょっと違うことにチャレンジしてみませんか?
以上
2017年07月25日 作成 / 執筆:【ニュース担当】関口雄太講師
技術士二次試験に向けて、勉強を進めるためにはスケジュール管理が大切です。受験当日までにどの範囲を勉強しておくか、自分の苦手範囲の復習はどの程度行うかなど、効率的な学習の支えになるのがスケジュール管理です。
ですが、実際はスケジュール管理がうまくいかないと言う人も多いでしょう。仕事で急な対応が入ってしまったために、なかなか予定通りに学習が進められないことも多いはずです。さらに、学習予定が崩れ始めると、調整するために1日の勉強量が増えて終わらなくなり、スケジュールがどんどん先延ばしになっていく……。うまく時間管理をできない自分に嫌気がさして落ち込んでしまう人もいるでしょう。
スケジュール管理は目標達成のために欠かせないサポーターである一方で、ストイックすぎるスケジュール設定はやる気をなくしてしまうリスクにもつながります。実際に行われた学習に関する実験結果を紹介します。大学生を対象に行われた学習効率に関する実験です。
実験開始前の予想では、細かくスケジュールを管理したAグループが最も高い学習効率になるはずだとされていました。ですが、実際に箱を開けてみると、Bグループが最も成績が良くなりました。
日単位で目標が決められていると、少しでも目標を達成できないと全体のスケジュールに狂いが生じ、目標達成できない日が続きます。心理的な悪循環も重なり日単位でのスケジュールは管理することが難しいのでしょう。また、スケジュールの細かい設定をするため、準備にも時間がかかります。
その一方で、月単位で目標を設定したBグループは準備が大まかで済み、多少の遅れが生じた場合でもスケジュールの都合がつけやすく、結果的に学習効率がよくなりました。
さらにBグループの被験者は、実験が終わった1年後でも、月単位の目標設定が習慣となり目標に向けたスケジュール設定を行っていたことがわかりました。完璧を求めて細かいスケジュールを設定しがちですが、目標を達成して成功体験をつかんでいくためにも、ゆとりがある月単位での学習目標を設定していきましょう。
2017年07月30日 作成 / 執筆:【ニュース担当】関口雄太講師
論文を書き出すとき、頭に思いつくまま文章を書いていませんか?知的な文章作成術は12の工程を踏むことが大切です。
花村太郎の著作『知的トレーニングの技術』という本には様々な角度から知的生産の技術について紹介されています。「立志術」や「知的交流術」など、数年前から自己啓発や出版業界全体のトレンドとなりつつある「お手軽さ」とは対局となる地道な知的訓練について紹介されています。
1980年に雑誌『宝島』に掲載された内容をベースとしているのですが、全般的に現代でも通じるノウハウが広く紹介されています。中でも技術士試験を受ける際に知っておきたいのが、文章作成に関する言及です。以下の12工程が紹介されています。
【インプット】
1.問題意識発生・テーマ設定
2.テーマ分析
3.第1次情報収集
【加工】
4.資料分類・分析
5.エントロピー廃棄
6.構想
【アウトプット】
7.構成
8.草稿執筆
【インプット】
9.草稿検討
10.第2次情報収集
【加工】
11.草稿修正
【アウトプット】
12.清書
技術士試験の論文作成の場合は「インプット」を「勉強したことを思い出す」、「加工」を「記憶を整理する」と置き換えて読むと応用しやすくなるでしょう。ここで特に注目したいのが「エントロピー廃棄」という項目です。
「エントロピー」という言葉は熱力学や統計力学など、分野によって使用される意味は異なりますが、ここでのエントロピーが示す意味は「情報量」と解釈すると良いでしょう。たくさんの情報を頭の中や教科書などからインプットして、それらの情報を分類したあと頭の中から廃棄します。わかりやすく言うと「ぼーっとする」ということです。この工程をはさむことで、次の「構想」や「構成」が秩序だったものになりやすいです。
たくさんの情報をインプットして、「あれも書くぞ」「これも書くぞ」となっている状態を一度廃棄することで、情報が頭のなかで洗練され、相手に伝わりやすい文章が作成できます。
文章作成に行き詰まったとき、ここで紹介した12工程を参考にしてみてください。
2017年08月31日 作成 / 執筆:技術サムライ講師
口頭試験のために、準備を入念にされることをお勧めします。
入念に準備された、口頭試験は、雑談のように、和気あいあいと進みます。
受験申込票を、受験対策会社に添削してもらった受験者は、十中八九、合格できるでしょう。
5つの業務経歴と、業務詳細が、採点官が求めるものに仕上がっているためです。
例えば、技術士に相応しい課題設定ができているか、問題点の絞り込みができているか、が明記されていることでしょう。
また、筋道だてて導き出された解決策が示されているでしょう。
そうすると、採点官は、「この受験生は経験豊富で、技術士に相応しい実務経験を持っているな」と思います。
そして、自分の評価に間違いがないか、ほんとうにこの受験生がやった業務なのか、を確かめるやさしい質問をします。
Q.この業務は何人でやったのですか?
Q.この業務は大学院での研究テーマと違いますね。それは苦労したでしょう?
Q.一番苦労したのは、どんなこと?
Q.関係者をまとめるのはたいへんだったでしょう。言うことを聞かない人もいるだろうし(笑)。
Q.学会は入っているの?何か学会に入って、業務でやったことを発表すると良いですよ。
口頭試験の講座で準備した想定問答集にない、なんだかよくわからない「世間話」が多くなってくれば、あなたが文句なしの合格圏にいるからかもしれません。
合格確実圏内に入れば、業務詳細の小論文も、丁寧に復元をしてメンテナンスをした筆記試験論文も、100個ほどつくった想定問答集も、拍子抜けするほど使わずに済むことが多いのです。
しかし、合格確実圏内に入っている人は、これらの口頭試験の準備を入念にしています。
口頭試験が終わって、「これは、受かったな」、そして「口頭試験は、意外とあっけなかったな亅と思えるように、しつこいくらいに準備をされてください。
2017年09月07日 作成 / 執筆:技術屋NR講師
口頭試験の会場には、ホワイトボードが置かれています。
私が口頭試験を受けた際に、「業務内容について、図を描いて説明して下さい。」という指示がありました。
想定していないことでしたが、口で説明するより図があった方が説明しやすかったので、結果オーライでしたが、かなり焦りました。
図を描いて説明するように指示があった時のために、図を描く練習をしておく必要があるかと思います。
以下、図を描くにあたっての私なりの注意点を記しますので、ご参考にして頂ければと思います。
・まずは、全体図を描いて、装置(業務)の目的と課題を理解してもらうこと。
・次に、説明したい部分の詳細図を描いて、工夫した点と成果を説明すること。
・限られた時間の中で説明しなければならないので、あまり詳しく描きすぎないこと。
・限られた時間の中で説明しなければならないので、描きながら話をすること。
図を描くように指示されていなくても、図を描いた方が説明しやすい業務に関しては、「ホワイトボードを使わせていただいてよろしいでしょうか?」と申し出るのもありかと思います。
ただ、「ダメです!」と言われた事例もあるそうなので、図を描くことを前提とした準備だけではなく、ホワイトボードを使わない説明の準備もしなければなりません。
普段から、ホワイトボードをよく使われる方は問題ないかもしれませんが、普段はホワイトボードを使うことのない方は、実際にホワイトボードを使って練習することをお勧めします。
2017年09月24日 作成 / 執筆:技術屋NR講師
口頭試験では、特許について聞かれることがあります。
私は、機械部門の時も電気電子部門の時も聞かれました。
・特許を出願したことはありますか?
