2021年02月02日 作成 / 執筆:技術士システム【運営者】講師
自己紹介
技術士補の資格取得期間を含めて足掛け15年間、技術士試験に携わってきました。二次試験の戦績は通算3勝8敗(上下水部門3敗、総監部門5敗、機械部門0敗)で、自身の一番の自慢は3勝の結果では無く、「8敗から学んだ経験」であり、これが最後に受験した機械部門の一発合格をもたらす結果となりました。
勝負事で大切なことは成功の秘訣よりも失敗の経験を通じて「絶対にやってはいけないこと」を認識すること。これは成功のプロセスにはその時の運勢やその人自身だけが持ち合わせている要素も含まれ、参考にできないケースが存在するのに対し、失敗の経験は単にその真似さえしなければ良いだけで、誰もが参考にできるからです。
自身の数多くの「失敗の経験」を添削指導や出願対策を通じて受験生の方々にシェアし、合格のお力になれればと思っております。どうかよろしくお願い致します。
SNSアカウント
(SNSアカウントは設定されていません)
現在の所有資格
機械部門
上下水道部門
総合技術監理部門
受講生への応援メッセージ
唯一、合格の秘訣をここで語れるならば、それは「逃げない」、「負けない」、「諦めない」の精神を常に持ち続けることです。「現実から逃げる」、「自分自身に負ける」、「諦めてしまう」ことさえしなければ、命ある限りその道は永遠に続いて行きます。これは試験のみならず、人生の中で経験する全てのチャレンジに通じるものです。どうか、この3つの精神を胸に抱いて一緒に戦って行きましょう。
出願対策と指導
可:
口頭試験を受験する際に最も重要な業務経歴証明書中の「業務内容の詳細」の記載方法を中心に指導します。
筆記試験対策と指導
可:
模擬試験や練習問題のご解答に対し、朱書きでの返信もしくは、ご希望あればON-LINEで指導します。
口頭試験対策と指導
可:
ZoomやLINEを用いたON-LINE方式で模擬試験を行い、ご自身の弱点を改善していきます。
受付支払い方法
料金表
有料(料金は相場の金額を基に要相談。ご要求されている指導の内容に委ねられます。支払い方法も要相談)
その他
指導可能な部門は上下水道部門、機械部門、総合監理部門ですが、その他の部門を受験される方でもご相談に応じます。先ずはここで公開させて頂いているLINEのアカウントにお問合せの内容をご送信願います。
登録
2021/01/30
2025年05月24日 作成 / 執筆:アニ-講師

「キャッチ-な見出し文に工夫する」
前回の投稿で「採点者は、答案数が多すぎて心理的に読みたくない。」ことに関してお伝えしました。では、どのように記述すれば、採点者は読んでみたくなるかについて以下に、私の私見をご紹介したいと思います。
1. 眼にとまる見出し文に工夫する。
解答答案はパッと見て、読んでみたくなるように採点者が関心をひくタイトルで眼にとまるように工夫することが大切です。この際、以下に留意し例1~例4に示すようなタイトル表現に工夫して下さい。建設白書や業界関連雑誌等の最近トレンドを自分なりの意見として表現、目新しさや期待感を引き出すことがポイントです。
• 抽象的すぎず、記述内容の焦点を明示する。
• 技術的キーワード(課題、解決策、今後展望、リスク対応など)を視覚的に示す。
• トレンドを意識、キャッチ-(着目しやすい、なじみやすい、受けやすい)な見出しで印象付けを行う。例えば、以下のようにタイトル化してます。
(例1)課題:担い手不足⇒「ダイバ-シティとインクル-ジョンの進展」
(例2)課題:新交通システム⇒「地域資源のマルチタスク化」
(例3)課題:国土防災⇒「グリ-ンインフラの社会的実装」
(例4)課題:メンテナンス⇒「インフラ群再生戦略マネジメント」
2. 見やすい見出しにより論理展開を斜め読みで採点者へ伝える。
答案の見出し文は、あえてある程度一定間隔となるように意図的に配置し、見出し文を斜め読みできるように記載します。斜め読みにより、解答文の論旨展開や内容が素早く、本文を読まなくとも概略的に採点者へ伝達することが重要であり、その際、以下を考慮することが大切です。
• 見出し、小見出しで段落を整理(太字やアンダ-ラインで視覚的強調)
• 論旨展開を明確化(題意に沿い背景⇒課題⇒解決策⇒リスク⇒今後方針や方向性⇒展望⇒技術者倫理)
• 各タイトルは記述ポイントを絞りこみ、その内容は箇条書きで分けて整理
• 図表を有効活用して、情報をさらにわかりやすく視覚化
3. わかり易い表現にする。
採点者は受験分野の専門家とは限らないです。専門用語や難解な表現は必要最小限にとどめましょう。必要な場合には、わかり易い説明文や異なる表現にするとわかりやすいです。
4. 結論に納得感「なるほど」を創り出す。
結論の部分は、「結果の有効性」「今後の課題」「実社会への応用可能性」などに触れ、題意に対する解決案が納得できるものであることが不可欠です。自身の見識に基づき、自分の意思を伝える見出し文に工夫下さい。 準備解答文に作成に参考となれば幸いです。 (以上)
2025年06月07日 作成 / 執筆:アニ-講師

「多面的とは、ひと、もの、かね&技術」
必須問題等において、「技術者としての立場で多面的な観点から解決策を述べよ。」という設問があります。今回はこの多面的な観点についてどのように捉え、組み立て、解答記述すれば良いか、私の私見について以下に紹介したいと思います。
1. 多面的な観点とは?
多面的な観点とは、一つの視点や要因だけでなく、さまざまな角度、立場、分野から問題を捉えて、総合的に考えることを意味します。
2. どのような観点なのか?
例えばあることに対する解決策に言及するとした場合、その方策は一つだけに限定されるものではなく、複眼による総合的であることが必要です。これを構想するにあたってはシンプルに捉え、次の点から考えてみてはどうでしょうか? 何かを実現しようとする時は必ず、いわゆる「人・物・金・技術等」に代表される資源が必要です。したがって、「多面的」の設問に対しては、必要な資源である「ひと・もの・かね・技術」と紐付けて、考えてみると構想しやすくと考えます。
3. 多面的な観点、思考の利点とは?
