技術士2次試験 問題と課題の違いを明確に

2019年06月02日 作成 / 執筆:スチールマニア講師 / 閲覧数: 3,425

数多くの論文を添削すると、論文の執筆方法のルールを勉強した方がいいと感じる方が多くいます。

 もっとも大事なことは、出題文を読み解き、聞かれている事項にしっかりと答えるということです。

 具体的な例を挙げます。

問題文(1)である事象の背景とその背景から考えられる問題点を挙げよ。

問題文(2)で、その問題点から解決すべき課題を挙げよ。

 

という問題があったとします。

ここで、問題点と課題を同じことだと考え、(1)で挙げた問題点を、

そのまま課題として挙げる方が非常に多くいます。

あえて、問題点と課題を異なる問題文で問われているのですから、

それぞれに合う表現で記述しましょう。

 

問題と課題をそれぞれ辞書で調べてみます。

問題

①問いかけて答えさせる題。解答を要する問い。
②研究・論議して解決するべき事柄。

課題

題、または問題を課すること。また、課せられた題、問題。

辞書の意味だと、ほぼ同義として受け取れます。

 

しかし、ビジネスシーンではこの二つの言葉をはっきりと使い分けているのです。

問題:ネガティブな影響を及ぼすもの(ネガティブな表現)

課題:ネガティブをポジティブに変換するために成すべきこと(ポジティブな表現)

 

と分ければ、非常にわかりやすいでしょう。

具体例を挙げます。

<背景>

少子高齢化が進み、日本の人口は減少の一途をたどっている。

しかしながら、東京オリンピックやリニア新幹線などのビッグプロジェクトが進行中であり、

進めるべき業務が多い。働き方改革により、業務時間が制限されるなどの制度もある。

<問題点>(ネガティブな表現)

・技能労働者の減少

・工期遅延

<課題>(ポジティブな表現)

・生産性を向上させる

 

いかがでしょうか?働く人が減り、働く時間が減り、その結果工期が遅れてしまうという

ネガティブな状況を、生産性を向上させるというポジティブな思考で、解決できないでしょうか?

そして、この後に続くのが、課題を実現させるための具体的な解決策を示すのです。

 

このように、問題文にある言葉の意味を正確に把握し、

解答すべき内容にズレがないように記述しましょう。

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