・特許は何件くらい出願しましたか?
・特許はどのような内容ですか?
・あなたが筆頭発明者として出願しましたか?
などなど、いろいろな質問の仕方で特許に関して聞かれた実績があるようです。
これは、「特許」を出願することが、「技術士」としてふさわしい業務のうちの一つと
考えられているからだと思います。
この「ふさわしい」には、以下の2つの側面が考えられます。
1.技術的側面
特許を出願されたことがある方はご存じでしょうが、特許の明細書には、
「こういう課題があり、その課題を解決するためにこのような発明をし、
このような効果があることが確認できた」ということを書きます。
これは、技術士第二次試験の内容である「課題解決能力」が求められるもので、
「課題解決能力」があるかどうかの判断の一部として使われるのかと思います。
2.法律的(精神的)側面
口頭試験で「特許法」について聞かれることはないと思いますが、その精神は
理解しておく方がよいと思います。
「特許」は、一般的には「発明を独占して使用できる権利を与えるためのシステム」という
イメージだと思いますが、それは、「特許」の片面だけしか見ていません。
「特許法」的には、「産業の発展のために発明を公開してもらい、その代償として
一定期間独占して使用する権利を与えるためのシステム」という感じだと思います。
特許法第一条にある「産業の発達に寄与することを目的とする」は、技術士法第一条にある
「科学技術の向上と国民経済の発展に資することを目的とする」に通ずるところがあると思いませんか。
以上の二つの側面が把握できれば、おのずと、どのように回答したらよいかご理解いただけると思います。
<参考>
特許法 第一条
この法律は、発明の保護及び利用を図ることにより、発明を奨励し、もつて産業の発達に寄与することを目的とする。
技術士法 第一条
この法律は、技術士等の資格を定め、その業務の適正を図り、もつて科学技術の向上と国民経済の発展に資することを目的とする。
2017年09月26日 作成 / 執筆:【ニュース担当】eastwest665講師
注:この内容は平成29年9月現在の内容です。
技術士制度改革の中にある「国際的通用性」の強化が注目されます。
現在、技術士資格を取得していると、国際エンジニア連合(IEA)のカテゴリー2に分類され、カテゴリー1に昇格するために追加書類を出して審査をしてもらう必要があります。
しかし、今回の技術士制度改革で技術士試験の内容を変更し、技術士資格取得と同時にカテゴリー1に無条件で分類してもらおうというものです。
この国際エンジニア連合のカテゴリー1になると、APECエンジニアの資格取得をしやすくなります。
APECエンジニアは日本ではあまり知名度がありませんが、国際的なインフラ設計などの分野では設計担当者としての必要条件で合ったりする場合があります。
技術士資格をこうした国際社会に通用しやすくするために、二次試験の内容を変更してAPECエンジニアの資格を取得しやすくしようというものです。
国際化ということは重要なことであることは良く分かります。実際に世界で設計の分野で活躍したいという人が技術士資格の取得を目指す可能性もあり、受験者数も増えるのではと考えられます。
しかし、これには国際エンジニア連合の認定によるカテゴリー1の取得が求められます。
肝心な協議はこれからで、現在の技術士制度改革の中間報告の中では、カテゴリー1の認定を目指すという目標にとどまっています。
国際エンジニア連合と文部科学省との協議により、この話はなくなってしまう可能性もあります。
現在、APECエンジニアに認定されるためにはこの国際エンジニア連合のカテゴリーの他にも様々な要件があります。
それらをすべて満たすことが求められるため、仮にカテゴリー1に認定された場合でも技術士資格を取得すれば即APECエンジニアの称号を取得できるわけではありません。
しかし、これらのことを考えても、技術士資格はその足がかりとして取得を検討してもよいしかくなのではないでしょうか?
2017年09月25日 作成 / 執筆:【ニュース担当】関口雄太講師
日本人なら誰でも、あまり考えることなく日本語の文章を書けてしまいます。しゃべることに関しても同様で、内容の深さや、意味の伝わりやすさなどを無視することが許されるならば、誰でも日本語で話せます。しかし、技術士試験の論文や面接で、意味の通らない日本語を使っていては試験に通ることはできないでしょう。ここでは日本語の作文でよく失敗してしまいがちなポイントや、日本語をよりわかりやすくするためのコツを紹介します。
ここでは日本語で作文するときに知っておきたい3点を紹介します。
まず、1つ目の「語尾を繰り返さない」について説明します。読みづらい日本語の文章では「〜と思います。〜だと思います」と同じ文末が繰り返されています。特に「〜思います」は記述している内容に自信や根拠がない場合に多用されがちです。「思います」だけでなく他の言葉でも「〜です。〜です。〜です」と説明文などは特に、文末を繰り返しやすいので注意しましょう。
2つ目に「体言止めは多用しない」です。この点は普段から新聞を読んでいる人ほど、注意しておきましょう。新聞は原稿の文字数が厳しく制限されているうえに、臨時のニュースが入ると、1面の内容を組み替えることもあります。そのため、文字数を削ろうと体言止めが頻繁に使われます。たとえば「曇った天気。明日は晴れ模様。折りたたみ傘は必携」のような単調な文章になりやすいので、体言止めはあまり使用しない方がいいでしょう。
3つ目に「テンプレート思考に注意する」です。英語では動詞と前置詞などのセットをコロケーションといい、組み合わせが決まっています。日本語の場合は英語ほど厳格な文法のルールはありません。ですが、無意識のうちにセットで使っている言葉はたくさんあります。たとえば「風がピューピュー吹いている」「複雑な表情をした」のような決まり文句のような表現が使われますが、実際の描写を省略して手抜きの日本語になりがちです。実際に風はどのように吹いていたか、対象の表情はどんなものだったのかをごまかしているとも言えます。日本語のテンプレートに頼りすぎると、事実に忠実な表現ができなくなるので気をつけましょう。
日本語で作文するときに間違えてしまいがちなポイントや、それらを修復するコツを確認しました。技術士論文や技術士面接で使う日本語にも役立つものもありますから、日本語の使い方に気を配ってみましょう。
2017年10月27日 作成 / 執筆:【ニュース担当】関口雄太講師
前回は、先延ばしグセが引き起こす危険について紹介しました。今回からは、先延ばしする習慣を防ぐための、具体的な方法について紹介していきます。
今回、覚えておいてほしいことは、「小さな成功体験を積むことが大切だ」という考え方です。すぐに取りかかれる小さな課題、もしくは、興味が持てる課題から取り組みます。これは、脳科学の池谷裕二教授も、著書のなかで、サルが複雑な行動を身につけるプロセスを例に、小さな課題から取り組むことの大切さを述べています。例として紹介されている実験では、「遠い場所にあるエサを、長い枝を使って取る」という課題を覚えさせます。まず、サルには、適切な枝の選び方を教えます。「枝の選び方」といっても、短い枝よりも、長い枝の方が、遠くにあるエサをとれるという程度のことです。
小さなステップから初めて、成功体験を積むことで、自信がついてきます。「成功体験を積む」ということに関しては、ネガティブな側面もあり、たとえば、将棋棋士の羽生善治さんは、「過去の成功体験や失敗体験が足かせとなり、あたらしいことにチャレンジできなくなる」という趣旨の内容を著書のなかで語っています。ですので、成功体験に依存過ぎることは危険ですが、先延ばしの習慣がある場合は、まず課題に取り組み、課題をこなし、自信をつけることが大切です。自信をつけるために、取りかかりやすいことから、一つずつ終わらせていきましょう。
「成功体験を積む」と聞くと、ポジティブ自己啓発のような「自分にはできるんだ」と無理に言い聞かせる印象を持つ人もいるでしょう。ですが、現実に目を背けて、「自分にはできる」と思い込むと、プレッシャーになり、良い結果を招かない場合もあります。小さなステップからでかまわないので、課題を少しずつ終わらせる習慣をつけていきましょう。
2017年10月28日 作成 / 執筆:技術屋NR講師
受験生の皆さん、いよいよ筆記試験の合格発表ですね。
筆記試験に合格したら、口頭試験の準備をしなければなりませんが、その準備についてお話したいと思います。
「自分でしかできないこと」を最優先にしましょう。
「技術士の義務・責務」とか、「技術士制度」とか受験生の皆さんに共通の事項は、Webで調べれば、想定質問や模範解答などいろいろ出てきます。
これから3回に分けて書く事項は、自分でなければできません。後回しにしても必ずしなければならないので、まずはここから手をつけて下さい。
まず、第1回は、「筆記試験の再現」についてです。
★筆記試験の再現
多くの方から、筆記試験の論文の再現をすることが推奨されていたと思います。もし、まだされていない方がおられたら、ぜひとも論文の再現をして下さい。
今更、一語一句違わずに再現などできませんが、最低でも要旨はまとめておいて下さい。
重要なのは、その次です。
その論文が、質問に対して正しい回答になっているかどうか、再確認して下さい。
間違ったことを書いていないか...