多面的な観点による思考の利点は、以下が挙げられると思います。
・多様な利害関係者の視点を網羅できること。 ・一方的でなく、偏りがなくバランスが図られた提案ができること。
・1つの策の限定や依存がなく、リスク分散につながること。
・総合的な見解であることから読み手の納得感を得やすいこと。
4.資源として捉えた記述(案)
必要とされる多面性を各資源について記述するとした場合、以下を参考にイメ-ジ、論述してみてはいかがでしょうか。
1) 人的資源:ひと 解決策遂行に必要な人材や集団像、人材の確保・育成、人材教育方法、組織構成
2) 設備資源:もの 必要インフラや社会的制度、最新設備やシステム、リテラシ-
3) 財源:かね 中長期的投資財源、捻出及び配分方法、投資優先順位、コスト経済性、効率性
4) 技術資源:やり方 期待新技術と効果、現行システムの改善性、信頼性、性能、省人化、導入・普及
5) 社会・環境資源:まわり 関連法令の整備、コンセンサスの獲得、顧客影響、省力化、省資源、SDGs
5.施策展開とリスクは表裏一体
現在、展開中あるいは今後推進が予想される施策等については、リスクが必ず潜在しています。例えば、以下がその例として考えられます。
① 「人材は確保できたとしても、技術習得に長期間を必要とする。」
② 「集中した設備投資が必要であるが、初期投資負担が多きすぎて実現が難しい。」
③ 「新技術は開発したが、需要促進の社会的仕組みが不十分である。」
など、施策展開とリスクとは、表裏の関係にあることを認識することが肝要です。 「解決実行に対し、改めて新たに生じるリスクと対策」の設問に対しては、リスクは新たに生じるのではなく、元来、潜在しているものなのです。 言い換えると潜在リスク(課題)をどう解決していくかという言及が求められていることを意味しており、解消できない課題やリスク項目は必ずあるもので、それについてどの資源を配分していくかを考えるとイメ-ジしやすいと思います。
6.技術研究・開発はかくし玉
上記で示したようにどの極端に言えばリスクが伴わないものはありません。例えば、技術開発等の「トップランナ-方式」に代表されるように、「これで完結!」ということは無いに近いと思います。絶えず新しい革新的技術開発は社会的ニーズとして存在しています。
したがって、リスクや新たな対応策等を記述する場合は、日進月歩で要求される「技術研究・開発の側面」からアプロ-チする記述方法が、イメ-ジしやすく、どの分野・項目においても「的外れの解答になることはない」と考えます。 技術研究・開発については、終点はないのでどんな観点からもその必要性を訴えることは「正論」であると思います。
万一、本番でキーワ-ドが思い浮かばない時は、潜めておいた技術研究・開発(:「かくし玉」)を多面性表現のテクニックとして活用する方法をお勧めします。 (以上)
2025年06月21日 作成 / 執筆:アニ-講師

「モチベ-ション・コントロ-ル」その2
前回は「モチベ-ション・コントロ-ル」その1を紹介しましたが、今回はその2について、私の経験からの方法についてお伝えしたいと思います。
1.聴力の活用
学習の習慣化の例として、自分にあった方法をパターン化する方法があります。 パターンが習慣化すれば、学習への心理的な負担が減ります。私は暗記、記憶の際は 準備論文を自分の声でICレコ-ダ-に録音し、通勤等時間に常に3倍速でくり返し聞くことを習慣化しました。すなわち聴力を活用し、知らず知らずのうちに脳に記憶させ、思い起こす時、必要とする語彙が言葉として自然と出てくるようになります。個人差はあると思いますが是非、試してみて下さい。自身で作成したノートやメモと併用することで、記憶を脳のなかで画像パネル化することが可能となり、試験本番で自然に記述する語彙が出てくるようになります。
2.集中できる時間帯設定
自分は早起きして勉強するのが向いているのか、夜のほうが集中できるのかは個々のライフスタイル等によって異なります。自分に合わないパターンの時間帯に勉強をしようとしてもうまくいきません。両方試してみて、合っているほうを選択するとよいでしょう。私の場合は「朝」です。 朝のさわやかさと自分自身のための静寂な時間は、何十年来、私にとって貴重な時間を与えてくれています。また、仕事とパーソナルとの時間を切り替えることができ大切にしています。受験者諸氏はベストな時間帯を見つけて下さい。
3.音読
口でアウトプットしながら耳で聴く、音読を活用しましょう。書くだけの学習方法やアプリのみの学習に頼らず、目、耳、口、そして書くことを活用しましょう。周囲の迷惑にならない場所を見つけ、音読のメリットを引き出しましょう。散歩が苦手でない人は散歩しながらの音読は、周りに迷惑をかけることがないし、歩くことで脳への刺激になると言われています。
4.勉強時間の記録
自分を肯定することは、学習継続のために大切な要素です。自身の取り組みを客観的に把握するために、手帳やメモに勉強した時間を記録してみましょう。忙しいにもかかわらず、工夫して目標勉強時間を確保したことを積み重ね、自信と自己肯定につなげましょう。
5.アウトプットの方法の工夫
学習したことはできるだけアウトプットにつなげましょう。例えば作成した準備論文を誰かに説明する状況 を意識し、社内でのプレゼン資料に応用したり、想定設問した骨子法を利用したイメ-ジトレ-ニングにより、ノートにアイディアを書き出すなど、より実践的な取り組みを工夫してみましょう。
6.目標宣言
技術士受験を目指していることを、周囲の方々へ宣言するのもひとつの方法です。少し勇気が必要であり、宣言しにくい場合でも家族には確実に伝え、受験準備への協力を仰ぐとともに、自身の取り組み姿勢や緊張感を家族へ示しさらに自主性を高め、自分を奮い立たせるトリガ-にしましょう。
7.取得後の活用を具体化
資格を取得したらどのように活かすか、自身のキャリアへの影響を考えてみましょう。役職や年収が上がるなど、モチベーションにつながるイメージを描いてみて下さい。 なりたい自身のイメージ像が明確だと、それに向かって努力がしやすくなりますし、そのため努力に対する労力を軽減できると思います。
8.学習環境
集中しやすい環境は人それぞれです。しかし、勉強専用のスペースがあったほうが他のことに気を取られないため、集中しやすいです。部屋の一角に勉強スペースを設けたり、集中しやすい環境づくりを目指して下さい。 時には、学習場所をあえて変えて、図書館、カフェ等で高校生や大学受験を目指す学生のなかで、周りから自分に通常ではない刺激を与えてみるのも、非日常的で以外に効果的かもしれません。
今回は「モチベ-ション・コントロ-ル」その2について紹介しました。本人が楽しんで実践できるのが理想です。いろいろ、トライして適した方法を見出していただければと思います。難関な技術士試験を目指す諸君です。究極的には「できない自分を恥ずかしく思う!」ぐらいの強い、意志をもって挑んでいただき、合格を手中にしていただくことを願っています。 (以上)"
2025年07月26日 作成 / 執筆:アニ-講師

「再スタ-ト」
技術士第2次試験を受験された方、お疲れ様でございました。試験が修了しご自身の身体から魂が抜けたような状況の方もいらっしゃることでしょう。記述できたところ、そうでないところ、個々様々ではあると思いますが、できるだけ口頭試問に向け、準備・再スタ-トがきれるよう今回は、口頭試験までに準備しておくべき事項について、ご紹介したいと思います。
1. クールダウンと家族サービス
まず、頭の中をクールダウンしましょう。試験本番にむけ相当、かけ足で猛進された方々がほとんどと思います。この時点で一度、クールダウンしましょう。 技術士を目指した理由は?、合格した後のビジョンは?、自分はどのようなことを目指してきたのか?一度回想して下さい。その上で自分を支えてくれた家族、友人、先輩技術士に感謝の気持ちを抱いて下さい。試験のでき映えを冷静に把握、次のスタ-トに準備すべき点を見据えましょう。 無論、家族サービスは最大限行って下さい。家族の支えがなければ、苦しい学習や試験への挑戦はなかったはずです。感謝の気持ちを自分のできる範囲での家族サービスと自身の言葉で伝えて下さい。
2. 口頭試験に向けた学習計画の立案
一方、口頭試験に対する準備も早めに始動し、着実に進める必要があります。時間があるようで口頭試験まで、現実は準備すべき事柄は山ほどあります。口頭試験を体験された方は、「言わずもがな」と思います。クールダウンの後は口頭試験に向け、学習計画立案へと、気持ちを切り替えましょう。