説明不足なので追加する事項はないか...
口頭試験で、筆記試験の論文について聞かれることは多くはないそうです。しかし、口頭試験で質問されるということは、試験官から、応用能力や課題解決能力に疑問を持たれているということなので、名誉挽回しなければなりません。
ということなので、ただ単に論文の再現をするだけでは足りず、どのように回答すべきであったかを考えるところまでしておいて下さい。
「備えあれば憂いなし」です。
皆さん、頑張って下さい。応援しています。
「口頭試験の準備、まずは...(第2回) 業務内容の詳細の見直し」、「口頭試験の準備、まずは...(第3回・最終回)説明した業務の振り返り」も
ご参照下さい。
2017年10月29日 作成 / 執筆:【ニュース担当】関口雄太講師
「自分にはできる!」と一生懸命、言い聞かせているのに、うまくいかず、落ち込んでしまうことはありませんか?
特に、現代人は「引き寄せの法則」や「アファーメーション」、「瞑想」など、自己啓発の分野で、カジュアルなスピリチュアル体験をうまく生かそうとしています。書店で紹介されているビジネス本のなかには、自己啓発関係の書籍が混ざっていることも少なくありません。代表的な例は『ザ・シークレット』という世界中でヒットし、日本でもかなり売れた自己啓発書です。「引き寄せたい結果を、具体的に脳内で描ければ、自然と結果は引き寄せられる」という趣旨の本ですが、現実逃避の側面があり、役に立たないとする声もあります。その点については、前回の記事「技術士試験の勉強仲間を作って先延ばしグセを克服しよう」で紹介しました。
「引き寄せの法則」が良い結果を招きづらいことからわかるように、「理想の自分」と「現実の自分」を比較することが大切です。引き寄せの法則が現実を変えないために、問題があるとするのであれば、「現実の自分の現状を確認する」というステップを踏むことで、結果はよりよいものに、近づきます。実際、理想的な自分を描くことは、成功のためには役立つと考えられており、スポーツ選手は、自分のプレーが成功するイメージを具体的に描いてから試合に臨むことが多いです。この「理想の自分」と「現実の自分」を比較することを「メンタル・コントラスト」と言い、海外の脳科学研究などでも注目されています。日本語では「脳内コントラスト」という訳語が当てられる場合もありますが、意味は同じです。ちなみに「コントラスト」は「対比」を意味します。
技術士試験の場合でも、試験開始から終了まで、すらすらと問いに答える自分を描くことは、合格を手に入れるための手助けになります。すらすらと問題がわかる自分を脳内で描いたあとは、今の自分に足りない部分、たとえば、「自分の今の知識では、この分野が弱いから勉強しておこう」など現実と照らし合わせることが大切です。メンタル・コントラストをうまく活用していきましょう。
2017年10月29日 作成 / 執筆:技術屋NR講師
第1回、第2回に引き続き、口答試験の準備として最優先にすべき「自分しかできないこと」についてお話したいと思います。
第3回・最終回は、「説明した業務の振り返り」についてです。
★説明した業務の振り返り
第2回で、「業務内容の詳細」について説明させられることについて紹介しましたが、その次にあるのが、説明した業務に関する質問です。
これには、大きく分けて、「その業務が技術士としてふさわしいかどうかの確認」と「あなたがどのようにその業務に関与したかの確認」になります。
前者は、第2回で説明した「技術士としてふさわしい業務」であることをきっちり理解しておけば回答は難しくないと思います。
後者については、説明した業務の細かい内容を思い出しておかなければ回答できないものがあると思います。
説明した業務が1年くらい前のものでしたら、細かいことも覚えているでしょうが、3年も4年も前の業務でしたら、きっと細かいことは忘れていると思います。
ですから、図面、計算書、報告書など、その時の業務に関する資料をチェックして、当時の記憶を鮮明に取り戻しておく必要があります。
ど忘れして、「えーっと...」と言っていると、「この人は、実際には深く業務に関わっていなかったのではないか」などと勘繰られる恐れがあります。
どんな質問がきても、ぱっぱと答えられるようにしておきましょう。
具体的には、以下のような質問が考えられます。
・このプロジェクトには、何名くらいいましたか?
・このプロジェクトの中で、あなたの役割は?
・このプロジェクトのどこが技術士としてふさわしいと思いますか?
・どんなところに苦労しましたか?
・失敗事例があれば紹介して下さい。
・このプロジェクトに関して、学会発表はしましたか?
・このプロジェクトに関して、特許は出願しましたか?
その他、業務の細かいところまで聞かれることもあります。私の場合、部品の形状の標準化について説明しましたが、「その部品の材質は何ですか?」という本論とは違うところで質問されたことがあります。
可能な限り、業務の細かいところまで思い出せるように資料のチェックをして下さい。
「備えあれば憂いなし」です。
皆さん、頑張って下さい。応援しています。
10月31日に、筆記試験が合格していたら、この3回分の内容をすぐに実施して下さい。
「口頭試験の準備、まずは...(第1回) 筆記試験の再現」、「口頭試験の準備、まずは...(第2回) 業務内容の詳細の見直し」もご参照下さい。
2017年11月17日 作成 / 執筆:技術屋NR講師
口頭試験の準備は順調に進んでいますでしょうか。
いよいよ、来週金曜日11月24日から始まります。
「想定質問の作成」、「想定質問に対する回答原稿の作成」をされていることと思いますが、回答原稿は、
大きな声に出して読んでみて下さい。
黙読したり、小声でぶつぶつ言っている時にはそれほどおかしいと思わなかったことが、背筋を伸ばして
正しい姿勢で大きな声で読んでみると、何かしっくりいかないことがあります。
それを直すために、何回も何回も原稿を見直す必要があると思います。
模擬面接とまではいかなくても、誰かに聞いてもらうのがよいと思いますが、聞いてくれる人がいなくても、
前に試験官がいるつもりで、正しい姿勢で大きな声でしゃべる練習だけでも、十分効果があると思います。
私は、模擬面接も受けませんでしたが、毎日、昼休みとか定時後に空いた会議室で、一人でしゃべる練習をし、
毎日、原稿の見直しをして、口頭試験前には、自分で納得できる原稿に仕上げることができました。
皆さんも、ぜひ、前に試験官がいるつもりで、背筋を伸ばして、大きな声でしゃべる練習をして下さい。
努力は必ず報われます。
頑張って下さい。
追伸
筆記試験合格発表の直前に、「自分しかできないこと」を優先してするように、第1回、第2回、第3回に分けて
お勧めしましたが、もし、まだ、できていなければ今からでも遅くないので、やっておいて下さいね。
2017年11月03日 作成 / 執筆:Lucky Ocean講師
10月31日に2次試験(筆記試験)の合格者が発表されましたね。
結果がABの人は、口頭試験の準備を入念に進めましょう。
結果がAAの人も、口頭試験の準備は進める必要がありますが、もう一つ欲張りませんか?
2年連続2部門に受験して、ストレートで合格しようと思ったら、スタートダッシュが
重要です。本格的な勉強は年明けになるにしても、総合技術監理部門の受験の決心を固めましょう。
筆記試験がAAの人は、それまでも入念に準備されて実力を有する方だと思います。作成した
技術ノートを見返したり、口頭試験の想定質問をリストアップしたり、それへの回答案を
作成したり、模擬面談をしたり、それだけでもう一杯いっぱいだと思います。
でも、面接は試験官からの質問に対して、結論+理由+補足の三段論法で回答するように
して、3義務2責務をしっかりと覚えていれば、AAの人はほぼ大丈夫!
ちょっと時間の空いている時に、本屋に行くか、アマゾンをアクセスして、総合技術監理の
対策本を2−3冊購入して11月中に読んでおきましょう。できれば、年内に総合技術監理部門
チャレンジのための作戦を立てましょう。
そのあとは、口頭試験の準備に集中して、それが終わったらちょっと休憩しましょう。
でも、ずっと休憩するのではなく、あらかじめ準備した総合技術監理部門へのチャレンジの
戦略に沿って、準備を始めましょう。日本技術士会では従来青本と呼ばれる総合技術監理部門
を目指す方のための教本を発行していましたが、内容が古くなり、かつ在庫もなくなったと
いうことで販売終了しています。
それでも、やはり青本は基本のバイブルです。青本をやはりしっかりマスターした上で、
最新の情報をネットや参考図書で集めて、その内容を理解しようとすると、やはり年末年始
あたりからスタートするのがオススメです。
口頭試験が終わってから、総合技術監理部門にチャレンジしようとしても、作戦を立てている
うちに年度末になって、結局は受験申込書を作成する段階から勉強を開始することになる。
でも、総合技術監理部門への理解が浅いので、十分にこなれた申込書(特に小論文)を書く
ことができず、トライしても、残念という結果になりかねない。
総合技術監理部門の勉強は後で良いので、その学習の戦略を年内目標に立てましょう!
そんなことをする人はきっと少ないでしょう。でも、だからこそ他の受験者よりも一歩先行
することで、受験というマラソンのスタート時期にはもうトップスピードで駆け抜くことが
できるのです。
ぜひ、口頭試験の記述がAAの人は、欲張って、現在の試験だけでなく、総合技術監理部門を
含めてダブルタイトルホルダーにストレートで勝ち取ってください。
以上
2017年11月25日 作成 / 執筆:技術屋NR講師
技術士法施行規則の一部を改正する省令案がまとまり、現在パブリックコメントが実施されています。
これから第二次試験を受験される方は、ご一読されることをお勧めします。
ここまで来ると、ほぼ確実に技術士法施行規則の改正が行われます。
2019年度から変更となり、まだ、来年度(2018年度)は、従来の制度で実施されます。
今年度、第一次試験を受験された方は、今、合格発表待ちの状況かと思いますが、
自己採点で合格点を取っている方で、経験年数があって来年第二次試験の
受験資格がある方は、すぐに第二次試験の準備を始めて下さい。
制度の変更内容をおおまかに言うと、「現在、マークシート方式で行われている必須科目が、
論文方式になる」ということです。
合格者数を確保するという意味で、極端に難しくなる(合格率が下がる)ことはないと
思いますが、文章を書くのが苦手な人にとっては辛い改正になります。
また、過去問がありませんので、どのように勉強すればよいか、手さぐりになってしまうことでしょう。
ですから、来年度に第二次試験の受験資格がある方は、ぜひとも、今から勉強を始めて下さい。
頑張って下さい。
2017年12月09日 作成 / 執筆:Lucky Ocean講師
技術士二次試験にチャレンジしている人へ
口頭試験はこの土日がピークのようですね。私も今日口頭試験にトライしました。会場となる渋谷のフォーラムエイトでは、約300人が入場できるオリオンホールを控え室にしていて、私が見ている時間帯だけでも100人を超える人が緊張した表情でスタンバイしていた。
口頭試験を突破のためのノウハウ
1)全てのスタートは申込書
2)試験官は筆記試験に合格点をつけてくれた人
3)模擬試験を繰り返そう
全てのスタートは申込書
技術士試験(二次試験)を受験するためには申込書を提出する必要がある。そして、そこには自分の略歴(5行)と業務詳細(720文字)を記載する必要がある。受験分野や受験科目をどこにしようかと迷いながら書いたりする。その専門分野への深い知識がまだない時点で書いた略歴と業務詳細をもとに審査するのがこの口頭試験だ。なんということだ。自分が書いた内容も今から書き直して良いと言われたら全面的に書き直したい。ポイントがわからない。論理が不明。工夫した点が伝わらない。試験官はそんなダメダメ資料を手元で見ながら厳しい質問をしてくる。もう覚悟するしかない(涙)。
試験官は筆記試験に合格点をつけてくれた人
しかし、あきらめるのは早い。その試験官はあなたの筆記試験に対して合格点をつけてくれた人だ。つまり、あなたを合格させようとしてくれている味方なのだ。敵ではない。したがって、試験官の期待に応える必要がある。試験官の立場に立って、試験官が理解できるようにあなたの略歴を説明して、あなたがどのような経験をしたか、どのように成長したかを理解してもらう。そして、業務詳細では、どのような課題に対して、何が問題だったのか、その問題をどのような方法で解決しようとしたのか。その解決方法は最適だったのか。そして、どのような成果を得たのか。口頭試験はあなたの経歴を評価するのではなくて、あなたの能力を評価するのが目的です。したがって、こんな仕事をしたではなく、自分はこんな能力があるので、このような課題をこのように解決した。なので、これからも社会の課題を解決する能力があります!ということをアピールする場なのだ。
模擬試験を繰り返そう
口頭試験では、いくら説明しても試験官が全く違う風に誤解することがある。そんな誤解がいっぱい発生するのを解きほどすのがコミュニケーション能力だ。しかし、自分と違う考えをする人がいることを理解することは難しい。一人で考えてもできるわけがない。唯一の方法は第三者に試験官になってもらって、模擬試験をすることだ。いかに自分の思い込みが強いかを毎回思い知ることになるだろう。また、誤解しやすい場所が分かれば、その誤解を解くための説明の仕方も見えてくる。模擬試験は最低でも3回はしたい。できれば4−5回ぐらいするべきだ。相手は、自分の奥さんでも、子供でも良い。素人が試験官になってくれると、もう思いっきり誤解をしてくるので大変参考になる(笑)。
合格発表は3月9日(金)
2016年度(平成28年度)の合格発表は2017年3月1日だった。でも、今日の案内資料を見ると、2017年度の合格発表は2018年3月9日だ。わずか1週間ほどの差だけど、ドキドキする時間が去年より長くなるのは辛いなあ。神様でも仏様でもなんでも良いので、なんとか合格しているのをお祈りするしかない。
来年に向けての戦略を立てよう!