3.口頭試問Q&Aの作成
口頭試験対策として、まず、口頭試問のQ&A作成の準備をしましょう。情報はネットを含め数多く出されていますが、自分に必要な情報を収集しましょう。 なかでも一番な重要な点は願書です。願書に書いたことを、自分が試験官になった立場で、入手した情報と合わせてどんなことを聞きたいか、書き出してみましょう。書き出した質問:Qに対し、回答:Aを改めて考えてみて下さい。こちらはQ&A表として整理しましょう。内容、精査は後からでじっくり行う必要がありますので、とにかく思いつくまま書き出していきましょう。
4.Q&Aに必要な準備素材
前述したQ&Aは口頭試験の必須アイテムです。この完成度が口頭試験の合否を分けると言っても過言ではないと思います。私は経験上、準備すべき素材は以下が挙げられると思いますので、参考までにご紹介します。
① 願書の記述内容と周辺技術の情報
② 各分野の白書の内容と国内の先駆的事例
③ 専門雑誌の特集記事(最近の技術トレンド及び近年の自然災害状況、復興対策)
④ コンピテンシ-関連情報
⑤ 技術士法と倫理
⑥ 専門分野の国際視点に基づく経済社会、地球環境、国際動向に対するあなたの意見
5.自己を振り返る
ク-ルダウン中には自身の力量について改めて振り返ってみて下さい。自分は専門分野について知見は持ち合わせているのか?技術士として、胸を張って宣言できるのか?今後、技術士に合格できたら、どうあるべきなのか? 是非、この期間に自問自答する貴重な機会として捉え、異なった側面、視点から自身のあるべき姿を再考し、口頭試験準備に向け徐々に再スタ-トしましょう。 次回は口頭試問に必須のコンピテンシ-についてお知らせする予定です。(以上)
2025年08月02日 作成 / 執筆:アニ-講師

「コンピテンシ-」
改訂版「コンピテンシー」という言葉を最近、良く耳にするようになりました。(令和5年1月、「技術士に求められる資質(コンピテンシー)」(以下、「改訂版コンピテンシー」という。)技術士試験では、今後もこれへの対策が必要であると考えます。今回はこの改訂版「コンピテンシ-」について、口頭試問準備の助走期間として、徐々に認識を深めていく必要性から、以下にその改定ポイントを概説したいと思います。
1.コンピテンシ-とは
コンピテンシーとは、組織環境や職務上の要請に対し、備えるべき個々の資質・能力及びそれに対する実践行動のことであると、私は認識しています。 すなわち技術士にとって最低限備えるべき資質・能力のことであり、業務の遂行の上では絶えず必要な知見を深め、技術を修得し、資質向上ができるように十分な継続研鑽(CPD)を行うことを示唆しているものと思います。
2.改訂版コンピテンシ-に対する理解
改訂版コンピテンシ-に基づき技術士として要求される資質・能力について、簡単でわかり易い表現でタイトル化し、R5年度の主な改定点は次の内容であると考えます。 (1)専門知識と技術:「専門技術を有し、それを業務上で応用・展開できる。」
・具体的な専門分野に関する深い知識と技術
・最新技術や研究に対する理解力を有し、それに対する適応力
(2) 問題解決能力:「問題解決プロセス思考に基づき、必要ツールを活用できる。」
・複雑な技術的課題の原因把握、分析、検討、解決策を導く能力
・問題解決に必要な手法やツールを効果的に活用するスキル
【改定点】
・複合的な問題に対して、必要に応じてデータ
・情報技術を活用
・多角的な視点、ステークホルダーの意見を考慮すること
(3)コミュニケーション能力:「関係者にわかり易く、円滑である。」
・技術的な内容をわかりやすい説明能力(文書作成、プレゼン等)
・他の技術者や関係者と連携し、意見交換が円滑にできるスキル 【改定点】
・クライアント等多様な関係者間で、明確、包摂的な意思疎通を図る、協働すること
・ステークホルダー等とのコミュニケーションにより、相互リスク認識を共有すること
(4) 倫理観と社会的責任:「技術者倫理による行動である。」
・技術者としての倫理規定に基づき、社会的責任を果たす姿勢
・環境問題、安全性、法的規制を遵守する姿勢と実践行動の継続
【改定点】
・経済、社会、環境的影響を認識し、持続可能なアウトカムが得られる業務活動
・文化価値を尊重し、SDGsに基づく多様性・包摂性の尊重
(5) プロジェクトマネジメント能力:「PDCAマネジメントによるリーダ-行動」
・プロジェクトの計画、実行、管理、監視など、適切なマネジメントスキル
・チームのリーダーシップを発揮し、目標達成に導く能力
(6)持続的学習:「自己研鑽により、技術を実務へ反映する。」
・技術の進化に対応できるように、継続的に学び、自己改善を行う姿勢 ・最新技術や理論を習得し、実務に反映させる能力
【改定点】
・絶えず変化し続ける仕事の性質に適応する能力を高めること
3.予想される設問内容
主に、技術士第二次試験の口頭試問での確認事項となると思います。技術士としての実務能力の確認では、業務詳細について利害関係調整やリスク評価への質問が必須であり、コンピテンシ-に関し、次のような設問が予想されます。
1) 業務詳細において、関係者とどのような方法で利害調整を行いましたか?(:コミュニケーションとリーダーシップ)
2)業務詳細で検討した複数選択肢に共通するリスクは何ですか?(:リスク評価)
3)業務詳細において、業務遂行上の留意点と資源配分で工夫した点はどこですか?(:マネジメント)
4)トレ-ドオフの関係を解消するために必要なことは?(相互調整による最適化)
5)技術士を取得後は、どのように成長していこうと考えているか?(:自己研鑽)
4.自身を第3者視点で見る。
口頭試問はそれなりに緊張感やプレ-シャ-があります。これが過度になると本来の実力を伝えられないことも想定されます。これに対応するには本番を想定した模擬的な練習を欠かせません。先輩技術士や同僚にお願いし、あえてきつい模擬口頭試問をしてもらうことをおすすめします。
また、自分の話し方の癖や表情については、以外に本人は自覚していないものです。模擬試験の状況を録画して後に再生し、自己評価につなげたり、鏡の前で自問自答する訓練を行い、自分自身を第3者視点で見ることがその気づきにつながると思います。 次回は、コンピテンシ-の認識に基づく口頭試問への準備についてお知らせしたいと思います。(以上)
2025年08月23日 作成 / 執筆:アニ-講師

「願書の不備は補強」
今後、皆さんは口頭試問に向け、具体的に準備を進めて行かなければなりません。私はこれまでの経験として私自身の技術士合格後、社内外の受験者、約80数名の模擬口頭試験を行う支援をしてきました。この間、いろんなタイプの受験者の対応状況を観察、評価、支援してきました。今後、口頭試験に臨むに際し、その対応方法として重要な事項について、残念ながら目標を達成できなかった受験者、達成できた受験者の例を数回に分け、その模擬面接の状況と準備事項について、紹介していきたいと思います。
1.経歴書、業務内容の第一印象
この受験者は50歳代で、鉄道分野で筆記試験を通過しました。知人からの依頼を受け、模擬口頭試問を実施する前に経歴書及び技術士としてふさわしい業務の内容を確認しました。第一印象は「これまでの業務経歴と業務内容を、淡々と記述した印象」でした。模擬口頭試問は私と私の友人と二人で行う予定であり、お互いの共通認識は「課題解決のプロセス、そのための分析、検討、評価、判断」の記述が不足している。すなわち、技術士にふさわしい業務の苦心した点が記述内容から、残念ながら読みとることができませんでした。
2.記載内容が通常業務
受験者の業務内容を簡単に示すと、「鉄道新設路線開業に向けた工程管理及び品質管理」の内容だったと思います。試験官役の私は、この分野については全く、素人ですが「通常業務の内容として、当然実施すべき事項」をそのまま記述された印象が気になりました。友人も同感でありその部分を模擬口頭試験で掘り下げる設問を想定しました。
3.検討プロセスに対する質問
一般に経験業務について工期や工事条件の制約がある場合、それを改善するための様々な調整、工程の工夫が必要となり、その最善策となる解決策を導きだすことが必要です。そのプロセスについて確認する設問の質問表を用意し、以下について質問しました。
・事前調査で確認が必要だった事項は?、
・記述業務において通常の調査と異なる内容とそれを行うことで、期待された効果は?