控え室にはピークで100人ほどの受験者がスタンバイしていたが、そのうちの女性は1割ほどだった。女性の社会進出に期待が寄せられているが、技術士の世界はまだまだ女性が進出する開拓の余地がありそうだ。現在の二次試験の方法は来年度までだ。今回の口頭試験は失敗だと判断してリベンジを図るか!それとも、合格を信じてさらに次の部門にトライしてマルチホルダーを目指すか。いずれにせよ、合格発表を待ってから考えるのではなく、今日から来年度の目標を定めてスタートを切ろう。技術士試験はタイムリミットが決まっているので、スタートダッシュが成功の秘訣だ。
2017年12月16日 作成 / 執筆:Lucky Ocean講師
12月14日に日本技術士会のホームページで一次試験の合格者が発表されました。
合格された方!
本当におめでとうございます。でも、これはゴールではなく、スタートです。間髪おかずに二次試験にトライして栄冠を勝ち取りましょう。
全体で8,658名が見事合格され、その合格率は48.8%でした。部門別の特徴を見てみましょう。
1) 受験数の多いトップ5
部門別に見ると、やはり建設部門が圧倒的に多いですね。2番目が電気電子部門、3番目が機械部門です。
電気電子部門が2番目に多いというのは個人的には少し驚きでした。そして、4番目が上下水道部門、そして
5番目が環境部門です。この上位5部門の合格者が6,862人なので、全体の79%を占めています。20部門中
の5部門(25%)の合格者が全体の約8割でした。
技術部門 | 受験申し込み者数(A) | 受験者数(B) | 合格者数© | 合格率(C/A) | 合格率(C/B) |
建設部門 | 10,135 | 7,904 | 3,885 | 38.3% | 49.2% |
電気電子部門 | 2,639 | 2,074 | 940 | 35.6% | 45.3% |
機械部門 | 2,590 | 2,080 | 1,036 | 40.0% | 49.8% |
上下水道部門 | 1,597 | 1,307 | 654 | 41.0% | 50.0% |
環境部門 | 1,226 | 962 | 347 | 28.3% | 36.1% |
2) 男女の合格者
全申込者数22,425のうち男性は約90%、女性は約10%でした。先日の二次試験の口頭試験の控え室でも
男女比はほぼ9:1でした。ちなみに、合格率(C/A)は女性の方が少し高いが、合格率(C/B)は男性の方が
少し高い。まあ、誤差範囲でしょう。
技術部門 | 受験申し込み者数(A) | 受験者数(B) | 合格者数© | 合格率(C/A) | 合格率(C/B) |
全体 | 22,425 | 17,739 | 8,658 | 38.6% | 48.8% |
男性 | 20,079 | 15,813 | 7,732 | 38.5% | 48.9% |
女性 | 2,346 | 1,926 | 926 | 39.5% | 48.1% |
3) 合格率の高い部門
合格率(C/B)が最も高かったのは原子力・放射線部門の71%でした。2番目が経営工学部門、3番目が化学部門、
4番目が金属部門、そして5番目が航空・宇宙部門です。ただし、合格率(C/A)で見ると、どの部門も50%台なの
で、結局受験してもダメだと判断した人は受験を控えたので、結果的に合格率が上がっているとも見える。ちなみに
私は、電気電子部門の技術士ですが、一次試験では電気電子部門の合格率が低い(今回も4番目にむずい)ので、
合格率の高い経営工学部門にトライして見事にパスしました。これは戦術の成功かも。
技術部門 | 受験申し込み者数(A) | 受験者数(B) | 合格者数© | 合格率(C/A) | 合格率(C/B) |
原子力・放射線部門 | 151 | 126 | 90 | 59.6% | 71.4% |
経営工学部門 | 299 | 252 | 174 | 58.2% | 69.0% |
化学部門 | 308 | 245 | 166 | 53.9% | 67.8% |
金属部門 | 173 | 138 | 93 | 53.8% | 67.4% |
航空・宇宙部門 | 69 | 54 | 36 | 52.2% | 66.7% |
地区別や年代別や勤務先別、最終学歴別の受験者数や合格者数は日本技術士会のホームページ(下のURL)に掲載
されているので、ぜひチェックしてみてください。
https://www.engineer.or.jp/c_topics/001/attached/attach_1012_2.pdf
ぜひ周りの人にも技術士の受験を薦めて仲間を広げ、そして自らもチャレンジしてさらにステップアップしましょう。
以上
2018年01月02日 作成 / 執筆:Lucky Ocean講師
先の投稿で合格するには、次の3つの条件があると書きました。
1)志を持つ
2)計画を立てる
3)やり抜く力
やる気にはなった!計画も立てた。でも、日常の中でその計画にそった勉強を続けることがなかなか難しい。
仕事が長引いて夜遅く帰って、疲れたので食事してビールでも飲んで楽しそうなテレビを見ているともう
眠くなってお休みなさい。。。。なんてことが続くとそれが習慣化してしまう。かといって、その習慣を
変えることが簡単かといえば正直難しい。ではどうするか?
ズバリ言えば、試験勉強をルーチン化するのです。そのためには、勉強モードに
なる時間と場所の組み合わせを生活の中に組み込もう。例えば、
a) 朝はこれまでより1時間早く会社に到着して、会社の近くの喫茶店等で1時間勉強する。
b) 仕事が終わったら最寄駅の喫茶店等で1-2時間勉強してから家に帰る。
c) 土日は、図書館等で4時間勉強する。
こんな習慣ができれば、毎日3時間、週末は4時間なので週に23時間も勉強に集中できる。
しかも、この方法の良いところは、一旦習慣化すると、その勉強時間が長引く傾向にあると
いうことだ。朝早く起きるのは辛いけど、これも習慣化してしまえば苦にならない。最寄り
駅で勉強してから家に帰ったら、いつもの通りビール飲んで好きなテレビを見てリラックス
する。ただし、明日の朝に向けて少し早めにベッドに向かう。
さらに言えば、選択問題を解いたり、不正解だった問題の周辺情報を調べたり、技術ノートを
作ったり、記述問題にトライするには、やはり30分単位の時間が必要だけど、通勤時間や
移動中、ちょっとした待ち時間で生じる5分、10分の隙間時間があれば過去に説いた問題の
レビューや技術ノートの読み返しなどはできるだろう。
まとまった時間は、習慣化で確保し、さらに隙間時間を有効に活用すれば、志を持って立てた
計画をやり抜くことはそれほど難しいことではない。
ぜひ、勉強する時間と場所を習慣化してください。そうすることで、勉強を楽しみ、かつ合格の
栄冠を楽しむことも出来ます。
レッツトライ♫
2018年01月11日 作成 / 執筆:【ニュース担当】eastwest665講師
技術士を目指している皆さん、日々勉強していますか?
日々の勉強もいいですが、息抜きも重要です。勉強が続くとストレスなども溜まってきます。上手にストレスを解消し、継続的な勉強を続けることが合格へ続く道になります。
勉強の合間にできる気分転換を上げてみました。
散歩をして、小さなことに気が付く
散歩、特に早朝などは自宅の近くでも別の顔を見せることがあります。あれ、こんなところにこんな建物があったかな? こんな花が咲いている、などと普段気が付かないことに気づくことができ、ちょっと暖かい気持ちになれます。
散歩はちょっとした気分転換にもってこいと言えます。少し勉強がはかどらないと感じたら少し外を歩いてみることをお勧めします。
軽い運動
部屋の中でできるものから、自宅周辺での軽いランニングなど、勉強の合間に体を動かすと脳が活性化し、勉強にも集中することができます。このときに注意しなければならないことは、疲れるような激しい運動をしてしまうと勉強に戻ることができなくなってしまうということです。
ちょっと息が上がるかなというぐらいが丁度よい運動の目安です。
喫茶店に行く
勉強などができるような喫茶店やコーヒーショップなどで勉強をすると、周囲にも同じように勉強や仕事をしている人が多く、勉強に集中することができます。また、普段とは異なる環境に行くことで、様々な人を見かけることができます。他の資格の試験勉強や学生など様々な立場で頑張る人と同じ環境で自分は技術士試験を頑張るんだと再確認することができます。
自習室を利用する
喫茶店と同じような内容ではありますが、どうしても集中したいという人には有料の自習室の利用をお勧めします。
時間を決めて、この時間はどんなことがあっても集中するんだという決意をもって利用することができます。自宅だとどうしても集中できない、という人のための施設と言えるでしょう。
お金を出して一定時間そこを利用するということも集中することに一役買っています。
お金を出して利用するからには元を取らなければなりません。それは即ち技術士試験合格となります。
集中する方法は様々ですが、普段勉強している環境を変えてみる、少し別のことを行ってみるというのも勉強がはかどる仕掛けと言えるでしょう。
2018年02月23日 作成 / 執筆:技術屋NR講師
先の「第二次試験受験を決めたら、まずやること(第1回:業務の棚卸)」に書いたように、
「業務内容の詳細」には、受験する部門・科目に関する、応用能力・課題解決能力があることを
書く必要があります。
技術士第二次試験を受験される皆さんは、今までいろんなプロジェクトに参画して来られたことと思います。
さて、では、その多くのプロジェクトの中から、どのプロジェクトを選ぶべきでしょうか。
「受注金額の大きいプロジェクト」でしょうか?
「公共施設的プロジェクト」でしょうか?
筆記試験に合格した際には、この「業務内容の詳細」に書いたプロジェクトについていろいろ聞かれますので、
応用能力・課題解決能力があることを説明しやすいプロジェクトを選びたいところです。
試験官が聞きたいのは、「プロジェクトの成果品」についてではなく、そのプロジェクトに皆さんがどのように関わったか、
皆さんが技術者個人としてそのプロジェクトでどのように応用能力・課題解決能力を発揮したかが聞きたいのです。
受注金額が小さくても、皆さんの創意工夫が成果として表れているプロジェクトについて書くのが良いと思います。
実際に、いろいろ苦労して、いろいろ考えて、その結果成功した、多分、皆さんの一番思い入れのあるプロジェクトに
ついて書くのが良いと思います。
皆さんの、一番印象深いプロジェクトは何でしょう?
2018年03月07日 作成 / 執筆:技術サムライ講師
業務経歴票の業務詳細は、720字以内で記します。
たかが720字、されど720字です。
簡潔に書くには字数が多く、詳しく書くには字数が少ないと感じるでしょう。
この720字は、まず120字+600字に分けてみてはいかがでしょう。
120字は、業務の概要、自分の立場や権限、その業務に係った人員などを書くと良いでしょう。
つまり、その後の600字を採点官に読んでもらうにあたっての前提条件に使います。
さて、120字で、どれくらいのことを表現できるかです。
Microsoftのワードでは、標準設定で1行40字になっています。
つまり、3行で採点官と受験生(あなた)との共通認識をつくりあげます。
つぎに600字の考え方です。
技術士試験は、業務詳細もメインとなる箇所は600字、筆記試験も600字1枚、600字2枚、600字3枚、総監試験が600字5枚と、600字ばかりで構成されています。
この600字を4つに区分し、まずは、概ね150字ずつで構成していきます。
この4区分は、(1)業務の背景や課題、(2)問題点、(3)対応策、(4)結果と今後の展開、のようにメリハリをつけます。
(2)の「問題点」のいかに見出すか、(3)の「対応策」を講じるにあたっての着眼点や創意工夫が、技術士としての腕の見せ所です。
そして、表現が難しいところです。
とくに、本稿で「問題点」としている用語は、技術的問題、技術的障壁、原因、真因、ボトルネック、技術的な難所、技術上の壁、第2の問題(ほんとうの問題)とも言われることがあり、多くの受験生が、理解に苦しむところです。
ですから、じっくりと時間をかけて理解したいところです。
ぜひ、良質のテキストや、先輩技術士からのアドバイス、対策会社を上手に利用して、120字+150字×4区分をまとめてみてください。
2018年03月01日 作成 / 執筆:Lucky Ocean講師
平成30年度の筆記試験を受検する人へ
技術士二次試験の受験要領は日本技術士会のホームページに掲載されています。
次のURLでも内容を確認できます。
https://www.engineer.or.jp/c_topics/005/attached/attach_5482_1.pdf
そして、最初の関門は受験申込書の提出です。受験申込書は4月2日から配布され、
申込書の受付期間は、4月9日(月)から4月25日(水)までです。受験申込書類は、
日本技術士会に持参する方法もありますが、基本は書留郵便での郵送です。ここで
記載した経歴や小論文は12月頃に実施される口頭試験で使われるので、十分検討して、
周りの専門家やプロに相談して、見てもらって、修正してから提出することをお勧めします。
申込書を提出したら、必須科目と選択科目の試験準備です。今日は、その中でも
特に問題IIIの選択科目の為の思考トレーニングについて書きます。選択部門や科目や
年度によって多少のばらつきはありますが、選択科目の問題IIIの典型パターンは
何かのテーマを設定し、その特徴と、課題と課題への対応策を書かせるものです。
その場合にも単純な設定ではなく、たとえば老朽化が進むインフラの保守をIoTの
技術を活用して改善する場合とか、高齢化する社会において自動運転の技術を活用
した交通システムを導入する場合とかです。そのような場合に対処するうえで、
後者の事例であれば、自動運転の特徴を示し、その課題を示し、それに対する対策
を記述するように求めるというものです。
こういったことを普段考えたことのない人にとっては、お手上げになったり、
頭が真っ白になったりするようなこともあるかもしれない。しかも、合格点を取る
には、その特徴と課題と解決策をバラバラに思いつくままに記載するのではなく、
それぞれに関係性や連続性を確保し、全体として一つのドラマの脚本のように
仕上げる必要があります。
ここで、肝になるのは特徴ではなく、課題でもなく、解決策だ。本質的な解決策を
どこまで説得力を持って書き上げることができるかが問われます。そして、その解決策