・課題に対する検討プロセスと、何故それを選択したかを説明して下さい。
・解決策に対しその判断に至った重要なポイントはどこですか?
・解決策としてとして想定した複数案の内容と特徴は?
・本業務で特に工夫あるいは改善を試みた点とその成果は?
4.技術士にふさわしい業務に対するイメ-ジの相違
本人も口頭試問は初めての体験であったようで、通常ではない緊張感が伝わってきました。上記の設問についてはある程度、予測はしていたものの、設問される視点の本人イメ-ジとの違いとその理解不足、準備不足が感じられました。準備不足について受験者は誰しもが痛感することであり、あとでリカバリ-は十分可能なのでこの時点ではさほど大きな問題とはなりません。 但し、技術士としてふさわしい業務の内容について、的確に説明する必要があるので、これについては十分時間をかけて準備しておく必要があります。
5.願書の不備
願書として提出したものは、その時点で内容として完璧に近いものであったか否かは個々に相違があり、必ずしも、十分な状況であるとは限りません。 提出したものは修正できませんので、不備、不足と思われる点については口頭試験に備え、これらを補強(悪い言い方をすれば、きちんとした言い訳)しておく必要があります。本人に確認しましたが、願書提出前の他者添削はしてもらっていないとのことでした。 この点について、本人へ「技術士としてふさわしい業務」に対する内容整理と記述不足点の補強及び、口頭試験としての回答方法について、アドバイスしました。本人もこの点は理解しその後、準備を経て口頭試験に挑みました。
しかし、結果は残念ながら不合格でした。口頭試験でのリカバリ-がかないませんでした。筆記試験は通過されたのですが、結果として「技術士としてふさわしい業務」を試験官に伝えることができなかったと思います。
6.願書で見えるスキ
口頭試問は試験官が興味あることを聞いてきます。質問してみたい点、記述内容にスキがありそうな部分は、それをされに広げるように設問してくるケースが想定されます。従って、このスキや不備な箇所については、予めこれを想定、その隙間を埋める準備が必要です。 これは場面や状況に応じてとなりますが、実際にそのプロセスを踏んではいたものの、内容として記述不足であったことに対する反省点を伝え、これを補うことが必要と思います。 受験者各位は、今からでも遅くありません。提出願書を先輩技術士から添削を受けて下さい。記載内容にスキがありそうな点をいろいろな視点から見つけだし、それの補強、穴埋めを用意周到に進めて下さい。 次回は、願書補強により無事、合格できた受援者の例を紹介する予定です。(以上)
2025年12月06日 作成 / 執筆:アニ-講師

「自分の言葉で!技術士倫理」
さて、いよいよ口頭試験の本番が始まる頃と思います。皆さん必死に準備されていることと思いますが、今回は口頭試験で不可避である「技術士倫理」と「技術見識」の対応について紹介したいと思います。 技術士の倫理綱領とは、技術士が業務を遂行するうえで守るべき倫理・職業的な指針をまとめたものです。技術士倫理綱領は、技術士が品位の向上と技術の研鑚に努めながら、多角的・国際的な視点に立ち、公正・誠実に行動し、社会全体の利益に貢献することを目的として作成されています。技術士を目指す諸氏は必ず、理解しておかなければならない必須要件でもあります。
1. 自分の言葉で説明
技術士倫理要綱は以下の事項を示しています。2023年度に一部改正されています。改正されたポイントは確認、整理しておくことが良いでしょう。但し、文章が長く、難解な文章は覚えることが、大変です。従って以下のようにわかり易く、自分の言葉として簡単に説明できるようにしておいて下さい。
1)安全・健康・福利の優先
公衆の安全、健康及び福利を最優先に考える。
2)持続可能な社会の実現
地球環境の保全等、将来の社会の持続可能性の確保に努める。
3)信用の保持
品位を保持、うそごまかし、不当報酬の授受等、信用を失うような行為はしない。
4)有能性の重視
自分の力量が及ぶ範囲の業務を行い、確信のない業務は行わない。
5)真実性の確保
真実に基づいた情報を提供し、偽りなく業務を行う。
6)公正かつ誠実な履行
公正な分析と判断に基づき、業務を誠実に遂行する。
7)秘密情報の保護
業務上知り得た秘密を、正当な理由がなく他に漏らしたり、転用したりしない。
8)法令等の遵守
業務の対象となる地域の法規を遵守し、文化的価値を尊重する。
9)相互の尊重
相互に信頼し、相手の立場を尊重して協力する。
10)継続研鑽と人材育成
常に専門技術並びに技術と社会が接する領域の知識を高め、人材育成に努める。
2. 倫理行動
日常の業務遂行や行動に際し、具体的には以下のようなことが求められていると考えます。
1) 公共の安全確保
例えば建設活動は工事による社会や周辺環境へのどのような影響を及ぼすか慎重かつ十分に配慮した検討が必要です。
2) 誠実行動
技術士は情報を正確に伝え、ごまかしたり、かくしたりせず、誠実に行動することが求められます。このため技術的データや結果については正確に報告することが含まれています。
3) 社会的責任
技術士は技術が社会へ与える影響を深く理解した上で、社会全体の常に利益を考えて行動する必要があります。このため地球環境問題や防災対策のような社会的な課題に対しては、積極的な関与による貢献が求められています。
4) 公正公平
技術士は自信の専門技術を利用し判断を下す場合は、公正かつ公平を保持することが必要です。自身の利益や偏った視点ではなく、社会全体としての利益を優先した判断が必要です。
5)専門知識の向上、維持
技術士は自分の専門分野における最新の知識を学び、技術力を向上する努力を継続しなければなりません。このことが社会や企業に有益な結果と安全な技術を提供できることになります。
3. トレンド技術により、見識をアピ-ル
一方、口頭試験では幅広い技術見識や専門分野におけるトレンドについて、試問される可能性があります。技術士は誠実な倫理行動とともに継続的なエンゲ-ジメントが必要です。日々進歩発展する技術や研究成果にアンテナを張り、普段の業務に活かしていくことが求められます。近年は情報関連や人工機能等先進技術が急進しており、社会的ニーズとしても以下のトレンド技術に目を向け、広範な知識を習得の継続を目指す必要があります。このため専門分野の白書、専門雑誌、業界紙等の特集記事、トピックスを意識して、口頭試験に向け、キーワ-ドとして押さえておいて下さい。
・BIM,CIM
・AI技術
・3Dプリンティング
・建設工事等のロボテクス化
・スマ-トシティ-とIT技術
・サスティナブル建設技術
・ドロ-ン技術
・高耐久性、高機能素材開発
・省エネルギ-追及型建築環境
・拡張現実と仮想現実によるわかり易い可視化
次回は口頭試験後の再現の必要性について、ご紹介したいと思います。(以上)
2026年01月10日 作成 / 執筆:アニ-講師

「夢」実現の技術士論文記述テク!