を導く布石となるのが、その前段である課題であり、さらにその前段になる特徴です。
したがって、キーワードを思い出すときには、ランダムでも仕方がないが、整理する
ときには、解決策から逆算するテクニックがとても重要です。
そして、最も重要なことは、社会的な課題に対して、どのように解決すれば良いのか、
その解決方法には欠点はないのか、その欠点をカバーするにはどのような留意点が
あるのかをいつも考える癖をつけることです。
たとえば、新聞を読むといろんな記事が出ています。テレビの報道番組を見ていると
いろいろな事件を解説しています。それを自分なりに、整理して、課題を掘り下げて、
解決策を深掘りする癖をつけることです。
また、そんなことを頭の中で思考するだけではなくて実際にアウトプットしてみる
ことです。お勧めは、ブログを開設して、トピックを決めて、情報を集めて、書いて
みることです。ブログを解説しても、それほど多くの人が読んでくれるわけではないです。
しかし、少なくともあなたはいつでも観れます。最近ならパソコンでもスマホでも
簡単に投稿できるし、閲覧できます。実名を出しても良いし、匿名でも良いのです。
たとえば、先日、飛騨の白川郷を訪問した時に感じた特徴と課題を次のURLのブログ
に記載しました。別にテーマはなんでも良いのです。
http://hiroshi-kizaki.hatenablog.com/entry/2018/02/26/150414
ブログに自分が感じた社会的な問題の特徴を整理して書き、課題を書き、そして、
その課題を解決するための方法論を書き、その方法論を実施する上での留意点を
書く。そんな練習を何度もなんどもすることで選択科目の問題IIIを解凍する能力が
確実に養生されます。
ぜひトライしてみてください。
以上
2018年03月12日 作成 / 執筆:Lucky Ocean講師
技術士二次試験に見事合格された方
おめでとうございます。これも日頃のあなたの努力が実ったものです。
そして、同時にあなたを応援してくれた先輩、同僚、そして家族・友人
に恵まれたのもあなたの人徳です。喜びを満喫しましょう。そして、
落ち着いたら、次を目指しましょう。狙うは連続合格です。受験の
熱が冷めないうちに、受験のノウハウを掴みかけたこの時期に連続して
受験して、合格して、その実力を確実なものに磨き上げましょう。
今回の受験で残念だった方
今回の口頭試験の結果を見ると、筆記試験が難しく合格率の低いところ
は比較的口頭試験はパスしてくれるけど、筆記試験の合格者が想定以上に
多いところは結構厳しくチェックしている傾向を感じます。したがって、
やはりまずは自力を高めることです。もしくは、実力も経験もあるけど
技術士試験に対する取り組みのコツがまだ見えていないだけかもしれない。
前者の場合でも、後者の場合でも、まず大切なことは知らないことを知る
ことではないでしょうか?知ったつもりでいるのが最もよくないです。
なぜいけないのかというと、知ったつもりでいると、それ以上調べたり
深く考えたりしないからです。なので、まずは自分は何を知っていて、
何を知らないかを謙虚にそしてシビアに振り返りましょう。そして、
技術士としてマスターすべき専門分野のキーワードの中でよく分からない
ものをリストアップして、技術ノートにまとめていきましょう。技術ノート
をまとめていると、さらに分からないことが出てきます。分からないことが
わかると、次々に興味が広がり、疑問が深まり、それをどんどん紐解いて
いるうちに実力がアップしていくのです。また、知識は1対1の関係で理解
するようもN対Nの関係で、いろんなものがいろんな側面で関係しあって
いることを理解することでさらに深く理解できます。それがプロだと
思います。
今回、合格した人も、残念だった人も、2018年度は現行の試験パターンで
受験できる多分最後の年度です。是非そのチャンスを生かして栄冠を勝ち
とってほしいと思います。
頑張ってください!2018年度の合格を祈念します。
以上
2018年04月01日 作成 / 執筆:Lucky Ocean講師
日本技術士会のホームページにて、平成31年度より技術士試験の実施内容が変更されることが正式に展開されています。
技術士を目指す人は、新しい制度になる前の最後のチャンスである今年度に是非技術士の資格取得を目指して欲しい。
新制度への変革時期は、意外と合格率が高かったりする面もあるが、一般には問題の予想が難しいです。
大切なことは、自らの専門分野を磨くことと、なぜ技術士の試験内容が変更したかをよく理解することではないでしょうか。
日本技術士会のホームページに掲載されている内容を見ると、その目的を整理すると次の4つです。
1) 時代の変化への対応
2) 高い専門性と倫理観を有する技術者の育成・確保
3) 技術士の資質向上と技術士制度の活用
4) 技術士資格の国際通用性の確保
そして、技術士試験の変更の大きな特徴は次の点です。
1) 必須科目を択一式問題から記述式問題への変更
2) 採点配分の変更(同時に回答枚数や時間配分も変更)
平成30年度まで 平成31年度以降
必須科目(技術部門全体にわたる専門知識) 30点 40点
選択科目(専門知識及び応用能力) 40点 30点
選択科目(課題解決能力) 40点 30点
3) 専門部門とその科目の再編成
詳しくは日本技術士会のホームページ参照願います。
つまり、専門部門については、選択科目だけではなく、同じ部門の他の選択科目に
ついての専門知識もより重視するということになります。科目数の多い部門と少ない
部門があります。皆さんがチャレンジする部門がもし、科目数の多い部門であれば、
より広範囲の専門知識を厳しく問われると理解すべきでしょう。
まずは、今年度の技術士試験に全力を尽くしましょう。
以上
2018年04月02日 作成 / 執筆:タートル講師
技術士第二次試験の受験申込書の配布が始まりました。
これまで技術士ニュースを通じて何度もお伝えしたように、受験申込時に作成する「業務内容の詳細」は、口頭試験における主要な資料となります。
「とりあえず、このくらいで」という安直な気持ちで作成・提出することは厳禁です。必ずしっかりと作り込んでください。
今回は「業務内容の詳細」をどのような構成で作成すれば良いか、一例を紹介します。部門により何を詳しく述べるのか等、比重の置き方も違うかと思いますが、参考になれば幸いです。
1.立場と役割(2~4行程度を目安に)
当該業務について、自分がどのような立場で、どのような役割を果たしたのかを記述します。業務の概要も記載して、業務全体のイメージがわかるようにしておくと更に良いです。
2.技術的課題(5~7行を目安に)
業務を遂行するにあたり、支障となり乗り越えないといけなかったことを記述します。例えば工事で掘削を進めていたところ、当初は想定していなかった脆弱な地層が出現したので、斜面崩壊を防止しつつ工期内に工事を完了させる必要が生じた、というような事です。
3.技術的提案(5~8行を目安に)
技術的課題を解決するために、あなたが提案したことを記述します。単に「こういうことを提案しました」ということではなく、「(課題の原因となる事象は)〇〇によるものと推測した。それを解決するためには□□が必要だと考えた。そこで私は△△の実施を提案した」というように、提案に至るプロセスを含めて記述してください。
4.技術的成果(3~4行を目安に)
提案内容を実行した結果、どうなったのかを記述します。必要に応じて、現時点における評価や今後の展望についても記述します。