皆さん新年も明け、技術士受験に向け、始動する時期がやってきました。その準備と合格に至るには、時間確保と情熱の維持・継続が不可欠です。今回は、私の経験から「夢:技術士合格」を実現する「論文記述テク」について、ご紹介したいと思います。
1.技術士になる夢
私は、技術士に合格することで自分の仕事の活動舞台を変化させたい強い願望がありました。「自身の将来を変えたい」、技術士資格の取得をそのきっかけしたいと考えていました。 しかし、道のりは思ったより険しく、「不合格」通知のはがきが、幾度も届きました。そのたびに抱いた情熱が、どんどん冷めていくことも痛感しました。
私の娘が小学生の高学年だったでしょうか?たまたま習字の授業で「夢」という字を毛筆で書いてくれました。自分の机の前の壁に貼って、時々、眺めることにしました。 試験準備答案文を書きながら、娘が書いた「夢」の文字を見返し、時々以下を自問自答を繰り返していたと思います。
・技術士になれたら、どうする?
・自分の将来をどうしたいと思っている?
・今のままの人生の継続で、この先、満足できるか?
・自分のことを家族や後輩に対し、誇れるか?
・「夢」は自分の手で、実現するものではないのか?
今、思い起こしてみると、娘が書いてくれた「夢」の一文字は、「技術士への道」に対する情熱を維持するエネルギ-であったかもしれません。
2.情熱の種は、短時間継続
情熱は「やる気」と「習慣」が、後追しになると考えます。毎日15分程度机に向かうことを継続できれば、結果として大きな成果となります。 例えば、1日15分×7日×4週=420分(=7時間)毎日15分継続すれば、1ケ月7時間(ほぼ丸1日の労働時間に匹敵)の学習時間となります。
15分程度の隙間時間の継続は、想像以上の総時間を確保できます。これに費やした学習時間は、全て自分の体力となります。 是非、学習のための短時間確保を習慣として身に付けることを継続下さい。
3.実績記録(見える化)
自身で計画したことの達成感は、情熱をさらに掻き立てる燃料になります。その成果は以下ように「見える化」することで実績を記録、自身の励みにしましょう。
・勉強ログ(アプリ・カレンダー)に記録
・カテゴリ-別、想定準備解答文の作成済数の増加
・準備解答文の自己及び第3者による添削チェック記録
・添削による改善点の記録の累積と成長履歴の作成
4.人的ネットワ-クによる刺激
同じ目標を持つ受験者とネットワ-ク形成は、技術士試験の準備として極めて重要です。受験者同士のグル-プ交流、勉強会、講座への積極的参加、オンラインコミュニティの活用等、外部の刺激機能により、自らに刺激を与える機会を積極的に利用して下さい。
5.あえて100点は、目指さない。
完璧を求めすぎると情熱が摩耗、息切れを起こす可能性があります。技術士試験は元々100点満点を獲得することは、求めていません。以下の方法により、今より明日の得点増加を目指しましょう
・まずは“60点の論文”を目指す。
・添削、ブラッシュアップを繰り返し、80点に近づける。
・ある程度「書ける」、あるいは「書き続ける」、解答欄を確実に埋めるテクを習得する。
・トライ⇒チェック⇒インプル-ブ⇒リトライ⇒スパイラルアップサイクルを実践する。
6. 合格記述テク!
私の経験から以下の技(テク)を身に付けることができれば、誰でも、必ず合格できると確信しています。受験者諸氏のヒントになれば幸いです。きっと自分に合った方法があるはずですので、試行・繰り返しと鍛錬により、自分に合ったテクを体得して下さい。
・毎日記述:解答論文を毎日、書く習慣を継続する。
・一文一意:短いコンパクトな文章で、わかり易く表現する。
・簡潔・明瞭:複雑なことはあえて簡潔に分けて、言いたいことを明瞭にする。
・添削によるスリム化:自ら記述した文章を添削により、可能な限りスリム化する。
・論理的文法の徹底(SVO文):結論、先行文とする。
英語文法のように主語(S)+述語(V)+目的語(O)で、結論を先行する。日本語文法(S+O+V)のような膠着文(内容が追加していく文章)は最後まで読まないと結論が分からないため、読み手が瞬時に論理的に理解しやすい表現することを認識下さい。
・箇条書きは有効表現:例えば、○○は(主語S)、△△である。(述語V)、理由(O)は、以下の箇条書き文に落とし込む表現手法は、読み手の理解の負担が少なく、有効な表現手法です。
・把握の迅速化:多面的要素(制約、事象、適合性、コスト、維持管理性、公共性等)のある事柄の説明は箇条書きとし、あえて分けてわかり易く表現しましょう。視覚認識の面でも、より読み手の早期把握と理解を迅速化を促す効果があります。
・謙虚と受容:自身の文章ほど、独りよがりなものはないと私は考えます。他の人からの指摘を謙虚に受け止めることも、技術者としての備えるべき素養と考えます。
・準備答案:準備答案を数多く作成し、自己添削を繰り返す自己鍛錬を徹底しましょう。
・引き出し:専門及び関連分野に多数の引き出しをつくり、論述対応力を増強しましょう。キーワ-ド整理や三分割法等を利用し、総合的な記述能力を身に付けましょう。 今回ご紹介した「合格記述テク」を是非、実践下さい。
次回は、合格後の技術士の年収事情アップについて紹介したいと思います。(以上)
2026年01月24日 作成 / 執筆:アニ-講師

「技術士合格はアウトプットの量で決定する!」
一月もまもなく下旬を迎え、皆さん「技術士試験」への準備が始まりましたでしょうか?今回は自身の専門分野の再認識の必要性と、準備解答文のアウトプット量の重要性ついて、ご紹介したいと思います。 今後の技術士試験願書作成に向け、自分は何が得意か、何が専門なのか?をその準備として一度、振り返っておくことが重要です。 今回は自分の専門分野を深く掘り下げる必要性と技術試験の合格は解答文のアウトプットの量で決定することについて、ご紹介したいと思います。
1.専門分野の「全体構造」を整理
まず、自分の専門を俯瞰できるよう業務履歴を振り返り、これまでの自身の専門分野を体系化し、全体構造を整理しましょう。専門分野マップを書くなど、技術部門、分野を体系図にし、自身の専門性を、再認識しましょう。
2.何故を考えてアウトプット
技術士試験は、事柄の何故に対する理由に対する明確な論理的説明が求められます。何が課題で、何故その技術を採用したか、何故その方法が最適なのか、他の方法との比較・分析・評価はどうだったかなど、何故を考えることが必須です。このため、何故に対する説明をアウトプットする文章を恒常的に思考、記述することが求められます。
3.実務経験と結びつける
これまで自分が担当した業務内容を時系列に以下の項目に整理、実務経験と結び付け て下さい。成功だけでなく、失敗事例も整理して下さい。
・経験した業務分野、内容
・検討・採用した技術や技術的理論
・発生課題と解決策
・成果・反省・改善点 ・自分の判断箇所
4.不得意分野の認識と整理
自分の専門、得意分野を整理することはその一方で、不得意分野を明確に再認識することができます。このことは特に、専門選択課題の準備に役立ちます。専門分野における補強すべき課題をクロ-ズアップするためにも、不得意分野についても整理しておきましょう。
5.自己スタイル型の論述構成力
技術士試験の解答文では論述に対する構成力が評価されます。準備解答文で以下の構成を考えてみて下さい。過去問を分野別に分類、どの問題でも同じフレ-ムで構成、自己のフレ-ムのスタイルを構築下さい。
・基本構成(例) ・背景
・課題 ・技術的課題の整理 ・解決方策(複数案+比較)
・実施上の留意点
・効果及び波及、展望
6.最新動向や社会課題と結びつける
技術士は「社会に貢献する技術者」であることが求められています。このため建設部門であれば自然災害の減災、地球環境の保全、脱炭素、人手不足、安全性追求など、自身の専門分野での社会課題を解決することを、念頭に考える必要があります。 「自分の専門で社会に対し、何ができるか」を最新の技術動向を見据え、社会課題と結び付けて考えることが重要です。
7.技術者倫理とマネジメント
技術士試験では技術者倫理(安全、説明責任、コンプライアンス)や品質、コスト、工程、リスク管理、ステークホルダーへの配慮が不可欠です。技術だけでは完結しない「人、組織、社会、公正」への視点を常に意識し、倫理とマネジメントを統合した思考が重要です。
8.アウトプットの量が合格を決定
(1)アウトプットの重要性
インプット(専門知識の読む、覚える)だけでは実際に記述:「書ける」ようになりません。実際に書く、アウトプットする論文記述能力の訓練が必要です。このため大量なアウトプットこそが、合格を決定付けることになります。
(2)技術士試験は表現力
技術士試験は「知識量」ではなく、試験官が見ているのは、課題を正しく理解し、理論的かつ制限字数で「わかり易く説明する」表現力です。これは記述によるアウトプットでしか表現できないスキルであり、これを意識しなければ洗練された文章にはなりません。
(3)アウトプットの効果
アウトプットの量の多さは、論文構成力(「背景 → 課題 → 対策 → 効果 → 留意点」が向上することは明確です。一方で、無駄な表現や足りない視点の新たな気づきとなります。 また、専門用語の正確な説明、課題と対策のズレ、具体性の不足など改善点がより明確となります。アウトプットの量産は、合格をより確実なものとします。 毎日、準備解答文の記述、書いたら音読して「スラスラ」読めるかを確認して下さい。 アウトプットしたものは同僚、友人、奥さんにチェックしてもらうことも有効と思いますし、貴重な反省材料を提示してくれます。 特に留意が必要な点は、論理破綻がないかを自己チェックすることです。自己添削の徹底、アウトプットの繰り返し、より洗練された記述をめざしましょう。アウトプットの訓練とその量は、自身の能力を高めることに疑いなく、試験合格に直結するものと考えます。 次回は、「過去問題の整理は技術士試験を制覇する。」についてご紹介したいと思います。 (以上)
2026年01月31日 作成 / 執筆:アニ-講師

「過去問題整理は、技術士試験を制覇する。」
技術士試験の過去問題整理は、自分は何が記述でき、できにくいのかをある程度明確にする線引きとなり、極めて重要な準備作業と思います。とても手が出ない分野や、特に不得意部分は思い切って、捨て去る勇気も場合により必要です。その境界線を見出す作業としても有効な作業と思います。
今回は過去問題整理の具体的方法と、それが試験合格制覇への近道になることについてご紹介したいと思います。
1. 過去問を一覧表で示す。
受験予定の技術士試験の過去問題を、以下の項目に沿って、過去10年分程度を次の軸で、年度別に、課題(一般、専門等)一覧表を作成しましょう。Excelやノート等に自分にあった方法で、今後の準備作業も想定し、「並び替え」「色分け」ができるもので追加や削除できる方法により、以下のように年度、分野、設問課題を表に整理しましょう。 ・年度
・分野(例:建設-施工計画なら「施工管理」「施工計画」「○○対策工」「市街地工事」「沿道環境対策」「施工機械」など)
・設問課題(検討すべき事項、施工計画上の留意点、配慮が必要な事項、リスク対策等)
2. テーマ別に再分類化
出題傾向がよりわかり易くするために、例えば、建設部門では次のようにテーマ別に並べ替えます。過去に同様な設問がどのぐらいの頻度で出題されているかを一覧表で確認できるようにしましょう。例えば建設部門-施工計画では、以下の分類化はどうでしょう。
・対象(:道路、河川、市街地工事、トンネル、ダム、コンクリ-ト、環境、地質地盤等)
・品質管理、工程管理、原価管理、安全管理、沿道対策、施工技術、施工管理 ・関連法規や遵守及び制約事項
・環境保全・SDGs
・技術者倫理、社会及び公共福祉
3.傾向分析の方法
出題テーマごとに、その出題頻度を分析する。
① ほぼ毎年
② 2~3年に1回程度
③ 5年に1回程度
④ たまに出題等
ランク付けを行い、色分け整理します。ここで、準備が必須な重点問題、次に重要と考えられる課題、最低限キーワ-ドの整理が必要な問題等、ランク付け、準備すべき優先順位を決定、全体的な傾向把握とともに、整理しましょう。 この段階で「どのテーマが今後も出題されそうか」のある程度の予測に役立ちます。整理一覧表は、例えば以下のように色分け、視覚的に得意分野と弱点分野を区分けします。
・赤:毎年出る重要テーマ
・青:理解が不足、努力が必要分野
・緑:得意分野
・黄:全く不得意な分野(思い切って捨る勇気が必要な分野)
4.準備方策
1)テンプレ-ト作成:必須科目
一般課題は社会的情勢を踏まえ、現状の技術的課題や、最重要課題として抽出される理由を根拠立て、整理しておくことが肝要であり、以下のように論述展開しましょう。
・背景 → 課題 → 対策 → 効果→残る課題や新たなリスク→展望 このためには「自分用の解答テンプレ‐ト」を予め作成、準備しておくことが自身の頭の中の整理に役立つと思います。 よく出題されるテーマはテンプレ-トにより固定化することで、試験本番で迷うことなく記述できると思います。 論述方法では、自分のこれまでの実績や経験に結びつけ、最新の社会的情勢を踏まえることも考慮下さい。
例えば災害、DX、脱酸素、ロボテクス等、「知識」、「説明力」、「自身の経験に基づく経験則」なのかを整理できれば、より説得力あるものになると考えます。
2)一問一枚カード作成:専門及び選択課題
専門課題については、代表的技術の概要と特徴、検討すべき事項、採用上の留意点、施策後のフィ-ドバックの必要性など、より専門的かつ具体的な記述が求められます。 特に専門課題については、分野別にフレ-ム化し、必要なキーワ-ドを盛り込み、体系化整理により、一問一枚のカードを作成するイメ-ジで準備下さい。 何枚ものカードを作成し、頭のなかでそれがクリップで結束された状況にしておくと、本番記述での応用力を発揮する技(テク)と、それを引き出す応用力となります。 選択科目についても必須科目と同様に、課題抽出→解決策→新なリスクと対策について論理的構成に基づき整理しておくことを推奨します。
5.「書くこと」「修正すること」のくり返し&添削指導
記述試験の合格には「書くこと」「修正すること」のくり返しが、最もそのスキル能力の習得に重要かつ不可欠と思います。今日書いた解答文を明日、自己添削してみて下さい。完璧と書き終えたつもりでも翌日見た時、修正や削り落としが必要な箇所が必ず見つかります。また、より見識をアピ-ルできる別の表現の仕方の可能性があります。是非、自己添削を試みて、洗練性を追求して下さい。
最も重要な点は、第三者視点による添削を受けることです。自分の記述不完全さに必ず気付きます。是非、先輩技術士に添削を受けることが、合格への最短距離と確信しています。次回は、願書に記載する経験業務の棚卸しの重要性についてご紹介したいと思います。(以上)
2026年02月07日 作成 / 執筆:アニ-講師

「技術士にふさわしい業務の棚卸し」