720字しか記述できませんので、業務について総花的に紹介するのではなくて、課題や提案を1点か2点に絞り込むことが大切です。
*各種対策講座を行っています。講師ページから詳細を記したファイルをダウンロードできますのでご覧ください。
2018年04月07日 作成 / 執筆:技術サムライ講師
総合技術監理部門の択一問題は全部で40問あり、これが経済性管理、人的資源管理、情報管理、安全管理、社会環境管理の5つの管理に均等に割り振られ、一管理分野あたり8問出題されます。
このうち人的資源管理が、いわゆる青本でのページ数、キーワード数とも最少であり、覚えるべきことが少ないため、従来は、最も点数が取りやすい分野でした。
しかしながら、平成29年度試験の人的資源管理の問題8問をみるかぎり、難化傾向が認められます。
その原因のひとつに、労働関係法規が頻繁に法改正が行われ、それらが問題文に反映されているためと言えます。
このため、単に過去問を繰り返しているだけでは、思わぬ取りこぼしをしてしまうことになります。
例えば、平成27年度試験では、労働基準法や育児・介護休業法に基づく問題において、「会社は、男女にかかわらず子供が1歳に達するまで休業できる育児休業制度を設けなければならない。」として、出題当時には、適切な選択肢が出題されています。
これは、平成29年10月1日に、「原則1歳までである育児休業を6ヵ月延長しても保育園に入れない場合に限り、更に6ヵ月(2歳まで)の再延長ができる」ことになったため、仮に現時点で同じ文章が出題されると、不適切な選択肢となります。
平成29年度試験でも、問10や問14や問15で、時事的な選択肢が含まれているため、全体として難しい分野となっています。
そこで、人的資源管理の8問では、法改正や統計情報に変化がないか、気に留めて対策し、取りこぼしを防いでください。
2018年04月23日 作成 / 執筆:Lucky Ocean講師
二次試験にチャレンジする人へ
皆様はもう受験票を出しましたか?正直、悩んでいる人もいらっしゃるのではと思います。
私も4部門目のチャレンジをしようかどうかずっと悩んでいます。昨日、なんとか、受験票
を作成したけど、今お財布にキャッシュが1万円しかないので、郵便局に行く前にお金を
下ろさねば。その前に写真が必要だ。今日は無理だなあ。明日にしよう。
そんな風にギリギリになって提出する人も多いかもしれない。でも、最初の受験の時は気合い
が入っていて、3月中には受験票の内容を精査して、4月の受験票申し込みの受付開始早々に
申込書を送付しました。
早く出せばその分、早く筆記試験への勉強を本格的に開始できるので有利なのは間違いない。
でも、無理に急いでも内容が不十分だったり、ミスがあると意味がない。早く出そうとギリギリに
出そうと大切なことは、7月15日の筆記試験に向けての勉強にギヤチェンジすることです。
具体的な勉強方法については、これからシリーズで書いていきたいと思います。
対策1)必須科目I(択一問題)への対応
対策2)選択科目II(記述問題)への対応
対策3)選択科目III(記述問題)への対応
私も覚悟を決めるので、一緒に頑張っていきましょう!
2018年04月28日 作成 / 執筆:Lucky Ocean講師
選択科目II(記述問題)は時間との勝負
技術士試験が難しいと言われるのは、やはり記述式問題のせいだと思います。平成31年度からは択一問題もなくなり、二次試験の筆記試験は全て記述問題となります。その中でも、この選択科目IIは、600字の解答用紙4枚を2時間で書ききる必要があります。つまり、600字の解答用紙1枚を30分で書く必要があります。これって結構大変です。
技術ノートの活用
では、どうすれば30分で600字を書き切ることができるのか。そのためには、まず自分の専門分野で重要なキーワードを100個ほど抽出して、それぞれのキーワードの概要(特徴)と課題とその解決策などを技術ノートとして作成しましょう。自分はA4のパワーポイントに枠組みをつくってそこにネットで調べた内容をどんどん書いて行きました。だいたい、900文字相当の情報量があります。最初はこの技術ノートを見ながら、そのキーワードの概要や課題、解決策を600字の解答用紙に書くのです。最初は30分は目安でいいです。文字として、書いて行こうとすると、書きやすいものと書きにくいものがあります。書きにくいということは整理されていないということなので、どうすれば分かりやすいのか、大切な論点が抜けていないか、課題と解決がバラバラになっていないか。そんなことを気にしながら技術ノートを改定します。そして、その改定版を見ながら、また600字の解答用紙に30分で書くのです。今度は最初の時より数段書きやすくなっているでしょう。そんなことを100個のキーワードに対して繰り返していると、技術ノートのまとめ方のコツや、解答用紙への書き方のコツが見えてくるものです。3回目には、技術ノートを1分ほどよく読んだら、技術ノートは裏返しにして、本番のつもりで600字の解答用紙に手書きで書いて行きます。そして、30分経過したらストップ。そして、技術ノートを表にして、自分で自己採点します。記述のロジックは明確か、キーワードは抜けていないか。そんなことを繰り返していると30分で書ききる能力が身につきます。
2枚ものも1枚もの×2と捉える
選択科目IIでは、通常知識を問う1枚ものが2つと、応用能力を問う2枚ものが1つに解答する必要があります。でも、600字で書くテンポやコツを身につけたあなたにとっては、2枚ものの問題も課題や解決などをブレークダウンすれば良いのです。前半書くべきことと、後半書くべきことをまず整理して、前半書くべきものをさらにブレイクダウンします。設問が求めている内容に基づいて解答すべき内容の構成を考えて、それぞれに欠かせないキーワードを思い出します。そして、解答用紙には、割り当てたスペースに基づきながら、タイトルとサブタイトルを書いて行きます。そして、試験官に理解してもらえるように分かりやすい図表を書きます。
本文を書くのは最後
解答用紙にタイトルとサブタイトルと図表を書いたら、そのスケルトン(骨子)を元に、試験官に対して説明するつもりで、声を出さずに説明するのです。いわば、書く前のシミュレーションです。600字の内容を(無音)で読むのに必要な時間はわずか数分です。そして、一度無音で説明して、違和感を感じた部分があれば、その点を修正します。修正するとと言っても、まだタイトルとサブタイトルしか書いていないので、修正は簡単です。そして、これで大丈夫と思ったら、無音で説明した内容をもう一度文字として書いていくのです。実際に書く時間は、1文字1秒としても、10分ほどです。実際は、すでに、タイトルとサブタイトルと図表が書けているので、7-8分で十分でしょう。
ウォータフォール型からアジャイル型
解答用紙の最初から順番に書いて行くのが、ソフト開発のウォータフォール型だとしたら、私が提案しているのはアジャイル型です。つまり、設問の主旨に基づいて全体の構成を考える。そしてタイトルやサブタイトルとキーワードを考えて、タイトルとサブタイトルを解答用紙に書いていく。そして、理解を助けるための図表を書く。次に、無音で説明してみる。最後に、その内容を文字として書いて終わり。
アジャイル型のメリット
最大のメリットは論理を明確にしやすいこと。骨子を決めて、そこから肉付けするので、試験官も理解しやすい。また、受験者にとっても、大枠を書いて、図表を書いているうちに、忘れていたキーワードなども思い出しやすい。一度無音で説明するので、文字となる内容は他の受験生の解答よりも一段こなれたものになりやすい。つまり、合格しやすいということです。
是非頑張ってください。