さあ、2月になりました。今月の試験準備に対する目標スケジュ-ルは、自身の技術士にふさわしいと思う業務を掘り起こし、
業務経歴書作成の準備に取り掛かかることです。 重要なことは自分が描く「技術士観」すなわち、「技術士とは」どうある
べきかについて、イメ-ジの確立が必要です。
今回は、これまで皆さんが経験した「代表的業務」を一度棚卸し、それを掘り下げ、願書業務経歴欄に記入する基礎情報とす
ることの重要性について、ご紹介したいと思います。
1.「棚卸の目的」の明確化
経験業務の棚卸しの目的は、「技術士としての能力を説明できるか?」を明確にすることにあると考えます。
具体的には自分の経歴について以下をまず、整理しましょう。
・専門分野や経験業務の履歴
・過去、日常の専門教育、履修CPD
・自分の強み、弱み分野の再整理
・過去の第二次試験受験の履歴(業務経歴票・体験記述)
2. 自分史の整理
技術士試験の業務経歴表の記述に際しては、実際業務において技術的に判断した事項、すなわち何故、自分はそう判断したか
を掘り下げ、以下の自己履歴を再整理しましょう。
・過去の業務において顕在、発生した課題、問題点
・クライアントからの要求性能、制約条件
・リスク、コスト、安全性に関する課題
・解決に対する複数案の比較検討と技術的評価
・対応策実施の成果とクライアントからの評価
3. 問題解決における思考プロセス整理
業務の棚卸しでは案件ごとに、以下の各プロセスの思考経過を整理しましょう。
1) 背景・課題
技術的課題、制約条件(条件、コスト、工期、法的遵守事項など)の有無と内容
2) 自分の役割
業務責任者か、担当分野責任者かなど責任範囲の明確化
3) 検討内容・工夫点
検討時における解決策及びその代替案の比較、分析・評価、採用における技術的根拠
4) 成果・効果
課題対策実施による品質向上、コスト削減の程度、トラブル防止等の成果
4. コンピテンシ-の抽出
業務の棚卸しでは、技術士として必須能力である「コンピテンシ-」と結び付けて、この業務で、どんな能力を発揮できたかに着目、
文章化することが必要です。それぞれのコンピテンシ-事項について、論理的かつ、スト-リー性を考慮し、以下の観点に基づく
アピ-ル記述が不可欠です。
制限ある業務内容欄に下記のようなキーワ-ドで、「技術士にふさわしい業務」であったことを例えば、以下のような強調方法はいかがでしょう。
・専門技術力を発揮した○○検討業務
・課題に対する作業プロセスを○○分析に基づき、解決方法を提案
・マネジメント(工程・品質・安全・コスト)により、パフォ-マンスを最適化
・専門技術の複合プロジェクトにおいて、リーダ-シップを発揮、目標成果を達成
・3D動画のコミュニケーションツールの活用よる合意形成(調整、説明、説得)
・技術者倫理、法令遵守に基づき、複数解決方策の検討と最善案の抽出
5.結果のフィ-ドバックと新たなリスク
実施対策は必ずしも100%成果が挙げられたとは限らないと考えます。例えば、以下のように新たなリスク事象の発生が想定されます。これに
対する改善の必要性や、残された課題、展望について言及することも重要な視点であり、以下に関する結果のフィ-ドバックの視点を忘れては
なりません。
・想定外の問題、追加、対応措置の発生
・結果として見出された改善点と今後課題への対応
・組織として情報共有、標準化、経験知、情報知への波及と展開
6.専門分野の再認識
業務経歴は専門技術や対応内容がバラバラに見えないよう、共通する技術テーマ、日常の従事技術、得意分野、独自性を改めて振り返りましょ
う。「自分は〇〇分野の技術士である。」と明確に言えるように、専門分野についても再位置づけを行って下さい。
7.多様な業務を選定
願書作成を意識し自分が主体的な役割を果たした業務を選別、技術的に説明しやすい業務を及び2~3件業務について選択します。「質が高く、
技術的に深く詳しく説明できる。」と思う業務を時系列に従い、整理しましょう。この際、取り組んだ業務については、それぞれ技術的特徴が
あり、課題解決手法が異なる内容を選択し、多様な業務経験を示すことが有効です。
8.「技術士目線」による記述文
記述文については、専門家でなくとも誰が読んでも分かる表現、根拠、数値基準をわかり易く明示することが求められます。但し、話し言葉では
なく「文語体記述文」での表現が必要です。また、「技術士目線」であることを常に意識した文章として下さい。但し、難解な文章ではなく、「平
易な表現で複雑なことをわかり易く伝えること」を意識して下さい。
9.棚卸の効果
棚卸しは、今後改善すべき点や、手順が非効率的な部分を改めて発見できます。また、今後の業務をより効率的にする改善策を立てやすくなり、
技術士試験の準備は、日常業務への相乗効果として発揮されると考えます。次回は、この業務の棚卸しの結果により、コンピテンシ-を戦略的に
願書に示す記述方法についてご紹介いたします。(以上)
2026年02月14日 作成 / 執筆:アニ-講師

「業務経歴はコンピテンシ-を示す」
実務経験証明書には各自の業務経歴と経験業務の内容について詳述する必要があります。
今回は受験申込書作成にあたり、どのように構想してコンピテンシ-を戦略的に示すか、
その記述はどのようにするかについて、ご紹介したいと思います。
1. コンピテンシ-の記述は必須
業務の何が「技術士としてふさわしいか」をどう掘り下げるかは、技術士試験において
最も重要なポイントであることは前回、ご紹介しました。 業務経歴と体験記述詳細は、
「技術士の資質・能力(コンピテンシー)」を意識し、戦略的に結びつけることが重要です。
2.技術士としての能力を示す経歴
技術士は、ご承知のとおり以下のコンピテンシ-に対する資質と、これらを総合する力
を必要とされています。業務経歴には業務毎にどんな能力を発揮できたかを時系列整理
した上で、以下を確実に言及して下さい。
・課題形成能力(何が、本質的問題かを抽出できていたか。)
・専門技術力(専門技術や知識をどのように活用したか。)
・マネジメント力(工程・品質・コスト・安全・調整を発揮できたか。)
・リスク対応力(不確実性へどのように配慮したか。) ・倫理・社会的責任(安全・環境・
説明責任を果たしたか。)
・コミュニケーション力(関係者と調整し、合意形成を図ったか。)
3.自らの判断した証拠
体験記述詳述では、「技術士として求められる判断・行動をした証拠」を記述することが
重要です。試験官は記述内容から、この人は「技術士として登録してよい人物か?」という
視点で採点しています。受験者自らが判断し、行動した証拠を示す必要があります。
4.業務の選択の戦略化
「技術士としてふさわしい業務」を選択する場合、詳述するメイン業務は、何が最も良いか
を熟考下さい。第三者から見てその評価に値するか、総合的に判断、決定して下さい。
具体的には高度な技術内容やレベルの業務に限った訳ではありません。課題解決に向け、独自
アイディアや新たな思考により、解決方策を見つけ出したことを表現して下さい。 この場合、
技術的に解決は容易ではなく、苦労が伺える業務の方が、試験官は読んでみたいと思う興味が
湧きます。これを意識し記述下さい。
また、「技術士にふさわしい業務」は、2番手、3番手業務は予め用意、これを織り込んでおい
て下さい。この点は口頭試験で試問される可能性が高いので、確実に準備しましょう。
5.「技術士にふさわしい理由を示す」
「技術士にふさわしい理由」を示す方法例として、以下を参考にして下さい。
① 行動を書くだけでは、説得力が弱い。:× 例):○○の設計を担当した。
② 自身の判断を記述するだけでは、不十分。:△ 例)制約条件等が厳しいため、○○方式を採用した。
③ 技術士的視点を明確に、表現する。:◯ 例)複数想定案をコスト、施工性、安全性を総合
的に評価し、ライフサイクルコスト低減を重視、○○方式が最も有利と判断、これを採用した。
④ 社会性や責任まで展開する。:◎ 例)利用者の安全確保と将来的な維持管理負担を考慮し、
技術者倫理の観点からその妥当性を評価・判断し、これを発注者へ提案、採用された。
③、④までを記述することができれば、「技術士らしさ」を強調することができます。
是非、参考にして下さい。 (凡例:不適⇒×、不十分⇒△、良好 ⇒◎)
6.苦心を伝える
私の添削指導の経験から、「掘り下げ不足」と思うことが多くありました。例文として「関係者
と調整し、問題を解決した。」のような記述だけ不十分と思います。何故なら、判断や行動に対し、
その苦心の様子が伝わらないからです。 顕在課題をクロ-ズアップ、その解決に苦心したことを言
及するには、試行錯誤した状況を示すことが重要です。例えば以下のような記述はいかがでしょうか。
例文)関係者及び発注者、施工者との利害が対立していた。その解決策を見出すため技術的根拠や
情報(○○基準、過去事例)を整理、根拠付け、想定される解決方策案を提示した。これにより対応
方針の合意形成を図り、要求性能品質の確保、工期制約を遵守、両立できた。
7「技術士としてふさわしい業務」を一文タイトル化
「技術士としてふさわしい理由」は「技術士でなければできない判断・行動」を示すことが肝要です。
例えば以下のように「一文タイトル化」、試験官への関心度を刺激下さい
・「厳寒期における寒中コンクリ-ト打設養生に対する施工計画」
・「軟弱泥炭地盤下における廃材利用によるコスト低減を実現した圧密沈下対策」
・「放流先がない箇所における汚水処理水対策の検討と実現」
・「厳寒気象を利用した土砂凍結掘削方法による河川濁水抑止対策の提案」
・「ゴムチップ舗装による凍結路面スリップ事故安全対策」
8.最終チェックリスト
願書は記述後、必ず自身で以下をチェックして下さい ・技術的判断の「理由」が、確実に記載されているか。
・自分の立場・役割、責任が明確か。
・マネジメントと倫理の視点があるか。
・業務成果が公益性や社会貢献に寄与しているか。
提出前に先輩技術士や身近な人に添削を受けて下さい。必ずや良いアドバイスがいただけるはずです。
十分、時間をかけて準備して下さい。
次回は、業務プロセスで示す課題解決の記述方法についてご紹介したいと思います。(以上)
2026年02月28日 作成 / 執筆:アニ-講師

「技術士試験の波及効果と展望は」
最近の記述及び口頭試験内容の傾向として、課題解決によって得られた業務成果や、その後の波及効果が求められる場合があります。何故なら、技術者としての実力、影響力、再現性を有しているか否かを、試験官が判断する重要ポイントであるからです。 今回はこれの準備しておくべき、基本的な考え方及び記述方法とその例文について、以下にご紹介したいと思います。
1. 業務成果の表現方法
1)着目点
業務成果について試験官が着目している点は、以下と思います。
・課題に対して何を改善し、どんな目標を達成したか。
・どんな技術的工夫があり、その判断は成果となって現れているか。
・数値として定量的、客観性が明確になっているか。
2)表現キーポイント
表現のキ-ポイントとしては、以下を盛り込むことが重要と考えます。
・目標、改善数値・指標を入れる(%、期間、件数、コスト等)
・「~に貢献した」「~を実現した」「~に寄与できた」など、結果重視の表現とする。
・自身の責任、役割を明確にし、自らが判断、提案した事実を強調する。
3)記述例文
本業務では、老朽化した○○施設に対し、劣化要因を分析、LCC削減効果のある複数想定案を評価、最適な補修工法を選定、○○に工夫し、コスト縮減による施工計画を立案した。その結果、補修後の耐用年数を約20年の長寿命化、維持管理コストを従来比の約2割程度削減する成果を得た。
2. 波及効果の表現方法
1)着目点
波及効果について試験官が着目している点は以下と思います。
・成果が自身の業務範囲を超え、その後どのように活用されたか。
・組織、他事業、関連業界へのどのように展開されているか。
・技術士としての影響力や視野の広さを発揮できたか。
2)波及効果の内容と方向性
波及効果を示す際の内容及び方向性を示す記述では、以下を考慮すると良いと考えます。
・アウトプット:組織の技術マニュアルや基準、標準化、経験知の水平展開
・関連事業:参考事例としての情報知活用
・人的資源:人材育成、技術伝承、ナレッジマネジメント
・社会性、公共性:作業効率の改善、コスト縮減、安全性の向上、環境負荷の低減
・経営:高品質化、信頼度、組織提案力や顧客満足度の向上
3)記述例文
本業務で提案、実施した補修設計手法は、社内技術資料として整理、取り纏め、同種構造物の設計マニュアルとして活用・展開されている。結果として、類似案件における設計期間の短縮、発注者からの業務評価の向上が図られ、組織全体の技術力向上に寄与できた。
4)「業務成果+波及効果」の一体化記述例
本業務では、○○の課題に対し、現地調査結果を基に劣化進行モデルを構築し、最適な補修時期と補修工法を提案した。その結果、構造物の安全性、耐久性の改善を図り、機能持続による延命化を図り、従来手法に比較し約20%程度のライフサイクルコストを削減できた。 本業務成果を社内の標準的設計例として取りまとめ、他の維持管理業務へ適用、関連部署等へ水平展開を図った。新規の情報は定期的に更新作業を行い、現在も継続活用されている。同種構造物の点検、補修計画の効率化、高度化に対し、波及効果を発揮できたと考えている。
3. 将来展望に対する記述例
業務成果に対する将来展望の設問に対しては、以下の点を参考に記述下さい。
1)不適な記述例文
①抽象的:今後も社会に貢献していきたい。
⇒何を?どうやって?が具体的に示されていない。
②願望のみ:将来的には業界をけん引する役割を担いたい。
⇒意気込みだけでは技術士試験では評価されにくい。
③成果との連携:AIやDXを積極的に活用していきたい。
⇒業務成果とのつながりが分かりにくく、連携の方法を示す必要がある。
2)記述例文
本業務により、○○構造物の設計の合理化と品質向上が図られ、施工性及び維持管理性を向上、試算したLCCを約1割程度、低減できた。 今後はインフラの老朽化進展や技術者不足が緊喫課題であり、より効率的かつ信頼性の高い設計・維持管理手法が求められる。本成果を活用し、設計手法の標準化、高度化を図るとともに、関係技術者へ情報共有し活用を促進、安全性が高く、持続可能な社会基盤整備に貢献していきたい。
4.あなたの意見を求められた場合の記述例
「技術者としてのあなたの意見を述べよ。」が設問として予想されます。その場合は以下の記述方法はいかがでしょうか。
・「本成果を基礎資料として、今後は○○の高度化、標準化を促進し、△△の課題解決に向け、技術者として日常業務を通じて、公益の確保に貢献して行きたいと考えている。 ・社会的要請を踏まえ、本業務成果の情報共有による活用と一層の技術進展を図ることで、□□の実現に向け、社会貢献に寄与したいと考えている。
次回は、堅苦しさから解放される「技術士試験に大切な自分空間」について、ご紹介したいと思います。(以上)